[ 掲示板に戻る ]

過去ログ閲覧モード

花より男子 No.18 あらすじ第33巻 / ジェイ [関東]
あらすじ第33巻


道明寺は、相変わらずつくしに関する記憶のすべてを失ったままだった。
おまけに海ちゃんは、つくしが道明寺の恋人だと知っているのに、悪びれることも遠慮することもなく、堂々と道明寺に近づいていく。このままだと、道明寺は海ちゃんに呑み込まれる・・・。

こんな絶望的な展開なのに つくしがまだ大丈夫って思えるのは、花沢類がいてくれるからだ。誰かが支えてくれることで、どうしてこんなにも救われるんだろう。

道明寺が退院して自宅療養しているのを知ったのは、電車の吊り広告の見出しだった。あのままつくしが彼女だったら、こんな風に退院を知ることはなかっただろうに。今の道明寺に、つくしは存在しなかったことになっている。それでも家にお見舞いにいくのは、健気だと思う。

けれども相変わらず道明寺は、つくしを類の彼女扱いし「帰れよ」と素っ気ない。おまけに家にまで海が出入りしていることを知り、つくしの気持ちの中で、何かが切れた。

あたしを見つけ出してくれないなら もういい。
あんたは もう あたしの好きだった道明寺じゃない。もう いらない。

記憶を失っても自分を選んでくれると思っていたのに違った。
もう会わないと決意したつくしは、自分の気持ちを葬るために、思い出の品を返しに改めて道明寺の家へ出かけた。

道明寺にもらった土星のネックレス、二人で野球を見に行った時に獲ったホームランボール、道明寺が小さい頃持っていたうさぎのぬいぐるみ。
これを返してしまえばおしまいだ。この恋の終了まであと少し。
でも悲しみが癒えるまで どのくらいかかるのだろう。

つくしは必死の思いで返しに行ったが、道明寺は
「いらねーよ こんなん。」
と言って興味を示さなかった。

このとき既に道明寺は、自分の欠落した記憶を埋めてくれるのが海ではないことに気づいていた。だがそれがつくしなのかどうかは、確信が持てずにいた。
自分の記憶を取り戻すのに必死だった道明寺は、つくしの心の痛みまで思いやることができなかったのだ。

「あんたがいらないなら こっちで処分する。 あばよっ。
 あたしだって いらねーよ。 こんなもんっ。」

つくしはこう叫ぶと思い出のホームランボールを道明寺めがけて投げつけ、駆け出した。


・・・この一撃で道明寺の記憶が戻ったのを知ったのは、
              もう少しあとのことだったりする・・・・・


夕飯の買い物をして家に向かうつくしを、道明寺が待ち受けていた。

なんでここに道明寺が?

「何してんのよ、こんなとこで。」

「お前に会いに来た。」

「は? あたしのこと、何にも知らないくせに。」

「知ってるよ。牧野つくし 17歳。すっげーかっこいい彼氏がいる。だろ?」

「まだ言ってんの? 花沢類は彼氏じゃないって言ってんでしょ。」

「ばーか。冗談じゃねーよ。なんで類がおまえの彼氏なんだよ?」

「・・・え?」

道明寺が帰ってきた!?

「ほんとに前の道明寺なの?」

「ああ。」

最初は半信半疑だったが、道明寺の記憶が本当に戻ったことを知ると、感情が一気に爆発して、つくしは思わずカバンを投げつけてしまった。

「ばかっ。ほんとにこのアホが。もう一生思い出さないかと思った。」

「・・・ごめん。」

「ごめんで済んだら、警察いらないんだよっ。」

「他になんて言やあ いいんだよっ」

ぎゃあ ぎゃあ・・・
 
こんな時もあっという間に言い合いになるのが、いかにもこの二人らしい。


後日、道明寺の「記憶完全復帰」を祝い、仲間内でパーティーが開かれた。
道明寺の母は事件をきっかけに息子に1年の猶予を与えたので、当面つくしと道明寺の間に障害もなく、祝う誰もが嬉しそうだった。

空っぽの日々に終止符を打った道明寺は
「おまえがいれば それでなんもいらねーし。」
と言うと、まっすぐにつくしを見つめた。

「そこ、二人の世界つくんないようにっ」
と冷やかされ、つくしは嬉し、恥ずかしの気分だった。

そんな和やかなパーティーの最中、道明寺はとんでもないことをつくしに言い出した。

「俺は二人になりてえ。行こうぜ。」

「!? このパーティーはどうすんのよ?」

「俺のためのパーティーだ。俺が決める。」

「どこへいくのよっ?」

「どこでも。」

本当に、それは誰もがどこへでも行けそうな夜だった。

No.1112 - 2005/09/30(Fri) 14:24:21
「花より男子」クラブエキストラレポ その2 / ゆかこ [関東]
ドラマのシーンの撮影が始まりました。
ドラマの音声は下のホールまではほんの少ししか届きません。
始めは潤くん以外の人たちのシーンが続きました。
潤くんはチラリズムで下から見えるところに出てきたり引っ込んだり。
最初は潤くんが見えると歓声が上がっていましたが、本番中は声を出さないように指示あり、みんな静かに見入ってました。
出番を待ってる間も、潤くんは下の階(ホールの一つ上)に降りてアルバムのようなものをめくりながら見ていたり、
スタッフと話したり行ったり来たり忙しくドラマに積極的に取り組んでいる印象でした。

出番が近くなると、それまで脱いでいた黒ジャケットを女性のスタイリストさんに着せてもらって、さらに凛々しくなってました。
(ここで周りから、わたしが着せてあげたいと囁く声が)(笑)
難しい顔をして落ち着かない様子で手を上に伸ばして、壁にもたれて指を動かして、精神を集中させていっている様子がうかがえました。

最後に道明寺くん出番のシーンで、何回かテストがありました。
すごく印象に残ってるのは、シーンの終わりに潤くんがちょうどこちらに向かって見せた口を歪めた変な顔。
美男子は変顔も美しいです。(笑)
最初は演技かと思ったのですが、その後は同じシーンでもそんな顔はしなかったので、素でしょうね。
音声が聞こえなかったのでわかりませんが、潤くんその時にNG出していたのかもです。

本番でホールのわたしたちもバックで踊りました。(バックと言っても遠いので映るとしたら手が沢山動いてる感じでしょうか?)
スタッフから、「道明寺くんを見ないで踊って!」という指示があり、もったいなくも本番の潤くんはほとんど見てません。
そして、無事に撮影終了。
潤くんは、手を叩きながら退場していきました。

集合から5時間余りのエキストラ体験でしたが、かなーり疲れました。
でも楽しかったです。
ドラマ撮影なんて普段と違う世界を垣間見るって面白いですね。ちょっと癖になりそうです。(^^;

以上、「花より男子」のクラブでのエキストラレポでした。

No.1111 - 2005/09/30(Fri) 09:43:37
「花より男子」クラブエキストラレポ その1 / ゆかこ [関東]
わたしが参加した「花より男子」のクラブでのエキストラレポを拙い文章ですが書かせていただきます。

16歳〜25歳くらいまでの募集で、それ以上の年齢を書いたにもかかわらず電話がきました。
この日は仕事もなく暇だったので、勢いでOKしてしまいました。
でも年齢制限で会場でつまみ出されるんじゃないかどきどきでした。
かなーりお姉さんなんですけど、かっこは若いのでなんとかセーフだったかな?(笑)

渋谷某イベントスペース。16:00集合。
受付後、2階のホールにて待機。
大きなミラーボールがある小さめなホール。1人参加だったのでとても心細し。
エキストラは200人の募集でしたけど、おそらく多くて150人くらいしかいなかったと思われます。
中には役者の卵さんたちも含まれてたようです。(特に男子)
待ちの間に、一つ上の階で女優さんたちがメークとヘアをセットして貰ってるところが見れました。
みんな細っそーい!顔も小ちゃーい!!
わたしとは人種が違うんだなと思いました。

