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完全に破壊されたドローン、否、電魎があるものは火花を上げ、あるものは炎に巻かれているそこはまるで戦場跡のようだった。 いや、実際に戦場跡である。争いの絶えないこの上海でも、ドローンが暴れまわったその場所は確かに戦場だと言えただろう。 その戦場跡に立つ少女、シア=イチノセの手にある16歳の少女が持ちには明らかに不釣り合いのレーザー砲がマナに溶けて消える。 「ふぅ、此処まで完膚なきまで破壊すれば十分でしょ」 『そうね、もう動き出しそうもないわ』 気だるげにシアが完全に沈黙した残骸たちを見渡せば、シアの横に浮かんでいる空間モニタに映るシアと瓜二つな少女、カルデアが肯定する。 「まったく、なんで私達がこんなことを……」 『バベルへの貸しだそうよ、企業軍動かすより私達のが速いからね』 カルデアの言葉に、シアは内心無駄な事をと呟いた。 あのバベルがこれしきのことで貸しだと認識するとは到底思えない。 この場にいたエージェント一人を助けたが、それこそたかだが駒一つだ。恩など感じるはずもないだろう。 『それとエルが例の奴を始末したそうよ』 言われて、シアは誰の事だろうと考えたが、カルデアの映るモニターに一人の小太りの中年の映像が映し出された。 大方カルデアがシアの表情を見て、思い出せるように表示したのだろう。実際にそれを見て思い出せたが。 「……あぁ、教団とかいうのにナノ工学者仲介した馬鹿ね」 『そうよ。どうやらオルファネイジに買収されてたようね、目先の小金に釣られた馬鹿よ』 二人して酷い評価だが、実際その通りである。 カルネアデスでまぁまぁな地位にいながら、オルファネイジの買収工作でカルト集団に関わるような奴は馬鹿で十分だろう。 どうせエルを抱いて寝物語にその事を"語らせられた"のだろう、そしてそのままエルに暗殺されたと、この手段で情報を引き出されて死んだ男は数多い。 「それで、そのオルファネイジの介入は?」 『傭兵大隊の一個中隊が上海入りしてるらしいわ。ただし足取りは掴めずよ』 ふぅん、とシアは興味なさげに頷いた。 どうせ自分達が関わることはないだろうとタカをくくっていた。 なにせそれはプロの傭兵軍だ、そういうのを相手するのはカルネアデスでも正規の企業軍である。 自分達のような実験体兼エージェントが対処するような相手でも、対処できる相手でもない。 「とりあえず、後続が来たらこの場を任せて私達は撤収かしら?」 『そう、ね。恐らくそうなると思うわ』 またあの研究所送りかと思うと多少憂鬱にもなるが、面倒事に巻き込まれるよりはマシだろうと、シアはぼんやりと考えていた。 [No.131] 2011/04/30(Sat) 23:30:43 |