[ リストに戻る ]
No.1638へ返信


WINGBEAT COFFEE ROASTERS

all はじめに - takaci - 2012/01/21(Sat) 19:59:37 [No.1628]
10years プロローグ - takaci - 2012/01/21(Sat) 20:05:34 [No.1629]
10years-01 - takaci - 2012/01/28(Sat) 19:28:38 [No.1630]
10years-02 - takaci - 2012/02/14(Tue) 19:58:46 [No.1632]
10years-03 - takaci - 2012/05/12(Sat) 22:15:27 [No.1638]
10years-04 - takaci - 2012/07/27(Fri) 19:52:06 [No.1641]


10years-03 (No.1632 への返信) - takaci

「えっと、確かこっち」





美鈴の道案内で、東城綾の自宅を目指す3人。





その道中、





「あれ、この道って・・・」





遼には見覚えのある道だった。





「なあ外村、東城先輩の家ってこの先にあるかなりデカい家か?」





「あたしは行ったことないから分からない。でもなんでそんなこと聞くの?」





「いや、東城って名前の男にちょっと心当たりがあってな。でもまさかそんな偶然は・・・」





遼は自らの予想を否定した。










だが美鈴の案内で着いた先は、





「やっぱりここか・・・」





遼には見覚えのある大邸宅だった。





そして玄関先には泉坂の制服姿の人影が数人。





美鈴がそこに駆け寄る。





「兄貴、どうだった?」





「やっぱりダメだ。東城の部屋はおろか、家に入ること自体ダメだってよ」





前髪が長く目つきがよく見えない男がそう答えた。





(あれが外村の兄貴か。なんか胡散臭そうだな)





遼の第一印象。





「絶対に東城さんが黒幕に決まってる!真中を騙して連れて行くなんて・・・卑怯過ぎるよ」





涙ながらにそう呟くポニーテールの美女。





(あれが北大路先輩だな。確かに美人だ。けど・・・)





女子の泣き顔を見るのは辛かった。





「でもあの大人しくて消極的な綾ちゃんがそんな大胆な行動をとるとは思えないんだけど・・・」





「確かにな。綾さんはそんな人じゃない。真中も怪しいに違いない」





別の男たちが綾を擁護する発言をする。





「ところで美鈴、そのふたりは?」





外村兄が遼と佳奈に気付いた。





「同じクラスの友達で中上と佳奈ちゃん。今回の件でちょっと協力してもらってる」





遼と佳奈は映研メンバーに挨拶した。





「俺は美鈴の兄だ。このデカい男が小宮山で、ポニーの女子が北大路。ここまでが映研メンバーだ。で、このイケメンが天地。映研じゃないけど東城に惚れてる男で一緒に着いてきた」






外村兄が他の面子を紹介した。





その直後、





「ところで君かわいいね。一枚どうかな?」





佳奈に向かってカメラを取り出した。





そして、





「このバカ兄貴!こんな時に何やってんだよ!」





美鈴に頭を殴られた。





「うるせえ!どんな時でも俺は美女を求めてんだよ!」





「佳奈ちゃんは中上ともう付き合ってるの!横槍入れるな!」





「なんだあ彼氏付きかあ」





そう聞いて一気に引いた。





(なんか表裏が激しい兄貴だな)





そう感じずにはいられない遼だった。










「ところで、なんで中に入れないんです?実の娘が失踪しててその手がかりを探すために来てるんですよ?」





佳奈が映研メンバーに尋ねた。





「これは東城家の問題だから家族で解決するから心配するなの一点張り」





外村兄が呆れながらに説明した。





「東城家の問題って・・・じゃあ真中先輩はどうなるんですか?ほぼ間違いなく一緒に失踪してるんですよ?」





「それもウチで解決するから心配するなって・・・そんな言葉で納得できるわけないじゃん!絶対怪しいに決まってる!!」





佳奈の問いかけを受け、さつきの不満が爆発した。





「でもここで騒いでても何も解決しません。一旦引きませんか?」





遼が皆にそう提案した。





「そんなの出来ない!東城さんは家族ぐるみで何かを隠してるに違いない!今ある手がかりが消されちゃうかもしれないんだよ!」





反抗するさつき。





「北大路先輩落ち着いてください。家族だって娘が失踪したなら心配に決まっています。絶対に捜索はします。逆にこちらの立場を利用して学校側を徹底的に調べるんです。そこで得た情報を家族側が欲しがるタイミングが来ます。そこで交換条件を出すんです」






