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No.5396に関するツリー


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≪憲法≫を学ぼうと思います。 (親記事) - hasebe

     【憲法の話】

7月の参議院選挙の争点は、憲法改正だそうです。

原発収束、消費税増税、TPP問題、オスプレイ、普天間・・、
と次々と大きな問題が起きているのに、何故か憲法改正が
争点だというのには釈然としません。

それでも憲法が争点なら、と今更ながら憲法を読みました。
恥ずかし話ですが、私は憲法をまともに読んだことが
ありませんでした。

憲法の前文、たった600字ほどの文章ですが、なんて美しい
と思いました。

ここには、国家として、人間として守るべき規範が書かれて
います。

主権は、国民にある。

国民の厳粛な信託によって選ればれた国民の代表者たちは、
国民を平和で幸せにする責務がある。

「これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に
 基くものである。
 われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」

日本国憲法には、国民の代表者つまり政府、官僚らの権力の行使を
制限、規定しているのであって、国民が、すべきことが書かれて
いるのではないのです。

これは、私には思いがけないものでした。





      ≪日本国憲法前文≫

【日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
 われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、
 わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為に
 よつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
 ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

 そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は
 国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は
 国民がこれを享受する。

 これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
 われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を
 深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
 われらの安全と生存を保持しようと決意した。

 われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去
 しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。

 われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに
 生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視しては
 ならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に
 従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の
 責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成
 することを誓ふ。】


[No.5396] 2013/04/26(Fri) 22:55:51
Re: ≪憲法≫を学ぼうと思います。 (No.5396への返信 / 1階層) - McRash

えーこちらには初めてお邪魔をさせていただくわけでございまして、
日本一新の会のメールマガジンでこちらを教えていただきまして、こ
うしてお邪魔をさせていただきます。
どうぞよろしくお付き合いのほどを願いたく存じます。

さて、あたし自身は新党大地の党籍を持つわけですが、自立と共生、
という小沢一郎先生の理念にも大いに賛同するわけです。

そして、所属政党の党是と別に、あたし自身は天皇制廃止論にも立っ
ておりまして、その故に必然として(第1章を削除するための)憲法
の改正を必要と考えるものでもあります。
いつまでも、ひとつの家族からひととしての権利の多くを奪い、重い
十字架に架け続けるわけにはいかないというのがあたしの天皇制廃止
論の根幹ですが、今回の本筋ではありませんから措きましょう。

あたし自身のことはさておきますが、現在の日本国憲法の前文。
このすぐれて格調の高い文章を読み返すとき、あたし自身がどれだけ
人権を保持し拡張するための努力をしてきたろうか、という反省を促
されます。人権は天与の権利ではありますが、それを保持し拡張する
努力を怠れば、容易に時の権力によって簒奪されてしまうのです。
そして、残念ながらそれは今まさに現在進行形なのです。

まだ、この国を諦めるわけにいかない。あたし自身には子どころか妻
もないし、そうなる予定の相手すらいない気楽な独り身、40も過ぎて
しまったあたしは立派な孤独死予備軍ではありますが、それでも、こ
の国で生まれ、育ち、生きていく次の世代のために諦めるわけにはい
かない。もう一度、日本国の根幹をなす法律である憲法を学び直し、
その精髄をしっかり自家薬籠中のものにしていく必要があるのではな
いか、と感じているのです。

もう一度、憲法を学びなおそう。憲法を学びなおし、そこから自分た
ちが本来持っているはずの権利を確認し、詐術的なやり方で奪おうと
する勢力と対峙する中で自分たちが本当は持っているはずの力を研ぎ
澄ませていかなくてはいけない。国家権力との権力闘争によって民主
主義を勝ち得てはいないこの国で、いかに民主主義というものを自分
のものにしていくか。それは、きっと「自立と共生」に繋がっていく
道なのではないかと感じています。


[No.5422] 2013/05/06(Mon) 23:21:32
Re: ≪憲法≫を学ぼうと思います。 (No.5422への返信 / 2階層) - showa-oyaji

96条から手をつける、という姑息な手順はいかにも国民を馬鹿にして
います。
 確かに無理やり押し付けられた憲法かもしれませんが、内容がすばら
しい。人類の叡智の塊りといっても良いくらいです。それゆえに、国民
は受け入れたのだと思います。むしろ世界各国に同様の憲法を広げるく
らいの気概を政治家や学者たちは持ってもらいたい。

> えーこちらには初めてお邪魔をさせていただくわけでございまして、
> 日本一新の会のメールマガジンでこちらを教えていただきまして、こ
> うしてお邪魔をさせていただきます。
> どうぞよろしくお付き合いのほどを願いたく存じます。
>
> さて、あたし自身は新党大地の党籍を持つわけですが、自立と共生、
> という小沢一郎先生の理念にも大いに賛同するわけです。
>
> そして、所属政党の党是と別に、あたし自身は天皇制廃止論にも立っ
> ておりまして、その故に必然として(第1章を削除するための)憲法
> の改正を必要と考えるものでもあります。
> いつまでも、ひとつの家族からひととしての権利の多くを奪い、重い
> 十字架に架け続けるわけにはいかないというのがあたしの天皇制廃止
> 論の根幹ですが、今回の本筋ではありませんから措きましょう。
>
> あたし自身のことはさておきますが、現在の日本国憲法の前文。
> このすぐれて格調の高い文章を読み返すとき、あたし自身がどれだけ
> 人権を保持し拡張するための努力をしてきたろうか、という反省を促
> されます。人権は天与の権利ではありますが、それを保持し拡張する
> 努力を怠れば、容易に時の権力によって簒奪されてしまうのです。
> そして、残念ながらそれは今まさに現在進行形なのです。
>
> まだ、この国を諦めるわけにいかない。あたし自身には子どころか妻
> もないし、そうなる予定の相手すらいない気楽な独り身、40も過ぎて
> しまったあたしは立派な孤独死予備軍ではありますが、それでも、こ
> の国で生まれ、育ち、生きていく次の世代のために諦めるわけにはい
> かない。もう一度、日本国の根幹をなす法律である憲法を学び直し、
> その精髄をしっかり自家薬籠中のものにしていく必要があるのではな
> いか、と感じているのです。
>
> もう一度、憲法を学びなおそう。憲法を学びなおし、そこから自分た
> ちが本来持っているはずの権利を確認し、詐術的なやり方で奪おうと
> する勢力と対峙する中で自分たちが本当は持っているはずの力を研ぎ
> 澄ませていかなくてはいけない。国家権力との権力闘争によって民主
> 主義を勝ち得てはいないこの国で、いかに民主主義というものを自分
> のものにしていくか。それは、きっと「自立と共生」に繋がっていく
> 道なのではないかと感じています。


[No.5423] 2013/05/07(Tue) 12:18:08
Re: ≪憲法≫を学ぼうと思います。 (No.5396への返信 / 1階層) - かすみ。

>      【憲法の話】
>
> 7月の参議院選挙の争点は、憲法改正だそうです。
>
> 原発収束、消費税増税、TPP問題、オスプレイ、普天間・・、
> と次々と大きな問題が起きているのに、何故か憲法改正が
> 争点だというのには釈然としません。
>
> それでも憲法が争点なら、と今更ながら憲法を読みました。
> 恥ずかし話ですが、私は憲法をまともに読んだことが
> ありませんでした。
>
> 憲法の前文、たった600字ほどの文章ですが、なんて美しい
> と思いました。
>
> ここには、国家として、人間として守るべき規範が書かれて
> います。
>
> 主権は、国民にある。
>
> 国民の厳粛な信託によって選ればれた国民の代表者たちは、
> 国民を平和で幸せにする責務がある。
>
> 「これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に
>  基くものである。
>  われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」
>
> 日本国憲法には、国民の代表者つまり政府、官僚らの権力の行使を
> 制限、規定しているのであって、国民が、すべきことが書かれて
> いるのではないのです。
>
> これは、私には思いがけないものでした。
>
>
>
>
>
>       ≪日本国憲法前文≫
>
> 【日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
>  われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、
>  わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為に
>  よつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
>  ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
>
>  そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は
>  国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は
>  国民がこれを享受する。
>
>  これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。
>  われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
>  
>  日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を
>  深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
>  われらの安全と生存を保持しようと決意した。
>
>  われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去
>  しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。
>
>  われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに
>  生存する権利を有することを確認する。
>
>  われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視しては
>  ならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に
>  従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の
>  責務であると信ずる。
>
>  日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成
>  することを誓ふ。】



hasebeさん、
こんばんは〜〜
始めて このBBSに投稿します。
日本港憲法、
素晴らしい 前文ですよね。
私は子供の頃、確か・・暗記した記憶があります。
そして・・息子も小学校の5年生だったかな? 暗記をしていたように思います。
息子は 今20歳ですが〜〜。

今でもこの前文を読んでいると、本当に 涙がこみ上げてきます。
美しい文章ですよね。
そして・・日本人としての 誇りを感じます。

それなのに・・
憲法改正とか??言っている人たち・・
アメリカに押し付けられた憲法だから ・・とか言っていますが・・
日本にあるアメリカ軍の基地・・沖縄の普天間の移設問題・・オスプレイの事・・
TPPのことも・・全てアメリカの言いなりなのに・・
憲法だけ押し付けられたから改正だって??笑っちゃいますね!

