 | まずはじめに、CFIMRTはナイフなどの治療とはちがいます。 その上で・・・・ CFIMRTは「こうすれば、この部位、この臓器ならこういう照射をすれば効果的で、他の照射方法より安全かもしれない」というやり方のテンプレート集だと考えて下さい。エクセルやワードは誰でもテンプレートを使えますよね。その中には複雑なものもある。複雑なテンプレートは、それを使いこなせる人だけが使えばいい。CFIMRTはそんなテンプレートの提案だと思ってください。もちろん使用者責任もありますし、最低限、毎日の位置決めを今まで以上にきちんと行うことと、ある程度の放射線の特性を理解する必要がありますが。(でも、それって放射線治療を施行する側では最低限のマナーですよね) じゃ、どこが違うのかというと、従来は、複雑な治療をしようとすると、とても計画するのが大変だったのです。本当は立体照射をすれば効果的で副作用が少なくなることは皆知っています。でも、一日たくさんの患者様を治療していて、それぞれに複雑な治療を行うことは出来ません。ですから、ほとんど全ての患者様は、前からと後ろからの挟み撃ちか、前と横からの照射などといった単純な照射方法が取られています。でも、ちょっと手を加えるだけで、たとえば、喉頭がんなどならのどの痛みは多少あるものの、途中休まずに(食事を摂取しながら)最後まで予定通り治療できますし、外来でももちろん治療できるようになります。骨盤の放射線治療では、医療関係者でさえ下痢が起こるのが当然と思っていますが、私の施設だけでなく他施設でも、むしろ便秘になるのですよ!また、どこの領域でも(かなり範囲が広い治療でも)、放射線特有の体のだるさや、気持ちの悪さを訴えることが少なくなります。治療効果が出るのも早いですよ。うちだと毎回5分以内に照射(入室から退室なら15分)が終わるので他施設と効果の程度が違うかもしれませんが、結構翌日には効果が自覚できることも多いのです(症状がある場合)。 生存率とか、治癒率の比較という点では症例数が少なく主観的な印象しかいえない点をご了承ください。 キーポイントは、今までの治療に回転照射を少しだけ混ぜるというところです。そこら辺を基礎知識として、よければ弊HPを再度御覧下さい。
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No.4171 - 2003/10/05(Sun) 07:07:52
| ☆ Re: CFIMRTとは / yoshi ♂ [東北] | | |  | 例の過剰照射事件では、自分は2グレイの14回なので34グレイを両頬から照射したことになってますが、実際は40グレイほど浴びていたことになるかもしれませんね。全体では80グレイを越すことになります。 結果的にはそれが良かったのか悪かったのか・・ この6グレイってかなりの線量なんですよね、ただそれが体にどれだけの影響を与えるか分からないです。
ということである放射線科医さん、CFIMRTのこと、早速ご丁寧に解説ありがとうございました。なるほどと思いました。
患部に対する効果はまぁ同じくらいとして、その周りの組織や体に優しい照射方法を、いろんなパターンを想定して考えているということですね。
自分の場合は上咽頭に両頬から当てましたので、2方向からだけでした。 そのあとにテレビ番組などで、同じ照射でも一点に対して八方から当てることができる装置が開発されました的なことをやってたので、患者にとってはずいぶん楽になるなぁ・・と思っていました。
実際にHayateさんやあぴさんのご主人は、後ろからも照射してるんですね。 で、話しを聞くと自分ほどは唾液障害や耳の障害が残ってないです。考えてみると、当然ですよね。
現在はてっきり各施設で、多方向からの照射が普通になってるのかな・・と思ってますが、そうでもないのでしょうか。
確かに、テンプレートは使い勝手がいいと思います。 より副作用、後遺症を小さくするための研究なわけですね。 そうか、放射線医ならみなさん出来ると思っていたことが、そうではないんだ。 幅が広くてホント奥が深いことを改めて認識しました。
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No.4172 - 2003/10/05(Sun) 11:50:14 |
| ☆ Re: CFIMRTとは / ある放射線科医 ♂ [地球外] [ジャングル大帝] | | |  | 副作用が少ないことは最低条件ですよね。でも、治療であるからには効かなきゃ話にならない。 ちなみに、私は治療開始に当たって症状のある患者様には、いつ頃までにどうなるか話をします。 ちゃんとその通りになるのですよね〜。つまり、効果予想が最初からつくのですよ。 (もちろん、個人差があるので、多少長めには言いますが、ほぼ当たります。) 確率で言っていませんよ。こうなるはず・・という言い方をしています。 一時効果は確実だと思っています。 もうひとつ、参考までに・・・・。 院内の患者様だけでも毎年、1.5倍ペースで治療件数が増えています。 病院の患者数は変わっていないのですよ! 患者様の病気が変わってきているわけでもない。
コマーシャルになるから、自前のHPでは書けないけど、月刊「がん」11月号かな?うちが特集されます。その中の患者様のインタビューは私は立ち会っていません。ですから、言葉は患者様御自身の評価です。 (ちょうど記者のかたが訪問された時間に治療されていた患者様です。) そういう治療を全ての患者様で同じように保険診療で行っているのです。効果の早さ、確実さはよければ(立ち読みでも・・編集部の方ごめんちゃい)読んでみてください。 実際の取材は患者様三人くらいに、あわせて1時間(あったかな?)、私に1時間程度でした。もっと話をしようかな?と思っていたけど、もう、すぐにでも記事にしたいらしくて帰っていきましたから(笑)。 「また、来ます」 その記者の方の、この言葉の重みを感じてくださいね。
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No.4173 - 2003/10/05(Sun) 14:53:26 |
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