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No.1355へ返信
記憶鮮明2 過去編 『 蒼 天 』
- たゆ -
2004/11/08(Mon) 21:12:22
[No.607]
└
Re: 記憶鮮明 2
- takaci -
2004/11/09(Tue) 22:39:44
[No.616]
└
Re: 記憶鮮明 2
- たゆ -
2004/11/10(Wed) 20:06:33
[No.618]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 前書き
- たゆ -
2005/05/03(Tue) 20:26:17
[No.1106]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 01
- たゆ -
2005/05/03(Tue) 20:28:01
[No.1107]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 02
- たゆ -
2005/05/03(Tue) 20:28:52
[No.1108]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 03
- たゆ -
2005/05/03(Tue) 20:29:46
[No.1109]
└
記憶鮮明 現在形の彼方
- たゆ -
2005/06/09(Thu) 23:28:04
[No.1137]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 04
- たゆ -
2006/09/05(Tue) 11:36:40
[No.1311]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 05
- たゆ -
2007/03/29(Thu) 19:42:07
[No.1347]
└
記憶鮮明3 現在編 あるエピソード/この世の果て
- たゆ -
2007/03/29(Thu) 19:47:20
[No.1348]
└
記憶鮮明3 現在編 あるエピソード/境界
- たゆ -
2007/03/29(Thu) 19:50:29
[No.1349]
└
記憶鮮明3 記憶不鮮明にて無題
- たゆ -
2007/03/29(Thu) 20:25:31
[No.1350]
└
記憶鮮明3 記憶不鮮明編 風の空道《カゼノソラミチ》
- たゆ -
2007/06/18(Mon) 04:33:16
[No.1353]
└
記憶鮮明3 記憶不鮮明編 風の空道《カゼノソラミチ》
- たゆ -
2007/07/10(Tue) 17:18:26
[No.1355]
└
Re: 記憶鮮明3 記憶不鮮明編 風の空道《カゼノソラミチ》
- たゆ -
2007/11/07(Wed) 16:00:30
[No.1394]
記憶鮮明3 記憶不鮮明編 風の空道《カゼノソラミチ》
(No.1353 への返信) - たゆ
深く深く彼が行く世界は暗碧の色
暗い世界に落ちた一滴の命
すべてがここにあり同時に存在する
失われたものなど実は何もないのだ
全てのものは形を変えながらあり続けている
記憶を失い深い眠りにあるとき彼は彼女と邂逅した
その時の約束をもう一度果たすため彼は自分から深い世界へと落ちる
出会える自信や確証はない
強い強い想いが信念が指し示す方向へと彼をいざなう
彼は往く
彼は想う
再びあの金碧の輝きを見るために
記憶不鮮明編
風の空道《カゼノソラミチ》
ふと、ちいさな女の子は来た道を振り返った。
瞳に映るは質素なたたずまい、数件並んだ集落を出てしまえばしばらく民家もないような町外れの道。
開けっぱなしの戸口には普段も施錠はされておらず、ひさしの奥に見える居間には朝のさわやかな日差しが射している。
平坦な道だが急ぐ心に足をもつれさせ父が行ってしまった道を一生懸命走る。
昨日の夜には父はいたのだ、しかし、起きてみればその姿はどこにもない。
わがままも言えず納得いかないまま朝ごはんを食べていたのだが、祖母が台所に出かけた合間に居ても立ってもいられず食べかけの朝食を置いて家を飛び出した。
早朝の幹線道路と言えど通勤時間を過ぎた後はしばらく人通りもない。
ただ、静かと言えど閑静な都会の住宅と違い鳥や虫たちの声が聞こえるのみである。
おかあさんはびょういんににゅういんしたの
あたしのごはんはこれからおばぁちゃんがつくるの
おとうさんはおうちからおしごといくから
すこしのあいだおばぁちゃんちでおとまりするの
でも
でも
まだおはようをおとうさんにいってない
おはようといってらっしゃいをいわなきゃ
女の子は確信している。
父は絶対この道を通った。
この道を行けば絶対父に逢える。
腕を前に後ろにブンブンふり小走りにかける。
振り返っては心配するだろう祖母の顔が浮かぶ、でも家も見えなくなり駅に少しでも早く近づくために女の子は振り向くのをやめた。
食事用の淡いオレンジのチェックのスモックには大きなひまわりのアップリケ、その姿を見ればまだ箸もうまく使えない年だとわかる。
ただ一言父に言うため一人女の子は駆けていく。
初出
http://ran.s71.xrea.com/test/read.cgi/mahoroba/1096036689/89-90
[No.1355]
2007/07/10(Tue) 17:18:26
G041184.ppp.dion.ne.jp
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> 深く深く彼が行く世界は暗碧の色 > 暗い世界に落ちた一滴の命 > > すべてがここにあり同時に存在する > 失われたものなど実は何もないのだ > 全てのものは形を変えながらあり続けている > > 記憶を失い深い眠りにあるとき彼は彼女と邂逅した > その時の約束をもう一度果たすため彼は自分から深い世界へと落ちる > 出会える自信や確証はない > 強い強い想いが信念が指し示す方向へと彼をいざなう > > 彼は往く > 彼は想う > 再びあの金碧の輝きを見るために > > > > > 記憶不鮮明編 > 風の空道《カゼノソラミチ》 > > > > > ふと、ちいさな女の子は来た道を振り返った。 > 瞳に映るは質素なたたずまい、数件並んだ集落を出てしまえばしばらく民家もないような町外れの道。 > 開けっぱなしの戸口には普段も施錠はされておらず、ひさしの奥に見える居間には朝のさわやかな日差しが射している。 > 平坦な道だが急ぐ心に足をもつれさせ父が行ってしまった道を一生懸命走る。 > > 昨日の夜には父はいたのだ、しかし、起きてみればその姿はどこにもない。 > わがままも言えず納得いかないまま朝ごはんを食べていたのだが、祖母が台所に出かけた合間に居ても立ってもいられず食べかけの朝食を置いて家を飛び出した。 > 早朝の幹線道路と言えど通勤時間を過ぎた後はしばらく人通りもない。 > ただ、静かと言えど閑静な都会の住宅と違い鳥や虫たちの声が聞こえるのみである。 > > > おかあさんはびょういんににゅういんしたの > あたしのごはんはこれからおばぁちゃんがつくるの > おとうさんはおうちからおしごといくから > すこしのあいだおばぁちゃんちでおとまりするの > でも > でも > まだおはようをおとうさんにいってない > おはようといってらっしゃいをいわなきゃ > > > 女の子は確信している。 > 父は絶対この道を通った。 > この道を行けば絶対父に逢える。 > 腕を前に後ろにブンブンふり小走りにかける。 > 振り返っては心配するだろう祖母の顔が浮かぶ、でも家も見えなくなり駅に少しでも早く近づくために女の子は振り向くのをやめた。 > 食事用の淡いオレンジのチェックのスモックには大きなひまわりのアップリケ、その姿を見ればまだ箸もうまく使えない年だとわかる。 > ただ一言父に言うため一人女の子は駆けていく。 > > > > > 初出 > http://ran.s71.xrea.com/test/read.cgi/mahoroba/1096036689/89-90
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