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「まさか、あの格好以外の服を持ってないとは思いませんでした………」 名前も聞いてないあの騎士に着替えてほしいと頼んだ所、これ以外に服の持ちあわせがないとの返事。 しょうがないので、店の中に待たせてユニクロに走って、今がその帰りだ。 「明らかに街中を歩ける格好じゃないですし、どうやってここまで来たんでしょうか……」 それなりに永く生きているので考えるアテはあるものの、絞りきれないのが実情である。 とりあえず尋常の手段はないのは確かだと思っている。そうじゃないと、あの格好でここまで来ることは不可能だ。 「とりあえず、この代金はちゃんと払ってもらいましょう」 決意を込めて、一人頷く。 ただでさえ少ない収入の一部が削られているのだから、それはそれで当然の思考だろう。 ユニクロが低価格路線を突き進んでくれているのは、不幸中の幸いだ。 そしてもうひとつ考えることがある。 この事を誰かに相談するか、それともしないかだ。 正直、相談するにしてもこのまま放置していくことになるので案内すると言った手前、それはあの人に悪い。 公衆電話から安曇に連絡を入れようかとも思ったが、よく考えたら電話番号が分からない。 常連ではあるが、親密な仲という訳ではないのだから仕方がない。 「どの道、そのまま案内するしかないってことですか………そこはしょうがないですね」 さて、次に悩むのがどこに案内するか……なのだが、実はこれもあまりアテがない。 何せ妖怪特区なだけに、ここに行けば確実に妖怪に会える!と言う場所が多すぎるのだ。 思いつくだけでも、喫茶店、公園、繁華街のホテルなどなどと、妖怪の居そうな場所には事欠かない。 他の都市ならば、あからさまに妖怪の集える場所も少ないのでアタリをつけて虱潰しにいけば、見つかる可能性も高いのだが……その場合は、居る場所を探す方が面倒になるためトントンかもしれない。 とりあえず、悩んでいてもしょうがないので服を届けて、着替えてもらってから探し始めるしかない。 「そう言えば、探している許婚の人はウンディーネなんだから水色の髪の人を見なかったかを、駅の方から追いかければとりあえずは大丈夫でしょうか?」 一条の光明が見えた気がしてきたので、心持ち気分が軽くなりながら店に急ぐ。 だが、店に入る直前になって思い出したことがあって、また気が重くなる。 「………あの剣、どうやって隠しましょうか………」 [No.486] 2011/08/04(Thu) 00:09:07 |