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No.1637へ返信

all 「Some Kind of Wonderful  【reviced edition】」 - スタンリー - 2011/09/25(Sun) 22:46:50 [No.1609]
第1話 「届いてはいけない想い」 - スタンリー - 2011/09/25(Sun) 22:47:47 [No.1610]
第2話  「壊れた時計」 - スタンリー - 2011/09/25(Sun) 23:06:11 [No.1611]
第3話 「天使からの招待状」 - スタンリー - 2011/09/25(Sun) 23:46:10 [No.1612]
第4話「Reunion 前編」 - スタンリー - 2011/10/02(Sun) 16:05:31 [No.1613]
第5話「Reunion後編」 - スタンリー - 2011/10/02(Sun) 16:13:46 [No.1614]
第6話「天使の憂鬱」 - スタンリー - 2011/10/09(Sun) 20:51:42 [No.1615]
第7話「Do you see the light?」 - スタンリー - 2011/10/09(Sun) 21:17:14 [No.1616]
第8話「一人ぼっちじゃない。」 - スタンリー - 2011/10/10(Mon) 07:18:40 [No.1617]
第9話「Who’s that girl?」 - スタンリー - 2011/10/10(Mon) 07:40:56 [No.1618]
第10話「Another Angel」 - スタンリー - 2011/10/10(Mon) 19:04:51 [No.1619]
第11話「変わらないもの」 - スタンリー - 2011/10/10(Mon) 19:13:25 [No.1620]
第12話 「ギャンブル」 - スタンリー - 2011/10/30(Sun) 21:13:32 [No.1621]
第13話 「懺悔」 - スタンリー - 2011/11/03(Thu) 23:15:00 [No.1622]
第14話 「告白」 - スタンリー - 2011/11/05(Sat) 21:42:46 [No.1623]
第15話 「White Light」 - スタンリー - 2011/11/13(Sun) 20:37:11 [No.1624]
第16話「あの日の果実」 - スタンリー - 2011/12/03(Sat) 20:35:07 [No.1625]
第17話 「Forgiveness」 - スタンリー - 2011/12/03(Sat) 21:19:08 [No.1626]
第18話 「Silent  Jealousy」 - スタンリー - 2012/01/15(Sun) 20:53:36 [No.1627]
第19話「幸福な時間」 - スタンリー - 2012/01/29(Sun) 20:40:44 [No.1631]
第20話 「北からの風」 - スタンリー - 2012/02/19(Sun) 21:06:15 [No.1633]
第21話 「親友」 - スタンリー - 2012/02/26(Sun) 00:10:17 [No.1634]
第22話 「遅すぎたヒロイン」 - スタンリー - 2012/03/18(Sun) 23:06:28 [No.1635]
第23話 「西高東低?」 - スタンリー - 2012/03/21(Wed) 21:12:24 [No.1636]
第24話 「愛しき人」 - スタンリー - 2012/04/14(Sat) 20:33:04 [No.1637]
第25話 「悲しい決断」」 - スタンリー - 2012/05/19(Sat) 23:10:33 [No.1639]
第26話 「優しい嘘」 - スタンリー - 2012/05/20(Sun) 20:48:06 [No.1640]
第27話 「嵐のあとに・・・」 - スタンリー - 2013/01/06(Sun) 21:14:47 [No.1642]
第28話 「Love Drive」 - スタンリー - 2013/01/12(Sat) 19:06:45 [No.1643]
第29話 「夢のグランド」 - スタンリー - 2014/08/03(Sun) 21:01:31 [No.1645]


第24話 「愛しき人」 (No.1636 への返信) - スタンリー

第24話 「愛しき人」


本内が帰らせた後、淳平とつかさは、重苦しい雰囲気の中、淳平の

部屋にいる。


淳平がつかさに話しかける。

淳平「いつ、日本に帰ってきてたんだ?」



つかさ「昨日なの。そして今日、高校時代のお友達の結婚式に行ってたの。

でも、今週の土曜日にまたすぐにフランスへ帰るんだけどね。」



淳平「そうか、短期滞在なんだな・・・・。」



つかさ「そう・・・。」













少しの間会話が途切れた後、つかさが話しかける。






つかさ「淳平君、しばらく見ないうちにたくましくなったね。」




淳平「ああ、この前、高校時代の映研部の仲間達と東城の祝賀

会で久しぶりにみんなに会ったら同じようなこと言われたな。

日雇いのバイトで稼いでたから。

そういう、西野だって高校の時より、すごく綺麗になってる。」



つかさ(淳平君、もう私のことつかさって呼んでくれないんだね。

いけない、気持ちが表情に出ちゃいそう・・・。

笑わないと・・・。)


