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マシンガンから放たれた光の点線が建物の壁を薙ぎ払う。しかし放たれた殺意は敵を標的を捉えられない。 一拍。 破壊の連弾に耐えかねて崩れ始めた壁の陰から黒い巨体が飛び出す。地を蹴り、破壊の跡を後方に。 躊躇い無く進むその姿を再度放たれた弾丸の軌跡が追いかけるが、届かない。銃弾は黒い巨体の影を薙ぎ、瓦礫に更なる破壊を撒き散らすのみ。 それとほぼ同時。 風と共に翻った鋼の煌めきは1度。甲高く、硬質な音と共に赤黒いPGの胴体を切り裂く。 崩れ落ちる上半身が握ったままのマシンガンから放たれた銃弾が虚空を撃ち抜く。 「これで3つ………」 周囲に敵影なし。黒椿が刃を納める。 既に1つ、破壊したPGの残骸を夜天光が確保した。アルカディアが分析の準備を進めている。 遠からず、襲撃者の身元は明らかになるだろう。 口に出すことはないが、鷹目はアルカディアの腕をその程度には評価している。 ならば鷹目がすべきは 「……この戦場を終結させることだけだ」 センサーが付近の戦闘を捉える。至近で戦闘が2つ。 「これは……あのAWか」 鷹目の表情がわずかに動く。 自分の仕留めきれなかった赤黒いAWと、それと戦うもう一機のAW。どちらも興味がある。 「……往くぞ、黒椿」 そして歩を進めた鷹目の見たものは――― ● 「……見事だ」 赤黒いAWの曲芸にも近いバク転を回避し、落下物を完璧に利用しての一撃。 それを鷹目は近くの建物の影から目撃していた。 軽量級のAW……確か、軽量級チャンプとアルカディアが言っていた。 「……………アルカディア」 『はいはい、何の御用ですか』 通信回線を開く。 「状況は?」 『被害を出しながらもテロリストは押され気味、といった所です。元々数が多くありませんから、遠からず、戦闘は終わるでしょう……あら?』 鷹目の顔を見たのか、モニター越しの少女の笑みが微かに深くなる。 『いったい何をお考えですか、見境のない御方』 「……昔の血が騒いだ。久しぶりに腕試しをしてみたくなった」 表情一つ動かさない鷹目に、少女は肩をすくめる。 『はぁ……お好きにどうぞ。ただし程々になさってくださいな』 「わかっている。……いくぞ、黒椿」 黒椿がゆっくりと軽量級AWの前に前進する。刀を構える姿は闘争の意思を告げる合図。 『まったく。今はあなただけの体では無いという事を忘れないでくださいね、子供の様な御方』 [No.258] 2011/05/03(Tue) 21:15:59 |