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地下にあるドクの研究室、その入り口は今無残に引き裂かれようとしていた。 地下に大音響で響き渡る爆音と共に、強固なはずの扉の向こうからチェーンソーの先端が覗き、高度な電子ロックを時代遅れの凶器によって力ずくで破られようとしてた。 「ふぅあはぁはははぁああぁ! Drァァァっ」 一度聞いたらそう簡単には忘れられない特徴的な声と共に、チェーンソーによって出来た裂け目に手をかけ、サイボーグもかくやという怪力によってドアが引っぺがされる。 「おぃおぃ、普通に入ってこれんのかアンタ」 呆れた風に呟くドクの目の前に、悠然と歩いてくる大柄の神父。 本来神聖なはずのその衣装も、彼が纏っていると歪んだ邪悪なものに見えるのだから彼の異常さがよく分るというものだ。 カルト教団「終焉の位階」、その頂点に立つ教祖グレーシス。それがこの狂人の名である。 「Drァ、ベヘモスを受け取りにぃ、来ぃたぞぉぉぉ」 「わざわざアンタが来るとはねぇ。だが、ありゃぁまだ未完成だぞ?」 その言葉に、教祖グレーシスは口が裂けたように哂い、信者の前で演説するかのように両腕を広げる。 「この魔都をぉ、浄滅できるのならばぁぁ! それでぇ構わんのだよぉぉぉぉぉぉお!!」 未完成だろうが、制御不能なだろうが、この上海全域を消し去ることが可能ならばそれで構わないと言い切る真正の狂人。 「それでぇ、ベヘモスはぁ、どぉこにあるぅぅぅう!」 「此処にはねぇぞ」 「ぬぅわぁにぃぃ?」 ドクのその言葉に、哂いを抑え、ギョロリと眼球だけでドクの顔を睨みつける。 「それに持ってても渡さんよ、未完成品を渡すのはナノテク技術者としてのプライドが許さん」 「……ベヘモスはぁぁぁ、どぉぉぉこぉぉにぃ、あるうぅぅぅぅぅうう!!?」 教祖グレースの眼に素人でもわかる狂気が宿る。 同時にその両腕が変質し、チェーンソーと化して爆音を轟かせて回転を始める。 その狂気は有様は、答えねば命に関わるだろうことを容易に感じさせた。 [No.107] 2011/04/30(Sat) 22:58:24 |