|    even if you... 「プロローグ」 - つね - 2005/01/23(Sun) 00:47:37 [No.792] | 
|  └  even if you...1 - つね - 2005/01/23(Sun) 01:24:58 [No.793] | 
|  └  even if you...2 - つね - 2005/01/27(Thu) 23:47:59 [No.816] | 
|  └  even if you...3 - つね - 2005/01/31(Mon) 00:35:40 [No.828] | 
|  └  even if you...4 - つね - 2005/02/01(Tue) 00:35:18 [No.829] | 
|  └  even if you...5 - つね - 2005/02/03(Thu) 23:27:53 [No.832] | 
|  └  even if you...6 - つね - 2005/02/06(Sun) 00:05:43 [No.846] | 
|  └  even if you...7 - つね - 2005/02/09(Wed) 21:19:10 [No.861] | 
|  └  even if you...8 - つね - 2005/02/20(Sun) 00:38:24 [No.877] | 
|  └  even if you...9 - つね - 2005/02/25(Fri) 21:33:07 [No.892] | 
|  └  even if you...10 - つね - 2005/02/28(Mon) 01:16:06 [No.906] | 
|  └  even if you...[エピローグ] - つね - 2005/02/28(Mon) 03:24:55 [No.907] | 
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 『深まる絆』 「ハァ…ハァ…」 淳平は息を切らしながら病院へと向かった。 夏とはいえ、もう辺りは暗くなっており、病院からの明かりが目立って見える。 淳平は急いでその中へと入っていった。 「さっき運ばれてきた…、西野つかさの病室どこですか!!!…」 病院と分かっていても、心配でつい大声になってしまう。 「西野つかささんですね。152号室になります。」 病室を聞いた瞬間、淳平はダッシュで病室へ向かった。 病室のドアを恐る恐る空けた淳平の目には、 いつものつかさがいた。 「西野!」 「淳平くん!…ごめんねこんなところまで来てくれて。」 つかさはベッドに寝転び、上半身だけを起こした格好だった。 「西野、大丈夫なのか?」 「うん。ストレスが原因で倒れたみたい。大丈夫なんだけどしばらくは安静にしておくようにって。だからちょっとの間入院することになるかな…。」 「そっか。でも元気そうでよかったよ。ホントに。」 「うん。心配かけてごめんね。」 「別にいいって。でもさ、ストレスが原因なんだろ。あんまりいろいろ一人で抱え込まないほうがいいぜ。何でも話してくれよ。文句でも、愚痴でも、何でも聞くからさ。」 「うん、ありがと。……でもストレスの原因は他にあるのかもねー。」 つかさはそう言って悪戯っぽく笑った。 「西野?」 「ほら、その呼び方。淳平くんあたしのことずっとそう呼んでるよね。」 淳平はつかさの言いたいことがよく分からなかった。 「だからぁ……」 つかさには珍しく顔を赤くして、もじもじとしている。その姿がまたたまらなく可愛い。 (え…急に様子が変わったな。なんかこっちまでドキドキしてきた。) 「あたしのこと……、名前で呼んで…」 「えっ、名前でって…?」 「もうっ!とぼけるなよな。淳平くんはあたしの彼氏だろ。そんなの自然なことじゃん。」 つかさの言う通り、恋人同士の関係になった二人が名前で呼び合うのは、極自然なことである。 それでも、いざ名前で呼ぶとなると恥ずかしさが込み上げてくる。 (名前でって…。確かにそう考えれば自然なことだけど…。いざとなると照れるよな…あぁ、緊張してきた。) 「ねぇ。はーやーく」 急かすようにつかさが期待いっぱいの笑顔で言う。 (こんな顔で見られたら、誰だって言うこと聞くよ…) 淳平は顔を真っ赤にして口を開いた。 「えっと……、つかさ……大好きだよ。」 淳平の心臓は激しく動いている。 (やばい、メチャクチャドキドキしてるし。しかも言うこと無かったらって『大好き』なんて…あぁ、今になってまた恥ずかしくなってきた…) 淳平はさらに顔を赤くして下を向いた。 「淳平くん。」 つかさに呼ばれたので淳平は顔を上げた。 すると つかさの唇が淳平の唇にやさしくふれた。 「大好きだよ。淳平くん。」 つかさは淳平に満面の笑みを向けた。 淳平はその場に固まって動けない。 そして…、 ガチャッ 「面会時間もう終わりですよー。」 淳平は看護婦さんのその声でやっと立ち上がった。 「じゃ、じゃあ西…じゃなくて、つかさ、明日も来るから。」 「ははは、呼び方戻りそうだよ。…今日は心配かけてごめんね。」 「いいよ。そんなの気にしなくても、じゃあ、無理しないようにな。」 「ありがと。じゃあね。」 つかさがとりあえず無事だったことを確認して、淳平は安心した。 そして、今日つかさへの想いがまた強くなった。 つかさも淳平への想いがより強くなった。 二人の絆はまた深まっていく。 別れを告げた後、二人は恋人であること、お互いの想い、そして、一緒にいられる幸せをかみしめていた。 [No.832] 2005/02/03(Thu) 23:27:53 IP1A0225.oky.mesh.ad.jp |