「なるほどな。中上くんだっけ、お前頭いいな」





感心する外村兄。





「確かにその通りだな。学校側は僕たちが調べるしかない。どの程度の情報が得られるかは分からないが、無駄ではないはずだ」





天地も同意した。





「みんながそう言うなら・・・」





さつきも渋々同意した。





「じゃあ一旦部室に戻ろう。そこで作戦を練るぞ」





外村兄が音頭を取り、皆を促す。





「ねえ遼、ホントに帰っちゃっていいの?」





佳奈が心配そうに小声で尋ねてきた。





「大丈夫、この家の事なら調べられる。逆に今は悪い印象を与えないほうがいい」





遼の言葉は自信が満ちていた。










そこに、





「あれ、つかさちゃん?」





外村兄が声をあげた。





ブレザー姿の女子がふたり現れた。





ひとりはショートカットの美女で、かなり怒っているのがわかる。





もうひとりは長い黒髪の美女で、こちらは戸惑い顔。





そして、





「あれ、トモコお姉ちゃん?」





佳奈が黒髪の美女に反応した。





「あっ、佳奈ちゃんに遼じゃない。なんでここに居るの?」





トモコはふたりを見て驚いていた。





「それはこっちの台詞ですよ。なんで桜学のトモコ姉さんがここに?」





「あたしはつかさの付き添い。この子がちょっと取り乱してて・・・」





「つかさって、西野つかさ先輩ですか?今年の映画のヒロインの?」





「そう、あたしの親友」





トモコは心配そうな顔でつかさに視線を送る。





(そうか、あの人が西野つかさ先輩か。確かに美人だな。それに真中先輩の元カノ)





つかさは映研メンバーと少しやり取りを交わすと、玄関の扉を叩いて喚き始めた。





「ちょっ・・・何させてんですか!?」





遼は慌ててつかさの腕を掴んだ。





「放してよ!邪魔しないで!」





怒るつかさ。





「今ここで騒いでも何の意味もないですよ!落ち着いてください!!」





「落ち着いてなんてられない!東城さんが淳平くんを連れてっちゃったんだよ!!そんなの許せない!!」





涙声で喚くつかさ。





簡単には止まりそうにない。










(ええいこうなったら・・・)










遼は、











パァン!!











つかさの頬を平手で叩いた。










「あんたがここで騒いで真中先輩が見つかるのか!?とにかく落ち着け!!」





年上に対して本気で怒る。





「ちょっと遼、殴るのは・・・」





「トモコ姉さんもしっかりしてください。こんなヒス女は殴りつけてでも止めるべきでしょう。これは本来姉さんの役目ですよ!」





抗議を出そうとしたトモコに対しても遼は怒った。





つかさは殴られた頬を押さえ、凄い形相で遼を睨み付ける。





「怒りました?そりゃ当然ですよね。別に殴り返しても構わないですよ。とにかくここで騒ぎを起こさなければね」





そんなつかさの視線を受けても、遼は冷静に対応した。











ここで玄関の扉が開いた。





背の高い学生風の男が顔を出す。





「申し訳ないけど帰ってもらえないかな?悪いけどウチには入れられないから。あと騒がれるのも迷惑なんだけど」





つかさとさつきが何か訴えようとしたが、遼がそれを制した。





そして、





「あれ、中上?」





「よう正太郎、久しぶりだな」





「なんでお前がここに?」





「俺も今回の失踪事件にちょっと関わってな。とりあえず今日のところは一旦引くよ。また後日連絡する」





「連絡っても、俺は・・・」





「お前も姉の動向は心配だろ?こっちで調べれる限りの事は調べる。正太郎もいろいろ調べてくれないか?」





「分かった。お前がそう言うなら・・・」





「じゃあ今日は一旦帰る。騒がせて済まなかったな」





「ああ、じゃあな」





正太郎は静かに扉を閉めた。










ここで美鈴が、





「ちょっと中上、この家の人と知り合いなの?」





思わぬ展開に驚いていた。





「あいつは東城正太郎。中学の同級生で結構仲が良かったんです。あと完全にシスコン野郎です。本人目の前で言うと怒りますけどね」






「それでこの家のことを知ってたんだね。じゃあ東城先輩と会ったことは?」





「ちらっと挨拶程度したくらいですね。なんか地味な姉ってイメージでしたけど。いつも三つ編みに眼鏡掛けてて。そこまで美人でしたっけ?」






「東城さんは変身するの。三つ編み眼鏡だと地味な女子だけど、コンタクトにして髪を解いたら凄い美人になる」





さつきがそう説明した。





「とにかく正太郎もこの家の両親とも俺は面識があります。タイミングを見計らって聞き出せなくもないはずです。だから戻りましょう」






「そうだね。中上が東城先輩の弟と仲がいいならチャンスはあるよね」





美鈴も同意した。





そして全員が撤収することになった。





その際に遼は、





「トモコ姉さん、西野先輩の動向に注意してください。さっきみたいに勝手に単独行動されるとまずいですから」





トモコにつかさへの注意を促した。





「うん、気をつける。遼も佳奈ちゃんも調査お願いね。つかさ本気で心配してるから」





「わかりました」





つかさは肩を落としながら、トモコに付き添われてトボトボと帰っていった。





「ねえ遼、いろいろ大変なことになったね」





「ああ、俺たちは完全部外者だと思ってたけど、正太郎にトモコ姉さんまで絡んでるとなるとそうは言ってられない。真面目に調べないとな」






遼の顔が引き締まった。


[No.1638] 2012/05/12(Sat) 22:15:27
pdf87be6a.aicint01.ap.so-net.ne.jp

Name
E-Mail
URL
Subject
Color
Cookie / Pass


- HOME - お知らせ(3/8) - 新着記事 - 記事検索 - 携帯用URL - フィード - ヘルプ - 環境設定 -

Rocket Board Type-T (Free) Rocket BBS