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「キャスタアアアアァァァァ!!」 「バーサーカアァ!」 廃モールに二人の術師の声が響く。 細身の英霊が燃え盛る玉を打ち出せば、バーサーカーのマスターが棒の先から出る水流で消しつくす。 水蒸気が白く煙る中を、同じく白い髪の少女が走る。 その手には、不釣り合いなほど巨大な段平。 『キャスター』が巨大な火の玉を放つ。 バーサーカーのマスターがひときわ大きな声で叫んだ。 「跳べ!」 次の瞬間、地を蹴ったバーサーカーの体を強烈な水流が空へと押し上げた。 『キャスター』が空を見上げ、杖を掲げる。 しかし。 「いかん!」 今度は『キャスター』のマスターが叫んだ。 空涯に破られた天井から、眩いほどの光が振った。 それは『キャスター』の為した技だったが、しかし、宙に居るバーサーカーに逆光という有利を与えてしまう。 「その首を喪門に晒せ!暗君!」 見ればバーサーカーの腕の太さは倍ほどにも膨れ上がっている。 その野蛮な膂力を十二分に引き絞り、バーサーカーは、『キャスター』に向かって剣を振り下ろした。 ―――― 時は、三十分ほど前。 「悪いな、こんな時間で。」 「問題は無い。昼には太陽が、夜には星が、それぞれわたしに味方してくれる。」 小太りで背の低い男と、やせぎすの背の高い男が二人、並んで歩いていた。 「あれだ。」 小太りの男が、橋口圭司とバーサーカーの砦を指さす。 使われていないはずの駐車場に、何台もの車が止まっているのが見えた。 「あれが、まずは一つ目。」 「うむ。」 ―――― 「おのれ……!」 怒りに燃える眼で、バーサーカーが『キャスター』を睨みつけた。 『キャスター』は剣が届くすんでのところで、飛びのいていたのだ。 「……。退くぞ『キャスター』。」 『キャスター』のマスターの腕は、微かに光っていた。令呪を解放した証だ。 「どうやら思った以上に相性が悪い。」 「逃がすと思うかよ!」 橋口が槍の穂先を向けるが、小太りのマスターが古びた紙を広げると、彼らの姿は掻き消えた。 「……キャスターか。」 橋口は三尖刀を地に着くと、未だ残る白い蒸気の中、ふうと息を吐いた。 [No.359] 2011/05/24(Tue) 22:01:20 |