そうそう!!
井上ひさし氏の 
「子供につたえる日本国憲法」という
可愛い絵本があります。いわさきちひろさんの挿絵がとても素敵な本ですが・・
大人にも考えさせられる本ですの是非 読んでいただけたら・・と思います。
ご存知でしたら、失礼しました・・m(_ _)m

井上ひさしさん 天国で今の日本を悲しんでいるのでは??と・・。


[No.5399] 2013/04/29(Mon) 20:14:37
「重いメディアの責任」を問う。 (No.5396への返信 / 1階層) - hasebe

《重いメディアの責任》というタイトルで東京新聞の
投稿欄に茅ヶ崎市の53歳の会社員が意見を載せていました。

一部だけコピーさせて貰おうと思っていたのですが、その
投稿記事には、一言もムダがなく、とても切り取り出来ず、
全文を転載させていただきました。

下記の内容は、多分私達の多くの人々の気持ちそのものだ
と思います。

そして、このような意見を新聞に投稿する人も存在している
事に、ここにも同じ危機感を共有している人が居ることに
ホッとするものを感じています。


【日本が重大な岐路に立たされていることを今、どれ程の
 人が認識しているだろう。
 
 東日本大震災と原発事故の後、坂道を転げ落ちるように
 大切なものを失いつつある。
 いや、放り投げていると言ってもいい。
 その方棒を担いでいるのが一部マスメディアであることは
 間違いないのでは。

 TPPの真の危険性をテレビや新聞などは報じたのか。

 憲法が権力を制限するためのものである事や、国会議員
 や政府には憲法を順守する義務がある事を丁寧に報じた
 メディアは存在するのだろうか。

 「日米地位協定」が沖縄だけの問題と勘違いしている人
 もたくさんいるだろう。

 違憲や無効判決の衆議院選挙。
 その違憲国会議員たちがやりたい放題だが、多くのメディア
 は、批判しているとは思えない。

 先日、日本新聞博物館に行って来た。
 発行されたからこれまで、新聞がどれだけのプロパガンダを
 行ってきたかを自ら展示していた。

 しかも、今日も繰り返している。
 メディアの役割とは何なのかをすっかり忘れているようだ。

 このままメディアが権力に目をつむり、批判せずやりたい
 ようにやらせた結果は、この先十年後の日本を見れば分かると
 思う。

 そのとき、メディアは何と報じるだろう。
 情報を隠し、保身しておきながら、国民には自己責任だと
 言い逃れをするのだろうか。

 過去から現在、そして未来へとメディアの責任は重い。
 
 私は少なくともこの先十年は生きて、その結果を見届けたい
 と強く思っている。】(東京新聞4/25発言欄から)


[No.5397] 2013/04/28(Sun) 13:00:41
Re: 「重いメディアの責任」を問う。 (No.5397への返信 / 2階層) - かすみ。

> 《重いメディアの責任》というタイトルで東京新聞の
> 投稿欄に茅ヶ崎市の53歳の会社員が意見を載せていました。
>
> 一部だけコピーさせて貰おうと思っていたのですが、その
> 投稿記事には、一言もムダがなく、とても切り取り出来ず、
> 全文を転載させていただきました。
>
> 下記の内容は、多分私達の多くの人々の気持ちそのものだ
> と思います。
>
> そして、このような意見を新聞に投稿する人も存在している
> 事に、ここにも同じ危機感を共有している人が居ることに
> ホッとするものを感じています。
>
>
> 【日本が重大な岐路に立たされていることを今、どれ程の
>  人が認識しているだろう。
>  
>  東日本大震災と原発事故の後、坂道を転げ落ちるように
>  大切なものを失いつつある。
>  いや、放り投げていると言ってもいい。
>  その方棒を担いでいるのが一部マスメディアであることは
>  間違いないのでは。
>
>  TPPの真の危険性をテレビや新聞などは報じたのか。
>
>  憲法が権力を制限するためのものである事や、国会議員
>  や政府には憲法を順守する義務がある事を丁寧に報じた
>  メディアは存在するのだろうか。
>
>  「日米地位協定」が沖縄だけの問題と勘違いしている人
>  もたくさんいるだろう。
>
>  違憲や無効判決の衆議院選挙。
>  その違憲国会議員たちがやりたい放題だが、多くのメディア
>  は、批判しているとは思えない。
>
>  先日、日本新聞博物館に行って来た。
>  発行されたからこれまで、新聞がどれだけのプロパガンダを
>  行ってきたかを自ら展示していた。
>
>  しかも、今日も繰り返している。
>  メディアの役割とは何なのかをすっかり忘れているようだ。
>
>  このままメディアが権力に目をつむり、批判せずやりたい
>  ようにやらせた結果は、この先十年後の日本を見れば分かると
>  思う。
>
>  そのとき、メディアは何と報じるだろう。
>  情報を隠し、保身しておきながら、国民には自己責任だと
>  言い逃れをするのだろうか。
>
>  過去から現在、そして未来へとメディアの責任は重い。
>  
>  私は少なくともこの先十年は生きて、その結果を見届けたい
>  と強く思っている。】(東京新聞4/25発言欄から)



hasebeさん・・
たびたび失礼いたします。m(_ _)m

この方の発言・・
本当に 的を得ていますよね!
私と同年代・・
こんなふうに考えている方がいると思うと、
少し勇気が湧きます!

それにしても・・・
昨日の 参院 山口補選の結果・・
結果は仕方ないですが・・
投票率の低さに 愕然としました!!
何故?? どうして??
こんなにも低い投票率・・
民度の低さに・・がっかりです。
この国の民度はこの程度・・
そして・・選ばれる議員も・・安倍総理以下・・この程度なのですよね・・。


[No.5400] 2013/04/29(Mon) 20:23:26
【小沢憲法改正試案】とは。 (No.5400への返信 / 3階層) - hasebe

かすみさん、みなさま

かすみさん、寺子屋bbsにようこそ!
今後ともよろしくお願いします。

安倍総理は、どの程度「憲法」を勉強いるのでしょうか?

小沢さんは、自民党時代から憲法調査会を立ち上げ、その後
自由党時代から、徹底的に学者、政治家を巻き込んで憲法を
議論し研究してきました。

1999年自由党党首時代、小沢さんが「日本国憲法改正試案」を
文芸春秋に載せています。

何故、憲法改正を考えているか、またその内容を丁寧に述べています。

少なくても、現在安倍政権が96条を9条を変えようと参議院選挙で
争点にし、一挙に変えようという乱暴なものでないです。

内閣法制局が、勝手に憲法解釈をして君臨していた時代、小泉氏が
軍隊を派兵する際、”そんなこと知らない”と総理大臣自ら憲法を
ないがしろにしたのを見れば、ホッタラカシしていた付けは、確実に
国民に回って来ます。

ひいては、検察、最高裁を見れば、憲法の番人である司法が機能
していない現状があります。

小沢さんの改正論を少しずつ、ここに書くことで私も「憲法」の
勉強をしてみたいと思っています。


≪小沢憲法改正試案の前文ともいうべき、何故改正なのか≫

「日本国憲法改正試案」1999年 小沢一郎

【フランスでは、「いかなる改正手続きも、領土の保全に侵害が
 加えられている時には開始されず、また続行されることは出来ない」

 ドイツにおいては、東西ドイツ統一以前の連邦共和国基本法には、
 「この基本法は、ドイツ国民が自由な決定により議決した憲法が
 施行される日に、その効力を失う」という文言があったという。

