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サムライスピリッツ・天下一剣客商売 (親記事) - キャノン娘

池波正太郎の傑作時代小説「剣客商売」にはまっています。
発端はコンビニで見かけた、さいとうたかを作「影狩り」で、そこから時代劇ものの劇画に興味を持ち
同じくさいとうたかをの「雲盗り暫平」「鬼平犯科帳」「仕掛人藤枝梅安」に手を出し、「無用ノ介」を全巻買い集め、
大島やすいち版「剣客商売」を経て原作小説を読み出したという流れ。

田沼意次が政治を行っていた時代、無外流の老剣客・秋山小兵衛と息子の大治郎を主役に
人情話あり、強敵との大立ち回りあり、最も魅力的なのは何気ない日常の会話や食事の風景という
魅力に溢れた作品です。
同一世界の別時代を描いた「鬼平犯科帳」「仕掛人藤枝梅安」もまた人気が高く、
時系列上では最も古い話である「剣客商売」の最新の話と、次の時代の「鬼平犯科帳」の最初の話が
いよいよ同時期にさしかかろうかという時に、惜しくも作者の池波氏が亡くなられてしまい、
剣客キャラと鬼平キャラの完全な共演は夢となってしまいました。
(噂話や回想シーンでなら、剣客・鬼平・梅安はそれぞれ関連性が出てきます)

目前で消えてしまった魅力的な物語はどのようなものだったか、想像するだけでも楽しいのですが、
実はもうひとつ同時期の物語があります。
サムライスピリッツはちょうど「剣客商売」最終回の後・「鬼平犯科帳」開幕直後の時期で、
江戸の町で人気を博した千両狂死郎の噂を秋山小兵衛が耳にしたり、
悪人を捕らえた柳生十兵衛が火付盗賊改長官・長谷川平蔵に悪人を突き出しに行く場面があったのかもしれないのです。


[No.488] 2010/08/20(Fri) 18:29:59
Re: サムライスピリッツ・天下一剣客商売 (No.488への返信 / 1階層) - キャノン娘

サムライスピリッツの主要な事件は1786年から1788年までに起きています。
実在の出来事や、剣客商売・鬼平犯科帳の出来事を織り交ぜて年表を作ってみると、このようになります。



1777年
秋山大治郎、老中田沼意次中屋敷での剣術大会にて7人抜きを果たす。「剣客商売」本編開始。

1785年
剣客商売の物語はおおむねここまで。
最終話「浮沈」にて、ダイジェスト的に1793年秋山小兵衛75歳の様子が描かれる。

1786年
正月 兇國日輪守我旺、乱を起こす。(侍零)
八月 十代将軍徳川家治没。田沼意次、罷免される。サムスピキャラにはほとんど無縁の出来事、剣客キャラには痛恨の大打撃。
晩夏 我旺と幕府軍が衝突。将軍家治の死と、田沼意次が我旺に内通していたとの報告が服部半蔵に伝えられる。(侍零)

1787年
六月 松平定信が老中就任。
九月 長谷川平蔵、火付盗賊改長官就任。「鬼平犯科帳」本編開始。
   服部半蔵や柳生十兵衛との関連、江戸市中で評判の千両狂死郎の舞台を鬼平キャラが見物に行く話が期待できる。

1788年
三月 松平定信、将軍補佐となる。田沼家恩顧の者たちには政治的圧力がかけられるため、秋山一門の命運に不安が。
春先 天草四郎復活。(侍魂)
初夏 覇王丸の手で天草は討ち取られる。
七月 田沼意次没。
秋口 斬紅郎、緋雨閑丸によって倒される。(斬紅郎無双剣)
秋  天草四郎、島原の地に復活。(天草降臨)
初冬 火月、天草を倒す。

1789年
春  覇王丸、ミヅキを倒す。(真侍)


[No.489] 2010/08/20(Fri) 18:30:22
Re: サムライスピリッツ・天下一剣客商売 (No.489への返信 / 2階層) - キャノン娘

