オーナーの一人eikoさまに許しを得て、書きなぐってしまいます。 ご容赦。
ええい、ケツをまくってやる。
恋するための100の眠りから醒めて 恋するための100の歌を唄い始めてみよう それが、いま恋する人であっても、 これからと思っている人であっても また、 もう諦めたと決めてしまった人でも 毎日の呼吸は新しくないと 息苦しくて、笑いなど生まれてこないのだから /永井宏
というわけで、短歌。
* * *
そこまでとどこかで声がしたようで霜月せまる月の満ち欠け
つまるところ持ちきれぬほど物をもち観覧車から呼ぶ声を待つ
そうなればわたしを縛るものはなく青い樹木に寄り添う水曜 おずおずと何かに惹かれて伸ばしゆく片手の罪の生物としての
たぶんそう予感はきっとあたってる神無月から伝令はくる
今ちょうど落ちなんとする愚なる道行く人であらまほし
そろそろと触らせてもらう鳥の羽 手のひら密かおどろかさぬよう
すまないとしかたないかのはざまにて君の指先咲き初むる午後
うつりゆくトワレをつけぬ逢瀬かな傘は二本であらねばならず
魚村晋太郎歌集「花柄」とうとうページをめくってしまう壊すことへの憧れもしくは 詞書 魚村はずっと実らない恋をしている
毎日のおはようだけを糧として延命される落葉(らくよう)の恋
返事がこぬ日の雨の日の私が聴いてるバラはあこがれ 詞書 ベコーは永久(とわ)の誓いにと歌いだす
賢しらに昼を食べたか聞いているニセアカシアの葉の白っぽさ
旅先の小瓶にわけたるディオリッシモ咲き初むにおい知らぬかわが背
光りあるひとりのまだき君なればおるがんを弾く廃校にきて
胸を焼く呪いをうけて咲く花の霜枯れを待つ神無月の朝
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全部空想の産物の悪魔である。 ニセアカシアの白々しい自分。 移り香を恐れる逢瀬。 傘は2本。 ジルベール・ベコーは大嫌い。 永久(とわ)の誓いに背いた心が、君を捨ててゆく時も。 呪いの花は踏みにじられよ。
[No.5103] 2012/10/24(Wed) 10:24:25 |