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「何故バトリング会場なのにバトリングしていないの?」 ティム・アンダーソンは対応に苦慮していた。既に40半場、無意識に近頃めっきり薄くなった頭を掻く。 「ですから、昨日あの様な事件が起きたばかりですので……」 ティムは闘戯運営委員会の役員だ。バトリングの運営、開催に関する意思決定を行うメンバーの一人で、彼の言葉一つで中小企業が揺らぐ事だってある。 「そんな事あったの?」 つまりは重要人物だ。 本来ならばクレーム処理など彼の仕事ではない。もっともっと下の者の仕事だ。 「はい。昨日、委員会の施設が襲撃されています。犯人は何処かの企業体とテロリストだとか、そうでないとか。表向きはただの事故ですが」 その彼が。 こんな……こんなトップニュースも知らない様な世間知らずの小娘の相手をしなければならないとは……! 「ふぅん……でもバトリングとは直接関係ないわよね」 普段ならば「お前にこそ関係の無いことだ」と切り捨てるティムだが、今日はそうもいかない。 内心を見せることなく、丁重に相手をする。 「いえいえ……また同じことが起らないとも限りませんので、安全のためにも……」 何しろ相手はこの世界の特権階級、ティムですらも立ち入ることの出来ない星界の住人、天上人なのだ。 絶対に機嫌を損ねる訳にはいかない。例えそれが、どんなに道理のわからないガキだったとしても。 バトリングファンだと通ってきた時にはしめたと思ったが、子供はこうなると面倒だ。 「でも………」 「ですから………」 ティムの長い一日は始まったばかりだった。 [No.261] 2011/05/03(Tue) 21:18:17 |