クローゼットがひとつと、セミダブルのベッドが在るだけの殺風景な部屋に、淳平はトランクス1枚の姿で佇んでいた。
淳平の目の前では黒髪のショートヘアの美少女が背中を向けて服を脱ぎ、白い肌と華奢な身体があらわになっていく。
そしてフロントホックのブラを外し、淡いブルーのショーツ1枚の姿になった。
「大丈夫か?」
淳平は少女にそっと近付き、小刻みに震える肩を優しく包む。
すると、
「わっ!?」
少女は淳平の腕の中で向きを変え、背中に手を回してぎゅっと抱き付いた。
柔らかい胸の感触が淳平の胸板に伝わってくる。
「美鈴、おいちょっと・・・」
「真中先輩・・・あたし怖い・・・」
「美鈴・・・」
そう話す美鈴の震えは、次第に大きくなっていく。
(やっぱりこれは・・・大変だな・・・)
(でも綾の事もあるし・・・俺が何とかしなきゃ・・・)
震える美鈴を優しく抱きながら、淳平は昨夜のファミレスでの会話を思い出していた。
「み、美鈴を抱けだって!?」
「し~~~っ!!淳平くん声が大きいって!!」
「あ・・・」
つかさにそう言われ、淳平は気まずそうに辺りを見回した。
(とりあえずは・・・大丈夫みたいだな・・・)
そして改めて向かい合わせに座っているつかさと綾に厳しい視線を送る。
「どっからそんな話が出てきたんだよ!!そもそもなんで俺が!?」
先ほどと比べてトーンと音量は落としたものの、怒りの姿勢は崩さない。
「いや、あの・・・その・・・」
淳平に怒られ、うろたえてどもる綾。
「美鈴ちゃんの傷を癒すためだよ。淳平くんだって彼女の心の傷は知ってるでしょ?」
つかさは淳平に圧される事なく、いつもと同じ口調で話す。
「そりゃ分かってるけど・・・なんで俺なんだよ!?」
「淳平くんはあたしを救ってくれた。だから同じように美鈴ちゃんも救って欲しいの。一人で苦しんでる彼女の姿は見てられないよ。だから・・・」
「ダメだ!俺には出来ない!!」
「なんで?あたしたちに気を遣ってるのなら・・・」
「それもあるけど、根本的に考え方が間違ってるよ。美鈴と俺とじゃ心は繋がらない。それじゃあ美鈴を癒す事は出来ないよ」
「心が・・・繋がらない?」
ずっと黙っていた綾が聞き返すと、淳平は照れながらゆっくりと自分の考えを語り出した。
「その・・・男女のSEXって身体の繋がりだけじゃなくって、心の繋がりもあるだろ?つーか俺はそっちのほうが大切だと思うんだ」
「行為としては身体のほうがメインだとは思う。ただ単に快感だけを求めるのなら、心の繋がりはなくてもいい・・・要するに相手は誰でもいいって思ってる人も居るだろうさ」
「でも俺は、それは違うと思うんだ。心と心が通じ合ってこそが、本当のSEXだと思ってる」
「目の前に居る人だけを、触れ合っている人だけを心の底から想い合って、互いに求め合うのが本来の姿じゃないかな?」
「俺、よく外村に冗談で言われるんだ。『二人同時に相手出来るなんて羨まし過ぎる』って。でも俺はそんな事する気は毛頭ない・・・っつーか出来ないんだ」
「俺は、綾の時は綾だけを、つかさの時はつかさだけを想ってる。他の事は一切考えてない。そうしなきゃ心と心は繋がらないさ」
「俺がつかさの心を救えたのは、俺がつかさを真剣に想って、つかさも俺を真剣に想ってたからだろ?それで心が繋がって・・・癒せたんだよ」
「でも美鈴とは・・・どう頑張っても繋がらない。遊びのSEXになるだけさ。それじゃあ意味が無いし、美鈴はもちろん、つかさも綾も傷つき嫌な思いをするだけさ」
「綾、つかさ、二人とも俺の大切な人だ。その人を傷つけるような事は・・・俺には出来ないよ」
淳平はすべてを語り終えると、グラスの水に口をつけた。
(ああ・・・柄にも無く思いっきりキザな事言っちまったよ・・・)
(たぶん二人とも・・・笑ってんだろうなあ・・・)
ほとんど溶けかかったグラスの氷を見ながらそう思い、恐る恐る顔を上げていく。
すると、
(えっ!?)
