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眼前に立ち塞がる蜘蛛ヤミー……いや、蜘蛛男ヤミーと言うべきか……に相対し、ディレイドは油断なく構えた。 「改造人間をベースにヤミーだと……聞いたこともないぞ、そんなこと」 いや、『聞いたこともない』のではない。複数の世界の超常を複合させる、そんなことは『やってはいけない』のだ。 接着剤で粉々の破片を固定したように辛うじて安定した融合した次元……それが、再びバラバラになりかねない。そんな禁忌だ。 止めなければならない。 「とはいえ、まずは目の前の敵か!」 蜘蛛男ヤミーが振り下ろす、刃のように鋭い前脚の連撃を辛うじてライドタブラーで打ち弾く。 ディレイドブラストはどうにか怯ませることは可能だが、有効打には至らないらしい。……やはり、接近戦しかないか。 「しかしFARは使いきっちまったしな……っと」 あにはからんや。新たなライダーカードが排出され始めた。 「……いいヤツ、来いよ!」 カードを引き抜く。 絵柄は――――。 「ああいうデカブツとはやりあったって言ってたっけな……頼むぜ、麻生先輩!」 仮面ライダーZO! 「変身!」 ――KAMEN RIDE...ZO! ディレイドライバーから展開された光の板がディレイドの全身を包むや否や、その姿が全く異なる……濃緑に彩られた仮面ライダーに変貌する。 「よぉっし……!」 迫る、ディレイドを串刺しにせんとする前脚をチョップで叩き落とし、懐に飛び込む。この手の相手は強大過ぎる脚のおかげでリーチの内側は留守になりがちだが、蜘蛛男ヤミーも例外ではなかった。 「でぇぇぇぇりゃあああっ!」 続けて腹に向けてパンチを連打。見計らったように排出されたライダーカードを引き抜き、一際強力な一撃で怯ませたところを装填。 ――ATTACK RIDE...ZO! 「RIDER PUNCH」 「ライダァァァ……パンチッ!」 炸裂した輝く右拳が、ヤミーの左肩を粉砕した。 じゃらじゃらと飛沫のように流れ落ちるメダルを、本能ゆえにか抑えようともがいた。 「と……どめぇっ!」 押し挟むような両腕をすり抜けて蹴り上がり、ディレイドはヤミーの上まで飛び上がった。 口顎部のブレイクトゥーサーが展開し、後頭部から余剰した気を放出。 排出されたカードは、図ったようなFAR。 ――FINAL ATTACK RIDE... Ze Ze Ze Z O! 「ライダー……キィック!!」 一条の光矢と化したディレイドが、厚さ60mmの特殊合金板を粉砕する威力で以ってヤミーの胸を貫いた。 その25mに達する巨体がメダルの滝と化して崩壊し、あとにはその人工筋と骨格が露出した無残な姿の蜘蛛男……いや、伊田須和男だけが残る。 変身を解き、ディレイド……写楽映は伊田を締めあげた。 「おい、しゃっきり起きろ!なんでSPIRITSを襲った!……あのシルクハットは何者だ、おい!」 問うては見るものの、反応は薄い。ディレイションブラストとライダーキックの影響ばかりとも思えなかった。 明らかに内的な要因で衰弱死しつつある。 「くが……さき……病院……」 「久我崎病院?」 問い返した傍から、掴みあげた襟までが分解され、粘液同然になって崩れて落ちた。 「……結合……点……」 最後に言い残せたのは、それだけ。 伊田の身体は見る見るうちに溶解し、白い泡のようなものになり果てる。その残骸さえ、すぐに気化し――結局、伊田がこの世に存在した証は、何一つ残らなかった。 改造人間の末路とはそもこういうものだ。 「久我崎病院……」 未だ呻くだけのSPIRITS隊員たちを見る。 「こいつらの目標も、そこだったのか」 写楽は腰から外したディレイドライバーを握りしめる。 「『結合点』……」 [No.221] 2011/05/01(Sun) 21:15:53 |