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Life is ...(前書き) (親記事) - EVE

はじめまして、つねさんの発言に触発されてうまれてはじめてSSなるものを書いて見ました。
さて、私が思うに真中淳平の周りの女性は飛び切りの『いい女」です。なので、あっちへふらふらこっちへふらふらの真中君の気持ちも分からないではないですが、たまにいらいらしてしまいます。なのでこの文章中では、彼が芯の通った彼女らがほれても納得いくような、いい男になっていってほしいなと。
今作ですが自分なりにルールを作って書いてみました。
1.擬音語や直接的表現に頼って読者に状況描写を丸投げにしない。
2.特定の意図なしに同じ言葉を使わない。
3.リズムを大切にする。
と、未熟ながらがんばってみたつもりですが、どうだったでしょうか?
そして今後の展望なんですが、連載にしようとかこういうプロットで行こうとか何にも考えていません。突発的事故のように生まれ出てきました。これでは、作中の真中君に偉そうな事いえませんね。w
頭の中にはそこそこ試案があるのですが、文章力も説得力のある文を書くための知識も乏しいものですから、なかなか発展させていけません。もし感想を下さる方がいらっしゃればそれにて希望、批評などをもらえたらと甘いこと考えていたり。。。
とりあえず、再構成か?逆行か?はたまた異世界か?なんて…(マテ
うまく表現できなければ、これで打ち止めということでご容赦ください。orz
それでは、これで。

お目汚しですみませんでした。


[No.1031] 2005/04/13(Wed) 18:17:03
pcp061622pcs.unl.edu
Life is ... Prologue: 瞳を閉じて (No.1031への返信 / 1階層) - EVE

瞳を閉じて、



深呼吸する。

深呼吸する。

深呼吸する…


思考を覆う何かが少し晴れた気がした。


静まり返る部屋の中で独り、自分を再確認してみる。


ごくごく一般的な、自室のベッドの感触の中で、

静寂の中、

普段は気にも留めない、秒針の刻むの音の中で、


ふと、歩いてきた道のりを眺めてみる。


いつだったろう? この道を行こうと決意したのは。

いつからだろう? こうして足元を眺める余裕すらなくしてしまったのは。


駆け抜けるように過ぎ行く時。

過ごしてきた過去、自分のしたいがままに生きてきたようで、流されるまま今、ここにいる。

貫き通された意思があっただろうか? 


進むということは選択するということだ。


選択することを恐れ、漂う木の葉のように自分を時の流れに浮かべた。周囲のものが■■へ運んでくれると盲信して。


時は流れる、無情に、非情に。浮かぶものすべてを押し流して。


「もうおそい?」


すでに修正が聞かないほどに踏み外してしまっただろうか? 流されてしまっただろうか?

辿り着くべき場所はもはや望むことすらできない彼方になってしまったのだろうか?


「辿り着くべき場所?」



「……………。」


まだだ。まだ、終わりじゃない。


「おれ、映画監督になりたいんだっけ…。」


それは、映画が好きだから。


いつか観た、あの映画のワンシーンのように。

観るものを解き放ち、日常を離れ、雄大で荘厳な世界へといざなう。

固く結ばれた口元には、暖かい微笑みを。

傷ついた心にはそっと、穏やかな癒しを。



「自分の手で『いつかきっと』って、そうおもってた。」



目を開けて、寝たまま机の上を探す。


煩雑に散らかされた勉強机の上、そこに一台のビデオカメラ。


瞬間、焦点が鋭い音を立てて合わさる。


薄暗い部屋の中で、そこだけスポットライトを当てたようだった。



そして、理解した。



「あぁ、そうか。」


それは『種』、然るべき時に、然るべき場所で芽吹くもの。

それは『雛』、育まれ、やがて羽ばたき大空を舞うもの。

それは『標』、今は遠く、だが辿り着くべき遥かなる■■へ導くもの。 



立ち止まって、ようやくわかった気がする。





また、歩き出そう。もう一度、■■を目指して。





ありふれた自己分析という作業。

それは彼「真中淳平」に何かをもたらした。

変化に乏しい日常の中のひとつの奇跡。





涙が、溢れた。




それは、やさしい涙だった。 やわらかい涙だった。


[No.1033] 2005/04/13(Wed) 18:24:04
pcp061701pcs.unl.edu
おまけ (No.1033への返信 / 2階層) - EVE

                         




                           滴る水滴の音

                    静寂が支配するほの暗いその空間で

                           それは語りだす












「こんにちは〜w」

やけに明るい調子で。

「皆さん始めまして! この作品の作者のEVEです。執筆の合間に、そして各話のあとがき裏話、さらには次回予告などなど盛りだくさ「ただの時間稼ぎだろ?」はうわ!!? 」

なかなか鋭い突っ込みとともに登場したのは『馬鹿』こ「おいまてや」と、真中淳平。彼を呼んだつもりはないのだが、どうやらまぜてほしいらしい… さみしいのか?「怒」

「まったく、主人公でもともと出番多いんだからでしゃばるなよな。」

どうやら作者は彼と相性が悪いらしい。

「だまれ、読者の皆さんはもっと重厚で味わい深い話を御所望だ。」

「お前こそ黙れ、というか帰れ。」

作者はどうあっても帰ってほしいようだ。
「おまえなんかと話しているよりイチゴ娘達と話しているほうが、華があっていいわ。」

たしかに。

「ぐ、、、そんなこと言ったって、まだ作中に俺以外登場してないだろうが!!」

それまた然り。ただ、これは二次創作であって特にバックグランドをいちいち語る必要はないので、いきなり『さつきちゅあん』などが登場してもなんら問題ないのである。

「おい! なんかやたらナレーターがえこひいきしてるぞ!! ナレーターは公平であるべきだろうが!!」

そんなきまりはない。

「HAHAHA! 日ごろの行いというやつだよ、真中君」

作者は穏やかな春の日差しのように、朗らかに笑った。惚れそうである。

「まて、表現までおかしいって! 明らかに夏真っ只中のカリフォルニア産って感じだろうが!」

真中淳平は劣等感と、羨望のまじった表情で何か言っている。

「もういいです、ところでそろそろはなしをすすめないか? 次回予告とかするんじゃないのか?」

どうやら、聳え立つ壁の大きさと作者の偉大さに気づいたらしい。

「くく、そうだね、いい加減読者様もお待ちかねだろう。寛大にもこれ以降の発言を許可する。それじゃ」





































                           次回予告





                         ときは199X 年

                            世界は

                     核の炎につつ「まれるかぁ!!」ガス!!



「やるきあんのか!?」

「冗談だよ、軽いユーモアじゃないか、これくらい刺激がないと読者様も退屈するだろ?
ただでさえ本編じゃないんだから。」

「軽くないわ!? 『もしかして異世界ってそういうこと!?』って誤解する読者様もいるかもしれんだろうが!?」

「ふぅまいったね、やっぱりSSってむずかしいよ。」

「こんなとこで悟るなよ、たのむから。」

「さて、気をとりなおしていこうか。」

と、作者と馬「真中!!」はその場に座した。彼らが席に着くとあたりの光量が少し増し、あたりの様子が分かるようになる。

「うお!!」

そこは何もない空間、壁も天井も一切ない、ただただ広い世界、「空」。遥か下には町の明かりだろうかぽつぽつと、蛍のともし火のように大地を彩っている。そこにすむ生物の営みはここからは見えない、しかしそれらの光が、穏やかにかける春風が、この世界が死んでいないことをあらわしているようだ。それらを望むこの空間で、宴を。さぁ、はじめよう。

「なんか神様にでもなったみたいだ。」

「演出だよ。作者としてこれくらいはするさ。」

「とかなんとかいって、ここで作文の練習でもしようってんだろ? でもこれはこれで趣があってよし。 桜なんかが見えれば時期的にいいんだろうけど…」

「贅沢言うな、というか作者が海外に住んでるせいで桜が見れないんだよ。」

「うわ、個人的都合かよ。」

「ううう、桜見たいよぉ…」

「それはおいといて、これからどうすんだよ? 実は展開とかろくに決まってないんだろ?」

「肯定するよ、なかなかまとまらなくて。読者様に助けを求めてるくらいさ。」

「そうだなぁ、真中淳平によるハーレムなん「安易」て… なんでだよ!?」

真中淳平はいつもいつも考えが短絡的である。それで、何度失敗しているのか本人は自覚していないのだろうか? これに付き合っている読者様も同感であろう。

「まったく、人の心を何だと思っている? 相手の女性がなぜ、どういう風に、どういった経緯で、人に好意を抱いていくか、それを一つ一つ丁寧に書こうとしたらハーレムまでもっていくのにいかに難しいか少しは考えたらどうなんだい? 主人公だからっていきなり理由もなくそこまで行っちゃうなら、3話で終っちゃうよ。少しは書く人の身にもなってくれないかな? それともなにかい? ハーレム完成後のドタバタ劇でも期待してるのかい?」

「うぐ…」

「そんなの…そんなのうらやましくてできるかぁ〜〜〜!!」「個人的主観かよ!?」

「まぁ、ぶっちゃけハーレムにしてあげてもいいけど、作者としては真中淳平の生き様にスポットを当てたいんだよね、恋愛だけじゃなくて。」

「へぇ、なかなか考えてるんだな。」

「というわけで、読者様には恋愛もそうなんですが、彼の男っぷりを見守ってほしいなと思います。一つ一つの行動について、その動機やそのときの心境、周りの状況などできるだけ深く掘り下げて生きたいと思っています。読者様におきましては、それについてのご指摘も、その他感想と共にお待ちしています。」

そういって、作者は席を立ちどこにいるのか分からない読者に向かってあたまをさげる。








「さて、そろそろねたも尽きてきたので、次回予告をして終わりとしますか。」











                           次回予告





                         ときは199X 年

                            世界は

                   核の炎につつ「まだいうかぁ!!!」ガス!! 「ぐふっ…」





「……」

「お、おい」

返事がないただの屍のようだ。

「DQ!?」

……

「あ、あの、えと…」

……………

「続くvなんちゃって。。。」

つづくようです。

「それ「うお、生き返った!!」では、またお会いしましょう。さようなら。」
「予告は!?」

返事がないただの屍の…


[No.1048] 2005/04/15(Fri) 04:30:20
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Life is ... Scene 1: 真中淳平という少年 (No.1048への返信 / 3階層) - EVE

真中淳平 12歳


一見して、彼にはなにも無かった。

悪意を持って言い換えれば『無能』だ。

知能、体格、容姿

そのどれもが平凡以下。精神にいたっては、その年齢を加味しても未熟で幼稚である。

同性より精神的成長の早い異性からみれば、なんとも劣った生き物と言わざるを得ない。

わかりやすく言えば、『もてるわけがない』のである。残念ながら恋に恋する乙女たちには、ミジンコの美点を探すなどという、世の研究者たち、その中でもある意味希有な人々のような行為を実践かつ継続する暇は某汎用決戦兵器が起動する確立よりもない。09システムである。まさに眼中どころの話ではない。

同性にとってはどうかというと、単なるからかいの種でしかなかった。それほど姓に対する意識が薄かったこの時期においても、彼は自然『競争者足らない』のレッテルを貼られていたのかもしれない。ひょうきんな性格で『いじめ』の対象にはならなかったが、彼の世間を考えない発言、もしくは行動は、呆れときに失笑を生むこともしばしばだった。

年長者、特に教師達にしてみれば、まさに悩みの種であったに違いない。彼の言う『夢』とやらに対する熱意を認めないわけではないが、せめて義務教育ぐらいは満足に習得してほしい、というのが彼らの本音であった。『夢』を抱くことは、大いに歓迎すべきことであるが、それを実現するのに、人間の文化的活動における基盤となる義務教育は、最低限必要になるはずだし、ましてマイナスになることはないのだから。例外として幼いころより、運動もしくは芸術において特異な才能を世に示す人間がいることは確かだ。彼らにとってはその才能を、幼少より集中的にのばしたほうがより彼らのためになるかもしれない。だが、特異な才能の保持者として認められる『機会』と『手段』がなければ『示された才能』もまた存在し得ない。真中淳平においては、そのどちらもが不足している。