クラブのシーンは、F4の普段の生活の様子を紹介するものらしいです。
セレブな高校生の日常ですかね?
第何話に入るかはわかりません。

ホールから見える 2つ上の階のガラス張りの部屋がドラマのシーンを撮る部屋で、
白い毛皮が敷かれたソファーやシャンデリアのゴージャスなフロアでした。

長い待ち時間の後、わたしたちは踊りの練習。
手を上に真っ直ぐ伸ばして左右に振る。
大勢でやるとかなり異様な感じで、何かの新興宗教みたいでした。(^^;
誰でも簡単に踊れて盛り上げられるという事であんな振りになったんでしょうね。
何度も何度も何度も練習しました。

しばらくして、待ちに待ったF4からご挨拶。(小栗くんはいなかったのでF3ですか?)
もちろん、道明寺くんも!
キャー!!と歓声上がると、手を振って答えてくれました。
「こんにちは。松本潤(道明寺だったかも?)です。10月21日は、ぜひみんなで花より男子を見てください。
撮影はだいぶ長くなるかもしれないけど、最後まで花より男子の雰囲気を楽しんでいってください。」
みたいな事を言ってました。(うろ憶えなのですいません)
髪型は、前髪にくるんとパーマが掛かっててちょっとエッチな感じで。(笑)
けど、時間が経ったらだんだんなじんできたような…。がっつりパーマじゃないのかもです。
(ミンテレでは前髪くるんがなくなってましたから、アイロンパーマですね)
眉毛くっきり目がすごく大きくて、遠目にも顔立ちがはっきり見えました。
服装は、白地に赤のまだら模様のシャツと黒のジャケットと、後ろにD&Gのロゴが入った黒いパンツでした。

わたしたちが関係するホールの撮影は、ホールだけのシーンと上の階でのドラマのシーンのバックにホールが入る分と2種類あって、
どっちも、先ほど書いたような踊りをただひたすら踊るだけでした。

ーその2に続きます(明日もう少しだけ書きますので、お待ちください)ー

No.1110 - 2005/09/29(Thu) 01:38:30
花より男子 No.17 あらすじ第32巻 / ジェイ [関東]
あらすじ第32巻

「NYに戻らないと思っていたら やっぱりあなただったのね。まったく馬鹿な息子。大騒ぎ起こして、うちの名に泥を塗って。」

楓は息子が暴漢に刺され意識不明の重体と聞いて、NYから飛んできたのだが、
病院でつくしを一目見るなり吐き出した言葉は、冷ややかなものだった。

「待って。何て言ったの 今? あんた、それでも母親なの?あいつ死んじゃうかもしれないんだよ。他に言うことはないの?」

「ないわ。あったとしたら跡取りがなくなって困るくらいかしら。」

バシッ

つくしは楓の頬を叩いていた。

「道明寺 こんな母親でかわいそう・・・。」

そこへ蒼白な顔をした美作が 「司がやばい」 と呼びに来た。

ICUでは、どんどん脈が弱くなっていく道明寺に、電気ショックが与えられていた。

  行かないで。何もいらないから。
  神様。連れて行かないで。お願い。


つくしの必死の祈りが通じたのか、道明寺は一時心臓停止に陥ったが、奇跡的に持ち直した。だがほっとしたのも束の間で、「記憶障害」という後遺症が残ってしまった。しかもそれは残酷なことに、つくしに関する記憶だけが全て抜け落ちるという形となって現れた。

体調が回復した道明寺をつくしが見舞い、いくら話しかけても
「二度と来るな。てめえみたいな女は大嫌いだ。うせろ。」
と、取り付く島もなかった。


同じ病院に、海(うみ)という名の 太陽みたいに天真爛漫な女子高生が、足の怪我で入院していた。誰に対しても明るく話しかける海は病院の人気者で、道明寺にも臆することがない。

「気安く話しかけんな。うぜえんだよ。」
と言われてもひるまないどころか、
「松葉杖の使い方、あたしがコーチしてあげる。」
と屈託がない。善意も度が過ぎるとタチが悪いのに、海はまったく気づいていなかった。

海が道明寺に急接近するのを見て、つくしは嫉妬し、あせっていた。そして、そんな自分がいやで無理に笑顔を作っていることを、類だけは気づいていた。

いつものように病院で道明寺を囲み、話をしているときのことだった。
ただ一人思い出してもらえないつくしの気持ちを思いやることも無く、どうでもいい話をダラダラしている仲間に、類はいらだちを感じていた。そして道明寺の

「類、あの女(=つくし) おまえの女なわけ? なんとかしろよ。マジうぜえ。
女のしつけ悪すぎ。」

という言葉にカッとして手を挙げた瞬間、つくしが道明寺をかばうように飛び出してきた。振り下ろした類の手は、そのまま思い切りつくしの頬を叩いていた。

「ごめん。ひっぱたいて。」
言葉少なに言うと、類は一人で去って行った。

道明寺に手を出すなんて今まで見たことがなかった西門と美作は、類の本気を
見た思いがしていた。

つくしがアパートに戻ると、類が外で待っていた。

「お帰り。ほっぺた平気?ごめんな。」

「ううん。あたしが飛び出していったんだもん。」

「ずっと他人のことなんてどうでもよかったのに。 いつも牧野と関わると感情が揺れる。おかしいよな、ほんと。」

そう言うと、類はそっとつくしの頭に手を載せて、自分の胸へ引き寄せた。

「よっかかっていいよ。今度は俺が支えるって言ったろ。」

つくしは体も心も冷え切っていたけれど 類の手がびっくりするほど冷たくて
何時間あそこに立ってあたしを待っていたのだろうと、腕の中で考えていた。
 

No.1109 - 2005/09/28(Wed) 23:31:50
色々 / ジェイ [関東]
>葵さま
恐れ入谷の鬼子母神。 

最初は大雑把にまとめて5巻分もあらすじを書いていたのに、潤君がラジオでドラマのことを語ってからは、セリフをなるべく書きたいと思い、どんどん長くなる一方です。これだけ好き勝手に書かせていただいて申し訳ないです。
私のことはお気になさらずに。却って恐縮です。

>皆様
あらすじ第31巻の下に瑞稀さんの「燕〜」千秋楽レポがあります。
ずずっと下までスクロールしてお読み下さい。

>瑞稀さま
折角の千秋楽レポの上に書き込んでしまい、ごめんなさい。

No.1108 - 2005/09/28(Wed) 11:55:47
花より男子 No.16 あらすじ第31巻 / ジェイ [関東]
あらすじ第31巻

つくしの家で別れの鍋を囲んでいたのが数時間前。
それが道明寺はスタンガンで眠らされ、つくしは目隠しされて、いつのまにやら
海の上。おまけに自動操縦に設定された船は、いつどこに着くのかもわからない。


二人きりの船の中で、つくしは道明寺の笑顔や大きな背中に、どきどきしていた。失うとわかった瞬間、なんて道明寺がかっこよく見えてしまうんだろう。


けれど道明寺が吐き出した言葉は、つくしの思いとは程遠いものだった。

「牧野。おまえがNYまで来たとき、マジですっげー嬉しかった。あんな形で追い返して、どんなことがあったにせよ死ぬほど後悔した。
おまえが類に戻ったとしても無理ねえと思ってる。あいつに殴られたのは初めてだぜ。あんなあいつ、見たこともねえ。多分、俺よかお前を幸せにすると思う。」


このまま何も言わず、この恋を封印する?
違うっ。
つくしは道明寺に真正面から言い返した。

「あんた、俺がお前を幸せにしてやるって言わなかったっけ?それをなによ!?
他の男に任せるっていうの。 タコッ。なめてんの!? 人にやってもらわなきゃ幸せになれない女だって思わないでよ。あんたが好きだって言ってるじゃないっ。このぼけなすッ。」