 そういう意味で、昭和26年サンフランシスコ講話条約が締結された時、
 占領下に制定された憲法は無効であると宣言し、もう一度、新しい
 憲法を制定すべきであった。

 長い間、憲法を論じつ事さえ憚れる状態が続き「護憲」と言うと
 いかにも信念があるようだが、その実態は思考停止馴れ合いの感覚で
 現体制のままでいいのではないか、そんなに難しいことを考えなくて
 もいいのではないかという無責任な考えが浸透していた。

 21世紀を迎えようとしている今、日本は大きな転換期にある事を
 否定する人はいないだろう。

 日本的馴れ合い主義では内外の変化に対応する事はできない。

 江戸時代のような鎖国時代に後戻りする事を望む国民は一人として
 いないであろう。
 ならば国民の意識を世界に通用するように変革すること、それが
 唯一の道である。
 その為には、まず法体系の根幹である憲法が様々な不備を抱えたまま
 放置されていることから改める必要がある。

 憲法改正論議こそ時代の閉塞状況を打破する可能生がある。

 私は個人的にも代議士生活30年の節目を迎えて、改めて戦後のタブー
 に異議を申し立てる決意を固めている。

 ここで私なりの「憲法改正の考え」を発表し、出来るかぎり自由な
 発想による憲法論を展開して、国民の冷静な判断を仰ぎたい。】


[No.5404] 2013/04/30(Tue) 15:56:25
Re: 【小沢憲法改正試案】とは。 (No.5404への返信 / 4階層) - hasebe

小沢さんの憲法改正試案を読んでつくづく
思う事は、安倍さん、石破さん、橋下さんらが
言っている改正とは、まったく大違いだという
ことです。

小沢さんは、憲法は、日本人の”規範”であるからこそ
その成立背景、ルールを誰にも後ろ指さされぬ、国民らも
他の国からも支持される憲法であるために議論、改訂を
していく必要を述べています。

現在、96条、9条の改訂を声高に言っている人達は、
憲法の本来の趣旨、【主権は国民に有り、その国民の
主権を侵す国家権力を制限、監視するもの】という
一番のオオモトをあっさり投げ捨て、国民はこうすべき、
こうあるべきと、まるで明治憲法に逆戻りするかのような
改正案のように思えます。

小沢さんは、かつて憲法改正と口に出しただけで、へたを
すると首になるくらいの日本社会の状況の中、それを
あえて憲法改正をぶち上げました。

それが今では、こんなおかしな方向へ行こうとしている
そのことに、言い出しっぺ、口火を切った政治家として
の責任があると思います。

小沢さんの憲法論議は、日本の中でも一流のものだと
思うので、きちんとした論議に持っていって欲しいと
心から望みます。

私もこのbbsで、小沢私論と安倍政権との違いを勉強
してみたいと考えています。


[No.5405] 2013/05/01(Wed) 11:35:45
Re: 【小沢憲法改正試案】とは。 (No.5405への返信 / 5階層) - かすみ。

> 小沢さんの憲法改正試案を読んでつくづく
> 思う事は、安倍さん、石破さん、橋下さんらが
> 言っている改正とは、まったく大違いだという
> ことです。
>
> 小沢さんは、憲法は、日本人の”規範”であるからこそ
> その成立背景、ルールを誰にも後ろ指さされぬ、国民らも
> 他の国からも支持される憲法であるために議論、改訂を
> していく必要を述べています。
>
> 現在、96条、9条の改訂を声高に言っている人達は、
> 憲法の本来の趣旨、【主権は国民に有り、その国民の
> 主権を侵す国家権力を制限、監視するもの】という
> 一番のオオモトをあっさり投げ捨て、国民はこうすべき、
> こうあるべきと、まるで明治憲法に逆戻りするかのような
> 改正案のように思えます。
>
> 小沢さんは、かつて憲法改正と口に出しただけで、へたを
> すると首になるくらいの日本社会の状況の中、それを
> あえて憲法改正をぶち上げました。
>
> それが今では、こんなおかしな方向へ行こうとしている
> そのことに、言い出しっぺ、口火を切った政治家として
> の責任があると思います。
>
> 小沢さんの憲法論議は、日本の中でも一流のものだと
> 思うので、きちんとした論議に持っていって欲しいと
> 心から望みます。
>
> 私もこのbbsで、小沢私論と安倍政権との違いを勉強
> してみたいと考えています。


そうですね〜
>現在、96条、9条の改訂を声高に言っている人達は、
>憲法の本来の趣旨、【主権は国民に有り、その国民の
>主権を侵す国家権力を制限、監視するもの】という
>一番のオオモトをあっさり投げ捨て、国民はこうすべき、
>こうあるべきと、まるで明治憲法に逆戻りするかのような
>改正案のように思えます。


本来憲法とは(民定憲法) 国民から権力者への命令書なんですよね。
国家が国民を無視して暴走をはじめたら、私たち国民は止めることができない!
だから憲法が国家の暴走を食い止めている
そいういうことなのですよね。

震災以降・・この国は暴走し始めているのではないか?
と心配しています。
だから、私自身も 小沢さんの憲法についての考えを
勉強して、色々と考えてみようと思います。

そして・・思うのですが・・
子供の頃から、もっと自国の憲法について
きちんと勉強すべきだ!と・・。
自国の憲法をちゃんと勉強することで・・
自分たちの国に誇りが持て、政治は 国民が主役なんだ!
という自覚が持てるような気がします。
そうすれば、、投票率が30%台なんてなんてことはなくなるような・・どうなんでしょうね〜


[No.5406] 2013/05/01(Wed) 20:27:12
衆愚主義プロジェクトの成功? (No.5406への返信 / 6階層) - hasebe

かすみ様、皆様

【占領下に制定された憲法は無効である】という意味では、
もしかしたら平成25年の現在でも占領下であり、いまだ憲法
の改正をする資格がないのでは?と思わないでもないです。

多くの官僚、政治家がアメリカ詣でをし、それは最高裁判事
までも・・・。
高級ドレイが下級ドレイを管理していても、結局、他国の
ご主人様の顔色を見、忖度をして政治をしているのですから。

今日は、何故か、下記のブログの文字が妙に身にしみます。
独りファシズムVer.0.1をコピーさせていただきました。


<独りファシズムVer.0.1>
http://alisonn003.blog56.fc2.com/


この国の錯乱とは、立法権が他国へ譲渡されていることに起因するのだろう。

ACTA批准、TPP加盟、原発推進、消費税率引上、社会・教育・福祉・年金などの
全面的な削減、資本規制撤廃(外資による日本企業買収)、労働者の非正規化など、
これらは国家の最高議会で成立したものではなく、その原型は「対日改革要望書」、
「日米経済調和対話」、あるいは「日本経団連政党評価表」のアジェンダ(要求項目)
として記されていたのであり、つまり主要な国内法は外国人投資家によって起草されて
いるのであり、CSISやヘリテージ財団など米国のシンクタンクによって策定されて
いるわけだ。

圧倒的マネーを武力とする対日戦略は、橋本政権下の「金融ビッグバン」において
先鋭化したのだが、山一證券が資本規制解除による過激な空売りによって廃業となり、
8兆円もの公的資金を投じられた長銀が、僅か10億円でリップルウッドに売却され、
さらにGEが東邦生命を取得、AIGが千代田生命を取得するなど、90年代後半には
金融・保険分野における侵食が加速し、あらたな構造の再編成が引き起こされている。

2001年に発足した小泉政権は、時価会計制度を強行し、1万4千円台であった東証株価を
7千円台まで下落させた後、主要企業の過半数株式を外資に取得させ、つまり経済市場
におけるイニシアティブをグローバル資本に譲渡したわけだ。

アベノミクスなど浮かれているが、自国通貨を希釈して株高を引き起こし、株式を
底値で取得していた外国人投資家に莫大な売買益を提供しているだけであり、
どれほど馬鹿げたことなのか、もはや説明するまでもないだろう。

繰り返すが、時価会計制度とは、企業資産を取得原価ではなく期末時点の時価で
算定するシステムであり、デフレ環境においては資産劣化によってバランスシート
(決算書)が暗転し、これにより大量の株式が一斉売りとなるという破滅をもたらす
のだが、政権は同期して35兆円もの為替介入を行い、すなわち東証株の買い取り資金を、
国家資源から米国系ファンドへ拠出していたわけだ。

