平野貞夫氏:第3次安倍改造内閣が直面する2つの『大凶』! - hasebe - 2015/10/15(Thu) 21:43:03 [No.6145] |
└ 小沢代表「日韓両国が傲慢さや偏見を捨て、謙虚に誠意をもって」 - hasebe - 2015/10/22(Thu) 18:29:09 [No.6146] |
└ 二見伸明氏「オリーブ千葉の読書会」 - hasebe - 2015/10/25(Sun) 23:16:57 [No.6147] |
└ 【中国で人民元建て韓国国債発行と南沙諸島問題】 - hasebe - 2015/11/02(Mon) 12:02:53 [No.6148] |
└ 孫崎氏「東アジアを憎しみから協力へそして世界一の繁栄の地に」 - hasebe - 2015/11/03(Tue) 18:27:16 [No.6149] |
二見伸明(元運輸大臣)氏は、月1回のオリーブ千葉の読書会に参加して 下さっていますが、この度、その感想文をフェイスブックに投稿してくれました。 私などは、この読書会が無ければ、この本を手にすることは無かったと思います。 改めて読書することから、如何に学ぶことが沢山あるかを知らされています。 年齢、出自、経験の様々な人たちが、多様な意見を語り合う、本当に貴重な楽しい 時間となっています。 二見氏は、議論の合間に、当時の政治家、官僚の状況をリアルに解説してくれます。 人との出会いもですが、本との出会いにも感謝しています。 下記は、二見氏のFacebookの投稿記事です。 《二見伸明氏投稿記事10/24》 オリーブ千葉の読書会が面白い。 今月のテキストは「転換期の日本へ」(NHK出版新書 2014年1月初版)。 50年以上日本の近現代史を研究している歴史学者、ジョン・W・ダワー(マサチューセッツ 工科大学名誉教授)とガバン・マコーマック(オーストラリア国立大学名誉教授)の共著だ。 日本人の学者・評論家ではない第三者の目で見ているだけに迫力と説得力は抜群だ。 そのほんの一部を翻訳原文のまま紹介しよう。 序言の冒頭で「東アジアは大きな転換期を迎えている。 2010年、中国は日本を追い越し、世界第二の経済大国になった。 今世紀半ばまでに、世界の国内総生産(GDP)の総額に占める中国の割合はアメリカを大きく 引き離すものと予想されている」 「日本の難題は、新しい『アジア太平洋』共同体をイメージし、敵対的対立ではなく経済的 ・文化的な協力関係の構築に資源とエネルギーを注ぐことのできる指導者が存在しないこと にある。 日々生起する危機を乗り切るだけで精一杯ということではなく、指導者には、将来に対する 聡明な洞察力と勇気が何よりも必要とされているのだ」と断定している。 彼らは中国の台頭は「『パックス・アメリカーナ』の終わりを告げている」と認識して いるが、それに代わるものとして『パックス・中国』は、中国が今後数十年にわたって解決 しなければならない複雑な国内問題を抱えているので、ありえないと考えている。 一国の覇権のもとでの平和ではなく、平等の立場で参加する「パックス・アジア」を想定 している。 そして「アジアにおいて欧州連合と同様な共同体を作り上げることは、すべての関係各国に とって途方もない挑戦となる。 特に、今まで米国の『属国』として存在してきた日本という国の指導者たちにとって、それ がどれほどの難題であるかは明白であろう」と厳しい指摘をしている。 『属国』という指摘が的を射ているので、経済は強くても、日本は、国際社会では貧相 な顔をしているのかな、と考え込んでしまう。 安倍首相が集団的自衛権の行使を叫べば叫ぶほどアメリカの『属国」の度合いが大きくなる 矛盾を知るべきだ。 ちょっとここで一休み。稿を改めて、「自主路線」か「対米追従路線」かという興味ある テーマを紹介しよう。 「転換期の日本へ」の続きです。前稿で「自主路線」と書いたのは「自立路線」に訂正します。 悪しからず。 第三章はJ・W・ダワーとG・マコーマックの対談です。 「えっ、こんなこと言っても大丈夫?」なんて話も出てきます。 それでは、始まり、始まり。 