詩歌藩王専用I=D【詩歌号・白夜】
はじめに この機体は素体となるI=Dを提供してくれた星鋼京の吾妻氏、友誼によって駆けつけてくれたフィーブル氏、そして思いつきで行動をはじめた鈴藤の3名が中心となり、さらにのべ人数1000人を超える国民たちの協力によって建造された。
ついでに言うと ノウハウを貯めるところから始まった建造は、10年に及ぶ長大な開発期間と具体的数字に出すのが恐ろしくなるほどの資金を消費した。 国庫が解放されそのうえに鈴藤の個人資産が投入されそれでも足りずに国民からの善意と好意による材料提供などまであてにされて建造はなんとかかんとか終了した。 すべては滅多にない藩王のわがままを叶えるためであった、とされる。
詩歌の紋章
詩歌号専用刀剣【マエストロ】
剣は武器(ないし武具)として利用するためのもので、機械要素としての刃(狭い範囲に圧力を集中する楔構造)によって対象に損傷を与えることを目的としている。 専用刀剣は実体剣であり、鈴藤が聞きかじりで持ち込んだ東国の刀作成の技術を盛り込まれている。
取り回しを考えて、実戦に使われた刀よりも短いものが作成されることになった。 機体全長の35%程度の長さで、これは人間でいえばショートソード未満、脇差程度の長さに相当する。 剣を構えた姿は楽団の指揮をする指揮者のようにも見えた。
まず、詩歌藩国内で冶金技術を持つ鍛治屋の共通職業についている者を探すところからはじめた。 このうち仕事を引き受けてくれたおおよそ50名ほどの国民たちの協力を得て作成された。
最初の一年はI=D用ではなく、人間用の刀作りが繰り返し行われた。 I=Dとは人間の延長であり、まず人間の動きとそれに合わせた武装を理解することが求められたためだ。 またI=D用の剣ともなれば生産は難しく、大型のものではコストも高くついてしまうため限られた予算を有効活用する狙いもあった。
巨大な専用工房 そもそもI=Dを製造、開発することのない詩歌藩国内にI=D用の設備があるはずもなく、これを用意するところから作業は始まることになった。 さいわいにして竜を修理した経験のある鍛冶屋もいたので、その経験とI=Dを実際に取り扱っていた吾妻氏やロボット全般の知識を持つフィーブル氏の意見も重視しながら工房は作成された。
[No.408] 2019/03/06(Wed) 12:53:03 |