池波正太郎の傑作時代小説「剣客商売」にはまっています。 発端はコンビニで見かけた、さいとうたかを作「影狩り」で、そこから時代劇ものの劇画に興味を持ち 同じくさいとうたかをの「雲盗り暫平」「鬼平犯科帳」「仕掛人藤枝梅安」に手を出し、「無用ノ介」を全巻買い集め、 大島やすいち版「剣客商売」を経て原作小説を読み出したという流れ。
田沼意次が政治を行っていた時代、無外流の老剣客・秋山小兵衛と息子の大治郎を主役に 人情話あり、強敵との大立ち回りあり、最も魅力的なのは何気ない日常の会話や食事の風景という 魅力に溢れた作品です。 同一世界の別時代を描いた「鬼平犯科帳」「仕掛人藤枝梅安」もまた人気が高く、 時系列上では最も古い話である「剣客商売」の最新の話と、次の時代の「鬼平犯科帳」の最初の話が いよいよ同時期にさしかかろうかという時に、惜しくも作者の池波氏が亡くなられてしまい、 剣客キャラと鬼平キャラの完全な共演は夢となってしまいました。 (噂話や回想シーンでなら、剣客・鬼平・梅安はそれぞれ関連性が出てきます)
目前で消えてしまった魅力的な物語はどのようなものだったか、想像するだけでも楽しいのですが、 実はもうひとつ同時期の物語があります。 サムライスピリッツはちょうど「剣客商売」最終回の後・「鬼平犯科帳」開幕直後の時期で、 江戸の町で人気を博した千両狂死郎の噂を秋山小兵衛が耳にしたり、 悪人を捕らえた柳生十兵衛が火付盗賊改長官・長谷川平蔵に悪人を突き出しに行く場面があったのかもしれないのです。
[No.488] 2010/08/20(Fri) 18:29:59 |