二人の美少女は、ともにハンカチで目頭を押さえていた。
「ど、どうしたのふたりとも・・・」
笑われるか、白い目で見られると思っていた淳平にとって、二人の反応は意外だった。
「あっごっごめんね。驚かせちゃって・・・」
慌てて涙を拭く綾。
「もう・・・淳平くんが悪いんだぞ!柄にもなくジーンとくること言うんだから・・・」
泣きながら怒るつかさ。
「えっあっいやごめん!!俺も泣くとは思わなかったんで・・・」
慌てる淳平。
「でも・・・うれしい。淳平くんがあたしたちの事をそこまで想ってくれたなんて・・・」
「うん・・・あたしたち・・・本当に幸せだね・・・」
二人揃って泣きながらも、幸せそうな微笑を浮かべている。
(そうだよ。俺の考えは間違っちゃいない)
(このふたりの幸せを・・・俺たち3人の幸せを崩すような事はしちゃいけないんだ)
そう、心に誓う淳平であった。
だが、昨夜そう誓ったにもかかわらず、
今淳平の腕の中に、下着1枚しか身に着けていない美鈴がいる。
もちろんこれには訳があるのだが・・・
「大丈夫、そんなに怯えなくてもいいよ。痛いことはほとんど無いはずだから・・・」
淳平はあくまで優しく美鈴に接する。
「でも、西野さんが・・・『真中先輩怒ってる』って・・・」
「えっ?」
「あたしが東城先輩にしたこと・・・怒ってるって聞いて・・・『覚悟しといたほうがいいよ』って言われて・・・」
そう話す美鈴の目は、今にも涙が溢れそうである。
「心配するなよ。俺は怒ってない。それはつかさがちょっと意地悪で言っただけだって」
「ほ、本当ですか?」
「ああ、そのことを聞いたときはそりゃあ驚いたし、まあ決していい気分じゃなかったけど・・・でも美鈴もその関係をもう終わらせたいと思ってるんだろ?だから今日、ここに来たんだろ?」
淳平の笑顔の問いかけに対し、美鈴は小さく頷く。
「だったら俺も喜んで協力するよ。美鈴が、その・・・元に戻るためにさ!」
淳平は屈託のない笑顔を美鈴に向けた。
淳平の笑顔は、不思議な魅力がある。
ある意味『無邪気』なこの笑顔に惹かれる女性は多い。
男性に厳しいこの美鈴でさえも、初めてこの笑顔を見たときは頬を赤く染めたほどだ。
淳平本人は気付いていないが、女性の心を落ち着かせ、惹き付ける魅力を持っている。
そして今、その効果が美鈴に働いていた。
硬かった表情が少し和らぎ、やや震えが小さくなる。
「お願い・・・します・・・」
「身体の力を抜いて・・・気持ちを楽にして・・・」
淳平は優しく囁きながら、美鈴と唇を重ね合わせた。
(よし・・・震えが少しずつ収まってる・・・)
美鈴の背中から淳平の腕に伝わってくる震えが、徐々に小さくなってくる。
淳平はゆっくりと、柔らかい美鈴の唇の間に自らの舌を滑り込ませた。
「ん・・・」
一瞬ぴくんと反応した美鈴だが、すぐに淳平を受け入れた。
甘く、柔らかな美鈴の舌が絡み付いてくる。
(この動き・・・やっぱ綾に似てるな・・・)
そう思いながら、美鈴とのディープキスをしばらく続けた。
そうしているうちに美鈴の震えは完全に納まった。
腕の感触でそれを確認すると、淳平は顔を離して笑顔を向ける。
「どうだい、怖くないだろ?」
「男の人のディープキスって・・・なんかすごい・・・」
どうやら淳平のキスにすっかり酔いしれていたようだ。
それが美鈴の瞳の輝きに現れている。
(これなら・・・レズの道から元に戻せそうだな・・・)
