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結果として、地球人は貴沙羅の期待を裏切った。 貴沙羅が街を襲ったドラコを撃退した事など関係ない、彼女の言い分さえ聞き入られる事が無い。 街の住人は手に武器を持って彼女を追い回した、怪獣を操る宇宙人は、地球人にとってそれだけ鮮烈な恐怖として認識されていたのだ。 昨日まで普通に会話をしていた地球人が、包丁や鎌を持って彼女に迫り――警察官まで、彼女に銃を向けた。 何がいけなかったのだろう、と貴沙羅は思う。 本当に、ただ助けたかっただけなのに、何がダメだったのだろうと問いかけるも、それに答える者さえ居ない。 もうダメだと思った、殺されてしまうと思い、怪獣と対峙する以上の激しい恐怖が貴沙羅を襲った。 「僕だ!、あの怪獣を呼んだのは僕だ!」 そこに、『彼』が来た。 『彼』だけが貴沙羅を助けに来た、その言葉には何一つの説得力も無かったのだが、恐怖と狂気に支配された人々は――――。 『彼』を、殺してしまった。 銃で撃たれたのだ、『彼』自身が驚いたような顔で、自分の胸に空いた穴とそこから溢れる血を見ていた。 スローモーションのように流れる時間の中で、貴沙羅は絶叫した。 もう、良い。 もう、判った。 もう、どうでも、良い。 貴沙羅は手にしたバトルナイザーを握り締めた。 バニラを呼ぼう、そして地球人達に自らの行ないを後悔させるのだ、後はもう知らない、もう、どうでも良い、そう貴沙羅が自棄になった時――。 「……ガヴァ……ドン」 『彼』の最期の願いが届いた。 それは賭けにもならない、『彼』が軌跡を願って壁に描いた落書きが起こした奇跡だった。 「うわあぁぁっ、また怪獣だぁ!?」 まるで“はんぺん”に手足の生えたような怪獣がそこに現れた。 ガヴァドン――――『彼』が描いた落書きは、『彼』が話した夢のある話のように――――こうして、実体を伴って姿を現したのだ。 ひどく手遅れの――奇跡だった。 [No.209] 2011/05/01(Sun) 19:56:29 |