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「うーん……実際に自分で体験したことだけど、未だに実感がわかないよ……」 その日、上山小雪はブシドー租界へを足を運んでいた。部活で使う新しいサッカーシューズを見繕うためだ。 アームズストリートでもシューズは手に入るが、小雪の愛用するメーカーの物はブシドー租界にしか置いていない。スポーツ用品に関わらず、ここには職人が拘った逸品が多い。 「しかし、全て現実です。電魎と呼ばれる電子的存在と霊的存在の複合存在。人に仇なす電魎を止めることができるのは」 「キュアセイヴァーズだけだっピ! だから、二人で力を合わせて戦うっピよ!」 小雪の隣を歩いていた少女――黒須京が口を開き、さらにその傍らを浮遊していたファンシーなぬいぐるみが次いだ。 「正確には、電子的攻撃と霊的攻撃を同時に行うことが可能なら撃退は可能です。」 「それが出来るのが、私たち、ってことなのね……」 淡々とした京の様子と対照的に、小雪の表情は暗い。偶然暴れる化け物と戦う少女という場面に出くわし、偶然目の前に吹き飛ばされた少女を助けようとしたら、いつの間にか自身が変身して少女とともに化け物と戦う羽目になったのだ。おまけに…… 「キュアセルフォンには小雪のデータが登録されたから、キュアスノーには小雪しか変身できないっピ!」 だそうである。数日前までは平凡なサッカー少女であった小雪には、いささか唐突で受け止めがたい現実ではないか。 「確かに、何があってもおかしくない世の中だけどさぁ……」 「……。巻き込んでしまったことは申し訳ありません。しかし、あの場では貴女に協力してもらうしか選択肢はありませんでした。それに……」 「それに?」 京が口を開こうとした瞬間、爆音が響いた。 「地図見せてっ! ……じゃない! な、何……?」 突然轟いた爆発音と衝撃に、イライザ・F・霧積は無事現世へと帰還を果たした。 音のした先を見れば、テレビや冷蔵庫などの廃品を無理やり寄せ集め強引に人型にくっつけたような、異形の物体が暴れている。 状況がよく飲み込めないまま息を潜めて様子を伺っていると、異形の前にイライザより少し年下に見える少女が二人立ちふさがる。 『キュアセイヴァーズ・トランスフォーム!』 二人は光に包まれたかと思うと、ドレスのような服を纏い異形に戦いを仕掛けた。 その跳躍力、膂力は常人のそれをはるかに凌ぐ。 「ええと……この場合どうすればいいのかな?」 イライザの声は、再び巻き起こった爆音に消えた。 [No.92] 2011/04/30(Sat) 22:46:19 |