朝鮮半島の軍事境界線を縦断して金剛山に登ってきました。韓国にとっても「近くて遠い国」北朝鮮へはわずか10数分間のドライブでアッという間に通過しました。軍事境界線を挟んで南北2キロずつの非武装地帯によって分断されているのです。もちろんこの間は撮影禁止です。海岸線は言うに及ばず内陸部も鉄条網で囲われ地雷源の中を一本の道路だけで繋がっているのです。北朝鮮側の厳しい入境検査を受け、PCや携帯電話など通信機器は一切持ち込み禁止。カメラも望遠レンズはダメです。兵士はもちろん地域の住民も撮影禁止の対象です。唯一自由に撮影可能なのは金剛山だけです。−5度の気温。積雪した細い登山道をアイゼンを装着した靴で慎重に登ります。約1時間半で九龍の滝が見渡せる展望台に到着します。金日成バッジを胸につけた監視員が終始付きまといます。凛とした冷たい空気が頬を刺します。緊張のなかで体験する大自然の美しさはなんと例えればいいのでしょうか。 氷結した滝の向こう側には朝日に映える岩山が眼を見張らせます。だがここも軍事的には最重要地域の一つ。誰もが自由にこのえもいわれぬ光景を目の当たりにすることが出来るのは何時のことになるのでしょう か。
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No.54 - 2006/12/29(Fri) 11:19:27
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