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〜1日前〜 ……ポッチャン 「豆腐を落とさないでください、汚いお方」 慣れた手つきで鍋から飛び跳ねた汁を布巾で拭きとりながら、10代中ごろと思しき少女…アルカディアが対面に座る男に目を向ける。 視線を受け止めるのは30台と思しき目つきの鋭い男。鍛えられた肉体と、鋭い雰囲気から所謂『武人』と呼ばれる人種を連想させる。 「………いつもと違うのだが。普段のものより崩れやすい」 目の前で人が血を流して倒れても眉ひとつ動かさないであろうテロリストの長だが、手に持った箸の上に3分の1程残った豆腐を見つめる姿はやや悲しげにも見える。 「いつもの物が売り切れだったのだから仕方ありません。我儘を言わないでください、子供のような御方」 「……………」 ゆで卵と豆腐は固いに限る、が鷹目のちょっとした拘りなのだが、ここでそれを口にするのも大人げないので黙って落ちた豆腐の掬い直す。今度は慎重に。 「……………」 何が可笑しいのかくすくす笑っているアルカディアを無視して豆腐を口に運ぶ。 いつもよりは少し柔らかいが、それでも確かな口当たりが…… 『来客デス』 無機質な音声が響き、ヘアのドアが開く。入ってきたのは人間離れしたメタリックブルーの髪の毛と美貌を持つ女性… 「失礼、食事中か」 「MkUさんですか。貴方も如何ですか?美味しいですよ、鍋」 もちろん合成物ですけど、とアルカディアがミトンを装着した手で机の上を示す。 「そうだな、では相伴に」 「待て。………お前はアンドロイドだろう。それより何の用で来た」 今まで豆腐を味わっていた鷹目が口を開く。 「そうだった。件のバトリング選手誘拐事件の次の当てが判明した。明日、マクハリコロッセオ」 「………犯人は?」 「相変わらず不明だ。どこかの企業絡みには間違いないはずだが」 鋭い目に力を宿し、鷹目が立ち上がる。その姿は正しく戦場に赴く武人そのもの。 「……この目で確かめる。集められる者だけ集めろ。夜天光、出るぞ」 「畏まりました、勇ましい御方。仰せの通りに」 鷹目に愛用の刀を差しだしながら、少女は微笑んだ。 [No.191] 2011/05/01(Sun) 00:39:53 |