言ってもどうにもならないことなのに、言ってしまった。

・・・でも返事はなかった。


ちょうどその頃、船が島に到着した。
なんにもない出来ない坊ちゃんだと思っていたのに、いざとなるとヤシの実を
割ったり、魚を焼いたりして、道明寺は頼りになる。
誰が何のためにあたし達をここに連れてきたのかわからないけれど、世界がここしかなくて、まるであたし達二人だけみたいだった。


その後、島の探索をしている時につくしは思いきって訊いてみた。

「どうしてあたしがNYに行ったとき 追い返したの?」

「ババアに条件出された。あの場でお前を帰せば2年で自由にしてやるって。
今考えると、そんなわけねえと思うよな。でもおまえと類が日本に帰るって聞いたとき足が走り出してた。カッとなって類を殴って殴り返されて。マジみっともねえな。俺」

理由を聞いたつくしの気持ちは乱れた。あたしはどうすればいいの・・・。

とその時、足元の茂みが切れて、つくしは突然沼の中に落ちてしまった。
あわてて飛び込んで助けてくれた道明寺を見たとき、つくしの心は決まった。

「行かないで。NYに行かないで。行っちゃやだ。どうなってもかまわない。
ここから帰れなくてもいい。もう離れるのはいや。」

あたしにとって、道明寺の手以外 必要なものは何もない。他には何もいらない。

何も言わず道明寺はつくしを引き寄せた。その腕の中に抱きしめられて、つくしは痛いほど幸せだった。
・・・なんでこの場所は こんなにあたしの体に沿うんだろう。


再び探索を始めた二人がたどり着いたのは、島の奥にあるお屋敷だった。所有者は滋の親。お互い好きなのに、家のために別れようとしている二人を見るに見かねた滋がこの旅行を画策し、なにが二人にとって大切かを教えてくれたのだった。
当の滋も西門、美作と共にこの島にこっそり来ており、二人を出迎えてくれた。


道明寺は遂に心を決め、みんなの前で語り始める。

「決めたわ、俺。NYには帰らねえ。道明寺家 出るからな。縁切り。」

「いっとくけど牧野、おまえのためだけじゃねえからな。これは俺のためでもあるんだよ。親としての愛情も もらったことねーのに、俺を生んだからって人生を押し付けられるのはごめんだからな。」

旅を計画した滋は
「女冥利につきるね。いいな、私もそんな恋がしたい。」
と、にっこり笑ってつくしに言ったけれど、つくしにはわかる。滋はまだ道明寺を好きなのに、自分の気持ちを抑えて好きな人を幸せにしようとしているって。
それは奪おうとするよりもずっと強い。


東京に帰る一行を待ち受けていたのは、道明寺の誘拐報道だった。
突然道明寺が消えたので誘拐されたという報道が流れ、街は大騒ぎになっていた。

その後、誘拐ではないことが判明したものの、波止場に船が着いた途端、道明寺はマスコミに取り囲まれ、つくしと離れ離れになってしまった。道明寺はつくしの手を取って人ごみから逃げ出そうとしたが、そのとき背後から黒い影が忍び寄った。


ドッ


道明寺がつんのめるように倒れた。
腰の辺りからは、おびただしい血が流れていた。


最近道明寺家につぶされた企業の社長が逆恨みして、息子を刺したのだった。
救急車で運ばれた道明寺は、意識不明の重体だった。

つくしは、病院でただ待つしかない。

「道明寺 死んじゃうのかなあ。」
涙があふれてくる。
どうして いつももう少しのところで、道明寺の手をつかめないんだろう。
本気で手を伸ばしたときには、いつもこの両手をすり抜ける。


タマや道明寺の姉・椿も病院に駆けつける中、更に一人の人物が現れた。

「またお会いするとは 思わなかったわ。」

母、楓であった。

No.1107 - 2005/09/28(Wed) 11:46:41
燕のいる駅 グローブ座千秋楽 / 瑞稀☆
今回の舞台、一回だけど観てきました。
千秋楽のせいか、当日券行列には240人が並び発券枚数40枚くらいでした。

舞台の感想は、相葉ちゃんのキャラ生かした高島は◎ 宮地さん、相島さんはさすがベテラン!!自分達の存在を持ちつつ主役を殺さない演技でした。ただ、乗客役の旅行客の4人組が元気は良かったけど、私的にはちょっと目立ちすぎて嫌な印象でした。
エデンの時のパン屋のおばさんと息子役の方々ぐらいの配役みたいな存在なんですけど…この人達には今日ほどの悪い印象は有りませんでしたが。(エデンも1回しか観てませんが)

カーテンコールはスタンディングオベーションでみんな迎えてあげました。東京公演最後だったから、やっぱり込み上げてくるもの有り挨拶中は泣いちゃいましたね、相葉ちゃん♪
拍手はなりやまず、結局5、6回出てきてくれました。3回目くらいには笑顔で、そして相葉ちゃんらしいお手振りやV(^_^)V なんかも飛び出して可愛かったです。
昨日はグッスリ眠れたかな?相葉ちゃん。ただ、大阪公演まで日があるから体調崩さないよう気をつけて欲しいかな?って思います。急に涼しくなってきたし、一段落ついちゃうからね。

とりあえず、東京公演お疲れ様でした。楽しい舞台で、そしてせつなく悲しい舞台でした。

No.1106 - 2005/09/28(Wed) 10:59:27
ジェイさん / 葵 [近畿]
ありがとうございます・・・
全部UPしたら、ひとつにまとめて、べつのページにUPしましょう・・・
これだけの大作もったいないから・・・

No.1105 - 2005/09/27(Tue) 01:31:49
花より男子 No.15 あらすじ第30巻 / ジェイ [関東]
あらすじ第30巻

短くて淡い夢を何度となく見た。
夢の中の道明寺は笑っていて、「俺はNYに残る。お前は日本に帰れと言ったのは冗談だ」とあたしの頭をこづき、手に手を取り合って「一緒に帰ろう」と駆け出していた。

・・・また同じ夢。いつも同じとこで目が覚める。

つくしが目覚めた場所は、NYにある花沢類のマンション。
道明寺に冷たく追い返されるのがわかっていたかのように、打ちひしがれたつくしの前に花沢類は現れた。そして、
「とにかく寝ろ。大丈夫。ここにいるから」
と言って、そっと寝かせてくれた。あれからもう12時間が経っていた。

「ありがとう。いろいろ」

「いいよ、もう。 ありがとうは何度も聞いた。」

「なんか・・・疲れた。なんで普通に付き合えないんだろ。なんでこうなっちゃうのかな。」

つい愚痴ってしまったつくしに、類が不意にKissをした。
「いいんじゃないの?たまには愚痴っても」

「え? え!? なに今の。」

「キス? なんとなくしたくなったから。 だめ?」

「だ・・・だめっ。へんだよ、だめ。友達はそーゆうことしないものなのっ。」

思わず動揺するつくしと、淡々と話す類。

「・・・なんでかな。おまえが気になってしょうがなかった。なんか気になって、飛行機乗ってた。自分でもよくわからない。なんでなんだろう。好きなのかな。
そうか。そうかも。」

「はあ?」

つくしは腰が抜けそうになった。今の、告白?