さらに小泉政権は外資比率50%を超える企業による献金を解禁するのだが、つまり彼らは
「金銭の代価として、外国人投資家に有利な制度を法案化する行為」を合法化し、
政策そのものを市場取引するというビジネスモデルを構築したのであり、売国によって
金を稼ぐという背徳を公然化したのだが、この国は絶望的に民度が低劣であり、これらの
情報群をいまだ意味化することすらできない。

あいかわらず自称愛国者は「小泉さん」なのだが、連中の知性はこの程度の理解を忌避する
ほどに狭隘なのであり、むしろ単純な世界観と強権者への従属を好むという彼らの性向は、
メディア装置型政党による蒙昧主義と親和性が高いのだと思う。

安部内閣においては市場原理主義の第三世代改革が推進されているのだが、その中核が
TPPによる自由貿易であり、あらゆる参入障壁の撤廃であり、インフラストラクチャの
全面的な民営化という新たな次元展開であり、つまるところ本質とは「勝者総取り」
というイデオロギーの純粋な表明に他ならない。

繰り返すが、この国において政治者は、外国資本が要求する制度改革の達成度によって
インセンティブ(成果報酬)を授与されるシステムであり、それは未検証の仮説ではなく、
公然であり合法なのであり、つまり全ての法案は国民の福祉や利益ではなく、資本利潤
の最大化を目的として制度化されると捉えなくてはならない。

売国者は水道事業の民営化すら付託されているのだが、それによりフィリピンやボリビア
では料金が5倍にまで引き上げられ、アフリカ諸国では上水道から締め出された市民が
河川水の飲料を強いられ、コレラ、赤痢が蔓延した挙句、数千人が死亡する事態と
なっている。

代替のない水道は独占事業であり、しかも競争原理に晒されることがない必需品で
あるのだから、暴騰は必死であり、「市場が完全なものに近づくほど、市場の力は
暴力性を帯びる」という法則が発動するわけだ。

いずれにしろIMFの債務国でないにも関わらず、この時代に自国の水資源を他国へ
譲渡するのは日本国だけであり、それはすなわちコンプラドール(売国)市場が
過熱している証左なのだろう。

原子炉事故によって東北・関東圏の水源が絶望的に汚染される最中に、残された水源が
外国資本に譲渡され、爆発的な疾患が予示されながら、彼らの教唆によってガン保険
すら縮減されるのだから、我々の人権原理が、「地球的ハイパークラス」という
エリートよって解体されていると考えるべきだ。

あらためてイラクと日本国においては、同期してグローバリストによる侵略が
進行しているのだが、前者においては2500万人国民を制圧するにあたり、3万発
もの爆撃弾と、2万もの精密誘導ミサイルを要したのとは対照的に、後者においては
1億2000万人を制圧するにあたり、報道とバラエティ番組というコンテンツ群に
よって達成されたと言えるだろう。

つまりモボクラシー(衆愚主義)を原理とする壮大なプロジェクトが結実したのであり、
周到に精神を空洞化された我々は、太平洋戦争をしのぐ災禍と犠牲をもってそれに気付く
のだろうけども、その時には再生すら叶わないのであり、あまりにも全てが手遅れなの
かもしれない。


[No.5408] 2013/05/01(Wed) 23:47:30
小沢氏「今こそ国際安全保障の原則確立を」 (No.5408への返信 / 7階層) - hasebe

堀茂樹教授のツイッターに《今こそ国際安全保障の原則確立を》
という小沢さんの公開書簡が紹介されていました。

この川端清隆氏が、小沢氏に対しどんな批判をしたのかは分かりませんが、
この書簡には小沢氏の考え方がよく表現されています。

堀教授が感激したと感想を述べていらしゃいますが、私も同じ気持ちです。

この書簡の下段に書かれている言葉:
【日本の国際社会への貢献、特に侵略あるいはテロに対する強制力の行使に
 ついて、日本はこれまで、憲法を盾にとって一貫して消極姿勢をとってきました。
 私は、それは大きな過ちだと考えています。
 しかし同時に、日本国憲法の理念と第9条の考え方は、変える必要がない、むしろ忠実に
 実現すべきだと思っています。

 したがって、憲法の理念に従って、あらゆる分野で国際貢献を積極的にしていかなければ
 ならない、というのが私の結論です。
 最後に、もう一つ重要な点を付け加えます。
 紛争やテロの根底にあるのは貧困という人類の根本問題だ、ということです。
 貧困を一つ一つ克服し、人々の生活を安定させることが、何よりも大事なことなのです。】

ここに、小沢さんの憲法、政治に対する考え方示されていると思います。
小沢氏は、仁徳天皇の”かまど”の話、ペシャワール会の中村医師の話を例にあげて語って
います。
つい先日、NHKBS歴史館という番組で、知ったのですが1657年の明暦の大火で消失江戸城
の天守閣を再建しなかった理由、再建のための資金を被災者の救済、江戸の町の復興、再建を優先し
天守閣を再建することはなかったという。

それを指導したのが会津藩主保科正之で、彼がいなかったら江戸幕府がこれほど続くことは
なかったのではと言われています。
日本にも、その時々にりっぱな為政者がいたのですね。

2009年3月3日が無ければ、日本の歴史は変わっていたかも・・・。



<公開書簡>
【今こそ国際安全保障の原則確立を
  川端清隆氏への手紙】
             (岩波書店「世界」 2007年 11月号)
http://www.ozawa-ichiro.jp/massmedia/contents/appear/2007/ar20071023094628.html

国連本部政治局政務官
川端清隆様

先日、「テロ特措法と国連安保理決議」と題する月刊誌『世界』への寄稿文を拝読しました。

そこで述べられている、日本外交の「ねじれ」の検証について、また私の主張に対する
貴方の指摘について、私の見解を申し上げます。

まず、貴方の指摘する、日本の国連中心主義と日米同盟の「ねじれ」について先に結論を
申し上げると、私は、日本のやり方次第で「ねじれ」は解消できると考えます。

貴方も多くの日本人も、現実問題として最終的にどちらを取るのかという議論の中で、
日米同盟は何としても維持しないといけない、という結論を導き出しています。

しかし私は、国連中心主義と日米同盟は全く矛盾しない、むしろそれを両立させること
によって日本の安全が保障されると主張しています。

現実に、米国はもはや、一国で世界の平和維持、すなわち国際社会の警察官の役割を
果たすことが不可能になっています。

今日のアフガニスタンやイラクの実態は、その結果にほかなりません。

米国のブッシュ大統領は、「これは米国の戦争、自衛戦争だ。

したがって国連の決議はいらない」と啖呵を切ってアフガン戦争を始めました。

しかし実際には、当然ながら、米国単独では治められず、国際社会に助けを求めている
のが現実ではないでしょうか。

結局、日本国憲法の理念の通り、それはとりもなおさず国連憲章の理念の通り、世界の
平和は国際社会みんなで力を合わせて守っていく以外に、論理的にも現実的にも他に
方法がありません。

今日の国際社会の混迷はそのことを、明確に示していると思います。
湾岸戦争のような侵略の排除であれ、テロリズムとの戦いであれ、同じことです。

ところが、米国は自分自身の孤立主義と過度の自負心が常に、国連はじめ国際社会の
調和を乱していることに気が付いていません。

本当に日本が米国の同盟国であるなら(その他の同盟諸国も同じですが)、米国に
きちんと国際社会の重要な一員として振る舞うよう忠告すべきです。

そのためには、日本自身が世界の平和を守るために率先してあらゆる努力をし、
平和維持の責任をシェアする覚悟が不可欠です。

私はずっと以前から、そのことを機会のあるたびに国民に言い続けてきました。
特に湾岸戦争では、私はそれを強く主張しました。

しかし、当時、自民党幹事長だった私も、一人の少数派に過ぎませんでした。
今も日本では、あるいは日本人がそれだけの自覚と時代認識を持っているかと言えば、
全く不十分のままだと思います。

