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深選が、帰って来た。 先に逃げていた私達に追いついた、が正しいのだけど、彼が戦っていた事を思うと、“帰って来た”が正しいと、私は思う。 「お、おかえり……」 『あぁ、ただいま』 深選は、その言葉の矛盾を指摘しなかった。 ● 「さすがは旦那!、あの腐れサイボーグをぶっ殺したんですね!!」 『……ロングイヤー』 「へ?」 深選は無言で、くいっと親指で私を指した。 大方、“ぶっ殺す”なんて表現をすれば私がまた騒ぐとでも思っているのだろう、 確かに、穏かな表現では無いし、慣れろというのは難しい。 でも、さすがに命を狙ってくる人を相手にしたら、仕方ないんじゃないかと思って、少し反論をしようとして……やめる。 「ねぇ」 『ん?』 「少し、疲れている?」 『……いいや』 それが嘘かどうか、戦いを経験した事の無い私には判らない。 沢山の数を相手にしたから、肉体的に疲れたのではないか、という意味でなら疲れているのかもしれないし、心が疲れているのではないか、という意味でなら、疲れていないのかもしれない。 あるいはその逆かもしれない。 そんな事は私の空想でしか無いし、意味がある事では無いだろう。 それでも私は、彼等この時代で生きる人々にとっては、多分にウェットなのだろう。 深選は疲れている、そう、思えてならなかった。 彼が望んでいる事かは判らないが、私は彼に安息を感じて欲しいと思う。 私という“厄介者”がどうにか落ち着けば、彼は安らぐのだろうか?、……違う気がする。 彼の行き方は、何処までも安らぎとは無縁なのだ。 安らいで欲しい、という私の、言い方を変えれば独善が寄り付く事も出来ない程、彼の生き方は苛烈に過ぎる。 そんな事を考えながら歩く内に、闇医者の診療所が見えてきた。 途端に深選が走った、『少し待て』という言葉だけ残した事は、つまり何かトラブルがあったのだろう。 先行する彼の背中を見て思う、やっぱり、彼は安息とは無縁なのだ、彼自身、安息など求めては居ないのだ。 ● 結論から言えば、闇医者の元に二度目の襲撃はあったようだ。 その場に居合わせた男の人に助けられ、事なきを得たらしい。 そして意外な事に診療所の地下室には闇医者のほかに、二人の小さな女の子が居た。 ……居たのだが。 「何、やってるのよぉ!?」 「よぉシンデレラ、生きてたな」 すっかり中年男性の闇医者が、小さな女の子に迫っていた。 『ドク、少し前にな、言われたんだ』 「あん?」 『ロリコンはどうかと思う』 [No.125] 2011/04/30(Sat) 23:25:07 |