類は、道明寺とのいさかいで退学になりそうな時、F3と分裂してまで守ってくれた。いつも苦しいとき、そばにいてくれて、空気みたいにやさしく包んでくれる。

「花沢類。あたしくたくたなんだから 冗談でも言わないで。
 逃げたくなるじゃん。」

「逃げよ。いいじゃん、逃げたって。全然かっこわるいことじゃないよ。
 帰ろう。日本に。」

『帰ろう、日本に。』
道明寺に言われたかったこの言葉を、なんでこの人が言ってくれるんだろう。


その後レストランで食事をしたが、気づかぬうちに類が財布をすられていたため、代金を払う代わりにレストラン全フロアの掃除をする羽目になってしまった。

「俺 あんまりやったことないんだけど おもしろそ。」
「まかせて。あたし掃除のプロだから。英徳でもいつも一人でやってたしっ」

俄然張り切って掃除を始めたつくしを見て、類が言った。
「なんか久々に生き生きしてるとこ見た。そういう牧野がいい。」

ちょっとドギマギしたつくしだったが、思い切って静のことを尋ねてみると
「終わった。多分俺はあまりにも何も知らなさすぎてて 憧れと恋愛の区別がうまくつかなかった。あんたが一生懸命生きてるの見て、俺の中で少しずついろんなことが変わってきた。泣いたり、笑ったり、怒ったり、いつも忙しそうで、最初マジうざと思ってたけど、いないと寂しい。司と付き合い始めて、なんか・・・どっか穴あいた。」

普段無口な花沢類が、ポツリと話す言葉にはすごく重みがあって、
ぼろぼろになったつくしの心に 切ないくらいに響いた。


やっと掃除が終わって外に出ると、類がポケットから1ドル札を2枚取り出した。
「お店のマネージャーがよくやってくれたからって、チップくれた。」

「初めて稼いだ、すげえ」と自分に感心していた類だったが、この記念の2ドルで可憐なチューリップの花を2輪買うと、にっこり笑ってつくしに差し出した。

「はい。2ドルでこれだけしか買えなかったけど。プレゼント。」

小さな花に込められた類の気持ちがいとおしくて、思わず涙があふれた。
・・・道明寺。 あたしはこんなことで泣けちゃう女だって 知ってた?・・・



セントラルパークをのんびり類と散歩していると、いつぞやのおじさんが、また
ベンチに座っていた。道明寺の家に連れて行ってくれとトーマスに直訴していた時隣のベンチにいたおじさんだ。

「あ、このまえのおじさん。またこんなところでさぼっちゃって。」

「誰?この人見たことあるような・・・」

「そ?どこにでもいるおじさんじゃない?」

つくしは、昼間から公園のベンチに座っているただの失業中のおじさんだと思って、何の屈託も無く話したり、キャッチボールをして楽しんだ。するとおじさんはつくしをすっかり気に入ったようで、ランチをごちそうしたいと誘ってきた。

失業中なのに悪いなと思いながらも付いて行くと、連れて行かれたのは、とてつもなく立派な建物の会社だった。

「うわ マジ!?」
びっくりするつくしを横目に、類が思い出したように言う。
「どっかで見たことある人だと思ったら、アメリカで一・二を争う企業の会長。」
「ひえぇ・・・」

さすがに身だしなみを気にしたつくしが洗面所に入ると、そこに具合の悪そうな
先客がいた。
「あの、誰か呼んで来ましょうか?」
つくしの声に顔を上げたその人は


道明寺 楓 だった。


「あなた・・・どうしてここに? あなたに構ってる時間はないの。消えて」

あわてて洗面所を飛び出したつくしが類の元に駆け寄ると、既に辺りが騒がしい。
失業中のおじさんだと思っていた会長と、楓が激しくロビーでやりあっていたのだ。道明寺の家はこの会長の企業と合併を画策していたのだが折り合わず、合併話が暗礁に乗り上げていた。

息子と娘を思い通りに動かして、仕事のためなら人の心を踏みにじる母親。
あんなプライドの高い人が公衆の面前で必死に会長に食い下がる姿を見て、
いい気味だ、とつくしは思った。

だが次の瞬間、つくしの足は動き出していた。

「おじさんっ。あたしこの人 大嫌い。人間として大事なものを持ってないから。
おじさんが怒る気持ちすごくよくわかる。でもいつも公園で座っているのは、
ケンカを後悔してるからだよね? だったら仲直りすればいいじゃない。
待ってたらいつまでたってもうまくいかないよ。それにバカな息子が跡取りだし
次の代で道明寺財閥はつぶれるかも。そしたら会社は、おじさんのものになるかもよ?さ、握手して。」

つくしは楓と会長の手をとると、にっこり笑った。

それを見計らったように類が声をかけた。
「牧野、出ようか。」
「うん。 おじさん、ランチはまたいつかね。」

あわてて引きとめようとしたおじさんに向かって、つくしはきっぱりと言った。

「日本へ 花沢類と帰ります。」


この言葉を言ったら壊れてしまうかと思った。
でもあたしはちゃんと前を向いて歩いてる。
前を向いて歩いていられるのは、類がいてくれるからだ。


すぐに帰国の手筈を整えて、二人は空港へ向かった。

するとそこに楓が現れ「借りを作るのは嫌だから、ひとつだけつくしの望むことを聞く」という。

つくしの脳裏に浮かんだのは、最後になるとは夢にも思わずデートしていたときの道明寺の笑顔だった。
「今度うちでお鍋しよっか。 また明日ね。」
つくしの誘いに、道明寺も「明日。」と言って別れたのに。
その明日は来なかったけれど、約束を守ってほしかった。

「あいつと約束したんです。その約束を守ってほしい。
 それだけ言えばわかります。」

楓は言葉少なに了承すると、去って行った。


このやり取りを聞いていた類。
「なんで、司を自由にしてやれって言わなかった?」

「それはあたしが要求することじゃないから。あいつが自分で決めた事だって
 言ってたから。」

つくしの精一杯の気持ちがいじらしかった。
「牧野・・・今は俺が支える。」


道明寺と心が通じ合ってから、いつも悲しみが近くにあった。あの悲しみは、
別れの予感だったのかもしれない。

そのとき、二人の視線の先に道明寺の姿があった。
タマからつくしが帰国すること聞かされ、屋敷を飛び出して空港へ駆けつけて
きたのだった。

「司、今から牧野を連れて 帰る。」

「類、おまえどういうつもり?」

「俺 牧野が好きだよ。ずっと言わないでおこうと思ってた。おまえは親友だし。
 二人がうまくいってればそれでいいと思ってた。」

その言葉にカッとした道明寺の鉄拳が、類に飛ぶ。
だが、ほんの少し かすっただけで避けた類が、逆に道明寺を殴り返す。

ガッ

「おまえ 何やってんだよっ。こんな場所に牧野を置き去りにして彼氏ヅラするん じゃねえよっ。お前の守り方はそれか。だとしたら俺はおまえを見損なった。
 最低だな。」

殴られてハッとしたように道明寺は立ちすくんだ。
そんな道明寺の瞳を見て、つくしの胸は痛んだ。

「道明寺、約束ちゃんと守って。わかるよね?あたし待ってるから。」

「守るよ。絶対に。」

「よし!!じゃ行くねっ」
わざと明るく言ってみた。

誰が悪いわけじゃない。生きていればひとつくらい どうしてもうまくいかないものもある。そのたったひとつが、一番あたしが欲しいもの=道明寺=だっただけ。


日本のおんぼろアパートに帰ってきたつくしと類を、F3や滋・桜子が出迎えて
くれた。誰もがつくしと道明寺の行く末を心配していたが、「別れることにした」とつくしの口から聞かされて愕然としていた。

滋や桜子は納得できない様子だったが、西門はなにかを感じたように言う。
「好きだからこそ壊すのが怖いんだよ。最上級の思いやりだと俺は思うね。」


類が最後にアパートを去る時、つくしは呼び止めた。
「ちゃんと言っておく。あたし道明寺が好きだよ。」
「知ってるよ。 俺は牧野の笑っている顔が見られればいい。」


気持ちの整理をつけたつくしは、再び学校とバイトに明け暮れる日々を送リ始めた。そんな毎日の中で、NYからずっと自分に聞いていることがある。
類の告白がもう少し早かったら、あたしは道明寺を好きにならなかった? 
ううん、答えは NO。
どんなに人の波にうもれていようとも、あたしはあいつを見つけられる。