なぜなら、彼の家庭環境は一般的な中流家庭である。父、母、本人の三人家族。日常を過不足なくおくる普通の家庭で、父は幼いころにサッカー選手にあこがれながら中学、高校を卒業、その後平凡な大学を経て現在の会社に就職、そこで妻と出会い結婚、今に至る。母も素敵な男性との出会いを夢見て地元の中学、高校、大学を卒業し、父の勤めていた会社に就職、しばらく事務関係の仕事を持ったのち、夫と結婚、その後真中淳平を宿した際に退職、家庭に入って今に至る。つまり父、母ともに、所謂『芸能界』にかかわったことはおろか、彼の『夢』について何かしらの経験もしくは知識を持っているわけもないのだ。

さらに、真中淳平本人にいたっては、『夢』を見ていながらそこへ至る道を模索するのでもなく、ただ、好奇心と憧れを持って妄想しているだけで、そこへ向けて歩き出す以前に、それを示す指針となる知識すらない。どこにあるかも分からない目的地に向かって『いざ』というのが、そもそもの間違いなのだ。それを実行しているかに見える実在する冒険者たちも、経験と知識による裏付けなしに彼らの野望は達成はできはしない。かれらは野望に対して明確な『目的』意識もしくは『目標』をもっているわけで単に『夢想』しているわけではない、『追って』いるのだ。

もはや彼のは才能以前の問題かもしれない。


現在の真中淳平を知るうえで、こんなエピソードがしばしば見かけられる。



「皆さんは、将来どんな職業に就きたいですか?」


ごくごくありふれた、小学六年生の授業の一コマ。中学への進学が現実味を帯びるこの時期の生徒達は、未来への希望に瞳を輝かす。憧れの大人たちの姿を自分の将来の姿に重ね合わせて、あるものは大リーグでプレイする野球選手などのトップアスリートを想像し、あるものはやたら現実的にサラリーマンという。ただ、このころになると、なかなか大それたことを口にするのは恥ずかしくなってくるものだ。指名されると、どうしても無難なもしくは多数派の意見を上げる。しかしここで、真中淳平はやたら生真面目に「俺、映画監督になる!?」などと声を張り上げるものだから、生徒達のからかいの的になる羽目になる。

「なれるわけないだろ?」「こっども〜。」「まなかが〜?」などである。

「なんだと〜!? そんなのやってみないとわからないじゃないか!! 夢見ることの何が悪いんだよ!?」

ちなみに誰もそんなことは言っていない、というエピソード。


ようするにクラスで将来について語る際に、『夢』についてからかわれて激怒するというものだ。事実、この年の少年少女たちは、すくなからず未来に対して漠然とした願望なり憧れを抱いているし(実際にアンケートなどによると、野球選手や俳優などもそれなり票を集めていたりするのだ。)、その実現の可能性などは経験の乏しい彼/彼女には判断できない。彼らはただ、いきなり登場した熱血漢をからかってみただけなのだ。もちろんこの時期から真剣に将来について考えている者もいるだろう。そういう者達にとって、到達点とはこれからの彼らの生活や生き方を左右する重要なものであっておいそれと人に暴露していいものではない、だからなかには淳平の行為を彼らの目標を貶める行為として受け取り不快感を示したものもいるかもしれない。しかし淳平自身それに気づいていないわけではないのだ。ただ、『夢』に対して自分が五里霧中という状態に無意識に不安と焦りを覚えていて、それを刺激されて声を荒げてしまったのだ。


このときの彼に言うのは少し酷だが、真中淳平には自分の目的を達成する上で、決定的に足りないものがあった。


それは、


しっかりとした『芯』と『自分を律する心』である。


進路を語る以前に屋台骨すら危ういというなんともお粗末なものだ。自律心というのは思春期を経て徐々に固められていくものである。それまでは家族のサポートなどによって形を成しているものあり、小学六年生がいきなり大人のようなそれを持っていることは極めて稀で、真中淳平も多聞にもれずその点も未熟だった。


彼はこの時点であらゆる意味で子供だった。


それは、上に挙げたように悪い意味でもあるが、もちろん良い意味でもある。彼は、芯こそしっかりしていず定まってはいないものの、曲がり、捻くれているわけでは決してない。むしろ、幼いころより一途に好奇心や憧れの延長として夢を抱いていたため、素直で誰よりも純粋だった。確かに『能力』、『恋愛対象』といった観点からすれば明らかに彼は戦力外だが、彼の単純でひょうきんな『人となり』はクラスでも、おおむね好評で、友人達との交流も多く、男女とわず彼のことが話題に上ることは多々あったのだ。また、余談だが以前に『南戸唯』と親しかったことも彼の性格が悪くないことを示している。







                そんな彼『真中淳平』とともに、物語は幕を開ける。


[No.1056] 2005/04/15(Fri) 21:12:55
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おまけ2 (No.1056への返信 / 4階層) - EVE









「知らないて「だまれぇ!!」グシャッ ぶはぁ!!? …な、なにするのさ!?」


強烈な突っ込みと共に渾身の右拳が突き刺さる。


せっかくのオープニングを邪魔されてご立腹の作者だが、


「お前が『おまけ』掲載してから、感想がこなくなっちまったろうが!」


突っ込むのはまたしてもこの男、真中淳平。


「ま、まじなのかい!? 僕の責任!??」


そうだとしたら、かなり深刻な問題だ。感想は作者にとって『命』、稚拙な筆を動かす『潤滑剤』なのである。




しかし、存続の危機だとしても、やったからには最後まで逝かせてもらう。


「早! ナレーター立ち直り早!!」


「………え〜、ということなので、進行したいと思います。」


「まったくただでさえ素人なんだから、あんまりでしゃばるなよな。」


「すいません、このおまけが不要だと思う方は感想板にてご指摘下さい。」orz


「まじめにやらずに、ふざけてばかりいるからだ。」


第一話においてぼろくそにいわれたせいか、やたらつっこみがきつい真中。もしかしたら、その一話が原因かもしれないが、その時はもう致命的である。そうなったら作者一同腹くくって退場するしかない。


「自サイト作って細々とやってたほうがよかったんじゃないか!?」


そうかもしれない。


「ブ、ブルータスお前もか!?」


ナレーターである。


「み、みかたじゃないのかい!?」


「日ごろの行いってやつだろ?」


ちなみに言っておくが、二人とも勘違いしている。ナレーターは常に客観的かつ公正である。


「うあ、ず、ずっこいぞ!?」


作者の威厳も地に落ちたようだ。


「ふぅ、で?」


「あ、あと、ど、どうしようか?」


うろたえる作者。


「とりあえず、今回のあとがきからやったらいいんじゃないか?」


意外にまともなことを言う真中。「意外は余計だ!!」


「そ、そうだね。といっても今回は物語の導入だから、主人公である真中を掘り下げてみたんだけど。やっぱり今後の真中の行動に対して矛盾を感じないようにするには、なるだけ正確に彼の精神構造や動機の発生の仕方なんかを把握する必要があるとおもって。」


「それで、あんなにぼろくそに言ってくれたんだな。」


まだ、根に持っているらしい。


「は!? そうだよ、ぼろくそに言ったのはナレーターじゃないか!? もし一話がだめならナレーターのせいだからな!!」


ぐ、そ、そんなことはない!(汗


「ふふ、どうしたんだい? ずいぶん動揺しているみた「お前が、書いたんだけどな。」いじゃないか?―――――――」



 ……………………



「……………………」



「ま、まぁそんなに落ち込むなよな? 一応管理人さんとかスタンダードさんから感想もらったわけだし。そ、それにもしかしたら展開を考えてくださってるだけかもしれないだろ?」



 ……………………



「……………………」


「な。元気出せって連載終了までは俺が付き合ってやるからさ?」


「ぐす、真中きゅ〜ん」(i_i)






というわけで、進めさせてもらおう。一応大まかなプロットが決まったようなので((嘘。実際は感想をもらえたからである。))連載という形でスタートしたこの『Life is ...』、今回は再構成という形で物語が進行していくことになる。主人公は原作と同じ真中淳平。ただ、原作と違って小学六年生からのスタートで、より詳しい内容はネタバレになるので、ここでは割愛させてもらうが、登場人物の心の動き、また行動に矛盾がないように整合性に気をつけながら小、中、高という思春期に少年少女がどうふれあい、どう成長していくかを追っていきたいと思っている。なお、複線もしくは意図的な構成により、時系列その他に混乱を招く可能性があるが、できるだけ作中にて消化していく予定なのでご容赦を。我慢ならない、もしくはもう読みたくないなどの意見があれば、意見板にて投稿していただければ、真摯に受け止めつもりです。もちろん、今後いれてほしい展開、面白い設定、オリキャラなども継続して募集中なので、気軽に投稿していただけたら幸いである。


「ま、真中きゅん、いうことなくなっちゃったよ。」


「や、やめろよ、気持ち悪いから…」


とりあえず、作者が持ち直すまで続けさせてもらおう。


「お、おい、いいのかよ、お前の仕事なくなっちまうぜ?」


「は!? おっとと、いけないいけない、そんなことはさせないよ?」


……………チッ


「「ち、『チッ』ていった!」」


「あとがき、裏話と、あとなんだっけ?」


「次回予告だろ?」


やりたかったのに………


「「やりたかったんだ。」」


「さ、さて気を取り直して次「ボケるなよ。」…ぐ…」


「前回それで、中途半端に終わったんじゃねぇか。」


「じゃ、じゃあいくぞ〜〜。







次回予告

「西暦2015年、人類の明日を守るため、汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンが今、出撃する。
新番組、新世紀エヴァンゲリオン、第壱話「使徒、襲来」。」


「………あれ?」


「もう帰れ。」


「え?」


レッドカード。


「え、え?」



――――――――しばらくおまちください。―――――――



「で、どうするよ? この雰囲気。」


とりあえず、まじめに次回予告しておけ。


「ふぅ、そうだな、それじゃ。











                           それは奇跡



                       校庭 校舎 階段 廊下



            そのどれもがありきたりな世界で、少年は期待と共に駆ける。



                           それは祈り



                       希望 願望 切望 渇望 



                 彼を駆り立てるものはそれだけで十分だった。



               疲労と興奮のはて、そこで真中淳平は『直面』する。





                   次回、『masterpiece』  おたのしみに。





次回もサービスサービスッv「おまえもか!!」














新世紀エヴァンゲリオンはガイナックスの作品です。

「管理人さん、私も大好きです!」

作者として、最後かもしれないこの場を借りて言っておきたかったようだ。


続く?


[No.1072] 2005/04/17(Sun) 05:49:11
pcp061701pcs.unl.edu
Life is ...Scene 2: masterpiece (No.1072への返信 / 5階層) - EVE

『立ち入り禁止』



それがどうした。そんなもんじゃ、この真中淳平はとまらない。

「あと、18段…」

ほこりっぽいこの18段の階段を飛び越せば、

「この町で、最高の景色が!」


授業が終わり、部活にいそしむ生徒達の声もだいぶ静かになったころ、


まさにこの時間。その日の太陽が燃え尽きるその瞬間に、


ここ泉坂市は、『最高潮:Climax』を迎える。


金を払ってでも是が非でも見たい。


日ごろの運動不足か、くじけそうになる足腰を叱咤激励し、酸素を求め異常伸縮する肺をなだめすかして、足元の階段を2段抜かしで駆け上がる。


なぜならそれは、真中淳平にとってそれほどの価値を持つものだから。『映画監督』を夢見る少年にとり、『魅せるもの』は何にも代えがたく貴重で、丸ごと財産だった。

立ちふさがる最後の扉をたたきつけるように押し開ける。


視界が開ける…


そして目の前には




「ぱんつ?」


目の前にはぱんちゅ。しかもイチゴ。誰もいないはずの屋上へ、楽しみにしていた景色を見ようと長い階段駆け上がってきたら女の子が降ってきた。はっきりいってどうしたらいいかわからない。(突っ込むところか??)告白します、真中淳平はパニック状態です。





「え…あの、いいおしりだね?」




とりあえず、はっちゃけた。


確かに、誰だっていきなりパンツは困るだろう。(作者だって困る。)人は真剣にびっくりしたときに萌え血などださないし、それは彼、真中淳平も例外ではない。逆にここまではっちゃける彼にあっぱれといいたい。

そのとき『いいおしり』が急に体を起こす。そして何も言わずに彼を見つめた。



時が止まる ――――――――――


『いいおしり』は同時に『いいおんな』だった。


だが、そんなことは今の真中淳平には些細なことだ。彼は今、『それどころ』ではない。


その女が起き上がり、こちらを見つめた瞬間に


世界がバクハツした!!