淳平の中にあった心の不安がひとつ消えた。
そしてゆっくりと美鈴の身体を大きなベッドに横たえた。
―レズの道―
小宮山に襲われた事がきっかけで、美鈴は極度の男性不振に陥ってしまった。
かつてないほどの苦痛と屈辱を味わい、
長期にわたる入院生活を強いられ、生命の危機にも直面した。
そうなるのも無理はない。
美鈴は美鈴なりに頑張っていた。
退院後、つかさが尋ねてきたときには
「真中先輩から・・・男性の素晴らしさを教えて欲しいんです。あたしを・・・抱いて欲しいんです」
と、直接頼んだほどだ。
そしてそれは淳平の知らないところで秘密裏に話が進んでいたのだが・・・
事態は急展開。
綾と美鈴が二人っきりになったとき、綾は優しく接してあげた。
そして美鈴は・・・綾を押し倒してしまった。
『東城先輩・・・』
『み、美鈴ちゃんやめて・・・ああん!!』
『あっ・・・あううぅ・・・』
『・・・』
・・とまあ、二人は百合の世界へ・・・
その関係は続いており、今では綾のほうが積極的になっていた。
しかし二人とも、心の中では『このままではいけない』と思っていた。
ふたりはつかさに相談し、そこで改めて『淳平に美鈴を抱かせる』という話が浮上して来た。
『淳平くんは優しくって、気付かない間に気持ちよくしてくれる。だから美鈴ちゃんも絶対気持ちよくなれるよ』
『真中くんはもうレベルが違うよ。何度も何度も達してもう何も考えられなくなっちゃうの。あれを知っちゃったらもう何もかもが変わるよ。まあ美鈴ちゃんとのエッチもあれはあれでいいんだけど・・・』
『東城さん!!』
・・といった感じで二人から説得され、美鈴は淳平に抱かれる事を了承した。
淳平には、昨夜の決意の後にこの事実が伝えられた。
淳平は驚き、頭が真っ白になるほどだった。
『いい、今はまだいいけどこのままだといずれ他の人にばれちゃう。その前に何とかしなきゃいけないの』
『淳平くんの気持ちは本当によく分かった。でも美鈴ちゃんにはそこまでしなくていいの。あくまで男の人の快感を教えてあげて欲しいの』
『そうしないと美鈴ちゃんは変われない。それに東城さんもこのままじゃあずるずると引き込まれちゃうよ?』
『だからお願い!東城さんを助けるためにも美鈴ちゃんを抱いてあげて!!』
『今ならまだ戻れるって東城さんも美鈴ちゃんも思ってる。だから今しかないの!!お願い!!』
頭が真っ白の淳平に、つかさは矢継ぎ早に言葉を発して頼み込んだ。
淳平の頭が動き出した頃には、反撃の言葉はもうなかった。
(東城を元に戻すためなら・・・仕方ないのかな・・・)
(でもなんか・・・違うような気が・・・)
釈然としない思いは今でもある。
だが目の前には、美鈴の華奢な身体が横たわっている。
(今更考えたって仕方ないや。とにかく美鈴を・・・)
(綾から色々情報はもらってる。その通りならイカせるのは難しくないはずだ)
「美鈴・・・」
淳平は覆いかぶさるように、優しくキスをする。
ちゅっ・・・ちゅぱ・・・
舌が絡み合う音が静かな部屋に鳴り渡る。
美鈴の舌の動きはどんどん大胆になって求めてくる。
淳平もしばらくはそれに応えていたが、やがて唇を離して柔らかな耳たぶを甘咬みし、首筋へと舌を這わせていく。
「あ・・・はあ・・・」
次第に荒くなる美鈴の吐息。
拒否の姿勢も見受けられない。
唇はそのまま下降しつつ、右手は胸の膨らみにそっと手をかけた。