サムスピの時期、江戸市中の治安は長谷川平蔵率いる火付盗賊改によって守られていました。
また「仕掛人藤枝梅安」の主人公、藤枝梅安が初めて人を殺めたのが、真侍と同じ1789年。
秋山小兵衛は鐘ヶ淵の隠宅で存命ですが、さすがに高齢過ぎて老け込んでいる様子。
「剣客商売」に続きがあれば小兵衛に代わって主役として描かれていたであろう大治郎・三冬夫妻がどうしていたかは
残念ながら原作に描かれておらず、様々な想像の余地を残す空白期間です。
新老中・松平定信が、田沼家剣術指南役で田沼家と縁戚関係にある大治郎を放置しておくとも思えず、
大治郎たちが江戸を離れた可能性もあります。(小兵衛は鐘ヶ淵に住み続けていたようですが)
「剣客商売」の時点で、若いながら江戸屈指の剣客という名声を得ていた大治郎の名が
「鬼平犯科帳」では全く出てこないからです。(小兵衛の名は出てくるのですが)
ひょっとしたら天草四郎、壬無月斬紅郎、羅将神ミヅキの討伐に秋山大治郎が向かったかもしれません。
魔性の存在である天草やミヅキはともかくとして、単なる剣豪である斬紅郎の話なら大治郎が加わっても違和感はなさそうです。

また、「仕掛人藤枝梅安」の剣豪・小杉十五郎(1773年生)と緋雨閑丸(1788年当時14歳?)は同世代で、
梅安の時代では成人した閑丸が一流の剣客として名を馳せている可能性があります。
14歳にして斬紅郎を討ち果たした閑丸が、仮に大治郎の道場に入門して剣の腕を磨き続けたとしたら、
さすがの梅安や小杉も太刀打ちできないほど強くなったのではないでしょうか?
サムライスピリッツの歴史の中では、閑丸は剣の道から引退して平和に暮らすようですが、
もしも秋山小兵衛や大治郎と出会う事があればどうなっていたのでしょうか。

ストーリーの流れから離れたお祭りものである天下一剣客伝(1787年?)になら大治郎や平蔵が出場していても矛盾はなく、
覇王丸と秋山大治郎の試合が組まれたり、柳生十兵衛、服部半蔵、長谷川平蔵が一堂に顔を揃えたかもしれません。
池波氏が亡くなり、SNKが今の有様では、誰も描ききる事はできなさそうな話ですが
同じ江戸の町のどこかにナコルルと木村忠吾がいたというだけで楽しくなってくるのです。


[No.490] 2010/08/20(Fri) 18:30:43
我旺の乱・田沼陰謀説 (No.490への返信 / 3階層) - キャノン娘

ところで、半蔵のエンディングで、田沼意次が我旺と通じていたという報告がもたらされます。
剣客商売ファンにとっては愕然とするようなこの話、果たして真相は?

一番信憑性がありそうな説は「サムスピ世界の田沼意次は本当に内通していた」というもの。
天草四郎がああいう人で、由井正雪もああなって、服部半蔵や柳生十兵衛があのようなキャラで、
徳川の血筋にも慶寅という人物がいるわけです。
田沼意次が史実から離れたサムスピ独自の人物設定があったとしても不思議ではありませんし、
ましてや別個の作品である剣客商売とうまく重ならなくても仕方がありません。

確実な答えはこれであるとして、しかし、せっかく剣客商売とのクロスオーバーを想像するにあたって
田沼意次の人物設定が剣客商売に登場したものではないというのは残念なところ。
ここは「剣客版田沼が我旺と内通していたという噂がある」という路線で考察していきます。


まず、時系列としては、我旺の乱始まる→将軍・徳川家治死去→田沼意次失脚→我旺の乱終息という流れになります。
そのため、失脚した意次が権力を取り戻すために我旺に反乱を唆したという展開はありえません。
意次は時代に沿えば、サムスピキャラが特に事件を起こさなくても失脚したはずの人物であり、
主な原因は浅間山の噴火や天明の大飢饉の対策失敗、息子・田沼意知が暗殺された事件によるもので
我旺の乱は「飢饉に対して無策な徳川幕府の打倒」を掲げていたものですから、むしろ田沼政権の打倒が目的だったはずです。
その乱の最中に失脚という展開では、これはむしろ後任の老中・松平定信の陰謀ではないかと思えるほどです。