そう、


今にも地平のかなたへ沈まんとしていた夕日の放つ『照明』によって


泉坂市が『最高潮』を迎えたのだ。


それは、彼が見てきた数々のシーン中でも、とびきりの最高傑作。

監督、製作、演出、『自然』による感動の超大作。


「う、うるさいよ。」

胸を打つ鼓動がうるさい。邪魔だ! 静まれ! 

何物にも邪魔されたくなかった。彼は今、それを『観て』いるのだから。

興奮で呼吸がままならない。ドーパミンだか、セロトニンだか、アドレナリンだか、ベータエンドルフィンだか知らないが、いろんなものが駆け巡ってどうにかなりそうだ。

(これだ!! これが観たかったんだ!!)

わざわざこの時間にここまで駆け上がってきたのは、決して無駄ではなかった。



   『魅せるもの』


真中淳平は、心を奪われていた。


いや、『心奪われる』、そんな言葉が安っぽく聞こえるほど、それは圧倒的だった。


町の喧騒の一瞬の切れ目、吹き抜ける木枯らしの奇跡的なタイミング


落ちる夜の帳と、それを吹き飛ばす閃光のような爆発的な光の奔流によるグラデーション、


そして、それと射光を遮る中心街に聳え立つビル群の影との神懸り的コントラスト。


雲ひとつない晩秋の高いソラという極上の『スクリーン』へ描かれた神秘的『背景』は、


住み慣れた町、通いなれた学校、それら見慣れた風景を劇的に変化させる魔法のようだ。


そこに佇む一人の少女。


自然という魔法にかかった『主演』の少女は、舞い降りた天使のように優雅で、可憐だった。


このシーンのためだけにあつらえられたかのような『セット』


『主演』をひきたてる数々の『舞台演出』


その中で、完璧に役割を演じきった少女〈ヒロイン〉は


美術館などに飾ってある数々の絵画、工芸品よりずっと高貴で、美しい。



これが、『本物』の『演出』


これが、到達すべき真の『黄金率』


これが、


これこそが、真中淳平の 『■■』



いま、彼の意識は魅了に囚われたかのようにその『シーン』に釘付けになっており、それ以外のものは何もかもが、忘却の彼方にある。




だから『いいおんな』が、立ち上がって駆け抜けていったことにはまったく気がつかなかった。


[No.1082] 2005/04/18(Mon) 03:42:37
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おまけ3 (No.1082への返信 / 6階層) - EVE



開演のファンファーレがなる。



『音』という波動が大気を、そして聴衆の鼓膜を振動させ、交感神経が彼らの体を戦闘体制へ移行させる。


『何もないはず』のこの天空の宴会場に響く盛大なオープニングが、『宴』の参加者の興奮を高める。



さぁ、はじめよう。今宵も彼の一声と共に!!









「あ〜、悪い、あいつ前回レッドカードくらって出場停止なんだわ。」


とんだ、茶番である。






さて、今宵も、いつものメンバーで進行していく予定だったが、やむをえない事情で一名参加できない。と、いうことで問題は、誰があとがきなるものを展開していくかであるが…


「え? おれ?」


…よりにもよって真中である。「なにが、いけない!!」


あの、『ま、な、「繰り返さんでいい!!」』


これでは、さすがに辛抱強くここまで読んで下さった読者様もさじを投げてしまうにちがいない。であるから、今回は作者に代わって私が「キャァ!!」ドサッ …???


真中:「『作者不在』、そのある意味絶体絶命で考えようによってはどうでもいいような危機にATフィールド『Absolute-Techmacmayakon-Field』(絶対おかしいだろ?領域)を突き破り、腹立たしくも憎らしいナレーターの戯言を遮ってこの空間に出現したもの。しかし、それは軽量小型というある種固定観念化した日本製品への大いなる挑戦だった。


内包された爆発的なエネルギー、その日ナレーターのココロは萌えた。


次回、秘密は『ニトロ(いちご)』 きみは生き延びる事ができるか――――――」 







え、えと………「あれはいいものだぁ!!!」マ・クベ!?


やっぱり、はっちゃける真中。

なぜか、再登場のストロベリー。ナレーターだってどうしたらいいか分からない。いや、むしろどうしようもないったらどうしようもない。というか、今回ばかりは真中淳平に助けられたかもしれない。

なんか作者が本編よりこっち書いてるほうが楽しくなってきたその時、件の少女が起き上がる。


「う、う〜ん。」


「………………」


 ………………


「え、えと……ギャン?」


「キタ━━━━ヾ( ゚д゚)人( ゚д゚)ノ゙━━━!!!! 」


「ご、ごめんなさい、私あんまりよく知らなくて……」


この女なかなかできるようだ。実はコアか?


「ところで、どちらさま?」

「あ、あの私、東城綾って言うんだけど…」

「で、その東城さんがどうしてここに?」

「あの、その、学校の帰りに第九をくちずさむ男の人にこれを渡されて。それで気づいたらここに…」

まちがいない

「ああ、あいつだ。まったく意地でも印象に残りたいらしい。」

なんという執念、いや、せっかくおまけ続行なのに出られないのがよっぽど悔しかったのか?

「まぁいいや、おれ真中淳平、よろしくな?」

「あ、うん。こちらこそ。」

雰囲気作ってる君達、お楽しみの最中申し訳ないが、それは本編でやったらいいから進行しろ、進行。

「そ、そんなんじゃない!」「〜〜〜〜〜!」

いいから。

「え、えと東城さん、渡されたものって?」

「こ、これなんだけど、なにが書いてあるのかしら…」

彼女の持っていたのは一冊の台本、それには『おまけ2』と書かれていた。

「だ! 台本!?」

つまり、今回出演できない作者に代わって、進行役を務めてほしいということだろうな。

「え!? わ、私そんなこと、こ、困る……」


「ふぅ、ほら貸してみな?」「あ、……。」

そういって、真中は彼女の手から台本をとり今回のあとがきを語りだした。

「なになに、『今回からいよいよ本編に入りました。原作ではこれが彼〈真中淳平〉と、物語の表題である〈いちご100%〉において最も象徴的イベントであるイチゴぱんつとの出会いです。この直後、彼には運命的な出会いが待っているわけですが、〈masterpiece〉という題名を生かしたかったので、短めで文を切りました。ちなみに今回は1500字ほどで終わらせたのですが、長さ的にはどうでしょうか? 私は当初3000字ちょっとを基準にしようと思っていたのですがどれくらいが、一度に読む量として適正でしょうか? 皆様の意見を感想板にてお聞かせください。

裏話といたしまして、この話はおまけ1が投稿された時点ですでに完成していて、感想がなければその他の投稿もろとも撤収しようかという状態でした。まさに限界ぎりぎりといったところで何とか投稿に踏み切れたのですが、今後も、感想がある限り続けたいとおもいます。また、おまけに関してですが、登場キャラクター等のリクエストがありましたら、どしどしご応募ください。本編の演出上確実にとは行きませんがなるべく善処します。さらに、読者様のゲスト出演も募集しております。他のキャラクターにいぢられてもいいからわいわいやりたいといった方、簡単で結構なのでキャラ設定を添えてぜひお申し付けください。』 だってさ。」

作者一同お待ちしております。


「さて、最後に次か「フッ!!!」トスッ うぐ……」パタ

「ふ、吹き矢!? ま、真中君!! どうしようナレーターさん!?」

私は何も聞こえなかった。

「な、ナレーターさん!?」

私は何もみていない、ましてその場から駆け去るE●Eなど存在するわけもないし、事実そんなことはありえない。

「ど、どうしたらいいの……」




とにかく、一度上がった幕は引かねばなるまい。真中はもう戻って来れない。ここにいる者でそれができるのはもはや『東城綾』君しかいないのだ。

「そ、そんな無理です! 私にはできません!!」


 …………………


「あ、あいつ最初から、これが目〈ガン!!〉て… はう!」パタ

「キャァ!! しっかりして真中君!!!」


なぜか崩れ落ちる真中、なぜか緋色に染まるこぶしを握り締めナレーターは、冷酷に、そして厳然と少女に宣言する。


さぁ、次回予告をしろ、しないのなら帰れ!!


沈黙がその場を支配する。


平穏無事の日常から殺るか殺られるかの戦場へと放り込まれた内向的な少女。


頼れるものが目の前でなぜか敗れ去った時、そこに立ち尽くした少女のココロには何が渦巻くのか。


怒りと悲しみが錯綜するこの世界で


一般人だった少女は一人の戦士へと成長する。



「……わかりました、やります、わたしがやります!!」












次回予告








それは、定められた運命だったのでしょうか



あの日、太陽が燃え尽きるその瞬間に


私達は、異世界へと跳ばされてしまったのかもしれません。


ありふれた日常が、ありえない非日常へ


退屈な学校生活が、刺激的なSchool Lifeへ




高鳴る『鼓動』と、切ないこの 『想い』



あの日、あのときを境に私達を取り巻くすべてが変わった。


あなたはまだ気がついていないのかもしれない。


でも、きっと気がつくよ。



始まる『恋』 始まる『物語』



そして、『私達』は『出会う』





次回、『Now we met.』    





はじめましょう、私達のものがたりを。


























初登場につき、キャラ設定を



東城綾 11歳

第二話において、真中と別れたあと、作者に拉致された少女。

天然、めがね、おさげ、巨乳(数年後)、おまけにどじっ娘属性完備の『すげ〜やつ』

性格など詳しい情報は、以後随時。

その他呼称、「いいおしり」「いいおんな」「おんな」「いいもの」「東城さん」



何気に扱い悪いか?






とりあえず、続いとく?



