| ★5月19日(水) @大泉学園「in F」 【 喜多直毅セッション;《五月》】 喜多直毅(violin) 黒田京子(piano) 蜂谷真紀(vocal. voice)
結局、新曲は間に合ったのですけど、ワタシは インエフに着いてからもまだ譜面書いており、本番の一時間前に完成! ほんとギリギリでした。「母の母の...」という仮タイトルにしたのですが、 母の母の母の母の。。。遠い先祖には会ったことないわけですが、 確実にDNAは受け継いでいる訳で、彼らは一体どんな人なの?って 私はよく不思議に思うのです。先祖をずっとたどれば海に行き着いて、 貴方も、私も、みな兄弟、道ばたの雑草もみな兄弟なんですけどね。 そして未来にも母の母が存在していく...そんな想いを曲にしました。
喜多さんの「春になると」という曲も素晴らしかったですね。 歌い方に「男性、女性」どんなポジションを取ろうかなと思った曲。 強い情念の歌い、かすれる様にせつない歌い、さらりとした歌い、 いろいろ考えらる曲だったのです。 で、せつない歌いを取ってみたのです。でも男性が書いてる曲って たとえ女性を書いていても、作者(男性)の姿が目に浮かぶ私です。 そういうとき、オリジナルって素敵だなと思うのです。 例えば、コールポーターの曲なんてどうしたってポーターが見えます。
黒田さんの選んだブレヒトの「バイムレン母さん」も、自分にとって 強烈なインパクトでした。 その、ブレヒトが「子供に向けて書いた歌詞」によると、 バイムレン母さんは「木の義足」をつけていて「いい子にしてれば義足を見せてもらえるよ」と、子らは嬉しそうに語るのです。子らが言うには その義足には「釘」が打ってあって、そこに鍵が引っ掛けられるようになっているというのです(歩くとチャランチャラン音がしそうね) そしてバイムレン母さんは「お客」を見つけると、 「アパートの階段の明かりを暗くするのさ」、、、 そんなケロリとした子らの視線を書いた歌詞に、 戦後の子供達のしたたかさを見るようで、また ヨーロッパの暗いアパートメントの階段の匂いとか、時計の音、 オモチャの音、そして夜中には義足の鍵の音が... 聞こえてくるようでした。 短い歌詞なのに、なんとも怪しい雰囲気に満ちておりましたので 翌日まで、この曲が頭の中に回っていたくらいです。 即興とならび、色んな曲に出会えるのは自分の幸せです。
雨の中、みなさま、ありがとうございました。 三人のライヴ、次回は8/19@インエフです。
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No.126 - 2010/05/24(Mon) 01:33:25 |