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「……エレクトロ!!」 3分時間を稼ぐ。イライザにそう言われてからどれくらい経ったろう。はっと我に返ったキュアスノーは、キュアエレクトロが吹き飛ばされた場所へと走り寄る。 その胸を占めるのは安否の心配よりも、誰かに頼りたい、すがりたいという一心。我ながら情けなさに涙が出そうだ。 「……ここです。イライザさんが衝撃をやわらげてくれたので、たいしたことはありません」 収まった砂煙の中から、片ひざをついたキュアエレクトロが現れる。しかし、その言葉とは裏腹に黒い衣裳は煤に汚れ所々が破れ、激突したであろう背後の壁には巨大な穴が穿たれていた。 「馬鹿なこと言うなっピ! ほんとは立つのも大変なくらいのダメージっピよ!」 PIYOがキュアエレクトロの周りを心配そうに浮遊する。なんとか立ち上がろうとするが、がくりと倒れこんでしまう。 キュアスノーは慌ててその体を支える。もういいよ、逃げよう。そう、口を開こうとした時、 「たしかに、今の私には戦闘続行は難しいかもしれません。――だから、貴女があの電魎を倒してください。キュアスノー」 キュアエレクトロの瞳が、真っ直ぐにこちらを見た。その視線に耐えられず、俯く。 「む、無理だよ……私には出来ないよ。さっきだって、私が動けなかったから、私を庇ったからエレクトロが……!」 「無理ではありません。あなたなら、出来る。」 あっさりと言い放つキュアエレクトロに、え、と見つめ返す。変わらぬ無表情の中に何かの確信が見て取れた。 「初めて出会ったときを覚えていますか? 電魎の攻撃を受けるところだった私を、貴女は手を引いて助けてくれた。自分が死ぬかもしれない危険を冒しても」 そうだ、あの時も電魎が巨大な腕を振り下ろしていて、気がついたら目の前の少女を引っ張っていたのだ。 「あれは……無我夢中だったし……」 ……今の、キュアエレクトロの様に? 「何かを考える前に、無意識に人を助けることが出来る。それはとても大切で温かなことだと思います。あの時、貴女の手を感じた瞬間、私のパートナーは貴女だと思いました」 「………」 「あの時の勇気が、強い気持ちがあれば、私のパートナーは、貴女は何にも負けません」 いつもと変わらぬ無表情の中の確信。それは、他ならぬ私に向けられていた。 「……本当に、出来るかな? 私、馬鹿だから本気にしちゃうよ?」 「出来ます。私と貴女と、二人なら。」 その言葉に、急に世界が色付きはじめた気がした。空気が澄んだ気がした。視界がクリアになった気がした。 ようやく一つ、吹っ切れた気がした。 「どうなっても責任は取れないけど……私をその気にさせた責任はとってもらうからね!」 白と黒の戦士はともに笑い合い、倒すべき敵へと視線を向けた。 [No.105] 2011/04/30(Sat) 22:56:53 |