![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
「本当に此処でいいんだな?」 指定されたホテルの前に車を止め、問いかけてくるライダーに勇治が頷く。 「あぁ、天川は比較的濃い混血だからな。普通の病院は避けた方がいい」 交わったモノの違いもあるんだろうが、いまだ強力な異能が発現する遠野に比べれば薄いんだが、それでも一般の病院は不味い。 そう言っても、混血についてそこまで詳しくはないマリナは納得しきれない様子を隠しきれない。 「宝具使っての半分蘇生ですから、あとは治癒促進(リジェネレーション)を全開にすれば平気ですよー」 血がちょっと足りないんで貧血気味かもしれませんが。 衣装変えもステッキの顕現もしないままの転身をした状態でルビーが問題なしと太鼓判を押す。 「ルビーで足りたい分は、元々俺が持ってきたものがある。俺用だが、アサシンが手を加えれば問題ないはずだ」 「……そうですね。アレをああすれば…はい、お任せくださいご主人様!」 勇治が用意していた医療品を思い浮かべて、なんとかなると判断したアサシンはポンっと胸を叩く。 「そういうことだ。ただ俺達は希に付きっきりになるから教会への説明は頼む」 「そういう、ことなら」 渋々という風にマリナが頷くと、その了解を得てアサシンが希を背負って車を降りる。 勇治とアサシンが視線をあせて、軽く頷きあうとアサシンはそのまま先にホテルへと入っていく。 「さて、とりあえず確認だ。黒化英霊とあの血管に関しては同盟だ、それはいいな?」 「えぇ、それはいいけど」 「あぁ、だが通常の聖杯戦争に関しての同盟じゃない。無論、一般人に手を出すようなマスターやサーヴァント相手なら喜んで手を貸す」 聖杯戦争に関しての同盟じゃない。その一言にマリナとライダーの表情が真剣なものになる。 「元々俺は巻き込まれた口だ、聖杯に対する願いはない」 「なら……」 「だが、黒化英霊に対抗する為の戦力としてサーヴァント召喚を試みて、あいつはそれに答えてくれた」 マリナの言葉をさえぎり、そのまま勇治は話を続ける。 「黒化英霊退治なんてサーヴァントに一文の得にもならないことにあいつは力を貸してくれた」 勇治の脳裏に、つい先程のマスターである自分の制止を振り切って血管獣に立ち向かったアサシンの後ろ姿が移る。 あの血管獣と対峙して、なおかつ自分達を庇うように戦った、あの背中を思い出す。 「俺はあいつに感謝してるし、その恩は返したい。つまり、俺はあいつの願いの為に聖杯戦争を戦う」 「……それって、宣戦布告?」 マリナの険しい口調と表情にも、勇治は真剣な顔を向ける。 「そう取っても構わない。 黒化英霊や血管と戦うのは天川としての使命。 聖杯戦争を戦うのはあいつのマスターとしての義務と、あいつの願いを叶えてやりたいという俺自身の我儘だ」 言って、勇治は内心苦笑する。 個人的な感情から来る我儘など一体何年ぶりだろうか、しかも命懸けの我儘だ。我儘に命を賭けるなど次期当主として失格だろうなと思うが、それでもいいと思う自分に軽く驚く。 「勘違いしないで欲しいが、黒化英霊や血管の件が片付くまでそっちと敵対するつもりはない。ランサーにそのマスター、それとお前には希を助けてもらった借りがあるしな」 話はそれだけだと言って、連絡先として携帯の番号を書いたメモを渡して車を降りて、勇治は振り返らずにホテルへと入っていく。 [No.378] 2011/05/24(Tue) 22:20:10 |