| |  | 私はあえて戯曲を読まずに観劇しました。 それは、1度の観劇で、結末に納得できるかどうか、
 自分で確認したかったからです。
 戯曲を読んでから芝居を観るということは、普通はないですしね。
 
 私の感想?@では、ストーリーやセリフが説得力を持っていたと書きましたが、
 視覚の説得力は、新次のシャドーボクシングのシーンに集約されていると思いました。
 シャープで軽やかに繰り出すパンチで、
 まったく息も上がらず、小気味いいほど明瞭な発声で、自らの巨大な欲望を語る新次は、
 人間技とも思えない能力と、これ以上美しい肉体はあり得ないほど究極に鍛え上げらた体で、
 世界中の誰もできなくても、自分だけはできる! バリカンの望みをかなえてやる!という、
 人間の常識を超え、神に愛されても当然という不遜さがありました。
 これが新宿新次であり、松本潤の実力が存分に発揮されたシーンでした。
 ひと声聞けば、その人の歌の実力がわかるように、
 このシーンの松本潤は氷山の一角で、その下にある膨大なトレーニングの日々が一瞬にして見える気がします。
 これぞプロフェッショナル!
 
 自らの体と声で、大切な大切な心の友を殴りCENSOREDことを納得してもらわなくてはいけないという、
 とてつもなく難しいことを成し遂げなくてはいけない新宿新次という役は、
 俳優にとって非常に魅惑的であると同時に、これほど怖いものはないのではないでしょうか。
 そこに挑戦した勇気と、それを成し遂げた凄さに、ひれ伏すしかありません。
 
 | 
 No.2116 - 2011/11/28(Mon) 23:39:53 |