「あっ!? はあぁん!!」
身体がぴくんと反応し、艶やかな声が淳平の耳に届いた。
(大きさは・・・つかさと同じくらいかな。でも乳首の形は違うな・・・)
(女の子の胸っていろいろなんだな。でも・・・触れられて気持ちいいのは一緒か)
「あっ・・・ はあ・・・ はあ・・・ 」
片方の頂を指で優しく転がしながら、もう片方は唇と舌で優しく包むと、ふたつのピンク色の頂は大きく硬く尖っていく。
甘い喘ぎ声と敏感に反応する身体の動きが、全身を快感に包まれていることを淳平に伝えていた。
そして・・・
美鈴の下半身がもぞもぞと動き始めた。
(これは・・・ひょっとすると・・・)
淳平は淡い水色の下着の中に自らの手を滑り込ませた。
「あっ・・・」
美鈴は突然の淳平の行動に驚き、一瞬身体を硬直させたが、
「あああっ!!!」
淳平の指が下着の中の女芯に触れると、一段階高い喘ぎ声が発せられた。
淳平の指には、美鈴から溢れた熱い蜜が絡みついていた。
「美鈴、濡れてるよ・・・」
「やっやだあ・・・」
「何が『やだ』なんだよ。普通の女の子ならこうなるんだよ」
下着の中で指をやや激しく動かすと、くちゅくちゅという音と共に美鈴の身体が激しく反応した。
「あっあああっああああっ!!! ま、待って・・・ はうっ!!」
「ん、どうした?嫌なの?」
ずっと素直だった美鈴がここで初めて『拒否』の姿勢を示し、淳平の顔がやや曇る。
「あ・・・いや・・・嫌じゃなくってその・・・ 下着に染みが・・・」
(えっ・・・)
顔を真っ赤にして放たれた美鈴の言葉は、淳平が想像していたものとは全くかけ離れたものだった。
「染みって・・・じゃあどうしたいの?」
素で聞き返す淳平。
「ばっバカ!! そんな意地悪な・・・あたしの口から言わせるなよな!!」
顔は真っ赤のままだが、こちらも素で怒る美鈴。
「あっごっごめん!!そんなつもりじゃ・・・」
ほぼ条件反射のように謝りかけた淳平だが、
(って・・・あれ? 言葉が・・・)
ある事に気付くと、
「・・・は、ははははは!」
突然楽しそうに笑い出した。
「なっなんだよ!!何で笑うんだよ!?」
「い、いやその・・・美鈴の言葉がいつもどおりに戻ったからさ・・・」
「あ・・・」
「今までのしおらしい美鈴のいいけど、やっぱお前は俺を怒鳴りつけるくらいでないとな。なんか調子狂うよ」
「・・・バカ。あたしだって女の子なんだから、こういう状況ならしおらしくもなるよ。それにムードだってあるだろうし・・・」
淳平の笑顔を向けられた美鈴は顔を背け、むすっとした表情でぶつぶつとつぶやいた。
「美鈴は余計な事は気にしなくってもいいって。それに今の怒った顔、メッチャかわいいよ」
「なっ・・・ ばっバカ野ろ・・・ う・・・ 」
バカにされたように感じた美鈴は思わず手が出そうになったが、淳平の顔がもう目の前にあり、頬をひっぱたく事は出来なかった。
「う・・・ ん・・・ 」
美鈴は手を上げたまま濃厚なキスを受け、その手は自然と下がっていった。
普段は強気な美鈴だが、女の子である事に変わりはない。
羞恥心が大きくなれば自然と大人しくなってしまう。
「ま、真中先輩・・・恥ずかしい・・・」
美鈴は今、生まれて初めて自らの意思で秘所を異性に晒していた。
下着を脱がされ、足を広げられ、発情し濡れて光るその場所を淳平が下から覗き込んでいる。
羞恥心が強すぎ、とてもじゃないが淳平と目を合わせられない。
