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記事No.10815に関するスレッドです

マルクス経済理論、、 / 野口純 [ ]
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マルクスとエンゲルスを学ぶ。。
ちひろさんに感謝 

ロシアは優秀な女性が多い、、

No.10814 - 2023/08/14(Mon) 10:28:04

Re: マルクス経済理論、、 / 野口純 [ ]
FB検閲? なのでコピー
【マルクス主義者が銀行総裁になったら、どうなるのか?】
お札のエネルギーについて調べていたときに、ロシア銀行総裁のエリヴィラ・ナビウリナさんのオーラがあまりにも純粋できれいなのに驚いた。金融に関係がある仕事をしている人といったら、あこぎなくらいにお金にガツガツしている感じの人が多い。世界中にはいろいろな銀行があるから、いろいろな人がいるのかもしれないけれど、少なくとも西側諸国の金融関係の人はそんな感じだ。お金でお金を生むマネーゲームとかが好きそうで、とにかくお金が増えるということに、特別な魅力を感じているような人たちだ。
ところが、ロシア銀行のエリヴィラ・ナビウリナさんは、そんな感じがまったくない。金融関係の人たちによくあるような、お金を見せびらかしている感じの服装とかもしていない。それどころか、野暮ったい感じがするくらいの飾り気のなさだ。ロシアの政治家のパロディ動画で、エリヴィラさんを演じている役者さんは、「サッカーにもショッピングにも興味ないわ。お金を守ることだけに興味があるの」と歌っているのだけれど、まさにそんな風な人だ。自分がお金を持つことには別に興味もなくて、ただお金が循環するように守る仕事をするのが好きだからやっている、といった風だ。
典型的なロシア女性の顔立ちでもないので、どこの出身の人だろうと思って調べてみたら、この人はバシキール共和国という、聞いたこともないような国の人で、タタール人だった。バシキール共和国というのは、カザフスタンの北にある国で、もともと遊牧民族が住んでいたステップが広がっているところだった。しかし、地下資源が豊富で、加工する産業もあるので、今ではロシア連邦でも最も豊かな国だという。タタール人は多くがイスラム教徒だというから、彼女もおそらくイスラム教徒なのだろう。
お父さんは運転手だとあるから、特別に豊かな家でもなかったのだろうけれど、頭がよかったので、モスクワ大学に行って、経済学の勉強をしたらしい。専攻が国民経済とあるから、これはマルクス経済学だろう。そして彼女は、共同の研究で「疎外された労働」という論文を書いている。もともとマルクス経済の専門の人なのだ。
マルクス経済といったときに、イデオロギーとしてのマルクス主義と、経済理論としてのマルクス経済学は区別する必要がある。もともとカール・マルクスが著書「資本論」で書いたのは、資本主義経済が成熟して、社会が豊かになったとき、必然的に労働者が主導権を握る経済システムに移行する動きが起きる、という経済理論にすぎないからだ。そこには、だからどうするべきだということもない。ただ、経済の流れの必然としてそのようになるであろうという話にすぎない。
マルクスはハザールユダヤ系ドイツ人で、金融資本家のロスチャイルドとも親戚にあたる。彼はロスチャイルド家に資金をもらっていたという話があるから、もしそうなのだとしたら、ロスチャイルド家は資本主義経済が崩壊する危険があるのかどうかを調べさせて、それを未然に防ぐような策を講じるつもりだったのかもしれない。資本論を書いたあとで、思想家で実業家のフリードリヒ・エンゲルスが現れ、共同で空想的社会主義というものを唱え始めるのだけれど、これは経済理論ではなくて、イデオロギーだ。労働者による革命を起こすべきだという政治思想なのだ。それを、実業家でもあるエンゲルスが、マルクスとともに唱え始めた。
この背後に金融資本家のロスチャイルド家がついているとすると、どうもこれは、資本主義の崩壊を未然に防ぐためのロスチャイルド家の策だったのではないかという気がする。ここ20年くらいで世界中でさかんに行われたカラー革命のようにだ。ある種の理想主義で人々を煽って、政権を倒すように誘導して、国をもろとも乗っ取ってしまおうというのがカラー革命だったのだけれど、政権を乗っ取ったあとは、理想主義的な人々のための政治などではなく、独裁的な管理社会をこしらえて、搾取し放題だ。そして、最初にこの社会主義革命という名のカラー革命の犠牲になったのが、20世紀始めのロシア帝国だったわけだ。