本当に意次と我旺が手を組んで徳川幕府を倒し、新政権を樹立するという筋書きを組み立てるとしても
ひとつ難しい問題があります。
権勢を失いかけた幕府の老中・田沼意次が、徳川幕府打倒に走るとしたら、
その理由は「自分の思い描いたとおりの政治を行いたかった」からであろうと思われます。
金権政治や賄賂の横行が取りざたされる事が多い田沼時代ですが、田沼家には蓄財がほとんど無かったとの逸話があるので
遊び暮らすための権勢や財貨を求めてのことではなく、あくまで政治家として反対派を粛清したかったという話でしょう。
政敵との暗闘が思うに任せず、天災や一揆が相次ぎ、ついに打倒田沼を隠れ蓑にした武力反乱を我旺に委託した……
というシナリオができそうですが、実は剣客伝のエンディングでこの説が難しくなります。
我旺が日本を治める事になった場合の統治方針は強固な鎖国政策。
田沼意次は貿易の積極化、蝦夷地の開発(ナコルルとは相性が悪そうですね)、重農主義から重商主義への転換など
我旺の政策とは相反するものばかりです。
どちらかと言うと我旺の政策方針は松平定信の寛政の改革(重農主義、倹約、文武奨励など、徳川吉宗の享保の改革を手本としたものです)に近いもので、
「打倒田沼を掲げて立ち上がった我旺に対して、幕府は軍を差し向けると同時に、
飢饉対策に失敗したばかりか大規模な反乱まで招いた田沼の失政を責め、乱の終結を待たずに罷免した」
という話のほうが辻褄が合いそうなイメージです。
そして、失脚した意次に全ての責任をかぶせて抹殺すべく、田沼失脚後の政権を掌握した松平定信によって
服部半蔵に抹殺指令が下ったものではないのかと……。
この場合、服部半蔵は真相に気付いたとしても、幕府上層部からの指示では従わざるを得ないのが忍者の辛いところです。

もはや意次を守りきれる者たちは秋山一家しかありません。
蟄居中の意次邸を襲撃する伊賀忍群、父意次の身を守って雑魚忍者を防ぎ続ける三冬、
忍者の頭領服部半蔵を向こうに回して丁々発止の戦いを繰り広げる小兵衛、
天下の柳生十兵衛を相手に互角の斬り合いを演じる大治郎……あまりにも熱いシチュエーションではないですか!
サムスピ側が悪役になってしまうのがちょっと苦しいところではありますが。
できれば真相を知った慶寅が戦いを止めに駆けつけ、半蔵も十兵衛も刃を収め、
松平定信陣営と秋山ファミリーの戦いも一応の決着を見る、という形に持っていきたいところです。
あまり松平定信を悪人にするわけにもいきません。
なぜなら定信はこれから「鬼平犯科帳」にて、長谷川平蔵の良き上司として登場してくるからです。

剣客商売と鬼平犯科帳を繋ぐ幻の時期設定で、松平定信と田沼意次の政治的暗闘にサムスピキャラが一枚噛むというこの話、
全くの妄想ではありますが、秋山小兵衛引退を飾る最後の一戦としては最高のメンバーではないかと思うのです。


[No.491] 2010/08/20(Fri) 21:11:18
もし小兵衛がサムスピに出たら (No.491への返信 / 4階層) - キャノン娘

サムライスピリッツのキャラが剣客商売のキャラと共演する話を考えてみましたが、
今度は逆に秋山小兵衛がゲームに登場したら?という想像をしてみました。
小兵衛先生の無外流は技の名前を付けないそうで、技名は便宜上のものです。


・跳躍喉笛切り
小兵衛先生の得意技。小柄な体躯で相手を飛び越えつつ斬りつけ、頸動脈を一閃。相手は死ぬ。
胴体真っ二つとか脳天唐竹割りなど豪快で見栄えのする剣技は使いませんが、スマートにして殺傷率100%の戦い方を選んでいます。
こういう戦い方をしていなければ二十人斬りは無理だっただろうと述懐しておられます。
原作中で絶命率100%、またサムスピキャラがいかに超人とはいえ頸動脈を切られて生きていられるとは思えないので
絶命奥義とか断末奥義になりそうです。

・手首切り
得意技その2。相手の命を奪わないまでも一撃で戦闘能力を奪います。
竹刀や木刀で小手を打ち、刀を落とさせるのとはわけが違い、利き腕の手を失うのですから一生もののダメージではありますが……。
幸いサムスピでは手首切断という状態異常は再現されていないので、武器飛ばし技というところでしょうか。