いずれにしろ、俗に言う国連中心主義か日米同盟かという問題は、国際社会の平和維持
に対する日本人自身の覚悟次第で解消できることです。

また、それを両立させることが、本来あるべき日米同盟関係を築き上げることになると、
私は確信しています。

次に、我が国の安全保障の原則について私の見解を申し上げます。

我が国では戦後ずっと、日本国憲法の解釈、特に第9条の解釈について、いろいろな意見
があり、それが安全保障政策の最大の問題になってきました。
今なおそうです。
したがって、最初に私の憲法解釈を軸に申し上げ、貴方の言う私の発言の「問題点」に
即して順次見解を申し上げます。

第一の問題として取り上げているテロリズムとの戦いについては、日本がテロとの戦いに
参加しないなどとは、私は一度も言っておりません。

我が国はかつて、何度もテロに屈して、死刑囚を含む犯罪人の釈放と身代金の支払いに
応じたことがあるのです。

日本赤軍による日航機ハイジャック事件は、貴方もご記憶しているでしょう。
世界中で、そのように屈服した国は他にありません。

それだけに日本人は、決然としてテロと戦う決意と態度を持たなければなりません。

しかしそれは、無原則に我が国の軍隊を海外へ派兵することではありません。

言うまでもなく、日本国憲法第9条は国権の発動たる武力の行使を禁じています。
国際紛争を解決する手段として、自衛権の発動、つまり武力の行使は許されないという
ことです。

したがって我々は、自衛権の行使(武力の行使)は我が国が直接攻撃を受けた場合、
あるいは我が国周辺の事態で放置すれば日本が攻撃を受ける恐れがあるという場合に
限定される、と解釈しています。

しかし、一方において日本国憲法は、世界の平和を希求し、国際社会で名誉ある地位を
占めたいと、平和原則を高らかに謳っています。

そのためには、国連を中心とした平和活動に積極的に参加しなければなりません。
それが憲法の理念に適うものだ、と私は考えています。

ここからちょっと憲法論に入ります。自民党政府(内閣法制局)は今も、国連の活動も
日本の集団的自衛権の行使に当たると解釈し、したがって国連憲章第7章第42条に
基づく武力の行使(PKO、国連の認める多国籍軍等を含む)に参加することは憲法第9条に
違反する、という解釈を続けています。

では、それならなぜ、アフガンで「不朽の自由作戦」を主導する米軍を自衛隊が支援できる
のでしょうか?

集団的自衛権の行使を、ほぼ無制限に認めない限り、日本が支援できるはずがないのです。
実際、カナダ、オーストラリアなどもその作戦に参加していますけれども、日本以外の
参加国はほとんど集団的自衛権の行使として米軍に協力しています。

ところが、日本政府は今も、集団的自衛権の行使は憲法上できないと主張しています。

貴方も思い起こして下さい。
湾岸戦争の時、自民党幹事長だった私は、戦闘部隊を送る必要はないけれども、せめて
後方の野戦病院や、あるいは補給艦による物資の輸送などはできるではないか、と強く
主張しましたが、内閣法制局も各省の当局者も反対しました。

その時の憲法解釈は、国連活動の後方支援であっても、武力の行使と一体のものだ、
だから、それに参加することは憲法第9条に抵触する、という論理でした。

後方支援すなわち兵站線こそ、戦争の行方を決する最大の要素であり、その意味で
後方支援は武力の行使と一体だというのは、正しい認識です。

しかしそれなら、いま、国連活動でもない米軍等の活動に対して補給すなわち後方支援
をやっていることについて、内閣法制局はどんな詭弁を弄しているのか。

アフガンについても、イラクについても同様です。
後方支援は武力の行使ではない、戦争するわけではないから問題はない、と自民党政府は言う。

正に、子どもにも通用しない詭弁を弄して、現実に海外派兵を行っているのです。
こんないい加減な国が他にあるでしょうか。

私は、日本国憲法の考え方からいって、米国であれどの国であれ、その国の自衛権の
行使に日本が軍を派遣して協力することは許されないと解釈しています。

同時に、国連の活動に積極的に参加することは、たとえそれが結果的に武力の行使を
含むものであっても、何ら憲法に抵触しない、むしろ憲法の理念に合致するという
考えに立っています。

分かりやすく説明します。
自衛権は正当防衛と言い換えられます。
確か、英語ではどちらも広くセルフ・デイフェンスと言うと思います。

例えば、お巡りさんは自分自身の正当防衛権(国家では自衛権)に基づいて、銃器を所持し、
強制力を行使し、必要な時は武力を使うことが許されているのでしょうか。

そうではありません。
それはあくまでも、社会の役割として警察官に与えられた権能であって、警察官個人の
正当防衛ではありません。
また例えば、たとえ自分の目の前で殺人が行われても、一般国民はその犯人を殺しては
なりません。
それはリンチにほかならず、絶対に許されないことです。

そのことを国際社会に当てはめて考えてみると、よく分かります。
国際社会で合意を得ないまま勝手に武力を行使するのは、リンチでしかありません。
それを認めたら、国際社会の秩序と平和を保つことはできません。

つまり、個々の国家が行使する自衛権と、国際社会全体で平和、治安を守るための国連の
活動とは、全く異質のものであり、次元が異なるのです。

国連の平和活動は国家の主権である自衛権を超えたものです。
したがって、国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても、日本国
憲法に抵触しない、というのが私の憲法解釈です。

ちなみに、そのことについて、明確に述べている憲法学者がいます。
横田喜三郎さんという東大教授で、のちに最高裁判所長官を務めた方です。
横田さんの著書をお読みいただけば、より明確に理解していただけると思います。

それから貴方は、私がアフガンのISAF(国際治安支援部隊)への参加の可能性を示唆して
いると書いていますが、私の主張はそんなあいまいな話ではありません。

国連の決議でオーソライズされた国連の平和活動に日本が参加することは、ISAFであれ
何であれ、何ら憲法に抵触しないと言っているのです。

もちろん、具体的にどんな分野にどんな形でどれだけ参加するかは、その時の政府が
政治判断をして決めることです。

しかし、日本政府はこれまで、全て日本国憲法を盾に国連活動への参加を拒否してきました。
私は、まずその姿勢を改めるべきだと、繰り返し主張しているのです。

また、貴方は「集団的自衛権の解釈や海外での武器の使用について、法的な整備が整って
いない」と記述しています。

しかし、そのようなことを私の問題点として指摘されるのは、はなはだ理解に苦しみます。
4武器の使用も、世界の常識に従うだけのことであり、特に法律制定の問題ではないと
思います。

加えて貴方は、「民主党内でも意見がまとまっておらず」と書いていますが、これまた
民主党の名誉にかけて強く申し上げておきたい。

貴方は海外にいらっしゃるから、民主党の政策論議の結論をご存知ないのかもしれませんが、
昨年末まで2ヵ月余の党内論議の末、先ほど私が述べたような方針(「政権政策の基本方針」
第三章)を決定しています。

このことは正しく認識しておいていただきたいと思います。
 
第二の指摘については、これ以上言わなくても、もうお分かりだと思いますけれども、
テロリズムとの戦いは、米軍の軍事行動に協力することではありません。

実際上は、出入国管理や金融管理から始まっていることであり、あらゆる場面でテロに
毅然とした態度をとり続けることが戦いの要諦です。

もちろん、今日のアフガンについては、私が政権を取って外交・安保政策を決定する立場に
なれば、ISAFへの参加を実現したいと思っています。

また、スーダン(ダルフール)については、パン・ギムン国連事務総長がかつてない最大規模
のPKO部隊を派遣したいと言っていますが、PKOは完全な形での国連活動ですから、当然、
それにも参加すべきだと考えています。

なお、この九月一九日採択されたISAFの任務を延長するための国連決議の前文に、日本政府の
働きかけにより、「不朽の自由作戦」への各国の貢献に対する「謝意」が盛り込まれたこと
について、政府・与党は「自衛隊の活動が国連のお墨付を得た」と喧伝していますが、
不誠実にすぎます。

海上自衛隊の活動はあくまでも、米国の自衛権発動を支援するものであり、国連の枠組みでの
行動ではありません。

今回の決議もとうてい、自衛隊派遣の根拠とはなり得ないものです。
我々は米軍活動という枠組みから離れ、ISAFのような明白な国連活動に参加しようと言って
いるのです。

第三の指摘は、国際社会の同意に基づく国連の活動に積極的に参加すると、「表面上は
安保理決議によって認可された多国籍軍である占領部隊への、イラク特措法に基づく
自衛隊の協力は問題がないということになってしまう」とのことですが、それは二重の
意味で間違いです。

