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「あの動き……」 剣を交えた相手を想うのは久しぶりだ。 闇の中、赤黒いAWの動きを脳裏に描く。 一合、二合、三合…… そして四合を持って勝負は中断を迎える。 「…………」 達人、と呼べる。 状況に合わせた判断力。 武器の特性を把握した動き。 そして何より、戦い方に『型』を持っていた。 何十、何百という戦いの中で磨き上げられた、本人に最も合致した攻め手・守り手。 絶対の信頼を持つことのできる『型』を持っていた。 故に、達人と呼べる。 「…………」 だが違和感を覚える。 迷いが大きかった。 一瞬一瞬の攻防において、達人と呼ぶに相応しからぬ間があった。 腕も判断力も一流。しかし、そこだけまるで凡庸な使い手のようなチグハグ。 だから違和感を覚える。 あの機体は…… 『――方、寡黙な御方』 「……アルカディアか」 思考を中断して目を開くと、眼前。至近と言える距離から黒髪の少女が鷹目を覗き込んでいる。 「声をかけるまで気がつかないなんて珍しいですね、無防備な御方」 くすくすと笑う少女に対し、鷹目は表情を動かさない。 「………用件はなんだ」 「早速動き出しましたよ。場所は闘戯運営委員会所属の施設、AWやPGを持ちだして派手にやっていますよ」 「随分と思い切った手を打つ。事を荒立てることに躊躇いなしか」 立ち上がる鷹目を見ながら。 貴方が言う事ではありません、と笑う少女だが、口から出るのは異なる言葉。 「準備は出来ていますよ。我慢のできない御方」 ● 高層ハイウェイから黒いPGが戦場を見下ろす。 「状況は?」 黒いPG、鷹目が着込んだ黒椿の内部に声が響く。 『バトリングのランカー達が善戦しています。ですが、運営委員会の内部の敵らしく今一歩組織立った反撃は出来ずに押され気味ですね』 「都合良く混乱しているという訳か」 黒椿のカメラが戦場を捉える。 ランカーと思しき軽量・中量の2機のAWが、赤黒いPG5機と戦火を交えている。 『中量ランカー『RYO』の『Noir』と軽量チャンプ『Otak』の『窮鼠』ですわ、無知な御方』 同じ映像を見ているアルカディアが注釈を入れるが、鷹目は聞き流し余所に目を走らせる。 施設内部数か所と、施設周囲で戦火が上がっている。 「夜天光は移設の周囲から襲撃者を押さえろ。お前は襲撃者の出所を洗えるだけ洗え」 『畏まりました、人の話を聞かない御方』 「通常リミッター解除、黒椿戦闘起動。往くぞ」 刀を携えた巨大な人型は、跳躍。ハイウェイを砕きながら宙に舞う。 戦場に躍り出るために。 [No.253] 2011/05/03(Tue) 21:09:20 |