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薄暗く小汚いゴミの散乱する部屋の中で、そんな部屋に似合わない薄汚れた白衣を纏った13歳ぐらいに見える少女が震えていた。 彼女はカタカタと震えながら信じられないものを目にしたように視線を宙に這わせ、カチカチと恐怖に歯を鳴らしていた。 「ぁ…ぅ……う、そだろぉ…誰だよ、こんなもん考えた馬鹿野郎はぁ!?」 そう吠えながら、机に置かれたウォッカのビンを手に取り口端から零れるのも気にせずに一気に飲み干し、乱暴に壁に叩きつけるに空き瓶を投げる。 ビンの砕ける音にさえ、苛立つように少女はその容姿に似合わず口汚く罵りを上げる。 「かぁー!くそっ、繋がらねぇ!? 旦那っ、俺だっ…ロングイヤーだっ!!」 手にしたデータを、いまだ絶滅せぬ紙媒体に移しながら彼女は連絡の繋がらぬ依頼主に泡食ったようにメッセージを送る。 「あぁぁ! 金はいいっ、すぐに情報は渡す!! その代わりに俺が高跳びする用意をしてくれぇ。場所は上海から遠けりゃ何処でもいいっ! なんなら地球の裏側にでも行ってやるぅ!?」 叫びながら、移し終えた書類と一部の貴重品を鞄に詰め込め、すぐさまこの場から引き揚げる用意を済ませていく。 何かに脅えるように、否…彼女、いや彼は確かになにかに脅えていた。 「例の場所で待ってるからなっ! 此処は引き払うっ、これ聞いたらすぐに接触してくれぇぇ!」 ハァハァと息を荒らげ、メッセージを転送し終え鞄を抱えてドアを勢いよく開け放ち、歪んだ活気に満ちたスラムへと駆け出そうとして、爆風に煽られ無様に転がっていく。 「ア、ガァァッアアァ!?」 右肘から下が消失し、それでも爆心地に目を向ければ、つい一瞬前まで己がいた部屋が消えうせ多くのスラム民が悲鳴を上げて逃げまとっていた。 持っていた鞄も炎の中に見つけて、すぐさまそれを諦め彼女は逃げまとう者達に紛れてその場を離れようとする。 「クソッが……幾らなんでも早すぎだろうが…あぁぁ、毎度毎度消されてたまるか、今度ぐらい…逃げ延びて、やるぅ!」 無くなった右腕の付け根を左手で押さえながら、ぼろぼろになった身体を引きずるように人混みの中へと消えていく…… 燃え盛る炎の中、ブチ巻かれた鞄の中身は散乱し燃えていく。 その燃え逝く書類の一枚に、確かにそう記されていた……… ―――プロジェクト End Rank [No.81] 2011/04/30(Sat) 22:38:27 |