やっぱり新世紀エヴァンゲリオンはガイナックスの作品です。

「次回もサービスサービスッ!」〈作者)


[No.1083] 2005/04/18(Mon) 07:19:43
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Life is ...Scene 3: Now we met. 前編 (No.1083への返信 / 7階層) - EVE



数億年の太古から、ただの一度も変わることなく続いてきた日没

それは今日という日も変わることはなく、街のビル群の向こうへと太陽は沈む。

日没を機に、それまで追いやられていた夜の帳が勢いを増して落ちていくなかで、

冬の到来を告げる木枯らしがいよいよもって冷たく感じられるようになってきた頃

真中淳平は自失状態から、我に帰った。


「うぅ、さ、さび。…あれ? さっきの女は?」

先ほど、目の前に降って来た少女を探すが、見当たらない。


「…まさかゆ、幽霊? ………か、帰ろ!」

かつてない感動に打ちのめされていた真中にしてみれば、屋上の扉を開けた瞬間に空から正体不明の女が降って来て、そしていつの間にか姿を消した、という風に感じたのも頷ける話だ。

急いで帰宅の途につこうと踵を返そうとした時、足元に一冊のノートが落ちているのに気づく。

拾い上げて眺めてみると、極普通の大学ノートだ。『捨てられた』にしてはきれい過ぎるそのノートには『6−3 東城綾』と名前が記してある。どうやら『東城綾』が置き忘れたか、もしくは落として行ったらしい。

「もしかしたら、さっきの女のかも。」

とにかくここに捨て置くのは気が引ける話なので、ついていた砂埃を軽く払って持っていたかばんに放り込み、施錠の時間が近い校舎へ舞い戻った。



日も落ち、生徒達の帰った後の校舎は暗く、どこかおどろおどろしい。まだ完全に夜といえる時間帯ではないが、それでもその雰囲気は、小学生の心に焦りと恐怖心を呼び起こすには十分だった。

そのせいで、先ほどのノートを6−3の教室の教卓の上にでもおいておけばすむ事にすら気づかぬまま、階段を転がり落ちるように駆け下り、廊下を教師が見かけたら何事かと思うほどに疾走して、玄関を出た。



6年間通い慣れた通学路に出ると、一寸前の恐怖は去り、安堵と共に頭のほうも冷静さを取り戻す。

「それにしても、いいもんみた。あ、決してぱんつのことじゃないぞ?」

だれにかわからないつっこみをしながら、先ほどのシーンを思い出してみる。


すると、再びあの興奮が胸によみがえってくる。


起き上がる少女、そして夕日。


「あの女が起き上がるところは絶対スローモーションにして……」



学校の帰り道、少年は自分の夢を思い描き、ごっこ遊びにふけった――――――――






楽しい時間はあっという間に過ぎて、気がつくともう自宅の門前。

帰りの挨拶と共に玄関の扉を開けて家の中に入ると、いつものように母親の声に迎えられた。

「ただいまー。」

「おかえり、今日はずいぶん遅かったわね。こんな時間まで部活?」

「うん、ちょっと。」

そういって、ごまかそうとする淳平だが、

「あ、またさぼったね?」

速攻でばれた。

「まったく、あんたがやりたいっていったから、スパイクまで買ってやったんだろ? ちゃんと卒業するまでくらいは続けなさい。いつも、口ばっかり達「はいはい、分かってるって、手洗ってくる〜!」……こら!! まだ話は終わってないよ!!…ふう。」

また、いつものお小言が始まってはたまらないと、掛け声と共に洗面所へ姿を消す淳平。

補足するが、真中淳平は友人に誘われてサッカー部に所属している。入部後、スパイクが必要になった彼は、両親に頼み込んでそれを購入した際、『卒業までは、まじめに参加する』という約束ならぬ条件をのまされた。しかし体格も技術も平凡以下、おまけに熱意のほとんどが自分の夢に向かっている彼は、当然のごとく六年になってもサブのサブにまわされ、練習中はフィジカルトレーニング、つまり筋トレやランニングなどの基礎ばかりやらされるためそれに嫌気が差し、ちょくちょく部活をサボっては屋上で時間をつぶしていたのだ。当然、体操服などが汚れることもないため、それを洗濯する母親には丸分かりである。


そうして、夜は更ける。


基本的に淳平は特にすることがなければ、夕食、入浴の後にすぐ寝床に入る。その日も見たい洋画などがテレビ放送されていなかったのでさっさと床に就いた。

目を閉じて、最後にもう一度今日の夕日を思い浮かべる。


いい夢が見られそうだなどと考えながら彼は眠りに落ちていった――――









翌朝、まさに今時の子供にしてはかなり健康的生活リズムを保っている彼であるが、なぜか寝起きが悪い。寝すぎといわれてもおかしくないほど睡眠時間をきっちりとっているのにもかかわらず、お約束のごとくぎりぎりまで爆睡なのだ。

今日も彼の朝は慌しい。

まず母親の怒声で飛び起きた後、軍隊か? と疑うほどの速さで着替えを完了する。

その後、一階への階段を機関銃のような騒音を撒き散らしながら駆け下り、洗顔等の身だしなみを整える。

それから濡れた前髪が乾く間もなく、食卓に着くや否や掻き込むように朝食をとり、いざかばんを取ろうとして何も準備していないのに気づく。

急いで席を立ち、二度目の機関銃を撒き散らしながら二階へあがり自室へ突入。

通学かばんをひっくり返し中身を机の上にぶちまけた後、今日必要なもの、もしくは必要だと思うものをろくに確認もせず手当たり次第に放り込む。

さらにここで、枕もとの時計を確認して発狂しそうになりながらも、ぎりぎりで理性を保ち部屋を出て、階下へ下りる。

そして最後に、今日三度の重火器一斉射で十分に暖まった消化器系を総動員して大切な『用』を「フン!!」と済ませたところで、やっと本日のスタートラインに立つのだ。


家族の送り出しの挨拶に振り向かず大声で挨拶を返し、玄関の扉を威勢のいい音と共に開け放って友人との待ち合わせの十字路まで駆けていく真中淳平。

私は「本当にお前運動不足か?」と声を大にして問い正したい。








「はぁ? 夕日?」

待ち合わせの場所に集合し軽い挨拶を済ませた後、真中、大草、小宮山の三人は取り留めのない世間話をしながら、登校している。

「そそ、昨日学校の屋上でさぁ……」

「お前、部活サボってどこ行ってやがると思ってたらまたあんなとこ行ってたのか?」

どうやら話題は昨日の屋上での話になったらしい。

「まったく、屋上に楽しいものなんて何にもないだろ? よく飽きないよな、真中は。」

「おいおい、昨日は本当にすごかったんだってぇ。光の角度がだなぁ…」

「やれやれまた始まったぜ、真中の映画馬鹿が。」

「そうそう、何かあるとすぐあの演出がだの、これは背景がどうだのと、流行の話なんか出て来たことないよな?」

「なにぃ、俺だって最近の映画も見てるぜ?」

「あ〜もう、そうじゃないって! ファッションとか女の子の話だよ!」

「そうそう、大草の言うとおり。」

「ぐ、小宮山だってファッションはからっきしだろうが。」

「なんだ「あ!!」と… ん?」

「そういえば、昨日屋上に行ったときに女が降ってきたんだよ!」

「「はぁ?」」

「それがいち「「それは嘘だろ。」」ごパンツの… はえぇって! つっこみが早い!! しかも嘘じゃねぇ!!」


「小宮山どうしよう、とうとう真中が二次元の世界に…」「友達止め「俺の話を聞けぇー!!!」」


「だけど真中、いくらお前が映画監督になりたいからってそれはないだろ?」

「そうそう、まんが「お前の顔が漫画だぁ!!」バキャ!! ぐべらっ!!」

とりあえずNGワードの吐きそうになった若輩に燃え盛る情熱(?)で修正を加えてやる真中。


だが、その時小宮山より突如放たれる言葉という銃弾。

「ぶったね!? 親父にもぶたれたことないのに!!」

それは、狙いたがわず大草と真中を直撃した。彼らの心に衝撃が走る!

「な、なんてこと…」「そ、そんな、じゃあどうやったらこんな顔に……」



 ………………コーディネ「ナチュラルだ!! というかむしろお前が一番失礼だ!!」ーターか?




「みえる! そこか!!」「ブルーコスモス! ブルーコスモス!!」

いつのまにか『宇宙世紀 対 コズミックエラ』な真中と小宮山。しまいには「コロニーオトシ」だの「じぇねしす」だのと完全に二次元〈あっち〉の世界へ旅立った二人をみて人知れずため息を吐く大草。彼の悩みは尽きない。

「…俺、何でこいつらとつるんでるんだろ…」

同感だ。




「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」「−−−−−−−−−!!!」


もはや人語を話しているのかどうかすら怪しい真中と小宮山。

「おい! いい加減に戻って来いよ二人とも!! そういうのはおまけでやれって!!」

なんとか、話を元に戻そうとする大草。


しかし残念ながら二人にその思いは届かない。


「………グスッ………」

涙が出ちゃう、だって男の子だもん。
















「それで、その女っていうのかわいかったのかい? 真中君。」

いきなり話題が変わったように読者諸君は感じられるかもしれない。しかしこれは、真中、小宮山の両名が黒いオーラを放ち始めた大草に対して生命の危機を感じたためだ。むしろ、この場合多少強引にでも話題を戻したことが間違いでなかったことに疑いの余地はない。

「そうさ、この僕も目ん玉飛び出るくらい、別嬪だったと思うね!小宮山君。」

なので、二人がやたらぎこちないのもしょうがないことなのだ。

「それはすごい、真中氏が絶賛なんて有史以来なかなかなかったことだよ! ぜひお近づきになりたいね、そうだろ? ね? 大草殿?」

かれらはいま、必死だ。

「ああ、そうだね。地上でポジトロンライフルなんて撃ったら大変なことになるよね……ククク…ばかだなぁ、リツコサン……」

((え!? なに!? ちょっと何いってるの!? このヒト!))

大型で強い勢力をもった台風1号は依然、大草を中心にその勢力を保ったまま停滞中です。

「HAHAHA!!! そうだ、その女って平和を愛する私達と同じ学校の生徒なんでしょ? きっとそうよ! そうに違いないわ! おねがい! もうそういうことにして!!」

『友(命)を救いたい』その思いだけで彼らは敢然と絶望的状況に挑む。負けるわけにはいかない。負けるわけにはいかないのだ。

「そうね! きっとそうだわ!! でも、あんなにかわいい子なんて平和を愛する私達の学校にいたかしら!?」

だから『男の尊厳』などというものはこの場では形骸にすぎない。

「真中さんったら、いつも女の子に興味なんて持たないもの、名前なんて期待してないからその娘の容姿を言ってゴランナサイ? さぁ早く!!! 種がはじける前に!!!」

生物は存在し生存する以上、その生命を維持する義務があるのだ。遥かな先祖より受け継がれてきたその使命。それを次の世代へ受け継ぐ前に散ることは許されない。

「な、なまえ?――――――あああ!!」

突然奇声を上げる真中。すこしちびった小宮山。

「悪い! 忘れ物した!! 先いっててくれ!!」

そういってきびすを返し、来た道を駆け戻っていく。

「お、おい! まて、いやまってください!! むしろひとりにしないで〜〜〜!!!」

あまりの孤独感に小宮山が悲鳴を上げるが、真中はあっという間に視界から消えた。悲鳴を聞いた際に真中が加速を掛けたことは内緒だ。

「そ、そんなどうした「ハハハ…ヤダナァ…ATフィールド…万能ジャ…ミサトサン」ら… ヒィ!!!」

現実はいつも、無慈悲だ。『必死』『努力』が必ずしも報われるわけではない。彼らはこの日、知りたくもないその事実を幼いながらも実感することになった。



          「フフフ…ヒトツニナリマショウ…ソレハトテモキモチイイコト……」

          ふりむいたその先、恐怖はそこにあった。


「!!?―――イヤ―――!!!!―――ヤメテッ――アッ――ア-――――



そこで何があったのか、それは今も、そしてこれからも語られることはない。ただ、世の中にはあえて目を背けなければならないこともある、とだけ知っておいてほしいのだ。


[No.1098] 2005/04/25(Mon) 14:16:51
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Life is ...Scene 3: Now we met. 後編 (No.1098への返信 / 8階層) - EVE

命からがら(?)生涯最速かも知れない速さで自宅に帰還した淳平、その理由は忘れ物であるとか、遅刻するかもといった『平和』な理由だけでは決してない。ついさっき家を出たばかりでいきなり帰ってくる息子に声を掛けようとした母親が、その表情を見て口を噤んでいることなど完全に無視して、彼は自分の部屋へ駆け込んで行った。


勢い良く部屋に入った彼は、必死の形相で部屋のドアを閉め、ついでになぜか鍵まで掛けた。仲間を見捨てたことに蚊ほどの罪悪感を感じながらも、どうにか心の中に日常という平穏を取り戻せた淳平は、とりあえず目当てのものを散らかした机の上から探し出す。

「東城綾、これだ。」

それは昨日学校の屋上で、謎の少女に出会ったあとに見つけた一冊のノート。それが実際謎の少女に関係があるとは決まったわけではないが、可能性は高いだろう。

時間稼ぎのつもりか(何に対してかはこれもまた謎だが…)おもむろに彼は、椅子に腰を下ろしぺらぺらとページをめくりだした。

そこには小学生なのでまだどこか幼稚ながらもこじんまりとまとまった字で数式が埋めてある。どうやら算数のノートらしい。要所要所見やすくまとめてありはっきりいって何のノートか分からない、むしろ『算数』と表紙に書いても本当か?と疑いたくなるような淳平のノートとは天と地の差がある。ここまでくると世の中を平等だといってる人々を、『誇大妄想』もしくは『現実を正しく把握できない』として、精神異常判定したいほどだ。

