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舞子を病院へと送る救急車を見届けた後、マリナは康一等と合流して七貴邸へと戻っていた。 道すがらマリナは康一の腕の損壊を見た。 既に診断は済んでいる、止血と痛覚遮断の処置を施し、傷を隠すようにコートを羽織っている。 対峙した狐耳のサーヴァントとそのマスターを倒さなかった事について、康一は何も言わなかった。 否定も肯定も無い、ただ「そうか……」と呟いただけだ。 彼自身の消耗が大きい為だとマリナは思ったが、今回の戦いでお互いに令呪を一つ使ってしまい、またサーヴァントの宝具の開示までしてしまっている。 後悔は無い、だが損失も大きかった、康一が押し黙るのも無理は無い事だとマリナは思ったのだ。 得たモノもある、マリナの英霊の真名とクラスはライダーである事が判明した事だ。 彼は架空の英霊、聖書に次いで全世界で発行された物語の主人公だ。 エル・キホーテ。 より通りの良い名ではドン・キホーテと呼ばれているのが、彼だ。 狂気に陥り、自らを騎士と思い込み、痩せたロバに跨って、農夫を従者として連れた、騎士道狂。 しかしドン・キホーテは架空の存在だ、人の想念は架空さえ英霊にしてしまうのか、それとも今回の偽・聖杯による影響かはマリナにも判らない。 だが、納得はあった、彼の召還をマリナは触媒をもちいずに行った為、呼び出される英霊は“彼女と最も似通った”英霊である筈なのだ。 あぁ、と納得する思いがマリナにはある、架空の騎士は、虚実とは切り離せない自分にはピッタリだと、そう思ったのだ。 ――と、すれば、あの深紅の夢の主もまた――。 ● 「それで、私は手伝っても良いの?」 七貴邸のリビングへと戻った康一にまずマリナは尋ねた。 無論、康一が負った損壊に関しての事だ。 あの戦いの折、康一を診ていたマリナは英霊2名に先んじて彼自身から彼の身体の事を聞いていた。 彼の身体を修繕する、という事は彼の持つ礼装を扱うという事に他ならず、魔術を秘匿せねばならない魔術師にとっては自らの手の内の開示に他ならない。 マリナがこうして尋ねるのはそういう事だ、いかに同盟関係とはいえ、おいそれと手を触れて良いものでは無いのだ。 彼の身体についての説明もそう、これは、彼の口から語られねばならない。 負傷を負っていた英霊達の治療はマリナが滞りなく行ったのだが、傷が癒えてもランサーの顔が浮かないのは康一の為だ。 ライダーは既に霊化して控えていたので、その場に居た2名の女性の視線が康一の顔へと注がれた。 彼からの説明と、返答を待つ視線だった。 [No.353] 2011/05/24(Tue) 21:57:20 |