そしてついに・・・つくしは人込みの中に 道明寺の姿を見つけた。

「元気かよ?」

「ごらんの通りめっちゃ元気!!」

「あいかわらずバイトしてんだな。バイト行くときここ通るから、昼に帰国して
 張ってた。おまえの1日、今日俺にくれ。」

約束の鍋をするために買出しに出かけた二人は、最後の別れが近づいている今に
なって、初めて自然に並んで歩くことができた。

・・・ねえ、なんでこんなふうになっちゃったんだろう。
          あたし達の今の気持ちはいつか消えてなくなる?・・・


つくしのアパートで、出来上がった鍋を囲みながら道明寺がポツリと言った。

「ごめんな。守ってやりたかったのに。守りきれなかった。ごめん。」

つくしの目から、涙がこぼれそうになる。

「明日NYに戻る。」

あたし達に、この先「また明日ね」っていう言葉はない。



と、その時だった。いきなり部屋のドアが開くと、男が三人が踏み込んできた。
「てめえらババアの手先か?」
いきり立つ道明寺に、男は電気ショックを与えて黙らせると、つくし共々連れ去った。

悲しい別れのはずだったのに、気がつけば二人は船の中。
なんでまた、こんなことに・・・。

No.1104 - 2005/09/26(Mon) 03:27:28
花より男子 No.14 あらすじ第29巻 / ジェイ [関東]
あらすじ 第29巻

「おまえに言っときたかったんだけどよ 俺は永遠にコソコソするつもりは 
ねえからな。」

ニューヨーク行きのチケットを持って道明寺がそう言った。

「俺はおまえとつきあってることを楽しみてえ。 コソコソすんのは もういい加減やめだ。楽しくねえ。あんな鬼みてーな女でも俺の母親だ。言やあ絶対わかる。
おまえは信じてついて来りゃいいんだよ。」

言うだけ言うと、呆然とするつくしを置いて道明寺は立ち去った。

NY・・・そこは情報発信地 じゃなくて道明寺の母=魔女の棲む森。
あー、なんでこんなことに。
でも あいつを信じて つっぱしってみようか。


異変は ほどなく起こった。

翌日待ち合わせて二人で入ったレストラン、会計で出した道明寺のクレジットカードが、一枚残らず使用不可になっていた。

・・・・やりやがったな。母親が動き始めてる。

つくしが持っていたバイト代で何とか支払いはすませたものの、道明寺の目が険しくなった。

このままじゃ気持ちで負ける。あたしが選んだ道だ。
どうなっても飛び込んでいく。
つくしは道明寺の腕をつかむと、にっこり笑った。
「庶民デートしよう!! あたしが教えたげるっ。」

こうして出かけたペットショップ。つくしが小犬とじゃれていると、店主が余り物だけど、と言って野球のチケットをくれた。

「行ってみようか!? タダだし。」
目をキラキラさせて喜ぶつくし。

「野球?だりーよ。スポーツってのはやるもんで、観るもんじゃねえ。」
と言う道明寺の言葉を聞かずに、つくしは走り出していた。

「てめーは 人の話をきけっっ。」
道明寺の怒声が、むなしく空に響いた。


だが二人は知らなかった。これがあとでどんな事態を引き起こすかを。
そう、タダほど高いものはない。


平日の昼間なのに野球場は満員だった。
アメリカ大リーグのベアーズが来日しており、今日4番打者のマイク・ホールが
本塁打を打ったら年間80本の世界新記録を樹立するので、大勢のファンが世紀の一瞬を見届けようと球場に押し寄せていたのだった。

「あんた子供の頃、野球とかやってないの?」

「やんねーよ。スポーツは空手、柔道、合気道やらされた。誘拐防止のため。
ガキの頃、何度も誘拐されかけたことあったからな。週に一度、熊みてーな奴らが3人教えにきてた。自分の身は自分で守るしかねーから。姉貴は留学してたし、
両親は海外だったからな。」

「そっか。なんか寂しいねえ。」

「さびしかねーよ。 今は。
俺にはおまえがいるし あとは別になんもいらねえ。
初めてこんなふうに思った。 不思議だよな。」

と、その時バッターボックスにマイク・ホールが立った。
球場が大歓声に沸く中、マイクが打ったボールが快音を発して、つくしのほうへ飛んできた!

つくしが思わず腕を伸ばしてボールを掴んだ瞬間を、TVカメラは捉えていた。
しかも、隣に並ぶ道明寺の姿と共に・・・。

世界記録がかかっていたこの試合は、日本のみならずアメリカにも同時中継されていた。そう、つくしと道明寺の姿は、NYにも映し出されたのである。
それを目撃した道明寺の母親の怒りはすさまじかった。

何も知らず、ボールに記念のサインをしてもらってはしゃぐ つくし。
だが道明寺は、このとき既に新たな異変が起きていたことに気がついていた。

つくしをアパートまで送り届けると、辺りを伺うようにして声を出す。
「いるんだろ?さっさと出てこいよ。球場からずっとつけまわしやがって。」

現れたのは単なるSPではなく、特殊訓練を受けた男が4人だった。
「おとなしく一緒にいらしてください。社長命令です。」

「牧野に手出すなよ。出したらおまえら全員ぶっCENSOREDやる」


次の日。
いくら待っても、道明寺は学校に来なかった。

それどころか事態は思わぬ方向に向かっていた。

学校に道明寺の退学届けが出されたのである。

F3すら何も知らないうちに、道明寺は突然消えてしまった。


だが、つくしはあわてなかった。
いつも道明寺があたしを迎えに来てくれた。あたしはそれを漫然と動かずに待っているだけだった。 今度はあたしの番だ。明日をつかまえにニューヨークへ行く。

貯金を下ろすと、つくしはF3や友人に言い置いてニューヨークへ旅立った。
だが着いたもののいきなり置き引きにカバンを取られ、道明寺の家がどこにあるのかもわからず、つくしは途方にくれるばかりだった。

そこに通りがかったのが、以前日本で知り合ったトーマスだった。
つくしはトーマスに道案内させて道明寺家へ乗りこもうとしたが、
「いきなり行っても会えるわけが無い、あきらめたほうがいいよ。」
と取り合ってくれない。

だが日本を出るときに応援してくれたF3や友達のことを思うと、ここでおめおめと引き下がるわけにはいかない。

「おじさん あたしまちがってる?まちがってないよね?」
公園で隣のベンチに座っているおじさんに思わず日本語で話しかけるつくし。
言葉は通じなくても、気迫は伝わるものだ。
おじさんは「いさましくて素晴らしい」と、つくしに拍手を送ってくれた。