つかさが笑顔で・・・。


つかさ「そう、お世辞でもうれしいよ。」



淳平「お世辞なんかじゃなくって、マジだって。」

淳平(マジで西野の顔で見た男はみんな、恋に落ちるくらい美人じゃん。

でも・・・西野の笑顔って、なんか無理して作ってるみたいな・・・。)




つかさ「じゃぁ、そういうことにしとくね。アハハ・・・・・。」

つかさが力なく笑う。












淳平「・・・・」











つかさ「・・・」












再度、二人の会話が途切れる。











つかさが思い立ったように話しかける。





つかさ「私、淳平君に謝らないといけないことがあるの。」




淳平「俺に、謝らないといけないこと?」



つかさ「数ヶ月前に送った返信の手紙のことだけど・・・。」



淳平「手紙?あぁ、あの手紙ね。もう、いいよ。俺、西野の

気持ちが分かったから・・・。

4年以上も一通のメールも出さずに放っておいた俺が悪いん

だしな。」



つかさ「違うの、あの手紙を書いてた時は、なんていったら

いいのかなぁ。

精神的に疲れててね。うーん、どういえば良いんだろう・・・。」



淳平「だから、もういいって。俺はあの時西野にフラれたんだし

それに・・・それはもう終わった話なんだから。」



つかさ「淳平くんにとっては、もう終わった話なんだね・・・。」



淳平「ああ、でも、本当に悪いのは俺の方なんだし、それに

もう立ち直ってるんだからさ。

そんなに心配するなって。」



つかさ「ううん、淳平君は全然悪くないよ。

あの時私たちの関係は白紙に戻してたんだし・・・・。

手紙には分かれようって書いたけど、私たちって付き合ってる

ことになっていなかったはずだから・・・。

それに空港で分かれた日に手紙も連絡もしないとか、淳平くんの

ことも忘れるようにするって言ったのは私の方からだし。

淳平君はそれを守っただけなんだから。」



淳平「・・・・。」




つかさ「手紙がきた時は、たまたま、お友達の家に行った帰りでね

仲良くしていてるのを見てたらね、どうして私は今一人ぼっちなのかな

ってとても寂しくなっちゃってね。」



淳平「誰だって、寂しくなるときくらいはあるさ。

俺が西野に手紙を、送ったのだって寂しさからだったからさ。」



つかさ「ううん、寂しさからだけじゃないの、淳平君の送ってくれた

DVDとか手紙とかノートを見てたらね、とても羨ましかったの。

予定では4年で留学は終わるはずだったんだけどね。

思いどおりにいかなくて、立派なパティシエになるにはまだ時間が

かかりそうな自分と映画のコンクールで賞を取って順風満帆な淳平君と

を比べて、私ってこの4年間何をやってきたんだろうって思っちゃって

それでね。」





淳平「時には思い通りに行かないこともあるだろう、それが人生って

いうもんだろうからさ。

そもそも映画と洋菓子作りを比べるのに無理があるんじゃないのか。」





つかさ「冷静に考えると、そうね。でもあの時は、洋菓子作りにも精

神的に余裕がなくて、それで賞をとって幸せそうな淳平君に、ついあ

んな行動をとってちゃったの・・・。」


淳平「賞って言ったって、そんな有名な賞じゃないんだぜ。」


つかさ「私に謙遜なんかしないでいいよ。

手紙を貰った時ネットで調べて応募総数のことを知ってるんだから。

あんな多くの人が出品して、そのトップを取ったの凄いことよ。」



淳平「賞のことなんかでどうでもいいんだ。

あの時中学の制服の第2ボタンまで送り返すのは、ひどくないか?」



つかさ「あれは、たまたま淳平くんから貰ったプレゼント全部を、私に

とっての宝箱みたいなものにしまってあったの。

あの時感情的になってその箱ごと送っちゃっただけなの・・・。

それに、淳平くんから、私を引き止める手紙がくるのかも、ううん

もしかしたらフランスに会いに来てくれるかも知れないって期待してた

んだけどね。」



淳平「そんな、・・・勝手過ぎるよ。」



つかさ「そう、私の勝手な希望だったんだね。それでね、淳平くんから

何も返事がこなくて・・・。

この数ヶ月間、凄く後悔したの。」


淳平(西野の話の内容から、どうも俺とよりを戻したいみたってことかな。)


つかさの話しているのを聞きながら淳平は綾とつかさのことを黙って考

えている。


淳平(俺には今東城がいる。

でも、さっき、東城に告られて受け入れた時は、西野がここにいない

ことが前提だったよな。

でも、今、西野はここにいる。

かといって、今日恋人になったばかりなのに今更、東城に分かれてくれ

なんていえる訳ないし。

だいたい、東城は何も悪い事をした訳でもないし・・・・・。





でも、俺はまだ西野のことが・・・・。)



淳平の頭に、高校時代に時折見せたつかさの悲しそうな顔が浮かんでは

消えていた。


[No.1637] 2012/04/14(Sat) 20:33:04
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