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No.1511へ返信

all [削除] - - 2008/09/18(Thu) 00:52:20 [No.1472]
[削除] - - 2008/09/29(Mon) 10:52:34 [No.1477]
【R-18】未完成―プロローグ― - つね - 2008/09/18(Thu) 00:56:40 [No.1473]
【R】未完成―第一章―1 - つね - 2008/09/18(Thu) 02:07:53 [No.1474]
【R】未完成―第一章―2 - つね - 2008/09/29(Mon) 11:12:10 [No.1478]
【R】未完成―第一章―3 - つね - 2009/05/06(Wed) 00:47:51 [No.1494]
【R】未完成―第一章―4 - つね - 2009/05/06(Wed) 02:19:31 [No.1495]
【R】未完成―夢の終着点 - つね - 2009/07/26(Sun) 00:31:54 [No.1510]
【R】未完成―最終話 - つね - 2009/07/26(Sun) 01:14:03 [No.1511]
[削除] - - 2009/07/26(Sun) 01:26:45 [No.1512]


【R】未完成―最終話 (No.1510 への返信) - つね

――この物語に、「二章」、「三章」は必要なかったのかもしれない。


―――「彼」が、これから歩んでいく未来がそれなのだから。


――――あなた方の想像に任せよう。「彼」の前にはきっと無限の未来が広がっているのだから。


―――――だから、やはり、この物語は、「未完成」なのかもしれない。







駅前に立っていた。

人の行き交う駅前に。

待ち合わせの人たちにまぎれながら。





待ち続ける。


ただ、待ち続ける。





しゃがみこんだ僕の身体…ふと、影が差す。






「君も待ち合わせ?」

顔を上げて語りかける。

その顔は太陽の影になってよく見えない。

だけど、毛先が無造作にばらついた天然の金髪は、これまでの苦労を想像させた。

やっと見えたその表情にも疲れが見える。



―――ああ、こんなにも。



前を向いて、歩いていこうという決心が揺らぐほどに。

変わり果てたその姿。





「映画、好きなの?」

少し、かすれた声

「ああ、これ?」

僕は手に持っていた映画雑誌を掲げてみせる。

「奇遇ね。あたしの好きだった人も映画が大好きだったのよ」

喋り方も、変わった。

「へえ、そうなんだ」

表情をうまく作れず、視線を逸らす。

「彼はどんなだった?」

「素敵だった」

「…そう」







―――過去を消すことなんてできなくて







―――でも忘れることもできなくて







―――でも、ここから始めるしか、今はできないから。







「待ち合わせをしないか?」

「誰の話?」

「君と僕が」

「…場所は?」












「五年後、カンヌで」










―――さあ、どんな未来を描こう








――物語は、まだ、未完成――










end


[No.1511] 2009/07/26(Sun) 01:14:03
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