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●貴沙羅設定補足〜過去のお話〜● 幼い頃から地球で暮していた貴沙羅(ザラ)には地球人の友達が居た。 知り合った切っ掛けから、酷いものだった。 『彼』は貧しく、それ故に姿や着衣も綺麗とは言えず、同じ地球人から差別と陰湿な苛めを受けていたのだ。 種族的な価値観として、平和を愛するルパーツ星人であり……まして元来お節介焼きな所のあった貴沙羅は、他が距離を取る『彼』を助け、その友として『彼』を迫害する事も無く暮していた。 『彼』を護っていく事は貴沙羅にも周囲の心無い言葉や視線が向かう事であったが、貴沙羅は自分が正しい事をしているという自負があったし、『彼』が心優しい性格であった為、その生活にも耐える事が出来た。 ただ、一つだけ心配事が貴沙羅にはあったのだ。 自分はレイオニクス――怪獣使いなのだ。 まるで運命に導かれるようにして貴沙羅は怪獣召還機であるバトルナイザーを手にしていた。 まだ幼い少女には手に余る力であったし、平和を愛するルパーツ星人である彼女には縁の無い『武器』であった。 それを使う事は生涯に一度たりと無いだろうと思いながら……貴沙羅はそれを手放す事が出来ないで居た。 ある日の事だ、『彼』は貴沙羅にある夢のある話を聞かせてくれる。 土管に描いた怪獣『ガヴァドン』が宇宙から降り注ぐ神秘の宇宙線によって、実体化して姿を現すという……子供に夢を与える、そんな話だ。 「自分も怪獣を出してみたい」と言う『彼』に貴沙羅は不吉な予感を憶えた。 怪獣というのは破壊の権化だ、人の良い『彼』がその破壊の権化を望む事を不吉に思ったのだ。 だからこそ尋ねた、「怪獣なんて出して、どうするのか」と。 貴沙羅は『彼』が復讐心にかれれている事を案じたが、それはまったくの杞憂だった。 「どうもしないさ、僕は高価な物は何も持っていないけれど、怪獣を持っていたら自慢できるじゃないか、それだけで良いんだ」 「それだけで良い」と『彼』は繰り返して呟いた。 貧しい『彼』は何一つ高価な物を持ち合わせていない。 そんな彼が怪獣を望む事は、男の子としては当然の事だったのかもしれない、何も持たない彼は、怪獣という日常をかけ離れた存在に己の夢を預けているのだ。 貴沙羅はそれを感じ取り、いつか『彼』に怪獣を見せてあげたいと思うようになった。 それが間違っていると判っていながら、彼に怪獣を見せてやりたいと願うようになったのだ。 [No.207] 2011/05/01(Sun) 19:55:06 |