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No.907へ返信

all even if you... 「プロローグ」 - つね - 2005/01/23(Sun) 00:47:37 [No.792]
even if you...1 - つね - 2005/01/23(Sun) 01:24:58 [No.793]
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even if you...10 - つね - 2005/02/28(Mon) 01:16:06 [No.906]
even if you...[エピローグ] - つね - 2005/02/28(Mon) 03:24:55 [No.907]


even if you...[エピローグ] (No.906 への返信) - つね

エピローグ『たとえ君が…』





大きなオーブンの前で、忙しく働く一人の美少女。


「そろそろかな?」


そう言いながらオーブンを開ける。


「よし♪完璧。」


「料理長さーん、できましたー!」


元気のいい声が厨房に響き渡る。





「はいはい、できたのね。あら、なかなかいいじゃない。」


金髪の背の高い女の人が厨房にやってきてつかさに声をかける。




「味は…どうですか…?」


つかさは緊張した面持ちで答えを待つ。


「うん、おいしい。というより本当にすばらしいわね。」


「もうあなたはここ本場パリでも有数の腕前よ。あたしからは何も言うことは無いわ。1年間よく頑張ったわね。」


料理長が微笑を浮かべる。


「え…じゃあ…」


「ええ、もう自分の店を持ってもいいわよ。日本にいる日暮さんに連絡は入れておくから。胸を張って日本へ帰ってらっしゃい。旦那さんも待ってるんでしょ。」


「はい!ありがとうございます!」


料理長に向かって深く頭を下げた後、公衆電話に向かって走る。







プルルルルル


ガチャ


『もしもし…』


「淳平くん!」


『つ、つかさ!?』


「うん、そうだよ。ねえ、聞いて!あたし自分のお店持てるんだよ!」


『えっ、ホント!?やったな、つかさ。ということは日本に帰ってくるの!?』


「うん。明日の朝早速出ようと思うんだ。」


『そんなに早く出て大丈夫なのか?そりゃ、俺だって早く会いたいけど…』


「大丈夫。もう挨拶は済ませてるから。淳平くんのほうは仕事どう?」


『それは帰ってきてからのお楽しみ。じゃあ空港で待ってるから、』


「わかった。楽しみにしてる。それじゃあね。」


ガチャ


受話器を置くつかさの顔には幸せが溢れ出ている。


そして、服のポケットから一枚の手紙を取り出し、それを胸に当てる。


(淳平くん…この手紙がいつも支えてくれたんだよ…)

















そして翌日


もう日が暮れた頃、1台の飛行機が空港に着いた。


そして、しばらく経つと…


一番大切な、一番会いたかった人の姿。


「つかさ!」


「淳平くん!」


二人は抱き合って再会を喜んだ。


「つかさ、お帰り。」


抱き合ったまま淳平が言う。


「ただいま、淳平くん」


二人の顔には満面の笑顔。


「じゃあ、家に帰ろうか。って言ってもつかさは初めて入るんだよね。一人でいると寂しかったよ。」


「でも今日からはずっと一緒だよ。」


「うん、ホント嬉しいよ。じゃあ行こうか。」


(そうだよな。これからはずっと一緒にいれるんだよな。)


淳平は一緒にいれる喜びを改めてかみ締める。


「淳平くん映画の仕事うまくいってるの?」



つかさが待ち切れずに聞く。


「もう少ししたら分かるよ。あ、あと帰り一応車用意してるから。」


「もう、もったいぶらさないでよ。」


そう言いながら空港の外に出る。













すると、









パシャパシャパシャ


そこには数え切れないほどの報道陣が待ち構えていた。


「真中監督!その人が噂の婚約者ですか!?」


「なんでも天才パティシエなんですよね。」




「そうですけど、ちょっとこっからはプライベートなんで、」


淳平は報道陣を軽くあしらって車に乗り込んだ。


「淳平くん…すごいね。」


つかさは驚きを隠せない。


「だから言っただろ、楽しみにって。」


1年前と全く変わらない笑顔と態度、


そんな淳平がつかさにとって何より嬉しかった。





「淳平くん。」


「何?」


「この手紙、ずっと大事に持ってたんだよ。パリであたしの心の支えになってた。ありがとね。」


つかさは淳平に一枚の封筒を見せて言う。


「ずっと持っててくれたんだ。こ、こちらこそ、ありがと…。」


淳平は顔を赤くして照れている。








   9月16日、

  つかさ誕生日おめでとう。

  プレゼントにメッセージ付けときました。

  これが今の僕の気持ちです。

    たとえつかさが、何処へいたとしても

    つかさへの想いは変わらないから、

    たとえつかさのパリ留学がどれだけ続いても

    待ちつづけるから、

    たとえ何が起こっても、

    愛するのは世界でただ一人、

    つかさだけだから、

    俺も夢に向かって頑張るから、

    だからつかさも頑張ってください。


                  真中淳平より





夢を叶えた二人、




しかしその夢は終わらない





だって





君が隣にいるから、




二人の夢は、幸せは、



これからもずっと続いていく




ずっと…





even if you...    おわり


[No.907] 2005/02/28(Mon) 03:24:55
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