そんなつくしの気合に圧倒されたトーマスが、道明寺家へ案内してくれた。

だがその家は想像を絶するほどの大邸宅で、門の前には屈強なボディーガードが
立っていた。

「アイアム 道明寺フレンド。 アイ ウォントトゥー ミート ヒム。
プリーズ。中に入れて。」
片言の英語で直訴するが、当然入れてもらえるはずも無く・・・。

蒼ざめて立っているつくしの目に現れたのは、道明寺家のお手伝い、タマだった。

「坊ちゃんが蒸発したんだ。使用人頭(かしら)として報告に来るのは当然だろ。

タマは涼しい顔をしてこう言うと、門番に向かって威嚇した。
「道明寺家に勤めて60年、いわばあんたらの親玉だよ。さっさとお開け!!」

門は開かれた。

中は、壮大なお城のような屋敷だった。

「あたしは状況を聞いてくるから、あんたは坊ちゃんを探しな。」
とタマに言われたつくしが庭を通り抜けようとした時だった。

「珍しいお客ね。よくものこのこ こんな所に来れたこと。」

道明寺の母・楓(かえで)の冷ややかな声が聞こえた。

負けない。こんな冷たい目に負けるもんか。
「道明寺に会いに来ました。会わせて下さい。」

人を呼ばれて追い返されるのか、どう出るのか。
不安なつくしに向かって、意外にも楓は「ついてきなさい」言うと、屋敷の一部屋へ案内した。

どうなっているのかと呆然としているつくしの前に現れたのは、道明寺だった。

会えた。こんな簡単に。胸がいっぱいで言葉が出ない。
つくしが言葉を失っていると、道明寺が口を切った。

「なにしに来たんだよ。俺は戻らねえから。俺はここに残る。
退学届けも俺の意思だから。 おまえは帰れ。車出すから、乗って帰れ。」

「道明寺 あたしの目見なよっ。そんなの納得できな・・・」
つくしが全部言い終わらないうちに、道明寺は部屋を出てしまった。

一緒に日本へ帰れると思ったのに。
自分の考え違いが悲しくて、つくしは屋敷を飛び出した。

一方道明寺は、母親に向かって毒づいていた。
「満足かよ、これで。てめえそれでも母親か!? 吐き気がするぜ。」

「息子である前にあなたは道明寺の家の跡取りなの。くだらないことを言うのは いい加減やめなさい。」


屋敷を飛び出して来たのはいいけれど、行く当てもない。
加えてニューヨークの秋はことのほか冷える。
つくしが川べりに立って夜風に震えていると、そっと横に立つ人がいた。


花沢 類だった。


「なんでここまで来たの?ほんとびっくりした。」

「牧野が心配だったから。どっかで泣いてる気がして。心配で。」

道明寺に会いたくて来たニューヨークで 空振りしたつくしの心は、
類の温かい言葉に癒されようとしていた。

No.1103 - 2005/09/25(Sun) 12:50:15
花より男子 No.13 あらすじ第28巻(除:西門番外編) / ジェイ [関東]
最初にお断り:
第28巻には西門の初恋を描いた番外編も収録されていますが、
番外編そのもの、およびそれにまつわる話も、すべて割愛しています。

==================================

あらすじ第28巻

弟と二人暮しを始めたその晩、いきなり泥棒に入られた。
怯えるつくしを守るために、道明寺はすぐに隣室を借り上げた。

隣りの部屋に、道明寺が寝ている・・・そう思うと つくしはよく眠れなかった。
道明寺家で住み込みで働いているときは、そんなことなかったのに。

そして寝不足で迎えた翌朝。
「好きな女の子の手料理 嫌がる男なんていないよ。」
という弟の声に励まされて朝ごはんを作って持っていったが、そこにはもう道明寺の姿はなかった。

「だめだ。寝らんねえ。天井が低いんだよ。なんかカビくせーし。
 明け方、家帰って寝た。」
学校で西門や美作相手にこぼす道明寺の声を聞いてしまったつくしは、複雑な気持ちを抱いた。その後道明寺がおんぼろアパートに来た形跡も無く、つくしはイライラを募らせた。

そんな幾日かが経った深夜のこと、道明寺のことばかり考えて寝つけないつくしが部屋の外に出てみると、まさに当の本人がアパートの部屋に入るところだった。
出口が見えないこの恋と、どんどん好きになっていく自分がたまに不安でしょうがなくなる。そんな気持ちを抱えていたところだった。

「もしかして俺が来ないから寂しかったんじゃねーの」
と図星を指されても
「そんなわけないじゃん バッカじゃないの!?」
と素直になれない。

恋するとエゴがでてきて、自分のイヤなところがいっぱい見える。

全然アパートに来ていないと思っていたのに、道明寺から
「SPが張り付いてなかなか出られないので、見つからないようにして夜中1時くらいから明け方まで来ていた。」
と聞かされ、つくしはほっとする。

「ありがと。あんたとあたしって生きる世界ぜんぜん違うし、つきあってるって
いってもどっか不安で。」

胸が痛いほどの幸福感で、久しぶりに夢も見ないでつくしはぐっすり眠った。

朝が来て、道明寺と弟と3人で囲む朝ごはんの食卓。
普通の目玉焼きや納豆のごはんでも幸せだった。

・・・でも、あとからわかった。
あたしたちがお互いのことだけを考えていればよかったのは、思えばこの時期だけだったって。

ゆっくりと確実にしのびよる 道明寺の母親との決戦の日々。


つくしのアパートにSPが来て張り込みを始めた。
道明寺はそれを聞くと一番安全なのは自分の家だと判断し、つくしを連れて屋敷に向かい、こっそりと部屋に隠した。

「牧野。おまえ嫌になった?俺とつきあうの。コソコソ隠れて付き合わなきゃいけなくて外にも堂々と出れねーし。ビビってやめたくなるか?」

「そうだよね。なんでこんな苦労しなきゃいけないのかって思うけど
あたしもあんたのイカレがうつった。全然嫌になんないんだよね。どうかしてる」

くすっと笑うつくしを道明寺は抱きしめた。


・・・ほんとに このまま  
      大丈夫 後悔しない・・・


と思いながらも、いざ道明寺に抱かれると恐怖のほうが大きくて、つくしは泣き出してしまった。そんなつくしに道明寺がとまどっていると、突然ドアが開いた。

ばんっ

部屋に入ってきたのは、道明寺の姉・椿だった。

二人の姿を見た椿は最初は驚いたものの、喜びの声を上げる。
「ウソじゃなくて司とつきあってるの!?キャーッ」

どんな時もつくしの味方だった椿は、二人が付き合っていることを知り、涙を流して喜んだ。だが、監視が厳しくてデートもままならず、太陽が沈んでからコソコソ会っていることを知ると
「スリルで結ばれるカップルは結束力は生まれるけど、それを過ぎると
簡単にだめになっちゃうわよ。」
と言うことも忘れなかった。

あたしも普通の恋愛に憧れたりするけど、あいつが相手じゃ無理・・・

そう思っているつくしとは反対に、道明寺はひとつの勝負に出ようとしていた。

ある日つくしを呼び出すと、ポケットからチケットを取り出した。

「チケット取っといた。ニューヨーク行きの。
見つかりゃそんときは そっこー発つ。 どんと行こうぜ。」

No.1102 - 2005/09/24(Sat) 12:20:14
花より男子 エキストラ2 / 麻美 [関東]
今日のシーンは、第1話で放送されるそうです。

まず、約80名の一般エキストラを、A〜Eの5グループに分けて、いじめられっ子役の俳優さんをいろんな角度から追いかけるシーンを撮ったそうです。
ちなみに、息子は階段を駆け上がって追いかけるグループだったらしい。
2〜3回のリハーサルの後、本番を2回撮影したそうです。

最後に、劇団所属の生徒役エキストラが、いじめられる子を担ぎ上げ、周りの全員で「ウォ〜〜〜〜〜〜!!」って煽る。
それが、外の私達にも聞こえてきて、一体何をやってるの????でした(笑)
約1時間半の撮影だけど、多分オンエアは、わずか数分、ヘタすると数十秒かも知れません。

あと、私達が、集合場所へ着いた時は、すでに正門辺りで、撮影が始まっていました。
どういうシーンかと言うと、リムジンが2台と4駆のBMWが、正門から出て行くところ。
このリムジンって言うのが、信じられない位デカイ&ゴージャス!!
校内にリムジンが3台(一番大きい白と、あとシルバーと黒)
高そうなスポーツカーが3台(赤、グレー・・・あと何だっけ??)
用意されていました。
講堂みたいな建物から、色んなクラブの格好をした、劇団の子達が、歩いて出てくるシーン。
ラクロス、アメフト、乗馬、弓道etc・・・・・
で、アメフトの格好をした子達4人が、外に停めてある真っ赤なスポーツカーを「スゲ〜〜〜ッ\(◎o◎)/!」っていう感じで、羨ましそうに見ているところとか。
あとは、正門から、生徒が普通に歩いている所。
芝生で、それぞれが座ったり談笑している所など・・・。