まず、イラク特措法の根拠とされている国連決議一四三号(二〇〇三年五月採択)は、
米英主導の治安維持を認めただけであり、多国籍軍の設置をオーソライズしたもので
ありません。

次に、前述したように、私の主張は、国連の決議に基づいて参加する活動は日本国憲法に
抵触しないということですが、合憲なら何でもやるということではありません。

国連の決議があっても、実際に日本がその活動に参加するかしないか、あるいはどの分野に
どれだけ参加するかは、その時の政府が総合的に政治判断することです。

それは政治のイロハです。
イラク戦争は、米英軍の攻撃によって行われました。
国連においては、同盟国であるはずのフランスも反対し、ロシアも反対し、中国も反対した。

それにもかかわらず米英の単独行動として始まったのがイラク戦争です。
しかも、戦争の最大の理由だったイラクの大量破壊兵器の保有は事実でなかったことが
明白になり、米英両国もそれを認めざるを得なくなるに至り、イラク戦争は大義そのものが
なくなってしまいました。

さらに、その後の占領政策の失敗の結果、イラクの社会は混乱を極めています。
だから、米国は自分で勝手に戦争を始めておきながら、国際社会に協力を求めざるを得なく
なったのではないでしょうか。

イラク復興に関する一連の国連決議は、そういう経緯で採択されたにすぎません。
仮に、あとになってから出された国連決議で形式は整ったとしても、政治の判断としては、
それに自衛隊を派兵することには賛成できません。

米国内においても国民の多数がイラク戦争に反対していることは、貴方も米国にいてお分かり
だと思います。

繰り返しますが、日本の国際社会への貢献、特に侵略あるいはテロに対する強制力の行使に
ついて、日本はこれまで、憲法を盾にとって一貫して消極姿勢をとってきました。

私は、それは大きな過ちだと考えています。
しかし同時に、日本国憲法の理念と第9条の考え方は、変える必要がない、むしろ忠実に
実現すべきだと思っています。

したがって、憲法の理念に従って、あらゆる分野で国際貢献を積極的にしていかなければ
ならない、というのが私の結論です。

 最後に、もう一つ重要な点を付け加えます。紛争やテロの根底にあるのは貧困という人類の
根本問題だ、ということです。

貧困を一つ一つ克服し、人々の生活を安定させることが、何よりも大事なことなのです。

日本国内で「ペシャワールの会」をつくり、年間約3億円の基金を集めて、アフガンで現実に働いている中村哲さんというお医者さんからお話を伺う機会がありました。

医師ですから医療活動をしているのだろうと思っていたら、「いや、医療より前に、まず
食うことです」というお答えでした。

自分で井戸を千何百ヵ所か掘ったそうです。アフガンは本来、食料自給率が90%以上で、
自給自足で生活していましたが、戦争と大干ばつで自給率が40%以下に下がり、医者に
かかるより先に、まず食べなければ死にそうだという悲惨な状況にある。

だから中村さんも、医療の仕事より、井戸を掘ったり灌漑用水を造ったりするのに一生懸命
だそうです。

 我々は先の参議院選挙で、「政治とは生活である」「国民の生活が第一」と主張しました。

政治の使命、役割は結局、「民のかまど」を豊かにすることに尽きます。
仁徳天皇は、民のかまどから煙が立っていないのを見て、民の困窮を悟って税を免除した
と伝えられています。

皇居は朽ち果て、修理する費用もなくなりましたが、国中の家々から煮炊きの煙が再び上がる
ようになって、仁徳天皇は「私は豊かになった」と語られました。

「天皇の位は、そもそも人々のために作られたもの」という仁徳天皇の言葉にこそ、
政治の本質が示されていると、私は思います。

現代社会はもちろん、仁徳天皇の時代とは比べものにならないくらい複雑になっています。

しかし、政治がまず一生懸命に考えなければならないことは、昔も今も、「どうやって
みんなが豊かに、幸せに、そして安全に暮らせるようにするか」ということだと思います。
 
どんなに困難であっても、どんなに時間がかかろうとも、貧困を克服し、生活を安定させる
ことこそが、テロとの戦いの最も有効な方法であると、私は確信しています。

銃剣をもって人を治めることはできません。
それが歴史の教訓であり、幾多の戦争の果てにたどり着いた人類の知恵なのです。

    二〇〇七年九月二三日
        民主党 代表 小沢 一郎


[No.5410] 2013/05/03(Fri) 08:21:00
小沢一郎氏「憲法記念日にあたって」 (No.5410への返信 / 8階層) - hasebe

5月3日の憲法記念日に小沢氏が談話を発表しました。
生活の党のHPからコピー転載させていただきます。



    ≪憲法記念日にあたって ≫
http://www.seikatsu1.jp/activity/declaration/act0000056.html



平成25年5月3日

生活の党代表 小沢一郎

 本日、日本国憲法は施行から66年を迎えました。

憲法は国民の生命や財産、人権を守るために定められ、平和な暮らしを実現するために
自分たちで決めたルールです。

国会の憲法審査会において、改正論議が進行しています。
旧来の護憲、改憲論議を超えて、憲法の本質、基本的理念、歴史的経過を踏まえ、根本に
立ち返った議論が肝要であります。

 日本国憲法は、大日本帝国憲法の73条の改正規定に則ってできあがりました。
実質は改正ではなく、新しい憲法の制定でありました。
一種の革命とも言えます。
帝国憲法が自らの根幹である天皇主権を否定し、国民主権に大転換をしたからであります。

 現行憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調の4つを基本理念、
原理としています。
96条の改正規定は、両院の3分の2を発議要件としており、これは基本理念、原理を否定する
改正は認められないという考え方を示しています。

 憲法改正の議論にあたっては、改正手続きのあり方を先行するのではなく、どのような
憲法を想定し、どういう理念で作ろうとしているのかを明らかにすべきであります。

現行憲法は確かにいろいろな面で現在の実勢に合わなくなってきており、国民の合意が
あれば改正することは当然のことであります。

 生活の党は、憲法の4大原則である、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義、国際協調
を堅持すべきと考えます。

96条の改正規定は憲法の趣旨から現状を維持すべきです。
その上で、国連の平和活動、国会、内閣、司法、国と地方、緊急事態の関係で一部見直し、
加憲が必要だと考えます。

 憲法は国民のためにあります。生活の党は、国民の皆さんがより幸せに、より安全に
生活でき世界平和に貢献するルール作りをめざし、皆さんとともに積極的に議論して参ります。


[No.5414] 2013/05/04(Sat) 10:38:03
Re: 小沢一郎氏「憲法記念日にあたって」 (No.5414への返信 / 9階層) - 赤毛のアン

今まで憲法について深く考えたことがなかったですが、
近年の国際状況を見るにつけ関心を持つようになりました。
日本国憲法の4大原則も、現状では個々の条文の達成度は未完成です。
でもこの理念を超える、また変える理由が私にはおもいつきません。


[No.5418] 2013/05/06(Mon) 22:06:55
憲法改正について (No.5418への返信 / 10階層) - 日本一新の会事務局

皆さんへ

今朝(9日)のSankei Webに「憲法改正の限界も議論を」の見出しがありました。
記事は、日本維新の会に関することでしたが、関連して、「メルマガ・日本一新」
161号(5月16日発行)には、「内閣は国会に『憲法改正原案』を提出でき
るかどうか学説は分かれている」と、「改正手続の憲法第96条だけを改正する
のは憲法政治の破壊である」の二つのテーマで平野論説を掲載します。

第96条の先行改正には、改憲論者の小林節慶大教授さえ「立憲主義や法の支
配≠知らなすぎる。改憲への裏口入学≠ナ、邪道だ」と断じていますし、同
じく、石川健治東大教授は「立憲国家としての日本の根幹に対する反逆であり
革命≠ノほかならない」、「護憲・改憲の立場の相違を超えて、協働して抑止
されるべき事態であろう」と、反改憲勢力の結集を呼びかけています。

自民党内には「徴兵制」に言及するグループと、「首相が96条改正を唱え、周
りがそれをはやす。もっと冷静に議論した方がいいのに、言い出せない空気があ
る」という議員もいます。昭和の初めには民権政治が後退し、軍部が台頭して、
「大政翼賛会」となり、大戦へと突き進みました。政権与党内ですら「言い出せ
ない空気」とは、歴史の繰り返しではないでしょうか。