「おお、すげぇ、女子ってみんなこうなのかな…」

男子だって少なくともお前よりはましだ。


「へぇ、ここはこうするのか…」

いつの間にか普段分からないところを復習し始める淳平。分かりきったことであるが、彼は常日頃予習はおろか復習などしない。しかし、学校で教師達が板書する内容より遥かに効率的にまとまったノートは淳平のあるかどうか分からない知識欲を刺激したようだ。



「ふわぁ、ねむ…」

だが残念ながら、それも限界があったようである。先ほどの熱意はどこへやら、あくび交じりにページをめくる。こんなものか、とノートの後半まで読み進めると途中、白紙10数ページを挟んで書いてある内容ががらりと変わった。それは、見るからに算数ではない。どうやら何かの文章のようだが……。興味を引かれた淳平はその部分の冒頭に戻り読み始める…

「へぇ、自作小…!!!――――――――――――――


―――――――――――


――――――
















その日の就業を告げる挨拶と共に担任の教師が退出した。自然クラスは浮ついた雰囲気になる。これから部活に向かう者、帰宅する者、友人と寄り道の予定を立てる者など、まだ室内は活気に満ちている。その中の一人、大草も他の人間と同じように部活に行こうと、教科書などをかばんに詰めて帰り支度を進めていた。


その時、教室の扉が開いて真中淳平が今頃『登校』してきた。あまりにも突っ込みどころが多すぎてクラスの誰もがまごついている中、彼はその理由はうかがい知れないがかなりせっぱづまった顔で自分の席を素通りして大草の前に立ち、後ろの席に前日は座っていた小宮山にも、そして彼に代わりその席の机の上に今朝からなぜか乗っている花瓶もまったく気づかなかったような態度でたずねた。

「おい大草、東城ってどいつ?」

大草はいきなりのことにしばらく声を失うが、それでも何とか頭を回転させて答えを返した。

「…え、あ、ああ東城? えっと東城は…」

そういってクラスを見回すが彼女を見つけることはできない。しかし彼女の席を見るとまだかばんが乗っていたので学校にいるのは確かなようだ。

「まだ学校にいるみたいだけど…ねぇ、東城さんって今ど「サンキュ、もういいわ。」こ… あ、おい!」

近くの人間に彼女の所在について聞こうとした大草の行動を遮って、真中はかばんを持ったままクラスを出て行った。




しばらくして、時が止まったかのように真中に集中していた視線が霧散し、クラスが先ほどとは別の活気に溢れる。

「ねぇねぇ、真中が東城さんに何のようだろう?」

「あいつって、東城さんと親しかった?」

「というか、話してたことあったっけ?」

彼らは『真中が女子生徒に話』という稀に見る珍事に興味津々のようだ。


「何の用なんだろ…」「なんか真剣な話っぽくなかった?」「東城さんと真中が二人っきりで……」


クラスの興奮が最高潮に高まった



…………………………(((まさか!!!)))……………………



               「「「「決闘!?」」」」

(なんでやねん!!!)


大草は心の中でこれ以上ないってぐらいに突っ込んだ。しかし会心の突っ込みだったが、それを外に漏らすことはしなかったようだ。

『真中』という男に関して、基本的にこういった状況になったときに『告白』というイベントにクラスの生徒達の思考が直結しないのは彼の日ごろの行いのせいではあるが、それでも小宮山が今この場所にいたら何かとはやし立てて彼の行動を野次馬しよう等といったことになったであろう。

大草はもちろん他の人間達とは異なり、『告白』という可能性も視野に入れていたがあえて口にすることはなかった。可能性は極めて低いがもし『決闘』なるものなら(そうならとめるのが一番だったろうが)いくら真中が体格も体力も平凡以下の持ち主であったとしても、普段から何かと『影が薄くとろい』という印象を周囲に与えている女子の東城綾に負けるはずはないし、『告白』であったのなら好きにやらせてやろうと思ったためだ。意外にも彼は、一見クールだとか言われているが実は友達想いなやつなのかもしれない。

この際『告白』だか、『決闘』だかを受ける東城のことは頭の片隅にでも追いやっておくとして(この辺はクールだ。)、大草はクラスメイトたちが下種なことに考えが行かないように誘導しながら彼らを解散させていった。

(ま、なんだかしらないけど、がんばれよ、真中。)






そのころ真中は屋上に向かう階段を上っていた。東城綾を探している彼がなぜここにいるかというと、まったく根拠はなかった。しかし、直感的に『東城綾は屋上にいる』と思ったのだ。

昨日も、時間的には少し後になるが上ったこの階段。

この先に東城綾はいるはずだ。

本能といっていい何かに突き動かされるように彼は階段を上る。

前回と違い一歩一歩踏みしめるように登っていく。


何かをかみ締めるように。


何かを確認するように。


今にも噴出しそうなそれを必死にせき止めるかのように。





扉を開けて屋上に出た真中。

しかし簡単に見渡すが、人一人見当たらない。

当てが外れたと感じた彼は、東城綾がいきそうな場所に心当たりなどはじめからないので、屋上の端のフェンスに手を突き、下に見える校庭をぼんやりと眺めた。

まだ本格的に部活がはじまる時間には少し早く、校庭にいる人間はまばらで、着替えの早い連中がポツポツと校庭で器具の準備や準備体操を始めている。さっとサッカー部のほうを見るが、まだ大草は出てきていないようだ。(彼は金髪でやたら目立つので、屋上からでもすぐに分かる。)



そうして、肩を落として真中が途方にくれていると背後の扉が音を立てて開いた。放心気味だった彼は飛び上がるほど驚いて後ろを振り返る。


「ご、ごめんなさい。」


そこには、めがねを掛け、髪をみつあみにまとめた少女が恐縮そうに立っていた。いかにも『地味』という言葉がぴったりな彼女は、真中を驚かせてしまったことを申し訳なく思っているようだ。

「あ、あの真中君?」

反応のない真中に不安になったのか、少女は声を掛けてきた。しかし彼女はこちらのことを知っているようだが、彼にはどうにも心当たりがない。

「えっと…なんか用?」

とりあえず、その場凌ぎに用件を聞く真中。

「あの、その…私のノート知らない?」

かなり失礼な真中だったが、気にした風もなく用件を口にする少女。

「ノート?」

心のどこかで昨日屋上であった少女と『東城綾』を重ね合わせていた真中は、その少女が『東城綾』と結びつかず、質問に即答できなかった。

「そう、私の算数のノー「もしかして東城綾!?」ト… は、はいぃ!!」

突然大声で名前を呼ばれて驚く少女を尻目に、真中は自分のかばんから一冊のノートと取り出し彼女に差し出した。

「これのことだろ?」

「あ! 拾ってくれたんだありがとう!!」


「……………」


「…え? なに?」

黙り込んだ真中に困惑する少女。しばらくそのままだった真中だが、やおら口を開いた。

「東城って小説家になりたいの?」

「え? あ…」

何かに気づいたような少女。

「東城?」

「あ、らくがきのこと?」

そういって少女は苦笑いのようなものを浮かべた。

「あれは、その、ただ授業の合間に暇だったから書いただけなの…だから、その、小説家になりたいなんて夢みたいなことは思ってなんかいないのよ?」


 まて  ナニヲ言ってるんだ


「あはは、はずかしいな… 授業中に何してるんだっておもったでしょ?」


 今スグソノ口ヲ閉ジロ ダマレ


「あんなの人に見せたくなかったのに… 『才能のかけらもない文章』」


イマナントイッタ??????????????


才能のかけらもない文章さいのうのかけ『才能』らもないぶんし『かけらもない』ょうサイノウノカケラモ『才能』ナイブンショウS『ない』AINOUNOKAKERAMONAIBUNNSYOU……………………――――――――――――――――――――????!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 




何かが決壊した。


「だか「そんなこというな!!!!!!!!」ら…ヒッ!」


真中の抑えていたもの、それは『嫉妬』そして『怒り』だった。

今朝自分の部屋で東城綾の文章を見たとき、彼は『才能』というものをまざまざと見せ付けられた気がした。

芸術やスポーツなどは大成するのに特に『才能』というものが重要なファクターであることは疑いない。真中淳平にもそれはよくわかっていたし遺伝的にも自分にそれがないだろうことは理解していた。いや、理解していた『つもり』だった。だが、彼女の文章は彼にとっていままで抱いていた価値観や常識といったものを粉々に打ち砕くのに十分の威力を持っていた。



差は圧倒的に大きく。


壁は絶望的に高かった。



緻密で丁寧な情景描写。読者の感情移入を促す絶妙の間と、リズム。何より彼女の紡いだ物語には生き生きとした躍動感と臨場感に溢れていた。

もちろんそれらは、現在活躍するプロと呼ばれる人間にすればまだ幼稚で雑なのかもしれない。

しかし彼女の言うことが本当なら彼女は我流、つまり独力で誰に師事するでもなくそのレベルに到達したことになる。

自分はそこまでいけたか? 今、自分はどこにいる?

『機会』さえあればいつでも『世に出せる』才能

それが彼女にはあった。

それにたいして自分は今、『機会』に恵まれたとしても何ができるだろうか…

持たざるものの『嫉妬』、それは容易に人の心を蝕む。

いま、彼の幼い心は蝕まれる痛みに悲鳴を上げていた。

蝕まれた部分が膿み、腐臭を放つ。そこから生まれたどす黒い『穢れ』がまた、彼の心を蝕む。

それらは拡大し、速度を上げて彼の心を汚染していく。やがて、穢れは外へ、それをもたらしたものへと帰ろうとする。

しかし、彼の本来まっすぐの性根がそれを許さない。逆に彼女に嫉妬して黒い感情を向けようとする部分をひどく嫌悪した。自分の不足を、他人を貶める、もしくは否定することによって満たそうという浅ましさ。そんなちっぽけな自分に向けた『怒り』。


それらは彼の小さな胸に溜まり、今にも噴出しようとしていたが、彼はそれを必死に抑えていたのだ。


そして、彼女の放った先ほどの言葉が引き金になった。

抑えていたものの決壊を機に、許容限界まで蓄えられた『もの』の濁流が鉄砲水となって流れ出る。

頭のどこかで、それを抑制しようとする声が聞こえる?


そんなものきこえない!

もうおわりにしてしまえ!!

そして、目の前の女を道連れに…!!!