劇団の子は、英徳学園のエンジのブレザーまで、キッチリ局から提供されて、着ているんですが、一般公募のエキストラは、ネクタイとズボンorスカートは、局から貸してくれるけど、カッターシャツと紺のベストorカーディガン、靴(ローファー)は、自前です。
まぁ、エンジのブレザーは、予算の関係?で全員分は、揃えられないんでしょうかね?(笑) 
息子に、いじめられる子の名前を聞いたら、スタッフから
「モトキ君」と呼ばれていたそうで、それが俳優さんの名前なのか、役名なのかは不明です。
私達が、キャンパス内に居た時に、どう見ても、一般の子じゃないカッコイイ男の子が、入ってきたので、多分その子ではないかと思います。
ドラマが始まったら、見て判るので楽しみです。

あと、さっきの追いかけるシーンですが、最後に階段の踊り場で、そのモトキ君を2方向から、挟みうちにして追いつめるんだけど、
それにも息子は参加したらしいです。

講堂は、単にエキストラの待機場所であって、撮影は信じられない位狭い階段や踊り場、廊下?を使ってたそうです。

一般エキストラ約80名というのは、スタッフの方に直接聞いたので、間違いないと思います。
劇団の子達が、だいたい20名位は、居たと思います。

No.1101 - 2005/09/23(Fri) 23:01:44
エキストラ。。 / 更紗 [北海道]
クロさん、ご報告ありがとうございます。

息子さん、なんだかかわいらしいですね(*^。^*)
「顔が小さいな。」で、思わず笑ってしまいました。

No.1100 - 2005/09/23(Fri) 17:58:28
9月23日 エキストラご報告 / クロ [中国]
 息子より報告がありました。

 「メインキャストはいなかった。」(はぁ〜っ、残念)

 誰が来ていた?との問いに
 「誰が来たのかは分からん。木本?ってのがいた。」

 何のシーン?
 「いじめられっ子を階段で追い掛け持ち上げるとこ」

 エキストラは何人くらいだった?
 「100人くらいかな?」

 感想は?
 「芸能人は顔が小さいな。」

 以上、ご報告でした。

No.1099 - 2005/09/23(Fri) 17:00:27
花より男子 No.12 あらすじ第27巻 / ジェイ [関東]
あらすじ第27巻

ドンドン ドンドンッ
「坊ちゃんいらっしゃるんですか!?失礼してドアを開けさせていただきます!」

美作家の離れで道明寺とつくしが会っているところへ、道明寺の母に監視を命じられたSPが踏み込んできた。ひとつしかない玄関に向かえば、SPと鉢合わせだ。

道明寺はとっさにつくしを抱き上げるとバスルームに走り、小窓からつくしだけ
外に逃がす。
そして自分は服を着たままバスタブに入るとシャワーの栓をひねり、頭から濡れながら悠然とSPを出迎えた。

「ぼ・・・ 坊っちゃん、何をなさっているので・・・」

「風呂。見りゃあ わかんだろ。・・・邪魔しやがって ただじゃおかねえ」


道明寺がSP相手にすごんでいる間に、つくしは何とか逃げることが出来た。

けれども家に帰れば帰ったで両親は「もうお金が全然ない」とわめいているし、
バイトに行けば優紀に
「西門さんをどんどん好きになっちゃって・・・。あたしを相手にしてくれるわけない。でもどうしようもないの この気持ちは。」
と打ち明けられるしで、つくしは愕然とするばかりだった。

でも道明寺に向かって真っすぐ走り出した今のつくしには、優紀の止まらない気持ちが痛いほどよくわかる。そんなつくしの元へ、道明寺はSPの監視を気にも留めず
「おまえの顔が見たかったから」
とさらりと言ってやってくる。

「おまえさ、俺が好きだって 言ってねーよな。俺はずっとその言葉を待ってた。おまえにはわかんねーだろうけどな。 あーーっ かっこわりーっ。言わすなよ こーゆー言葉を。バカ女。」

『好き』の一言がなかなか言えないつくしと違って、道明寺はいつも白黒はっきりしていて、迷いがなかった。

と、そこに美作の家へ遊びに来ないか、という誘いの電話が入り、二人は何気ない風を装って美作邸を訪れた。集まったメンバーはF4や滋、桜子に優紀など親しい友人ばかりだが、道明寺とつくしが付き合っていることは、まだ誰も知らない。

宴もたけなわになると、つくしは自分から道明寺に言い出したこととは言え、
みんなに黙っていることが心苦しく感じられ始めた。
更に、涼みに出たベランダで道明寺に

「いつまで続けりゃいいわけ?この状態を。 いつになったら勇気が出んの?
なんか最近俺が惚れた女と違うような気がすんだよな」

と言われてしまい、ついにつくしは告白を決意し、面々が集まっている部屋へ引き返す。

「あたし 道明寺が好きなのっ。

それでっ あたしたち こないだから つきあってます。

だ・・・っ だまってて ごめんなさいっっ。」

「マ・・・ マジ?」

みんなが息を呑む中、道明寺に抱きしめられたつくしは、不思議な爽快感を感じていた。

・・・あたしらしく 生きてみよう。
道明寺の母親の手にかかったら、ひとひねりだろうけれど。


一方、優紀の恋の行方は。
「あなたが好きです。」と西門に告げて、既にその場で手ひどく振られていたが、つくしの本当の気持ちを聞いて、勇気を振り絞って再び西門にアタックする。

「フルコースのデートをお願いします。都合のいい日を連絡してください。」

いつも控えめな優紀だったけれど、今度だけは違う。
「がんばれ・・・ がんばれ あたしっっ」


そして、類はと言えば。
道明寺と付き合い始めたことを知った類は、学校でつくしに会い複雑な気持ちを抱く。うれしいような 寂しいような。

でも「親友の彼女ならずっと友達だからうれしいほうが勝つよ。」いう類に、
つくしはにっこり笑って尋ねる。

「あたしが花沢類を好きだったこと 知ってた?」

「・・・もちろん」

ずっとずっといえなかった言葉をすんなり言えた。
これは恋が友情に変わった瞬間。つくしの小さな初めての恋が終わった。


さて恋は順調だけれども、家庭は一向に落ち着かないつくし。
両親が住み込みで働き始めたため、滋が提供してくれた豪華なマンションを出て、弟とアパート暮らしを始めるが、引越し初日に泥棒に入られ不安なスタート。

それを知った道明寺は、いきなり隣の部屋を借りてつくしを守ろうとする。
お風呂もついていないようなおんぼろアパートなのを意にもかえさず、初めて行く銭湯にもウキウキして機嫌がいい。
つくしは驚きの気持ちで、そんな道明寺を見ていた。

道明寺が あたしがなかなか越えられなかった 壁を一気に飛び越えて
こっちの世界にやってくる。

No.1098 - 2005/09/23(Fri) 04:33:36
あわわ・・・ / さっこ [近畿]
トコさん、w(°o°;)w ←携帯のん見て作ったのよ!意外と難しいね〜。
No.1097 - 2005/09/22(Thu) 18:37:45
ん?? / トコ [中国]
ジェイさんも書いておられましたが、舞台鑑賞の皆さんの年齢は潤くんの舞台と同じくらい様々でした。

・・・って、さっこさん!!全く心配ないじゃないですかぁ〜!!
しかも、めっちゃキレイだしっ!!
あれっ??さっこさんっておいくつなのでしょう??(笑)

