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No.1108へ返信
記憶鮮明2 過去編 『 蒼 天 』
- たゆ -
2004/11/08(Mon) 21:12:22
[No.607]
└
Re: 記憶鮮明 2
- takaci -
2004/11/09(Tue) 22:39:44
[No.616]
└
Re: 記憶鮮明 2
- たゆ -
2004/11/10(Wed) 20:06:33
[No.618]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 前書き
- たゆ -
2005/05/03(Tue) 20:26:17
[No.1106]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 01
- たゆ -
2005/05/03(Tue) 20:28:01
[No.1107]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 02
- たゆ -
2005/05/03(Tue) 20:28:52
[No.1108]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 03
- たゆ -
2005/05/03(Tue) 20:29:46
[No.1109]
└
記憶鮮明 現在形の彼方
- たゆ -
2005/06/09(Thu) 23:28:04
[No.1137]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 04
- たゆ -
2006/09/05(Tue) 11:36:40
[No.1311]
└
記憶鮮明2 過去編 『voice』 05
- たゆ -
2007/03/29(Thu) 19:42:07
[No.1347]
└
記憶鮮明3 現在編 あるエピソード/この世の果て
- たゆ -
2007/03/29(Thu) 19:47:20
[No.1348]
└
記憶鮮明3 現在編 あるエピソード/境界
- たゆ -
2007/03/29(Thu) 19:50:29
[No.1349]
└
記憶鮮明3 記憶不鮮明にて無題
- たゆ -
2007/03/29(Thu) 20:25:31
[No.1350]
└
記憶鮮明3 記憶不鮮明編 風の空道《カゼノソラミチ》
- たゆ -
2007/06/18(Mon) 04:33:16
[No.1353]
└
記憶鮮明3 記憶不鮮明編 風の空道《カゼノソラミチ》
- たゆ -
2007/07/10(Tue) 17:18:26
[No.1355]
└
Re: 記憶鮮明3 記憶不鮮明編 風の空道《カゼノソラミチ》
- たゆ -
2007/11/07(Wed) 16:00:30
[No.1394]
記憶鮮明2 過去編 『voice』 02
(No.1107 への返信) - たゆ
はあはあはあはあはあ
白くなっていく路面。
既に白く煙る吐息。
薄いスウェットとジャージのズボン姿の少女が、後で一本にまとめてある髪を振り乱し街を疾走する。
最寄のバス停で待っていたが一向に来ない、駅までダッシュで駆けて行く。
麻痺し始めた交通機関が首都の雪に対する弱さを物語っていた、それは行き交う人も同じであった。
タイル張りの歩道、シャーベット状の雪、そこに溝のない靴。
雪が降れば転倒事故が多発する、車もスリップしどこかに衝突して止まる。
雪が当たり前の地方では信じられないくらい備えがない。
そしてトモコも既に数回派手にこけていた、しかしスピードを緩めない・・・その顔は必死だ。
(あと少し・・・もう少し・・・いつもならすぐなのに・・・どうしてこの日に限って雪なんか降るのよ!!)
二駅先にある泉坂は厚く暗い雪雲に覆われていた。
それから数刻前、真中家に一つの電話があった。
クラスメイトに姉を持つ友人から聞いた話しだと唯から電話があった。
電話を取るまでの真中は、受験生に終業式など関係なく最後の追い込みにおわれていた。
それが日常だった、彼が夢をかなえるための片翼の希望、もう一つの翼ははるか外国の空を飛翔しているはずであった。
暗転。
つかさの家に電話をかけた。
「只今留守にしております、しばらくたってからおかけなおし下さい」
留守電ではなかった。
暗い空の下、トレーナー上下の少年は走る。
胸を鷲掴みにされたような苦しさは正月でなまった身体が感じるものではない、虚無のうちに足は速くなる。
その手にはパリに無事到着したと報告している、つかさからのエアメールが握られていた。
(西野、西野、うそだろ・・・帰国は確か今日だったよな・・・予定じゃあ帰ってるはずなんだよな・・・西野!!!)
家は近くとも・・・遠い・・・はるかに遠い・・・。
友人を思う影が二つ、暗鬱な空の下で疾走する。
[No.1108]
2005/05/03(Tue) 20:28:52
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> はあはあはあはあはあ > > 白くなっていく路面。 > 既に白く煙る吐息。 > 薄いスウェットとジャージのズボン姿の少女が、後で一本にまとめてある髪を振り乱し街を疾走する。 > 最寄のバス停で待っていたが一向に来ない、駅までダッシュで駆けて行く。 > 麻痺し始めた交通機関が首都の雪に対する弱さを物語っていた、それは行き交う人も同じであった。 > タイル張りの歩道、シャーベット状の雪、そこに溝のない靴。 > 雪が降れば転倒事故が多発する、車もスリップしどこかに衝突して止まる。 > 雪が当たり前の地方では信じられないくらい備えがない。 > そしてトモコも既に数回派手にこけていた、しかしスピードを緩めない・・・その顔は必死だ。 > > (あと少し・・・もう少し・・・いつもならすぐなのに・・・どうしてこの日に限って雪なんか降るのよ!!) > > 二駅先にある泉坂は厚く暗い雪雲に覆われていた。 > > > それから数刻前、真中家に一つの電話があった。 > クラスメイトに姉を持つ友人から聞いた話しだと唯から電話があった。 > 電話を取るまでの真中は、受験生に終業式など関係なく最後の追い込みにおわれていた。 > それが日常だった、彼が夢をかなえるための片翼の希望、もう一つの翼ははるか外国の空を飛翔しているはずであった。 > > 暗転。 > > つかさの家に電話をかけた。 > > 「只今留守にしております、しばらくたってからおかけなおし下さい」 > > 留守電ではなかった。 > 暗い空の下、トレーナー上下の少年は走る。 > 胸を鷲掴みにされたような苦しさは正月でなまった身体が感じるものではない、虚無のうちに足は速くなる。 > その手にはパリに無事到着したと報告している、つかさからのエアメールが握られていた。 > > (西野、西野、うそだろ・・・帰国は確か今日だったよな・・・予定じゃあ帰ってるはずなんだよな・・・西野!!!) > > 家は近くとも・・・遠い・・・はるかに遠い・・・。 > > 友人を思う影が二つ、暗鬱な空の下で疾走する。
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