見られていると思うだけで身体の中心が熱くなり、恥ずかしさで涙が溢れそうになっている。
だがその一方で、小さな期待が少しずつ大きくなってもいた。
綾との経験・・・と言うより綾に開発され、女性の快感はある程度分かっている。
それに加え先ほどの淳平の愛撫は、綾との行為では感じられなかった『力強くかつ優しい快感』を垣間見てしまい、より大きな快感への期待がふつふつと湧き上がっていた。
「美鈴のココ、綺麗だよ。ピンク色できらきらと光ってて・・・宝石みたいだよ・・・」
「そ・・・そんな・・・恥ずかしい・・・」
ちゅっ・・・
「はああああっ!!!!」
強烈な電流が身体を走ったかのような快感で美鈴の全身が大きく波打った。
淳平の舌が女芯を捉え、優しく舐め始めた。
僅かな舌の動きでも美鈴の身体は大きく反応し、声をあげて快感に打ち震える。
「気持ちいいだろ? 嫌じゃないだろ?」
下から淳平の嬉しそうな声が聞こえてくる。
(そ、そんな事は無いって言いたいけど・・・)
頭ではそう考えたものの、快感で喘ぎ声しか出ない。
(こ・・・これじゃあ・・・否定したって無駄よね・・・)
「あっ・・・はあああっ!!!!」
淳平の舌の動きはどんどん大胆になり、女芯の中に滑り込ませたり、クリトリスに皮の上から刺激を加えてより大きな快感を送って来る。
(東城先輩の言ったとおり・・・男の人のほうが・・・全然気持ちいい・・・)
美鈴の思考は快感に支配され、次第に何も考えられなくなってきた。
「あああああっ!!!???」
(な・・・何かが入ってくる・・・)
(これ・・・真中先輩の・・・指・・・?)
美鈴の予想通り、淳平の中指が女芯に侵入していた。
大きな快感が美鈴を包んでいく。
「やっぱ痛くないみたいだな。つーか東城にはこんなのよりもっと太くて長いバイブを突っ込まれてたんだよな」
「あ・・・ ああ・・・ はあっ・・・ 」
「・・・こりゃもう一本入れたほうがいいかな・・・」
「ああ・・・ あ・・・ はあああっ!!!」
言葉通り、淳平の指がもう1本入ってきた。
快感がズンと倍増する。
「・・・蜜が結構出てるよ・・・よかった。気持ちいいみたいだな・・・」
「ああっ!! はうっ!! あっくっ!! 」
「バイブの快感もいいとは思うけど、指でもそれなりにいいもんだと思うよ」
淳平の指がゆっくりと動き出した。
ただ出し入れするだけでなく、指の先を使って柔らかい内壁に刺激を送る。
(す・・・すごい・・・ ものすごく気持ちいい・・・ 東城先輩より気持ちいいよお・・・)
綾にも指を入れられた事はあったが、ここまでの大きな快感は得られなかった。
淳平の優しくかつ力強い行為が生み出した快感に、美鈴の全身は支配されていく。
「はあっ・・・ あっ・・・ あうあああぁぁ・・・ 」
美鈴の喘ぎ声を聞きながら、淳平は2本の指をリズミカルに動かし続ける。
指には熱い蜜がねっとりと絡みつき、それが強い快感を表していた。
さらにもう片方の手を使い、舌を使い、美鈴の敏感なところに優しい愛撫を加えていく。
(これでイッてくれれば・・・)
『美鈴に男の快感を教える』という目的の第1段階は終了するのだが、
「うっ・・・ くうっ・・・ あっく・・・ う・・・ ううぅ・・・ 」
唸るような、耐えるような喘ぎ声に変わった。
(ん?)
淳平は喘ぎ声の変化に気付き、美鈴の表情を伺うと、
(美鈴・・・我慢してるのか?)
