![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
「まずまずって……どういう事!?」 急発進で驚くのもつかの間、休まずに走り続けるワゴンの中で深選に尋ねる。 あの大きな重機の怪獣……電魎というらしいモノが暴れている事に関係があるのだろうか?。 『近くにアレを兵力として操っている親玉が居る、まずはそいつを叩く』 「叩くって……きゃっ!」 『余り喋るな、舌を噛むぞ!』 まるでジェットコースターのように、勢いを殺さずに走り続けるワゴンの中で、私は言われた通りに舌を噛まないようにきゅっと口を結んだ。 隣をちらっと見ると、小雪ちゃんも同じように口を結んでいた。 彼女達は私と違い、明確に戦力としてこの車内に居る。 明らかに私よりも小さな彼女達が戦うというのに、私に出来る事は余りにも少ない。 それを思うと自分が情けなくなるけれど……今自分を卑下しても仕方が無い。 決めたんだ、皆と一緒に行くって……決めたんだから。 「旦那、路上カメ――」 『回せ、抑える』 「了解でさ!」 それにしても、凄い。 ロングイヤーも相当凄いけど、あの人と話している時の深選は、本当に凄い。 これが、戦場を知っている人間の顔なのだろうか。 ギュル、とタイヤの擦れる音が聞こえる程の速度である一点を目指す。 『確認した』 恐らくはあの怪獣を操っているという相手を見つけたのだろう。 私にはまだ見えない、が、深選は小さく『今度もサイボーグか』と呟いた。 ● 戦いはあっという間だった。 深選は電魎を操っているサイボーグを倒した。 正確には、倒した後に尋問して、教団という組織のボスの居場所を聞き出すつもりだったらしい、だが……。 『こう出られると、埒があかんな』 「……」 小雪ちゃんと京ちゃんは、制御を失い暴走状態に陥った電魎を倒しに向っている。 さっきの軍隊に対するデモンストレーションも兼ねている、と深選は言ったが意味は正直良く判らない、京ちゃんだけがその意味を察したように頷き、小雪ちゃんと共に電魎へと向っていった。 「何なのよ、こいつら……」 『狂信者だ、でなければ自爆などせん』 「……」 自爆テロという言葉と、私が過ごしていた時代のニュースが頭を過ぎる。 TVでその話を聞いたとき、理解出来ないという感想を抱きはしたが……それはやっぱり遠い国の出来事だったのに。 今こうして、本当に自爆するような相手を敵にしている。 怯むわけにはいかない、引き下がる訳にはいかない、それでも、それでも簡単に死を選ぶその考えに、怖気が走る……。 「……」 『……!』 死体は、……かつて身体を構成していたのだろう“部品”は多少なり形を残しているが、頭から爆発したらしい、顔を判別出来るような所は何処も残っていない。 『……マイコ、お前』 「え、何……?」 『……いや、なんでもない』 ……?。 もう一度深選は、なんでもないと言った。 少し疑問に思ったが、もしかしたら私がショックを受けていると思ったのかもしれない、それは正解だし、そういう気遣いを、私は素直に嬉しいと思った。 だが、一息吐く間もない、とはこの事だった。 「旦那!、大変でさ!!」 『どうした』 「旦那の出したメッセージ、予想外の奴が引っ掛かったかもしれませんぜ……」 『誰だ、企業か?』 「バベルですよ、バベル!、それもバベルの王Arの奴が、旦那宛てに情報提供を申し出てるんでさぁ!」 [No.141] 2011/04/30(Sat) 23:38:31 |