G・マコーマック「早晩、『チャイナ・アズ・ナンバー・ワン』と宣言する者が出てくること は間違いありません。 日本は1990年には世界のGDP の15%を占めていましたが、それが2008年には10%以下に落 ち込み、2030年には4・2%、2060年には3・2%になると予測されています。 対照的にOECDの予測では、1990年には世界のGDPの2%であった中国が、2030年には27.9%、 2060年には27・8%に達するといわれます。 この相対的な経済の比重の変化は、おそらくなによりも日本と米国に影響を及ぼすでしょう。 半世紀以上にわたってアジア太平洋の戦略状況を規定してきた『パックス・アメリカーナ』は こうした変化よってかつてない挑戦を受けています。 問題は米中、日米、日中、日韓、日朝における緊張がどのように制御され、解決されるかと いうことです。 おそらくカギになるのは、日本と中国というアジアの二人の巨人が、忌まわしい歴史記憶、猜疑 心、恐怖をひとまずおいて、協力することを学び、友好的関係を作るという難題を克服すること にかかっていると思います。」 JWダワー「誰も『パックス・アメリカーナ』がある種の覇権的な『パックス・シニカ』といっ たようなものに変わるのを見たいわけではありません」 G・マコーマック「中国の方をより脅威と感じる自然です。しかし、政策遂行ために暴力や戦争 に訴えようとする強い傾向があるのは、米国に他なりません。(略) 米国は自分の息がかかっていないもの、あるいは米国支配が明確でない一切の『共同体』を極 端に嫌う傾向があります。 2009年に鳩山由紀夫が首相になり、東アジア共同体構想や対米関係、対中関係について対等な交 渉を求める声を挙げると、たちまち非難の嵐が襲い掛かり、提案も鳩山自身も吹き飛ばされてし まったのです。(略) 沖縄に関する交渉記録が明かす日米関係は、秘密外交、ウソ、脅かし、ごまかしに満ちたもの です。 (略)沖縄の怒りは、かつてワルシャワ条約にとって致命傷になりベルリンの壁を崩壊させた、 モスクワ支配に対する東ヨーロッパの憤懣を思い起こさせます。(略) 2009年はじめ、有名な政治家である小沢一郎はワシントンの計画に疑問を呈し、在日米軍 基地はいらないとほのめかしました。 一週間後、小沢は収賄容疑で召喚され、政界の中心から追い払われたのです。 潔白が証明されるまでの三年半という空白によって、小沢の政治家としての命は、ほぼ終わって しまいました。 小沢の後、民主党代表となった鳩山由紀夫は2009年から10年にかけて首相を務めますが、彼も また米国と外務省および防衛省の『追従』派の猛攻撃にあい、早々と政権の座から引きずり下 されてしまいました。 こうして、『自立』路線を歩もうとする21世紀初頭の日本の試みは挫折してしまいました。 小沢や鳩山はより自主的な政策を作りだそうと試みた、直近のケースです。 しかし、『追従』路線派のほうが、安定した長期政権で、我が世の春を謳歌し、日本政治にずっ と大きな影響を残す傾向にあるのです。 ジョージ・W・ブッシュ大統領は小泉純一郎を『小泉曹長』と称したと言われますが、これなど はワシントンで賞賛される日本の指導者のあり方を示す最近の例と言えるでしょう。(略) ジャパン・ハンドラーにとって、『もっとも理想的な日本人とは無条件に《服従》する者 であり、しかも《服従》は日本人側が進んで申し出るべきもの』なんです。小泉元首相は 確かに人気があり、歓待されました。 しかし、彼は尊敬されていたでしょうか? 他方、小沢一郎は本当に恐れられていましたが、おそらくワシントンでは尊敬されていたで しょう。 もっとも、人気はありませんでしたね。 おかしなことに、戦後日本の国家官僚は、日本の隷属性を深化拡大させるために働いてきたと いう事実があります。 一つひとつの交渉で、より自主的な選択があったかもしれない時でも、彼らは反対の方動いた のです」。 以上です。 いやはや、日本は大変な国ですね。 TPPも集団的自衛権も日本の国益ではなく、アメリカの国益最優先という感じします。 来年の参院選を自立への第一歩にしたいですね。 [No.6147] 2015/10/25(Sun) 23:16:57 |