『衝動』が真中淳平を支配しようとする。『目の前の女をぶち壊せば胸にわだかまる溜飲も下がる。』『すっきりする。』『日々感じていた不安も焦りも何もかもなくなる。』

論理的組み立てもなく、脈絡もなく、いい加減で、自己中心的で、限りなく独りよがりのいいわけが次々と彼に見せかけの免罪符を与えていく。

『お前は許される。』『それは悪いことじゃない。』『気にすることはない。』『あとでどうとでも言い訳できる。』

それら見せかけの免罪符たちは『破滅』という姿を巧妙に甘いオブラートで包み、彼を後押しする。前へ、前へと。


彼を、足を前に進める。

目の前の女は自分を睨み付ける男に恐怖しているようだ。


その表情がたまらない。たまらなくそそる。おびえる弱者。無力なもの。


幼い心はそれらをちっぽけなものと容易に誤認する。そして目の前のものがそうなった時、それは、どうしようもなく無垢で残酷なものへと変貌する。

昔、生きた虫を解体したときのあの得体の知れない興奮。その高揚感がますます彼ら、幼い子供をかきたてるのだ。


その震える体をわしづかんで


そのか弱い肩を木っ端微塵にしたら


それは、どれほど『愉快』だろうか。どれほど『痛快』だろうか。

どれほど自分が『偉大』な存在だと錯覚させてくれるだろうか。






あとすこし





あと少し手を伸ばせば












鈍い音 と 叫び声






これが、彼『真中淳平』と彼女『東城綾』の出会いだった。


[No.1099] 2005/04/25(Mon) 14:37:35
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おまけ4 (No.1099への返信 / 9階層) - EVE


「おい! いい加減に戻って来いよ二人とも!! そういうのはおまけでやれっ…て、え??」



「ようこそ、今回のゲスト『大草君』。主催者として歓迎するよ。」

出場停止処分が解けた作者『EVE』が、嬉々として彼をもてなす。久々の登場に普段よりいくらか機嫌がいいようである。当人曰く、『当社比120%』だそうだ。

…どうでもいいこ「どうでもよくないよ!!」とだが。

「…さて、最近とみに冷たいナレーターはほおっておいて、このたびは原作で●地君と微妙にキャラがかぶって後半とってつけたような出番しか与えられない大草君に登場いただいたわけさ。」

「そんなことより、ここはどこだよ!」

先ほどまで友達二人と仲良く登校していた彼は、いきなりこんな異空間へつれてこられてひどく動揺している。

「お、大草君!?」「東城!?」

ここで、前回かなり間違った成長を遂げた『東城綾』が突然現れた大草に声をかけた。

「東城! ここはどこ? 何で急にこんなところに…」

「それが、わたしにもよ「ここがどこであるか、そしてどうやってここに来たのか、君達にはそれを知る必要はないし、知ったとしてどうなるものでもない。」く…」


「「…………………」」


二人の会話を切り裂く、冷徹な言の葉。しかしそこには厳然とした事実の存在。

場が、凍りついたかのような沈黙につつまれた。

「…ま、真中君はどうなったんですか!?」

しかし、その沈黙は一人の少女によってあっけなく破られる。

いや、少女はもはや『少女』ではない。

日常を塗りつぶした非日常。あの日、あの場所で、彼女はモラトリアムを破棄した。

いや、せざるを得なかったといったほうが正しい。

だが、過程はどうあれ彼女は直面した危機を乗り越え、年齢からしてみれば甘受して当然の猶予期間を一足飛びに飛び越して、一人の『戦士』に成長したの「うわっ! 何だよその裏設定!」…だ。


このとおり

「は!? わたしいったいなにを…」

信じられないといった表情で呆然とする綾。

おまけらしからぬシリアスな展開かというところで、そうは問屋が卸さないようだ。

これはあくまで、『おまけ』。それ以上もそれ以下でもありはしない。


「hahaha! いいね、これで君も立派なおまけ職人さ!」

「ゎ、私…イヤァーーー!!」「東城! しっかりし「さぁ! 勢いで次回予告行ってみよう!!」ろ…」

相手が落ち着きを取り戻す時間を与えない。そして急な展開で話のペースを握る作者。なかなかに外道役がさまになってきた。


「じ、次回予告!? なんだそ「さぁ〜て、次回の真中君は!?」…れ!?」




綾です。桜も終わり、木々の葉が日ごとに青々としてきました。ですが、それら季節の移り変わりも花粉症の方々にとってはなかなか楽しみにくいものかもしれませんね。そして今年も、涙とハンカチの欠かせない出来事に出会いました。

次回 「淳平、リコーダーがへし折れる。」
   「つかさ、リモコンと携帯を間違える。」
   「大草、心のむこうに。」の3本です。


(さ●えさんかよ!! しかもおれだ…け…ハ!! なんだそのまなざしは!?」

「「じ〜〜〜〜」」

「つ、つっこまないぞ! 俺は突っ込み役なんかじゃないんだからな!」

「どうしてそういうこというの?」

「あ、あやさん!? あなたまで…ってちが〜う! おれは天●とかぶってなんかいない!!そうだよ個性だ! というか個性って何だ!?」

やっぱり気にしていたらしい。

「思春期における個性という命題、これも青春よね!」

「あ〜そういえば、最近筆が進まないんだよねぇ〜。」

「「ほったらかしかよ!!」」


…いい感じにあったまってきたところで、今宵もおまけの宴を始めましょう。というか、ぶっちゃけあほな三人はほっといて話を進めたい。

「「「裏切ったな! 父さんといっしょで僕(私)の心を裏切ったな!!!!」」」

こいつらさっきから息が合ってきたな。



「それでさぁ、おれ的にはもう少し扱いよくしてもらってもいいんじゃないかなと思うんだよね。第一俺の名前って結局何なのよ? 公式HPにも載ってないんだけど?」

「あはは、それはまた傑作だね。」

「じゃあ、私達で勝手に決めてしまっていいのかしら?」

「お、それいただき!」「いいとおもうよ?」

しかもなんか仲良くなってるし。



「カクリコンなんてどう?」

なんだそれは。

あいかわらず、あっち系にクリティカルなのを持ってくるなこの女。

だが、ふつうありえ「いきなりシュールだな。」「なかなかレトロだね。」な…え!?


「あ、それでいくと相棒がジュリドとかになっちゃう?」

「そっか、そういえばそうだね。」「いいところに気付くね、きみは。」

な、何だこの疎外感。これが孤独なのか…

あ、あのみんなそろそろ話をね、すすめ「あの頃はよかったよね?」て…「そうそう…」

…………… いや、だからさ、はなし「ちがう、ちがうよ、あそこはさ…」「そっかぁ、あ、そう言えば…」


私を見て!!!




「というわけで、ナレーターがすねてしまったから、そろそろあとがきを始めようか。」

「そうだな。」「そうですね。」

「今回のテーマは真中淳平の周りの環境との出会いです。まず、彼のまわりの環境をいかに正確に読者に印象付けるかに気をつけました。彼の日常生活だけでなく周囲の人間関係や性格などをできるだけ丁寧に書いてみたつもりですがいかがだったでしょうか? ただ描写を多くしたことで、快適なテンポやリズムを阻害しないようにするのに苦労しました。次に出会いですが、メインである東城綾だけでなく、母親や友人達との関係もできるだけ理解していただけるようにしました。個人のルールとして、台詞やアクションの描写のあるすべての登場人物はたとえ名前がなくとも感情や動機などを作者なりに納得した上で書いていこうと思います。ありえない登場やありえない動きの中にもそれなりの動機と解釈を込めれたら、と思います。」

「裏話として小宮山の退場ですが、これは、西野つかさを登場させないためです。彼が学校に残っていると何かとその後の原作にあったイベントを回避できないので退場していただきました。西野つかさが当日のパンツをぶっちゃけたりするシーンや真中が彼女を例のいちごパンツの少女と間違うのも作者的に納得いかなかった為です。もちろんこのまま小宮山がいなくなるとか、西野つかさが登場しないということはありませんのであしからず、彼女には別な登場を用意しておりますのでお楽しみに。」





「ナレーター、かえってこないな。」

「結構ナイーブなんですね。」

「彼が、いないとまるで暗闇の中で話しているようだねぇ。」「そうですね。」



「やっぱり地の文っていうのは大切なんだな。」「失って、改めて大切さが分かるということだね。」


「帰ってきませんね。」「そうだね。」「これからどうする?」


「このまま終わるかい?」「じゃあ次か「あ〜!!」い…な、なに?」

「真中君はどうなったんですか!?」

「あ〜、真中君? 真中君くんはねぇ〜…」

「なんで、そこで視線をそらせて、顔を斜め下に傾けるんだ?」

「そんなことはどうでもいいから!? 真中君はどうなったんですか!?」

「ど、どうでもいいって、またかい? ちょっと傷ついたよ?」

「聞かれたら困ることでもあるのか、落ち着かない作者…ってなんだよ、ツッコミ役の次は状況解説かよ!?」

「キャラが固定されないとどうも便利に使いまわしちゃうんだよねぇ。モテキャラだけだと微妙にパンチきかないし、それにモテキャラ他にもいるし。」

「大事なモテイベントもそんなになか…ってそれもどうでもいいから!! 真中君、真中君、真中君!!」

「俺って、どうでもいいキャラなのか…」

「ほ、ほら、綾君、大草君がいい感じにすすけてしまったよ? だか「真中君!!」ら… ふぅ、その、実に、言いにくいのだけどね、真中君は前回の終わりに不慮の事故にあって……」

「そ、そんな…」「お、おい、まじかよ…」

「今は少し遠いところで療養中だよ。」


「私、お見舞いに行ってきます!!」

「あ、ちょっとまった! まだ次回よ〈ぷす〉… あふん―――パタリ」

「きゃぁ! ど、どうしたんですか? …大草君?」

「い、いや? しらないよ? 行方不明のナレーターガドコイッタノカナインテ…HAHAHA」

「で、でも…」


「やつのことはこっちで何とかしておくから、東城は早く真中のところへ行ってあげなよ。」

「え? う、うん。わかったわ。ありがとう!」


「そしてどこかへ駆け去っていく東城綾…か。まったく、俺ってこんな役ばっかりだな。でも、この場は守ってみせるよ、俺には代わりがいるからな…」


大草はそうつぶやき、決意のこもった瞳を虚空を睨んだ。

「ナレーター?」


つきあう。


「いい性格してるぜ、あんた。」


おたがいにな。


「それじゃあ、受け取ってほしい。俺達二人のメッセージを。」












次回予告


東城綾、彼女は見つめていた。

その視線にさまざまな思いを込めて。


東城綾、彼女は人知れずものがたりを紡いだ。

その筆に、さまざまな思いを込めて。


それらは誰にも知られることのない彼女の秘密。

それらは、誰にも踏み込ませない彼女の聖域。


そして秘密の蓋が開くとき、そこにあるものは何か。


次回、 Life is ... appendix 「その肩に、そっと。」







嫉妬、誰もが持つ感情。

おれも、あいつも、そしてきっとあの子にも。


手に入らないからこそ『ほしい』と思う。

それは、近づこうとすれば遠く離れていく。

そして、離れようとしても近づくことはない。


まったく、思いどおりにならないよな。


でも、だからこそ『ほしい』と思うんだ。



次回、「jealousy -嫉妬-」


二本立てでお送りします。お楽しみに。






























初登場につきキャラ設定


大草

本当に名前が分からない。しかも微妙にキャラが把握されてない『かわいそうな』やつ。

しかし、クール、美形、意外にも友達思いの熱いやつ、となかなかの高スペックマンである。

これからの物語によってどういった方向性で行くのか今もなお検討中。



実はアヤナミスト。


[No.1119] 2005/05/10(Tue) 15:56:47
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続きを読む方へ (No.1119への返信 / 10階層) - EVE

この後に続く外伝と本編はどちらを先に読んでもかまいません。読む順番によってその後の文が少し変わった印象を受けると思いますのでお好きなほうからお読みください。

[No.1145] 2005/06/21(Tue) 16:50:05
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Life is ... appendix: その肩に、そっと (No.1145への返信 / 11階層) - EVE





その瞬間、何が起こったのかわからなかった。
























Life is ... appendix: その肩に、そっと。

























『Fiction: フィクション』


綴られた机上の世界、少女はそこでだけありのままでいられた。


暗い洞窟の中も、野獣溢れる大森林も、剣戟入り乱れる戦場の只中でさえ、彼女は彼女のまま駆け抜けることができた。


あるときは、荘厳な翼をはためかせ

あるときは、猛る軍馬の背に乗って

そして、あるときは優美なドレスに身を包んで。


抑圧もなく

束縛もなく

拒絶もなく



ただ、自由に。





















「おれ、映画監督になる!!」

と、男の子はそういってクラスのみんなの視線を一身に受けていました。


その日、学校の道徳の時間の事です。

先生が私達に質問しました。


『将来の夢』


卒業と進学を控えた私達にとってどこにでも転がっているような問い。

クラスの男の子も女の子もそれぞれいろんな反応を見せます。

自分の中に確固としたものを持っていて、自信に満ちた目を見せる人。

友達と将来について、冗談まじりに相談を始める人。

先のことにはまだ興味がないのか、退屈そうにしている人。


その時、私の頭にはつぶさに『小説家』という文字が浮かびました。


でも、言葉にはできません。


できるのは、名前を指された時に備えて他人の声に聞き耳を立てることだけ。


決して自分だけではないと、現実<リアル>の綾<わたし>を励ましながら…


おしゃべりでにぎわう室内の、希望に満ちた昼下がりの暖かい空間

その中で、自分の席の周りだけどこか空々しく、空虚で、寒々しかった。


流れ出る冷や汗が不快で、両の手をキュッと強く握り、奥歯に力を込めます。

(だめ、だめよ、綾。)