ロシア革命当時の様子は、ドストエフスキーが長編小説「悪霊」で描いているけれど、当時のロシアには、資本主義経済などわずかしかなかったし、革命の主体になるべき労働者というものだって、ろくにいなかった。そして彼らは、ロシア皇帝を批判するなどということは、まったく考えてもいなかったのだ。外からやってきた革命家と称する人たちにやいやい言われて、宮殿に出かけていっただけのことだった。
要するにあのロシア革命というものは、マルクスが予言した共産主義革命とは何の関係もない。単なる政権乗っ取りのクーデターだったのだ。そしてそのクーデターのあとで、労働者たちは主導権を握るどころが、所有権さえ失って、国家の奴隷のようになってしまった。ロシア革命は、実はアメリカから送り込まれたハザールユダヤ系ロシア人たちによって行われたと言われている。つまり、外国から勝手に人が押しかけてきて、人々を煽って暴動を起こさせ、乗っ取ってしまったのだ。これは革命などではなく、占領と言うべきものだ。
マルクスが「資本論」で書いていたのは、そんな管理経済の話ではない。資本主義経済というものは、どのように発展していくのかという経済理論なのだ。資本主義経済は、人々がそれぞれ自由に自分の利益を追い求めて働くので、その結果、社会全体が豊かになっていく。すると、雇われて働いている人たちも、だんだんと経済力をつけていく。すると、ある時点で、雇われて働いている人たちが、主導権を求めるようになる。要するに、大勢の人々を少数の権力者が搾取し続けていたら、いつかは引っくり返されるということなのだ。これは、歴史的につねに起こってきたことで、そのようなことが起こると考えるのは、かなり的を得ていると言える。
マルクスは、雇われて働いている人たちが、雇われていることに不満になっていく理由として、搾取と労働の疎外という二つの点を挙げている。つまり、資本家はいつまでも雇われ人たちを低賃金でこき使って、のうのうとしていられない、ということだ。雇われ人たちは、賃上げだとか、労働条件の改善だとか要求してくるだろうからだ。そしていつかは、自分たちで工場を買い取るなり、労働の代価として取り返すなりして、利益を働いている人たちに還元するような仕組みを作るだろう、ということだ。
もう一つの労働の疎外というのは、ドイツ語でEntfremdungといって、つまり仕事が違和感のあるものになる、自分のものではなくなってしまう、ということを言っている。かつて自分で仕事をしていた職人たちは、腕を磨いて、自分の作品と言えるものを作っていたから、自分の仕事に誇りを持てたり、満足感を持てたりした。ところが、雇われて工場なんかで働いていると、できた製品は、自分の作品と言えるようなものではない。自分が思ったように働けるわけでもない。そうすると、仕事をすることの喜びというものがなくなってしまって、ただお金のために言うなりに動くだけみたいになってしまう。仕事をする喜びというものは、人間が生きていく上で重要なものだから、それが奪われると不満が募って、紛争が起きる、ということを、マルクスは言っている。
つまり、「資本論」でもともとマルクスが言っていたのは、資本主義経済で資本家が好き放題にしていられるのは今のうちだけで、いずれ雇われ人たちが利益を還元させるようにして、仕事の喜びが得られるような形に変えていくだろう、ということなのだ。
だから、ロシア革命で起こったのは、実のところ、マルクスが予言したものとは真逆なものだと言える。人々から所有することさえ奪い、自由に仕事をすることさえ禁止して、管理してしまったのだから。ソビエト連邦では、社会主義の理想であるとして、人々を支配してきたけれど、アメリカでは社会主義から自由経済を守るためと言って、人々を支配してきた。こうした金融資本家の工作のおかげで、マルクスが予言した資本主義の終焉は、百年くらいは引き伸ばすことができたのかもしれない。過去50年ほどで、生産性は10倍以上にも増えたというのに、人々の生活は豊かになっていないし、管理支配はかえって厳しくなって、仕事をする喜びも、ますます減っているようだ。利益を還元せず、ますます搾取していれば、人々は主権を取り戻す力などなくなって、金融資本家たちは支配権をまだ保っていられるということになる。
