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「超宇宙刑事ギャバンインフィニティ」なる商標が登録されたとのことです。戦隊シリーズの後釜は宇宙刑事なのでしょう。 そこで「平成の新宇宙刑事の扱いはどうなるのか?」と囁かれています。 せっかくゴーカイジャーの映画で本家ギャバンを再登場させ、しかもデンジブルーとバトルケニアと同時変身なんてやらせて盛り上げたのに、新たに始まった二代目ギャバンは人を選ぶオラオラ系の性格で、しかも初代ギャバンはミミーと結婚しなかったことにされました。 一応新シャリバンとシャイダーは売れたので、同じく売れたデカレンジャー10周年記念と組み合わせて「スペーススクワッド」なんてのを始めたのに、二代目ギャバンは毎回欠点ばかり描かれて成長してる印象が無く、しかも適当に放り出されて終わっちゃいました。二代目シャリバンの俳優さんも芸能界引退しちゃいましたし。 そして初代ギャバンも映画で敵の罠にはめられて地球を爆破しようとする無能な司令官にされ、その後フォローも無し。 というかなんでもう、制作側はどいつもこいつも銀河警察を腐敗した組織に描きたがるのか…超ギャバンではどう描かれるのでしょうね?この辺。
さて、こういった宇宙刑事の扱いの悪さが話題になるたびに、引き合いに出されるゲームソフトがあります。ギャバン復活より更に前、1999年にプレステ1で発売されたRPG「スーパーヒーロー作戦」です。 メタルヒーローからは宇宙刑事トリオとメタルダー、ウルトラからは初代〜レオ、それにキカイダーと01、ズバット。 そして当時の近年の作品だったガンダム2本が出演するゲームでして、CMでは宮内洋さんが早川健の格好で「いま君がプレイしてるゲーム、日本じゃ二番目だ。一番目は、このスーパーヒーロー作戦!」と叫んでくれてました(ライダーと戦隊は出てきません)。
一見豪華な作りに思えますが、ゲームとしてはもうガタガタでした。ザコもボスも弱い奴が多く、そのくせ一部の敵だけは極端に強いというメチャクチャぶり。 そしてシナリオは…最初は初代マンとセブンのエピソードを継ぎ接ぎし、そこへダークやフーマが絡んでくるという作りなのですが、どんどんめちゃくちゃになって行きます。 ペダン星人の工作でペガッサ市の機器が故障し地球に衝突しそうになり、主人公達は必死で脱出してくださいと呼び掛けるのにペガッサ市が無視するものだからやむなく爆破します。これを理由に銀河連邦は地球を野蛮な星と見做し、宇宙犯罪者たちの牢獄がわりにしてホシノスペースカノンで脅そうとする悪党組織にされてしまいました。 「ギャバン」の原作で連邦警察を裏切った理由の描かれたなかったハンターキラーですが、このゲームでは「銀河警察は前々から腐敗していたため、嫌になって裏切った」ということにされてました…。 本家東映特撮より早く、銀河警察の腐敗を描いた作品ではあるわけですが、これで原作ファン達の怒りを買いました。 そしてそれ以上に怒りを招いたのが、ウルトラの扱いなのです。
ゲーム中、ウルトラ族は神のごとき戦闘力と科学力を併せ持ち、生命の仕組みまで解明していると何度も持ち上げられるのですが、最後の最後で敵の黒幕が言うのですよ。
「一度ウルトラ族の素晴らしさを目の当たりにした星の人々は、科学者がどんなに環境改善に取り組もうと、宇宙刑事が必死に犯罪者と戦おうと、こう言うのだ。『ウルトラマンさえいれば、何とかしてくれる。』」 「お前達ウルトラ族は自分達の正義を他の星に押し付けているだけだ。他の星の進歩を遅らせているだけだ」 「偽善者め!」
こう突き付けられたウルトラ兄弟は、黒幕の力を抑え込むため犠牲となって消えてしまいます。最後にエースが「優しさを失わないでくれ!」と言い残すのですが、おかげでウルトラ勢は最後の戦いに参加することができません。あんまりだ…。 まあこのゲームのウルトラ族は、そのストーリー上の持ち上げられぶりとは裏腹に、味方として単純に弱いんですけどね。一方プロデューサーが個人的にファンなキカイダーとズバットは能力も高いしストーリーでも優遇されているのですが。
そのプロデューサーはメーカー退職後、ツイッターで「あのゲームは思い入れもあるけど、今ではプロデューサーとシナリオ書いた人に数時間説教したい。どっちも自分のことですが」と述懐しています。
さて、どうなりますかね超宇宙刑事は…。
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No.621 2025/11/19(Wed) 21:43:52
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