そうしないと、せっかく目立たないようにとしてきた拙い努力が無駄になってしまう。


時間が過ぎていきます

楽しそうに談笑するみんな

挙げられていく意見

そして、うつむきじっとしている、わたし。


固く結んだ唇がほころび、震える吐息が漏れそうになったときでした、

彼が、ざわめく教室でひときわ大きな声で意見を口にしたのは。


私達の前で、映画監督になりたいと言った彼。

一人起立し、ざわめきをその一声でかき消した彼は、どこか誇らしげで、誰よりも自信に溢れていました。

(すごい…)

なんという度胸だろう

発言以前に指名されることすら恐れていた私にとって、彼はとても眩しく映りました。

けどその一方で、彼をやっかむ自分がいるのにも気付いていたのです。


私だけでなく、クラスの誰もが恥ずかしがり、しり込みすることをたやすく成し遂げてしまった彼。

さらに、大勢の人間からの視線にも怯まず胸を張っていられる彼が嫉ましかった。

羨ましかった。


その後みんなから、からかいの的にされてしまった彼が怒りと共に放った言葉

『そんなのやってみないとわからないじゃないか!! 夢見ることの何が悪いんだよ!?』

その言葉はまるで、私に向けられたかのよう思えました。


いえ、フィクションの世界の『彼女』が私に向けた言葉

現実に怯え、自己弁護と自己暗示でその場凌ぎの日常をおくる『東城綾』への言葉のようでした。
























屋上にあのノートを置き忘れたと気づいた翌日、早めに登校した私は真っ先に屋上に上りノートを探しました。

隅々まで探したけど見つからず、職員室にノートが落し物として届いてないかも確認しましたが見つかりません。

始業のチャイムが鳴る前に教室に戻った私は、あの時ちょうど屋上に上がってきた真中君が知っているかもと思い、室内を見渡しましたが彼の姿は見当たりませんでした。

授業が始まっても彼は教室に入ってこず、先生が大草君に事情を尋ねると、どうやら忘れ物を家まで取りに帰っているとのことです。

しかし、真中君はその授業が終わっても登校してきません。結局給食が終わり午後の授業が終わっても彼は教室の戸を開けることはありませんでした。

その日最後の先生の話も終わりみんなが帰る準備を始める中、私も真中君には翌日聞こうと思い帰り支度を始めました。


私がお手洗いに行っている間に何かあったのか、教室に戻ってみるとクラスの中が少し騒がしいなと思いました。

すると、女の子の一人がわたしに『真中君が捜していたよ。』と教えてくれました。どうやら騒がしいのは真中君がこんな時間に登校してきたからのようです。どこにいるのかは知らないみたいなので、とりあえず思いつくところを探してみようと教室を出ました。

普段接点のない私が真中君の行きそうな場所を知っているはずがありません。だからもっとも最近彼と会った屋上へ向かったのです。



そして、彼を見つけた。



開けた扉の音が大きかったのか、真中君を驚かせてしまったようです。そう思った私は、

「ご、ごめんなさい。」

と、たどたどしく頭を下げました。けれど彼はぽかんとしたままこちらを見ています。

それからしばらく反応のない彼に私は恐る恐る

「あ、あの真中君?」

そういって声を掛けました。

不審そうな顔をしたままの彼が何の用かと聞いたので、私のノートのことを知っているかたずねると、最初不思議そうな顔をした彼は突然私の名前を読んだ後、おもむろにかばんの中を探り始めました。

驚きで呆然としている私をよそに、彼は一冊のノートを取り出し、

「これのことだろ?」

といってノートを差し出しました。それはまさしく私の探していたものです。

「あ! 拾ってくれたんだありがとう!!」

といって、精一杯感謝の気持ちを伝えたつもりでしたが、彼は真面目な顔で黙り込んでしまいました。

私の伝え方がまずかったのだろうか、失礼なことをしてしまったのだろうか。

口を閉ざしたままの真中君。

不安と緊張でのどが渇き始めた私は、何か話のきっかけを作ろうと声を掛けました。


「東城って小説家になりたいの?」


ズクン


どうして?


瞬間、私は後悔しました。


今声を掛けたこと。今日この場所に来たこと。そして、昨日彼に会ったこと。


その後、何を口にしたのかよく覚えていません。


ただ、真中君を怒らせるようなことを言ったのだと思います。


ゆがんでいく彼の表情


その顔に浮かぶ『怒り』


私は恐怖していました。


こちらを睨み付ける彼ではありません、『その向こうにあるもの』に。


ただただ怖くて、私は必死に許しを請いました。可能な限りの言い訳をしました。


でも、『それ』は歩みを止めません。一歩一歩確実に近づいてくるのです。


今の私はきっとひどい顔をしているでしょう。涙にまみれ恐怖にゆがむその顔は、誰よりも醜いに違いありません。


空想の世界で、大地を駆け、大空を往く『少女』は、こんなにも矮小で


こんなにもみじ「そんなこというな!!!!!!!!」め………


「え?」


頭に冷水を浴びせかけられたようでした。

それと同時に少し冷静になった私は、改めて彼を見ました。

そして気付いたのです。

怒りの表情を浮かべる彼の瞳が


『悲しみ』と『苦しみ』に濡れていたことを。



彼は今戦っている。

何と戦っているのかは分かりません。

けど、私はどのような結果になろうと見届けるつもりでいました。

現実を生きる東城綾が自らが作り出した理想という怪物と戦ったように

彼、真中淳平もきっと譲れない何かと戦っているのでしょう



彼が足を踏み出し、私に近づきます。

きっと私の顔は強張り腰は引けているでしょう。

それでも、決して目をそらしはしない。


絶対に、逃げない! ――――――――――――――――――――――――























身の竦む様な鈍い音。


しかし、いっこうに痛みはやってきません。

反射的につむってしまった目を開いて真中君を確認します。


「真中君、大丈夫!?」


真中君は私の目の前で蹲っていました。さっきの音は彼が自分を殴ったときのものでしょう。


零れ落ちた血。


それを見て動転した私は、危うく彼の言葉を聞き逃すところでした。


『もっとみたいとおもった。』


『映画が好き』


彼は震えていました、何かをもてあますように。

彼は泣いていました、幼子のように。


トクン


とっさに慰めの言葉をかけようとして止めた私

なぜなら、きっとそれは違うと思ったから

いつだって、何かに言い訳してきたこれまでの日々

難しい飾った言葉は何も変えはしなかった

取り繕った行動は、明日への扉を開くことはなかった



私は知っている


本当に大切なのは、飾らない剥き出しの心


私<東城綾>は私のまま、『ありのまま』でいいことを


だから



あなたのその肩に、そっと――――――――――――――



「「……ありがとう……」」



心の中に広がる大空を彩る夕日、その光の中、天空を翔る少女が微笑んだ気がした。


[No.1146] 2005/06/21(Tue) 22:20:45
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Life is ...Scene 4: jealousy -嫉妬- (No.1146への返信 / 12階層) - EVE


クラスの連中をあらかた解散させた大草は、部活へ行く準備を進めていた。

本来は友人として、同じ部員として、先ほど嵐のようにやって来て去っていった男を誘うべきなのだろうが、彼の熱意がサッカーに向いていない事は知っているし、たとえ誘ってもなんだかんだといってサボろうとする彼を誘うほどサッカー部のエースは暇ではない。荷物の確認を終えた彼は知り合いに簡単な挨拶を済ませ、残っている生徒達も少なくなって喧騒の穏やかになった教室を出た。



「真中が女子と決闘だってよ!」

「はぁ? まじで?」「うそだろ?」

(あいかわらず、あいつって話題になるな。)

耳に入る他の生徒の雑談に内心苦笑する大草。あの図体の割りにあまり話題に上らない小宮山のことは一切無視して、今はどこぞでがんばっている(?)友人を思う。

(それにしても…)

つくづく不思議な男だと思う。特にこれといった特徴があるわけでもなく、何かに秀でているわけでもない彼が、こうまで全校生徒の注目を浴びることがいまだに理解できない。他にも人気者と呼ばれる部類の人間はいるがそれなりの理由や根拠がある。例えば、自分が女生徒の視線を集めているのは、容姿は言うまでもなく、サッカー部でもエースであるからだ。度量が小さいと自嘲も感じる、しかしそれでも友人が男女問わず話題の中心になることには少し複雑なものを感じずにはいられないのだ。


「ねぇねぇ西野さん、あの真中君が誰かと決闘するんだって〜。」

「決闘?」

(西野?)

物思いに耽りながら廊下を歩いていた彼は、気になるフレーズを聞き意識をそちらに向ける。

そこには同じ学年の生徒二人と目の覚めるような金髪、そして息を飲まんばかりの美貌を持つ少女がいた。

「うっそぉ〜!」「うそじゃないって〜。しかもなんか相手は女の子なんだってぇ。」

「……女の子と…?」

「え、そ、そう聞いたんだけど…」

急に真顔で聞き返され戸惑う女生徒。どことなく語尾も尻つぼみだ。

「…あ! 大草君だ!! じゃ、じゃあさ、大草君に聞いてみようよ! 大草く〜ん!」

(なっ!? そこでふるのか!?)

とりあえずこの雰囲気を何とかしようとサッカー部エースもたじたじのキラーパスを放り込むもう一人の少女。運悪く視界に入ってしまった彼は堪ったものではない。

「な、なに?」キラッ ((大草キュン!))

それでもかろうじて笑顔を保ちながら返す大草、さすがだ。(ひくついている頬はこの際御愛嬌か。)

「あの、大草君て真中君と一緒のクラスだし仲良いよね!?」「そうそう、真中君が女の子と決闘って本当なの??」「…………………」

(これは下手のことは言えないな…しかし何でこんな役ばっかり…)