押し迫り、全てを包み込もうとする快感を必死にこらえているような表情だった。
そしてその苦しそうな表情から、淳平は『怯えの色』を判別していた。
(快感が怖いのかな? そういえばつかさも最初は怯えてたっけ・・・)
(でも美鈴は綾との経験もあるし、快感だって知ってるはずだ。 じゃあやっぱり・・・)
・・・男を拒否している・・・
としか考えられない。
(でもだからってどうする? 今の美鈴なら強引にイカせることは出来ると思うけど・・・それをしていいのか?)
美鈴の身体はもう十分に高ぶっており、それを僅かに残った理性で必死になって抑制しているだけである。
淳平も今はまだ優しい動きだが、つかさと綾との経験で培ったものを総動員すれば美鈴を絶頂に導ける自信はあるし、美鈴の状態でそう確信もしていた。
(でもそれじゃあダメだ。男に屈するんじゃなくって、男を受け入れなきゃダメなんだ)
そう思い、淳平は指の動きを変えずにゆっくりと身体を上げ、苦しそうな美鈴の目の前から笑顔で優しく呼びかけた。
「どうしたんだ。なんか苦しそうだけど、どこか痛いの?」
「ま、真中先輩・・・ああ・・・」
淳平を見上げる美鈴の目は焦点が定まっておらず、涙で潤み妖しい輝きを放っている。
「気持ちいいだろ。美鈴の目がそう言ってるよ。でも何を苦しそうに耐えてるんだ?」
「だって・・・なんか・・・ はうっ・・・ 怖・・・い・・・ あっくっ・・・ 何も・・・ 考え・・・ られなくなりそう・・・ ううっ・・・ 」
「こんな・・・気持ちいいの・・・はじめて・・・だから・・・ うあっ・・・ 」
(なんだ。強い快感に怯えてたのか)
(けど美鈴の場合は男に対する何かもあるだろうな。それが余計に大きな快感に対する恐怖になってるんだろうな)
(でもまあ、つかさのときと同じなら大丈夫だな。それに『気持ちいい』って言ってるし・・・)
繕った笑顔から心の底からの笑顔に変わる淳平。
「美鈴、大丈夫だよ。何も怯える事はない。女の子は気持ちよくなるとそうなるんだよ」
「本・・・当・・・なの・・・」
「ああ。最初はみんな怖いんだ。つかさのときもそうだったよ」
「じゃあ・・・」
「ああ。何も考えずに全てを身に任せるんだ。今は・・・今だけは俺を信じてくれ。大丈夫だからさ」
淳平は『今だけは』のところに力を入れた。
淳平にとって、『今だけは』美鈴が最高の恋人だと思っている。
そう思うことが美鈴はもちろんの事、綾とつかさに対する『愛』だと考えていた。
そしてその『愛』は、どうやら美鈴に通じた。
美鈴の表情から苦しみや怯えが消え、とろんとした表情で小さく頷くのを確認した。
「じゃあ・・・いくよ・・・」
指の動きに激しさを加え、中の敏感な部分に強い刺激を送り込む。
「あああああああああああああっ!!!!!!!!」
美鈴の目と口が大きく開き、甲高い喘ぎ声が部屋中に響き渡る。
その表情と声を確認すると、淳平はさらに激しさを加えた。
白く華奢な身体がピンと張り詰め、急加速で頂へと導かれていく。
そして間もなく・・・
「あああっ!!!! い・・・イクううっ!!! ああっ!!! あっ!! あっ!! 」
背中でブリッジを作り、全身を何度も大きく波打たせながら絶頂に達した。
「うっ・・・ あっ・・・ あっ・・・ 」
その頂は今までで最も高く、快感の大きな波はなかなか引かない。
淳平は美鈴の女芯から大量の蜜が絡んだ指をゆっくりと引き抜いた。
噴き出した汗が白い肌を輝かせていたが、ピンク色に染まった女芯はより鮮やか且つ妖しい輝きを放っていた。
[No.701] 2004/12/21(Tue) 00:52:44 p8ba8c0.aicint01.ap.so-net.ne.jp |