今、TPP、消費税増税、そして憲法問題と、まともな提言を発しているのは、
「生活の党」だけであり、私たちはこのことをより多くの人に知って頂けるよう
努力する必要があると思います。


[No.5424] 2013/05/09(Thu) 11:19:28
Re: 憲法改正について (No.5424への返信 / 11階層) - hasebe

McRash様、showa-oyaji 様、日本一新事務局様、かすみ様、皆様

McRash様、showa-oyaji 様、ようこそ寺子屋BBSに来て
下さいました。

ささやかな掲示板ですが、思った事、何でもどんどん書い
て下さい。
どうぞよろしくお願い致します。

第96条の先行改正について、安倍内閣の支持率が高いという
理由で、与党内ですら、それに反論出来ない、としたら大ごと
です。

小沢さんは、第96条の改正に反対していますが、憲法が
法律、命令、詔勅すべての最高法規とされている以上、その
時代にあったルールに改正した方が良い、としています。

小沢さんの改正案は、自民党の改正案との根本の違いがあります。
自民のは、国民の自由の制限、規制導入するにおいが強いですが、
小沢さんは、主権在民の根っこを変えてはいけないと述べています。

最近マスコミでさえ、憲法は政府、権力者の権力行使を規制する
ものである、と説明をするようになりました。

以前からネットの中では、そのように囃されていたので、表のマスコミ
もその影響を受けてきたのかとも思います。

やっぱり、不断の努力、戦いでしか民主主義も主権在民も守れない
ということですね。


[No.5427] 2013/05/10(Fri) 11:37:55
小沢さんの憲法改正案その一 (No.5427への返信 / 12階層) - hasebe

小沢さんは、下記にあるように【憲法の前文】の根本を変える
必要はないと考えています。

『ただし、その書体は、実際の憲法には「日本國民は、正當に選擧された」
 と旧字体で書かれてあったり、文章自体も翻訳調で読みにくいなどの
 形式的な問題はある、としています。

 我々の伝統や文化に基づいた日本人独自の内面的資質についても、前文で
 踏み込むべきではないかという議論もあって、それにも私は基本的に賛成である。

 また、本来なら前文で書かれるべき抽象的な理念が、遂条部分に書かれている
 ことで、裁判に混乱が生じていることも事実である。

 例えば第二十五条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を
 有する」などは本来、前文に置くべきで、むしろ国際協調主義などは遂条にもあって
 然るべきであろう。』

との問題を小沢さんは、提起しています。
その部分の小沢さんの論文をコピーいたします。


【昭和二十二年に施行された日本憲法は、わずか六百字程度にすぎない
「前文」から始まる。

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
 われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、
 わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為に
 よって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、
 ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する……」

 あらかじめ知ってほしいのは、憲法解釈のときに時代背景などを
 理由づけの根拠にするのは禁じ手であることだ。

 法解釈には立法者の意思を持ち込まず、あくまでも条文に従って解釈
 すべきだと断っておく。

 例えば、憲法制定時の経緯からすると、アメリカ占領軍は、当初は日本
 に二度と戦力を持たせないようにしようと考えていた。
  
 日本人は鬼畜米英を唱える狂信的な民族であると思っていたのである。

 この方針は米ソの冷戦構造がはっきりしてくると変わっていくのだが、
 このような歴史的経緯を憲法解釈に持ち込むべきではないことは、
 法律解釈のイロハである。

 この前文には日本国憲法の基本原則が書かれている。

 平和主義の原則。基本的人権の尊重の原則。国民主権の原則。さらに付け
 加えて強調したいのは、国際協調主義の原則が謳われていることだ。

 この四原則を変える必要はないと、私は考えている。

 〜中略〜ただ、表現はできるだけシンプルであることが望ましい。
 さらに我々の伝統や文化に基づいた日本人独自の内面的資質についても、前文
 で踏み込むべきではないかという議論もあって、それにも私は基本的に賛成である。

 また、本来なら前文で書かれるべき抽象的な理念が、遂条部分に書かれていることで、
 裁判に混乱が生じていることも事実である。

 例えば第二十五条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を
 有する」などは本来、前文に置くべきで、むしろ国際協調主義などは遂条にもあって
 然るべきであろう。】


[No.5428] 2013/05/10(Fri) 11:58:39
メルマガ・日本一新・通巻第161号 (No.5428への返信 / 13階層) - 日本一新の会事務局

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                 通巻第161号・2013/5/16
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                     顧問:戸田 邦司
                     発行:平野 貞夫
                     編集:大島 楯臣
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 <メルマガ・日本一新・通巻第161号>
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◎「日本一新運動」の原点―161

日本一新の会・代表 平野貞夫妙観

〇 憲法改正論議の前に知っておくべきこと!

 まず、私の憲法に対する基本姿勢を述べておきたい。平成12
年1月、衆参両議院に憲法調査会が設置され、2月16日、第1
回の参議院憲法調査会が開かれた。各会派が意見を述べ合った時、
私は次のように発言した。「現在のわが国は、大きく流動化し衰
退しております。(中略)私たちは、21世紀を迎えるにあたっ
て、新しい国家目標を立て、昭和憲法の基本原理である平和主義、
国民主権、基本的人権を継承、発展させながら新しい憲法をつく
ることが、日本の再生のカギであると思っています。規律のない
市場経済、場当たりの社会保障、まやかしの平和主義を反省して、
新しい国づくりのために“憲法文化”を大いに議論しよう。」
                         (要旨)
 そういうことで策定したのが、『日本一新 新しい憲法を創る
基本方針』(平成12年12月13日 自由党)である。「メル
マガ・日本一新」でも概要を紹介したが、内容として不十分であ
りこれからの研鑽が必要と思う。

 昨年暮れの総選挙で安倍自公政権に交代するや、憲法改正論が
突如として騒がしくなった。21世紀の新しい国づくりを目指し
て、真摯な国民的憲法論議は大いに歓迎する。しかし、過去の不
毛な憲法9条をめぐる改憲対護憲という議論を繰り返していては
日本に未来はない。
 今回の安倍首相が先頭を切って突っ走る「第9条改正を狙いと
する、第96条(改正手続)の改正論」は、これまでの不毛な改
憲・護憲論より問題が深刻だ。東日本大震災・福島原発事故の惨
状をそのままにし、東アジアの緊張にも配慮せず、憲法改正手続
の改正を先行させる政治的意図に、危機を感じる。そこで、憲法
改正論議を真摯なものに戻すため、これだけは知ってもらいたい
事柄を、いくつか述べておきたい。

(憲法改正には限界がある!)

 普通の法律の制定・及び改正には憲法に違反しないという限界
がある。同じように憲法の中にある基本原理が、憲法の他の内容
の根拠となったり、規制している場合がある。人類普遍の原理で
ある、1)国民主権、2)基本的人権、3)平和主義、の3原理
を定めた部分は改正の限界といえる。
 問題は「平和主義」である。憲法制定の実務責任者で、その後、
著名な憲法学者として活躍した佐藤功氏は、第9条の改正の限界
について次のように述べている。
「平和主義の原理を否定することも、改正の限界外にあると考え
るべきである(第9条1項が戦争を「永久」に放棄するとしてい
ることも、この趣旨を示したものと解される。第9条2項の戦力
不保持の部分については、この部分は1項とは別であるとし、改
正しうると解する見解と、この部分も項と不可分であり、かつ、
この憲法の平和主義の特色はむしろ2項にあると見るべきである
とし、改正の限界外であると解する見解とが対立する。・・・・
1項にとどまることなく、特に2項を設けたことに特別の積極的
意義があるとする立場に立つ限り、後者の見解を正当とすべきで
ある)。  (佐藤功著・ポケット註釈全書 憲法(下)新版)

 この佐藤氏の見解に、いろいろ意見はあると思うが、この理論
を知らずに第9条の改正を論じるべきではないと思う。なお「憲
法改正手続」は、改正の限界外であるという理論が、外国の学説
にあることも知っておくべきことである。

〇 内閣は国会に「憲法改正原案」を
          提出できるかどうか学説は分かれている!