「あ、いや、ただ真中のやつが東城って子に話があるって探してただけで、特に決闘とかは聞いてないよ。」

「なんだぁ〜、ちがうのぉ?」「もう、どこから決闘なんて聞いたのよ〜。」「だって、さっき廊下で男の子達が話してたんだもん。」

「あぁ、それはあの真中が女の子に用があるのが珍しかったから、クラスのみんなが勝手に騒いだんだ。」

「「そうなんだぁ。」」

大草の言葉にしきりにうなずき納得顔の二人の少女、先ほどの疑問が解決したことも喜ばしいことだが、大草と会話できたことも十分な収穫だったに違いない。



ナイスパス



しかし大草は、朗らかな雰囲気の中一人だけ難しい表情をしている少女に気づいていた。


「どうしたの、西野? 何か気になることある?」

「…え…? う、ううん。そんなことないよ。」

「ねぇねぇ、女の子に用ってどんな用だったの?」「そういえば、真中君てあんまりそういうの興味ないってうわさじゃない?」

「…………あ、ああ。そうだね。どんな用かは俺も知らないんだよ、さっきいきなり教室に入ってきたと思ったら東城さんの居場所聞いてすぐに部屋を出てっちゃったから。」

「でも、男の子が女の子に用……、「「なんか、いや〜んなかんじぃ〜!」」

「……じゅ、真中君が女の子と、二人で…………」

「は…はは……、そ、それじゃ、俺部活あるから。」

そういって、その場を立ち去る大草。

「「大草君、部活がんばってね〜!!」」

かわいらしく手を振る二人の少女



その影でひとり不安げに瞳を揺らすつかさ


――――――――――――――――――――――――――― 穏やかな水面に放たれた小石


揺れる瞳に、さまざまな感情が浮き出ては滲んでいく


――――――――――――――――――――――――――― 生み出された波紋は水面を滑り行く


そして、少女達の声援を背ににうける少年の瞳もまた


――――――――――――――――――――――――――― 静かに、確かに。



フクザツな色を湛えていた………





















嫉妬



呆れるほど幼稚で、呆れるほど愚かな理由から、男は手を伸ばした。

目の前の少女の顔が、一歩足を進める毎に恐怖に染まっていくのが分かる。

それと共に自分もまた、嫉妬によって何かに染まっていくのが分かった。


興奮状態のため、時間の流れが遅く感じる。

ひどく感覚が曖昧で、ひどく現実感に乏しかった。

ガラスの壁で仕切られた空間を覗いている様な

スクリーンに映るチープな無声映画を見てる様な


「なんだこいつ?」

口に出る、すでに答えの出た質問

あまりにもつまらなくて失笑が漏れた。

ぼうっとする耳と、さっきから妙に調子の悪い視界。


「あの俳優誰だ?」


わかっている。

目の前の少女、東城綾に嫉妬した自分、真中淳平。

その彼女を壊してしまおうと今手を伸ばしているのは間違いなく自分。

けど、それがどこか他人事のように感じられた。


「その男は身を滅ぼしていくのでした。」


そして、後になって後悔と懺悔にマミレル。。。


最低のストーリー。


ありきたりで、なんのひねりもない。


「だれだ?これつくったやつ。」


ああ、それも自分だ。

主演、脚本、監督、そのすべてが真中淳平によって行われたもの。

いつものごっこ遊びといっしょ。その延長がこの駄作だった。


「やっぱりなぁ…」


きっと、わかっていたんだ。彼女のノートを開く前から。

わかっていたんだ。あの日、あの屋上の夕日を見る前から。


本当はずっと前から


「分かって…いたんだ…」


自分には何もなかった。奇跡を織り成す文才も、人の心を動かす表現力も、緻密な構成力も。



―――――――――― 才能 の かけらも ない 



ガン!!

「キャァア!!」

どこかで悲鳴を聞いた気がしたが、それよりも揺れる意識とチカチカ火花の散る視界に思考の大半を占められてそれどころではなかった。

鼻の奥がつんとして、頬にだんだんと熱と鈍痛が沸きあがってくる。

あまりの痛さにその場によたよたと膝を着き、頭をたれた。

「真中君、大丈夫!?」


ぽたっ ぽたたっ


零れ落ちる赤い血と、透明な涙。

たれた鼻水と混ざり合った液体が、奇妙なマーブル模様を床に描いている。

それらを眺めていて、ふとこんなものしか創ることのできない自分がおかしかった。

パンチの効いた喜劇でも創ろうかと思ったが、歪な笑みすら浮かばない。

引きつった口元から生まれてくるのは、情けない嗚咽だけ。

ますますにじんでいく目の前

いつの間にか水滴から水流に変わった涙

口元の痙攣はますますひどくなり、しゃっくりじみた吐息も混じりだした。

「真中君! 血が!!」

自分に拳を向けたのは、自責からではない。

涙したのは自分に対する悔しさからでもない。

東城綾の才能に嫉妬し、それに負けて彼女を傷付けようとした自分が惨めで情けなく思ったのは確かだ。自らの犯した愚かしい行為の被害者である彼女には申し訳ないとも思う。

しかし、目の前の壁を打ち破ってその男の行動を止めたのはもっと純粋な感情。

「……もっと……みたいと…おもったんだ……」

「え?」

「えいが…が…す…きなんだ……えい…が…がす、すきだ…から…」

「…………………」

自室のベッドの上で読んだ彼女の小説は、昨日この屋上で見た極上の夕日だった。

まだ未完の作品は、輝く可能性に満ちていた。


『ただ、つづきがよみたかった。』


子供らしい単純な欲求だからこそ、己を支配する澱みに打ち勝てた。

真中淳平が純粋な少年であったからこそ、未来への希望を取り戻せた。




そして、小さな少年の肩にそっと生まれた『ぬくもり』


それだけでよかった。


それだけで、歩き出せた。


だから、あなたに伝えたい


飾りない精一杯の『感謝』を


「「……ありがとう……」」



ぬけるような秋の空は今日も高く、もゆる夕日は彼らを暖かく照らしていた。


[No.1147] 2005/06/21(Tue) 22:24:31
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おまけ5 (No.1147への返信 / 13階層) - EVE






それでははじめましょう!




























ガンダムファイトォォォォーーーーーーッ!!!!!!

「いいから待て。とりあえず待て。」

え〜?

「『え〜?』じゃないし! なんかもうやっつけだな! いや、やっつけなのか!?」



レディ!!「ほったらかすなっ!!」



「とりあえず、今宵も始まりました。『なんちゃって座談会 夏'05』のコーナーで〜す。」

いろいろ問題のあるダウン系トーク番組のコーナーで〜す。

「最近作者のネタも尽きてきたおまけのコーナーで〜す。」

ついこの間から主役をかっさらいぎみの大草のコ「あん●ーるず!? あ●がーるずなの!?」



じゃかじゃかじゃか………〜ん。









「「でろぉぉぉぉーーーーーーーっ!!! にぃしのぉぉぉぉーーーーーっっっ!!!!!」」
















「……ごめん……分からない…どうやって登場したらいいのか本当に分からないよ……」

西野さん入ります。





























「ぶっちゃけ好きだ西「ごめん、無理。」野。」




はい、じゃかじゃかじゃか………〜ん。
























今回の二本立ては作者的にもかなりの冒険でした。まず、時間的に予想外に切羽詰ることになったことが第一にあります。三週間ほどネットから離れるのは元から予定されたことでしたが、パソコンそのものもろくに使えないとは思っても見ませんでした。そのため、復帰後に少し焦ったせいか少々勢いで書いてしまった面があります。現在も作者自身で推敲を進めているので、もしかしたら今後加筆修正されることがあるかもしれません。もし、気になる読者様がいらっしゃったらしばらくして読み直してみてください。

次に内容。今まで真中中心で来たストーリーもようやく他のいちごキャラが参戦するため幅も深みも増さなくてはいけないと思いました。そこで、彼らの相互関係や心の中身などできるだけ矛盾なく描き、物語として一貫したストーリーを形成するためその時その時の登場キャラだけでなくそれ以外のキャラはこのときどうなっているかを作者自身把握しながら進めていきます。ですが、人という生き物はそれほど素直に他人に心のうちをさらけ出すわけではありません。原作でも、東城綾と真中淳平の心のうちがかなり食い違っているように、私の真中淳平もそして東城綾も相手の心はよくわかっていません。これらのことを踏まえて、登場キャラは登場キャラらしく自由に行動してもらうつもりですが、その思想と行動が違和感なくかつ、客観的に見ても常識的に見ても違和感なく読めることが私の理想です。

外伝「その肩に、そっと」は始めて真中淳平以外、それも女性視点で進めました。作者自身初めてのSSということあり、なかなか技術的にもきついと思い始めは希望者のみということにしようかと思いましたが、シャバゾウさん他読者様たちから公開のほうがいいという事で本編にかぶせる形で完成させました。どちらから読むかで少し読書感が違うように工夫したつもりでしたがその辺はどうでしたでしょうか? しかし、やはり急仕事だったので、書き込みと文章のリズムが甘いかなぁとも思います。まだまだ修行が足りないなと再認識しました。(その辺はこれからも精進します。)

本編「嫉妬」はその題名のとおり登場人物すべてに嫉妬心を抱かせました。(もちろん作者の中では名前なしの女の子二人も。)ですが、彼らの嫉妬心をできるだけあからさまにならないように言葉を選んだつもりです。特に気をつけたのが、原作でよく見られた頬を膨らせるなど嫉妬心を直接描くことです。大草に限ってはあまりしゃべらせるとキャラから外れてしますためあえて主人公格で心の中でしゃべらせました。

おおまかにどちらも3,000字ちょっとですが、もう少し書き込んでもよかったかなと思います。リズムなどを見直しながら加筆修正するつもりですので、皆さんの意見をどしどしお寄せください。






















「この道を行けば、どうなるも「ダァァーッ!!」ボキャッ! ちゅるみっ!」

とりあえず、炸裂させておいた西野。

「ふぅ、ふぅ。おまけだからってやりたい放題だぞ! さっきからネタのオンパレードじゃないか!!」

ついでにぶっちぎれた。

「ごほぶほ、あ、あの、そのために俺たちがいるんじゃあ……」

「え!? そうなの!?」


 …………………………



「…………………………」



「ま、それはおいといて、もっとサクサク更新しようよ!」

おいといた。

「驚くほどあっさりスルーしたけど、それは作者なりにがんばってるんじゃぁ…」

「暇なんだから週一でこ「そんなのむりだよ!!」う… あ!?」

「うお!? 復活した!!」

「ふふふ、あの程度で僕がヤれると思っているのかい? あまいね! いちごの練乳がけより甘いよ!!」

「そんなことより早く更「できるかぁ!」し… ぐ。」「淳平と綾以外まだキャラつかめてないんだってば!!」

「うわ、ぶっちゃけやがった。」

「ああ、ぶっちゃけるさ! だから地球のみんな! オラに時間を分けてく「何玉作るつもりだ!!」れ!」

「あぁ〜あぁ、もうぐだぐだだよ。」

やっぱり三人キャラ回すのは無理だったか… 今まで何とか二人で済ませてきたが、キャラも増えて二人でまわすのはなかなか難しくなってきたところだった。

「だって、大草君が西野さんとふたりっきりっていくない!! いくないったらいくないんだもん!!」

「おい! それはどういうことだ!!」

「そんなことより早く先に!!」

「もう、だめなのね…」

「あぁーー!! それは俺の台「もー―ーーーーーーーーーーーー!!」詞!!」






次回よ「「「まてーーーーーーーーー!!!」」」… ち。


「あいかわらず、隙をねらうねぇ、きみは。」

「何気にでたがりだよな。」」

「それはちょっといただけないなぁ。」 

「やっぱり、今回は西野さんだろうね。」

「え? わたし!?」

「まぁ、順当だろうな。」

「それに、そろそろ読者も待ちくたびれてることだろうし。」

「え〜と、それじゃあ―――――――――――





次回予告




皆さんお待ちかね!!

赤く染まる屋上で綾との決闘に敗れた淳平は新たな力の必要性を痛感したのでした!

傷ついた体に鞭打ち厳しい修行に赴く淳平、流れる血と涙は新たな自分への成長の痛みなのか!?

そして、彼の窮地に現れる謎の影!?

様々な思いが錯綜する中、真中淳平はこの試練を乗り越えられるのか!?

次回、Life is ...! 「戦場を走れ! 新たな力!」に、


レディィィィ!!


「「ゴォォォォォ!!………って、なに!? 何なのこの展開!?」」

もしかして西野つかさはGスキーー?

「エヘッ」

「「かわいい! ってちがぁぁうぅ!!」」

まじなのか?

「れでぃぃぃぃ「「終わらそうとするな!!!」」ぃ!!」

なんだかこん平さん脳梗塞ですって「まじで!?」よ。

((食い付いた!!?))



「おほん、そろそろまじめにおわろうか?」

「そうだな。」

「まじめにやったじゃん!?」「「まじだったの!!?」

あんたすごいよ、つかさちゃん。








次回予告



夕日の屋上、暖かな光に照らされて少年はまたひとつ大人になった。

その肩に置かれた柔らかなぬくもりを抱いて彼は道を模索しはじめる。

夢を追う彼を支える様々な物、そして人々。



次回、「親子」

…人は一人では生きられない。





























人物紹介


西野つかさ


とりあえず、かわいい。今後淳平を取り巻く環境で最も重要となるキャラのひとり。しかし、作者がキャラをしっかり把握してないためどう描かれるかは未定。

全人類の前で求婚されるという熱いシチュエーションにあこがれる少女。

好きなタレント

桂歌● ド●ン=カッシュ





「「それでは西野さん次回も!?」」


「サービス、サービス!!」


[No.1153] 2005/07/05(Tue) 21:01:37
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