No.1096 - 2005/09/21(Wed) 22:56:57
ありがとう☆ / さっこ [近畿]
ジェイさん、早速のお答えありがとうございました。
ほっ!大丈夫そうですね〜〜安心しました。

あらすじもバンバンUPして下さって感謝です☆☆☆
登場人物やエピソードがどんどん増え続けていますね。

『逃げ場のない二人は・・・』
ひゃ〜〜、どうなるのーー!?次は試練がある予感・・・。

No.1095 - 2005/09/21(Wed) 21:06:58
花より男子 No.11 あらすじ第24〜26巻 / ジェイ [関東]
あらすじ第24〜26巻

・・・あたしは道明寺が好き・・・

口に出して言えなかったけれど、つくしは自分の気持ちに気づいていた。

道明寺が投げ捨てた思い出のネックレスを探すために、真冬の川へ入ったつくしが風邪を引き、倒れてしまったところを、見つけて介抱してくれたのは清永だった。


一方道明寺は、自分にそっくりで従弟と名乗る男がつくしの周辺に現れたことが気になり、道明寺家の生き字引きでもあるタマに訊いてみると、確かに実在する人物だという。
そこでタマの道案内で清永の家を訪ねてみると、いたのは色白ぽっちゃりの青年で、自分とは似ても似つかぬ男だった。

つくしにつきまとっている「自称清永」という道明寺にそっくりな男の正体は、道明寺の母に500万円でつくしを誘惑しろと依頼された大学生だった。

自分の母親が、つくしとくっつかせないためにダメ押しを仕組んだと知って猛り狂う道明寺だったが、誰よりも怒り心頭なのはつくしだった。

「あたしの人生に土足で踏み込んでこないでっ」
と叫ぶと、ニセモノ清永に、道明寺の母の元へ連れて行くようにと言い出す。

道すがら、「母親に会って怒りをぶちまけても、それから一体どうなるのだろう」と
思ったつくしが連れて行かれた先は、飛行場だった。
「ニューヨークだってさ、奴の母親。こっから飛行機飛ばして行くっきゃねーよ。」

緊張の糸が切れたつくしに
「もっと楽な生き方しろよ。俺となら絶対合うって。
想いっていうのは風化する。忘れるよ 司のことは。今すぐには無理かもしれない。
でもわざわざ橋を渡ることはないんだぜ。おまえはこっち側の人間だ」
と、さらりと言うのだった。
このニセモノの正体は、国沢 亜門(くにさわ あもん)、21歳 大学3年。
バイトしながら暮らしているフツーの男。


帰り道、偶然椿と出会ったつくしは食事に誘われる。その席で
「ごめんなさい。あたしやっぱりだめでした。 お姉さん達とは住む世界が
違うんです。」
と詫びると、椿は
「あたしはね、つくしちゃんが幸せならそれでいいの。」
と、温かく言うだけだった。

美しくて、優しくて、強いこの人と もう二度と会うこともないと思うと、
つくしは最後に本心を打ち明けずにはいられなかった。

「あたし 司が好きでした。 でも もうこれ以上さよならをするのは嫌なんです。
だからこれで本当に終わりにしようと思って」

・・・この言葉を聞いた椿の目に、涙が浮かんだ。


つくしは椿と別れた後 亜門に電話をして、道明寺をあきらめたこと、そして亜門と付き合うことを承知したと告げる。


つくしの本心を知らない道明寺は、
「あいつが俺のことを少しでも好きなら なんでもやってやるよ。かけおちでも ババアに殴りこみでも。そうじゃねえんだから しゃーないだろ?」
と、行き場の無い思いを抱えながら過ごしていたが、類に
「押し付けるのが愛情とは思わない」
と言われ、逆に火が付く。

「俺はあいつが笑ってる顔が見てーし、泣いてるときは抱きしめてやりたい。
俺は決めた。」

そして道明寺は、亜門の元を訪れると、宣言する。
「あいつは俺のもんだから」
どこに逃げようと とっつかまえてやる。・・・道明寺の決心は固かった。


道明寺の決意など知るすべもないつくしが、遊園地へ行くために亜門と一緒にバスを待っていると、向こうから道明寺がやってきた。

「牧野 行くな。そいつと行くなよ。 俺はっ おまえじゃなきゃだめだ。
 だめなんだよっ。おまえのいない毎日なんて意味がない。
 ふつーになんてできねえよ。」

「今まで俺は 何でも思い通りにしてきた。だけど こんな時はどうしていいのかさえわかんねえ。」

必死になって引き止める道明寺に、冷静な亜門は、つくしの幸せを考えたらそっとしておいてやるのが愛情だろう、と言う。

「幸せ・・・? おれが幸せになりてえんだよっ。
牧野 いいか!? 俺がおまえを幸せにしてやるっ。
だから迷うんじゃねえっ。 信じろっ」

と叫ぶのだった。
・・・だがつくしは道明寺を置いて、亜門と一緒にバスに乗り、去っていった。

つくしが乗ったバスを、全力で追いかける道明寺の姿を窓の外に見たとき、
つくしの目から涙があふれた。
・・・道明寺 心がちぎれる。人生なんて 楽じゃない・・・

つくしは自分の気持ちにこれ以上嘘はつけなかった。
バスを降りると、走り疲れて道に座り込んでいる道明寺の元へ真っすぐ駆け寄り

「そんなとこに座りこんでないで 人の迷惑考えなさいよっ。 バカ」 

といつもの調子で泣き笑いするのだった。
この時 つくしは初めて自分の心と体がつながったと感じていた。


亜門をバスに残して道明寺の元へ走ったつくしだったが、
「これから後悔することがあっても、今のあたしの方がずっといいと思う。」
ときちんと話すため、亜門の家を一人で訪れる。亜門はつくしの決意の固さを知ると、及ばずながらも自分も支援を考える。

所在なげにつくしの帰りを待っていた道明寺の元へ
「ただいまっ」
と明るく言いながら つくしが戻ってきた。

「戻って来ねーかと 思った・・・」

道明寺は大切な宝物を手にいれたかのように、つくしを包み込む。

このとき、初めてつくしは 自分以外の誰かを幸せにしてあげたいと思った・・・


隠れてこそこそつきあうのは好きではないけれど、道明寺の母親に知られたら
また邪魔をされるので、二人はF3にも誰にも言わずに、付き合いを始めた。

そんなことは露知らずの西門と美作は、二人をくっつけようと画策し、美作の家の離れに鍵をかけて二人を閉じ込めてしまう。

思いっきりロマンチックな部屋もあり、心の準備ができていないつくしがぎくしゃくしていると、道明寺までもが伝染して赤面する始末だった。

ぼちぼちやろうぜ、という道明寺と 思い出話をしたり寛いでいると、突然母屋から連絡が入り、道明寺家のSPが3人離れへ向かっているという。
道明寺の母親が、二人の監視を強化するよう命じてのことだった。

あわてて離れの電気を消し、息を潜めて無人を装ったが、つくしがうっかり物音を立ててしまい、SPに踏み込まれる羽目になってしまった。

逃げ場がない二人は・・・・。

No.1094 - 2005/09/21(Wed) 13:21:50
燕のいる駅 / ジェイ [関東]
>さっこさま

「燕〜」の舞台は、私が見に行った限りでは、観客が若い女性ばかりという印象は受けませんでした。年齢を重ねたご婦人が、泣いてらしたこともあります。

見に行かれるのでしたら年齢のことは気になさらず、舞台を堪能してくださいね。

リピーターの方も多いようで、くすっと笑えるシーンでは、公演回数を重ねるごとに観客の反応も大きくなってきているように思います。

No.1093 - 2005/09/21(Wed) 01:50:34
全1228件 [ ページ : << 1 ... 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 ... 62 >> ]