・足首切り
得意技その3。これも一撃で戦闘能力を奪います。
足を切られれば立てないし歩けないので、その時点で決着が付きます。これも酷い場合は足首切断、一生もののダメージです。
とはいえ格ゲーの技が全部一撃必殺でも困りますし、アンヌムツベとかも小説にしたら同様の殺傷力のはず。
これは前方に走りつつ下段攻撃、ヒットしたら相手がダウンするというところでしょう。

・跳躍蹴り
跳躍喉笛切りと同じように相手に飛びかかり、顔を蹴り飛ばしつつ飛び抜けます。
多人数に囲まれた時に打撃を与えつつ包囲から抜けたり、次から次へと倒していく時に使われます。
上の足首切りとの組み合わせで、立ちガードとしゃがみガードを揺さぶる技にできそうですね。

・急所突き
剣術ではありませんが、ひょっとしたら最も得意とした技かも。
駆け寄って素手や竹杖で相手の急所を一撃、失神させます。
相手をよろめかせる突進技か、もしくは防御崩しとか通常投げあたりですね。

・石礫
そこらに落ちている石を拾ったり、竹杖を投げつけます。
これがなかなか恐ろしい技で、相手の顔面への命中率は100%を誇り、当たった相手は軽傷でも戦闘不能で逃走を余儀なくされ、
気絶する場合も多く、酷い場合は即死した事さえあります。
サムスピの飛び道具で当たると気絶・追撃可能となるとあまりにも強いので、単に石を投げるだけの普通の飛び道具になるか、
事前に石を拾う動作を入れて「当たると気絶するが、まず使うタイミングが無い」という技にするか。

・武器投げ
持っている刀を投げつける場合があります。
もちろん武器を失った状態になり、武器はかなり遠くに行ってしまいますから、使い勝手が悪い技です。
相手を倒せそうな時に、奇襲で使うための技ですね。

・大喝
相手を怒鳴りつけます。台詞は「ばかもの!!」でしょうか。
圧倒的優位に立った相手に対して使い、戦う気力を無くさせ、逃走させます。
格ゲーにおいては挑発でしょうか?

・無外流居合いの内『霞の一手』
全巻通してたったの一度しか出てこない、固有名詞が設定されている大変珍しい技です。
居合い切りである事以外は特に説明がないのですが、際立った特徴がない普通の居合い切りなのでしょう。
わざわざ大治郎に技名を教えている描写がありましたが、大治郎にもその時まで伝授していなかった奥の手なのでしょうか?
これは秘奥義(大ダメージだが武器破壊効果は無い)に当てるのがよさそうです。


秋山小兵衛がサムライスピリッツに出られるとしたらこんな感じでしょうか。
サムスピには珍しくジャンプを多用し、ダッシュ投げや上段・下段を揺さぶっていくスピードタイプ。

また、残念ながら、大治郎は動きが真面目すぎて格闘ゲームの派手なアクションには向いていません。
個性的な動きと言えば「眉墨の金ちゃん」の時の、自然すぎる動作で間合いを詰めて相手に斬りかかる間を与えない攻め方と
韋駄天の魔剣士・笹目千代太郎と対戦した時の、後ろに引く事で間合いを外して相手の得意技を封じた動きでしょうか。
いかにもサムライスピリッツの立ち会いに適した戦いぶりではあるのですが、残念ながらこれは立ち回り方であって
必殺技や武器破壊技の元ネタには使えなさそうです。


[No.494] 2010/09/09(Thu) 00:33:00


   サムライスピリッツ・天下一剣客商売 - キャノン娘 - 2010/08/20(Fri) 18:29:59 [No.488]
Re: サムライスピリッツ・天下一剣客商売 - キャノン娘 - 2010/08/20(Fri) 18:30:22 [No.489]
Re: サムライスピリッツ・天下一剣客商売 - キャノン娘 - 2010/08/20(Fri) 18:30:43 [No.490]
我旺の乱・田沼陰謀説 - キャノン娘 - 2010/08/20(Fri) 21:11:18 [No.491]
もし小兵衛がサムスピに出たら - キャノン娘 - 2010/09/09(Thu) 00:33:00 [No.494]




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