 憲法改正原案について内閣に提出権があるのかどうか、憲法制
定時(昭和21年11月)から憲法学者の中で論争があった。内
閣に提出権はないとする説は、憲法第72条「内閣総理大臣は、
内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係につ
いて国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する」の中に、
「憲法改正原案や法律案が明記されていない」ことを理由とする
主張である。、 
 昭和22年の内閣法制定で、第5条に「内閣総理大臣は、内閣
を代表して内閣提出の法律案、予算その他の議案を国会に提出し、
一般国務及び外交関係について国会に報告する」と規定して補完
した。これに順じて「憲法改正原案」も内閣に提出権ありとの論
を主張するようになった。しかし、憲法学者の中には、第96条
の「国会がこれを発議し」と特に定めていることから、内閣には
憲法改正原案を国会に提出する権能を認めないことを意味すると、
厳格に解釈する意見がある。

 これは重要な問題である。平成19年に「憲法改正国民投票法」
制定の時、国会法を改正して、憲法改正原案の発議の賛成者数、
(衆議院100名、参議院50名)を規定した際、内閣の提出権
については特に規定しなかった経緯がある。私の意見は、内閣に
提出権があるとすれば、明文の規定を設けるべきだと思う。仮に
憲法の解釈で内閣に提出権ありとする学説を採用するなら、その
解釈権は国会にある。衆参両議院でしかるべき手続で対応すべき
ことである。

 最近、改正原案の発議権がない安倍首相が、憲法第96条の先
行改正を興奮状態で頻繁に公言している。首相としての影響力を
利用して発言していることが明らかであり、憲法無視といえる。
さらにその論拠として「国民の過半数が憲法を改正したいとの意
思を、国会両議院の3分の1超の議員が妨害できる制度は常識的
でない」と明言しているが、憲法前文の冒頭に「日本国民は、正
当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、・・・・」
と明記していることを理解していないようだ。理解した上での発
言なら、憲法前文を冒涜したものだ。

 直接民主主義のリスクを、代表制民主主義で調整することが、
日本国憲法の基本原理である。これを常識的でないと否定するな
ら、憲法第99条の「憲法尊重・擁護の義務違反」として、国会
で追及すべき問題である。

〇 改正手続の憲法第九十六条だけを改正するのは
                  憲法政治の破壊である!

 今年の憲法記念日は、久しぶりに憲法学者の立派な見識にふれ
た。ひとつは、石川健治東大教授の『憲法はいま』(朝日新聞オ
ピニオン5月3日)である。見出しには『立憲国家への反逆に動
く政治家たち 真に戦慄すべき事態』とあり、第96条先行の憲
法改正にうつつをぬかす議会政治家たちの言動を、「立憲国家と
しての日本の根幹に対する反逆であり“革命”にほかならない。
打ち倒そうとしているのは内閣総理大臣をはじめ多数の国会議員
である」と警告し「護憲・改憲の立場の相違を超えて、協働して
抑止されるべき事態であろう」とも提言している。

 もう一つは、小林節慶大教授の5月4日の朝日新聞でのコメン
トである。「私は9条改正を訴える改憲論者だ」とことわったう
えで、第96条先行改憲論者に対して「憲法の危機だ。権力者は
常に堕落する危険があり、歴史の曲がり角で国民が深く納得した
憲法で権力を抑えるというのが立憲主義だ」と論じ、「立憲主義
や“法の支配”を知らなすぎる。改憲への“裏口入学”で、邪道
だ」と断じている。小林教授は新進党時代(平成七年頃)、憲法
顧問として活躍してもらった。私も小林ゼミに呼ばれて「国会と
憲法」を話したこともある。第96条の先行改正については、石
川・小林両教授の主張のとおりである。

 国会議員を含め、司法・行政にわたる官僚、マス・メディアで
活躍している有識者で、法律の専門的教育を受けている人ほど、
立憲主義とか法の支配という民主主義の精神というか、理念・感
性といったことに関心がない。形式論理とか手続が仕事だと考え
ている。そういう法文化や政治文化の中で捏造されたのが、「小
沢陸山会事件」であった。
 私が32年間勤めた衆議院事務局というところは、国会関係の
憲法解釈や運用の事務を担当するところであった。最高裁が「政
治行為」を審理の対象にしないという憲法慣行があるからだ。当
時の与野党の国会議員は、自己の政治行動を常に憲法の原理の中
で考えていた。昭和時代には、憲法改正手続の第06条を先行さ
せて改正する論など「ブラック・ユーモア」でしかなかった。特
定の政治目的のため、硬性憲法という基本性格を変えようという
政治発想は、もはや憲法政治とはいえない。

 聞くところによると、憲法第96条先行改正に賛成する国会議
員が、夏の参議院選挙で3分の2を超える可能性があるとのこと。
衆議院では既に満たされている。情報通りにこれが実現すると、
いよいよ昭和初期とそっくりとなる。憲法第九十六条改正は、天
皇機関説事件(昭和10年)と同じように、憲法政治の破壊とな
る予感がしてならない。               (了)
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事務局雑話

実務的な憲法問題を語らせたら、平野代表の右で出る人はいない、
というのが事務局の評である。その理由を述べると際限がないの
で端折るが、衆議院事務局に30有余年、引き続いて参議院議員
としての12年間、実直に憲法と向き合って生きてきたからだ。

毎日新聞(4月29日)に「高村正彦自民党副総裁は、29日の
TBS番組で、戦力不保持を定めた憲法9条2項に関し、『文字
通りだと自衛隊は違憲になる』と指摘」とあり、政権与党の幹部
が「自衛隊は違憲だ」と断じたことになるわけだが、野党からの
コメントは聞かれない。

関連して、本日開催の「予算委員会集中審議(締めくくり質疑)」
を注視して頂きたい。森ゆうこ議員が質疑に立ち、第96条改正
についても質問予定とあるから、若しかしたら、本号の主題と被
るかも知れない。ネット中継されるからご視聴をよろしく・・。

  ( http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

 〇森ゆうこ議員質疑予定日時
  5月15日(水)16:07〜16:25

  ○アベノミクスによって賃金が上昇し、
   国民生活が向上する道筋は。
  ○小泉構造改革との違い等。
  ○社会保障制度のゆくえ。
  ○96条の改正について。
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             次回の定期配信は、5月23日です。
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[No.5436] 2013/05/15(Wed) 09:15:38


   ≪憲法≫を学ぼうと思います。 - hasebe - 2013/04/26(Fri) 22:55:51 [No.5396]
Re: ≪憲法≫を学ぼうと思います。 - McRash - 2013/05/06(Mon) 23:21:32 [No.5422]
Re: ≪憲法≫を学ぼうと思います。 - showa-oyaji - 2013/05/07(Tue) 12:18:08 [No.5423]
Re: ≪憲法≫を学ぼうと思います。 - かすみ。 - 2013/04/29(Mon) 20:14:37 [No.5399]
「重いメディアの責任」を問う。 - hasebe - 2013/04/28(Sun) 13:00:41 [No.5397]
Re: 「重いメディアの責任」を問う。 - かすみ。 - 2013/04/29(Mon) 20:23:26 [No.5400]
【小沢憲法改正試案】とは。 - hasebe - 2013/04/30(Tue) 15:56:25 [No.5404]
Re: 【小沢憲法改正試案】とは。 - hasebe - 2013/05/01(Wed) 11:35:45 [No.5405]
Re: 【小沢憲法改正試案】とは。 - かすみ。 - 2013/05/01(Wed) 20:27:12 [No.5406]
衆愚主義プロジェクトの成功? - hasebe - 2013/05/01(Wed) 23:47:30 [No.5408]
小沢氏「今こそ国際安全保障の原則確立を」 - hasebe - 2013/05/03(Fri) 08:21:00 [No.5410]
小沢一郎氏「憲法記念日にあたって」 - hasebe - 2013/05/04(Sat) 10:38:03 [No.5414]
Re: 小沢一郎氏「憲法記念日にあたって」 - 赤毛のアン - 2013/05/06(Mon) 22:06:55 [No.5418]
憲法改正について - 日本一新の会事務局 - 2013/05/09(Thu) 11:19:28 [No.5424]
Re: 憲法改正について - hasebe - 2013/05/10(Fri) 11:37:55 [No.5427]
小沢さんの憲法改正案その一 - hasebe - 2013/05/10(Fri) 11:58:39 [No.5428]
メルマガ・日本一新・通巻第161号 - 日本一新の会事務局 - 2013/05/15(Wed) 09:15:38 [No.5436]




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