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記事No.114に関するスレッドです

11年4月27日  慶応日吉能(慶応大学日吉キャンパス)  (感想) / 兎谷
蝋燭能『羽衣・彩色之伝』坂井音重・森常好・藤田次郎・鵜澤洋太郎・柿原光博・大江照夫

写真のような特設舞台、『橋掛リ』の方が高く、『地謡座』の方が低い場所に有って、舞台は傾斜しないように作って有るが、客席は傾斜しているので、ちょっと見づらい。
更にこの日は風が強くバタバタとうるさい。
蝋燭能とは言っても、まだ明るい時間なので、逆光になってしまうのも一考の余地あり。
それでも無料とあって、満席だったが、新入生歓迎イベントの割りには学生の姿は少なく、OB・OGと一般客ばかりなのが勿体ない。


『切戸』がないので、地謡、囃子方の順に『橋掛リ』から登場。
小書が『和合之舞』なので、『作り物』はなく、欄干に衣をかけてあったが、見づらいので『作り物』が有った方が良いように思う(作り物自体が邪魔になるという説も有るけれど)。
前半のシテは寂しげで、暗くかなり大人しい印象。
そんなに困るのなら衣を返してあげたくなっちゃう、儚さだが、ちょっと大人しすぎて『問答』の説得力がないのが惜しい。
『物着』して「おとめは衣を」と重めな謡がやっぱり暗く見え、どっしりの地謡に合わせた型もゆったりと厳粛な感じ。
舞も前半は上品に静かで、後半(破ノ舞の部分)に入ると爽やかさが加わり、次第に明るく得意げに舞う姿が美しい。
『キリ』はふんわりと明るく綺麗だが、広がりがあんまり感じられなかったのは、(見えにくかったからかも知れないが)、ちょっと残念。

No.114 - 2011/06/26(Sun) 23:50:20