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記事No.4に関するスレッドです

10年4月2日(金)  夜桜能 第3夜(靖国神社)    (感想) / 兎谷
*旧掲示板に4月12日に掲載したものです。

満開〜!


舞囃子『須磨源氏』近藤乾之助・一噌隆之・鵜澤洋太郎・柿原光博・金春國和

静かで、ちょっと元気の無い謡だしだが、舞はキリリ。地謡もやや変化に乏しい印象だが、シテの謡いに合わせた型は、手の使い方が艶かしくて、光の君らしい色気。


狂言『隠狸』野村萬斎・高野和憲

高野さんは舞いつつ覗き込む様子がちょっと怖すぎる感じがしたが、何とか白状させようとする主人らしい。
萬斎さんはさすがに舞台栄えする…でも能楽堂で見たらやり過ぎかも…だけど。
『鵜飼』の小舞は、2人が揃いすぎて気持ち悪いくらい(苦笑)だけど、夢中になっていて、狸を取られた事に気付かない様子が自然で面白かった。


『殺生石』宝生和英・宝生欣哉・石田幸雄・一噌隆之・鵜澤洋太郎・柿原光博・金春國和

今日は“作り物”ナシ。(宝生流では、先代宗家の時まで無いのが普通だった様なので、違和感ないのかもしれないが、見ている方としてはやっぱり有った方が良いかも。。一瞬、今日『白頭』だっけ?とか思っちゃった。。)

ワキは静かな『次第』しっかりとした『名ノリ』。(『上歌』は省略)
アイははっきりとわかりやすい感じ。
シテはゆったりと諭すような『呼カケ』。
常座で「いや、くわしくは」とワキの方を向く姿も高貴な気配で良い感じ。
しかし「那須野の原に」と静か目な地謡はまとまりが、もう少しで、「この原の時しも」と常座で、右を見て、“面”を小さく『キル』様に動かして見渡したのが(意図的じゃなくて、そうなってしまったんだろうけど)キツすぎる。
『クリ』「そもそもこの」とはっきりの地謡で、シテは『正中』に座り、しっかりの『サシ』。
地謡『クセ』は抑え目からどっしりと変化して、やや迫力が出てマズマズ。
シテは「あら恥ずかしや」と言いつつ、ワキの方を向くのは女らしくて良いが、地謡「立ち帰り」でさっと立つと、中入まで動きが硬い感じで、もう少し。

ワキは“払子”を持って幕の方を向き「木石心なしとは」と、どっしりと迫力が有る謡で、「急々に去れ去れ」と“払子”を捨てて常座に行って座り祈る。

シテは幕内から「石に精あり」と抑えてどっしりと謡い、地謡「二つに割るれば」でさっと幕が上がると、ツーと『一ノ松』に進み、「石魂たちまちに」と“床几”にかける。
「今は何をか」と威厳が有って迫力の有る謡が続くが、座っている姿は可愛い感じがしてしまう。。
「幣帛を」とさっと扇を幣に見立て「玉藻に」でパッと左手に持ち、「祈りしかば」と、どっかりとした『足拍子』から、「雲井を」と立って舞台の方へ行くあたりは、苦しんで逃げていく感じがわかりやすかった。
しかしその後の謡いに合わせた型は、しっかりだが、タイミングを計る様にきっちり過ぎて微妙。

No.4 - 2010/05/10(Mon) 00:12:46