ロシア銀行総裁のエリヴィラ・ナビウリナさんは、マルクスの経済理論を学んで、経済省で働き始めたのだけれど、それはソ連が崩壊して、ロシアが自由経済に切り換えたあとのことだった。西側諸国の経済の専門家ならば、利益を上げることを第一に考える。つまり、GNI(国民総所得)を増やすことだとか、為替の相場が高くなるようにするとかだ。その一方で、絶えず大企業が自分たちが有利になるようにしてもらおうとして、買収しようとしてくる。だから、政治に関わる仕事をしていると、闇のお金を儲けようと思ったら、いくらでも儲けられるようになっている。
ところで、エリヴィラさんは、利益を上げるためではなくて、マルクス経済理論に忠実に仕事をしているように思える。この理論から行けば、つまり働いている人たちに利益が還元されるようにして、働くことに喜びが持てるような環境を整えれば、人々は満足して働き、社会は人々が幸せになるような方向に豊かになっていく、ということになる。つまり、利益が上がった分だけ、搾取と労働の疎外が少なくなるようにしていけば、それだけ労働が効果的になり、社会は豊かになっていくということになる。1990年代のエリツィン時代に、腐敗でボロボロになっていたロシア経済を立て直したプーチン大統領は、「紛争を防ぐには、経済を安定させるのが重要だ。経済が安定していれば、紛争も起きない」とオリバー・ストーンのインタビューで言っていた。つまり、現場で働いている人たちにとって、暮らしやすく幸せに働けるような状況を作れば、社会は安定していくということになる。
ロシアでは、収入はそれほど多くはないけれど、生活費が安くて、公共料金なども安いから、暮らしやすいらしい。学校や医療も無料だったりする。だから、人々はお金にガツガツする必要がなく、自分が働くことで、社会が豊かになり、人々が幸せになるということを楽しむ余裕があるということになるのかもしれない。
実際、ロシアの政治家たちは、エリヴィラさんにかぎらず、人々が幸せになるように働いているという感じがある。西側諸国の政治家たちみたいに、気取っていたり、権力を振りかざしていたり、あるいはろくな能力もないのに高いポストに就いていたり、といったところがない。たまたま自分が持っている能力が、その仕事に合っているから、その能力を使って役割を果たしている、といった感じで、特権階級な感じでもない。そして、実によく働くし、働いた結果がストレートに出るので、働くのを楽しんでいるという風に見える。
結局のところ、お金自体が豊かさではないし、お金とは、世の中が豊かになるべく、人々が働くような仕組みを支えているものにすぎない。重要なのは、仕事なのだ。管理されるのではなく、それぞれが思うように働ければ、それだけのびのびしていい仕事ができる。ロシアの政治家たちを見ていると、まさにそうした関係性が作られているのだろうと思える。
そしてそれは、まさにマルクスの経済理論によるものなのだろうと、私には思える。イスラム経済でも、富裕な人々は、貧しい人たちに施すことを義務づけているけれど、それによって貧しい人たちが暴動起こすこともなく、社会が安定する。社会が安定すれば、仕事がますます社会を豊かにしていくようになる。このように、バランスを取る仕組みが、マルクス経済にも、イスラム経済にもちゃんとあるのだ。それがないのは、資本主義の自由経済と呼ばれるものだけだ。
そして、社会主義国とイスラム諸国こそは、第二次世界大戦後、西側の金融資本家たちによって、最も攻撃されてきた二つのものだったのだ。このことは、この二つが資本家たちが搾取して、利益を独り占めにする仕組みを暴露して、崩壊させてしまうからなのだろう。しかしすでに、結果は出たようだ。今や、西側諸国は経済が崩壊し、文化的にも堕落して、ろくな製品が作れない状態に陥っている一方で、イランやロシアでは、遥かにいい製品を作り始めている。それはまさに、仕事の喜びがあるようにしてきたか、利益ばかりを考えてきたかの違いなのだ。
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画像は、ロシア銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナ

No.10815 - 2023/08/14(Mon) 10:31:56