![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
足元から床を突き破り槍の穂先が生える。 寸でのところでそれを避け、跳びのいた先の金網をぶち破って、浮遊感に身を任せる。 配線などが張り巡らされた天井上の整備用通路から勇治が落ちてくるのと同時に、そこに待ち受けていた英傑達がそれぞれの武器を突き出そうとして、金縛りにでもあったように不自然に動きが止まる。 英傑達と眼を逸らさぬまま着地すると同時、獣のような俊敏さで駆け、その手に持った干将と莫邪で英傑2人の喉をそれぞれ切り裂き、一番奥にいた最後の一人はおそらくは自慢だろうその鎧を十字に裂かれ、自身を襲った刃を鎧で受け止める事が出来ずに深々と致命傷を受けて霧にように消えていく。 「……これは、完全に気付かれたな」 「気付かれたな、じゃないですよご主人様!」 勇治が落ちてきた金網が破られた穴からぴょんとアサシンが降りてくる。 「なんでサーヴァントより先にマスターが敵前に飛びだすんですか!」 「あー、いや…すまん。いけると思ったんだ、実際に出来たしな」 そう言って、勇治は干将莫邪を握る自分の手を見つめる。 薄々感じてはいたが、今の攻防とも言えぬ一方的な戦いで確信した。自分の能力が上がっている。 おそらくは狐の混血である自分が、玉藻の前であるアサシンと契約してる為であろう。混血としての力がこの湖底市に来る前とは比べ物にならないほど向上している。 束縛の魔眼は目を合わせ発動させた途端、英傑達に一切の行動を許さなかった。 身体能力も、単純な腕力の向上は然程でもないようだが、こと俊敏さでは成り立ての死徒ぐらいになら匹敵するのではないかと思う程になっている。 オマケに急に向上したそれらに振り回されることはなく、本能的に制御しているのが空恐ろしい。 「にしても、低ランクの宝具と言ってたが……とてもそうは思えなかったぞ」 あの英傑達を一蹴出来たのは武器の性能も大きい、以前の刀と短刀ではこうはいかなかっただろう。 最初の急所の喉を狙った二人はともかく、最後にどの程度効果があるのかが試す意味でも振るった鎧を纏った胴体への斬撃、まさから鎧を切り裂いた上で致命傷を与えるとは思ってもみなかった。 「あ、確かに思ってたより強いですね。 具体的にはゲイボルク級の宝具じゃないですか?」 また、さらっと凄い事を言われたが今は気にする暇はない。 精々武器の強かった幸運に感謝するとしよう。 「それにしても、術を使い、英傑を従える中華系の英霊…か」 今倒した3人がサーヴァントとは思っていない。おそらくは召喚系の宝具かスキル持ちの英霊。 「張角……いや、違うな」 あの3人は黄巾には見えなかった。 術を使い、英傑を従える中華系の英霊。この条件なら、おそらくは反英霊に当たるだろう。 ますます持って厄介な相手だ。 だが、束縛の魔眼が効いた。 全員が全員に効くと思うのは危険だが、それでも召喚された英傑は勇治でも十分対処が可能だ。 推定キャスター本人には効果はないのは確実だろうが、不意を突けばキャスターのマスターを単独で葬る事も可能だろうと思う。 「……あれこれ考える暇はないか、既に3人倒したのはバレたはずだ。 今まで通りアサシンは術的な罠を頼む、物理的な罠は俺が対処する。いくぞ!」 「了解です、ご主人様!」 返事と共に気配を消したアサシンを従え、勇治は通路を駆け出した。 [No.420] 2011/06/02(Thu) 20:32:16 |