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No.1596へ返信

all 扉の向こう側【全年齢】(はじめに) - スタンリー - 2010/09/18(Sat) 21:16:59 [No.1593]
第一部「WEST GATE」 プロローグ - スタンリー - 2010/09/18(Sat) 21:22:17 [No.1594]
第一部「WEST GATE」 第一話 - スタンリー - 2010/09/23(Thu) 12:32:08 [No.1595]
第一部「WEST GATE」 第二話 - スタンリー - 2010/10/06(Wed) 22:47:16 [No.1596]
第一部「WEST GATE」 第三話 - スタンリー - 2010/10/17(Sun) 17:04:32 [No.1597]
第一部「WEST GATE」 第四話 - スタンリー - 2010/11/21(Sun) 08:15:00 [No.1598]
第一部「WEST GATE」 第五話 - スタンリー - 2011/02/09(Wed) 20:54:22 [No.1599]
第一部「WEST GATE」 第六話 - スタンリー - 2011/05/05(Thu) 18:05:06 [No.1601]
第一部「WEST GATE」 第七話 - スタンリー - 2011/07/03(Sun) 11:31:56 [No.1605]
第一部「WEST GATE」 第八話 - スタンリー - 2011/07/09(Sat) 19:17:25 [No.1606]
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第一部「WEST GATE」 第二話 (No.1595 への返信) - スタンリー

第2話


隆志「昔、このあたりに仲がいい恋人達がいて、二人は互いに好きあ

ってて結婚の約束をしていた。だから婚約者同士になるかな。名前は

・・えぇっと、忘れちゃったから・・・、トシとヒロコってことで。」


隆志「ある日、トシが結婚準備のため一人で町へ行く途中に、不幸にも

土砂崩れがあって、それに巻き込まれて死亡してその日のうちに死体も

見つかったらしい。」



隆志「残されたヒロコの方は、婚約者の死をとても悲しんだ。自分も彼

の後を追って死のうとまで考えたけど、友人や両親の説得でなんとか思

いとどまった。」



隆志「それから数日たって、ここの神社のお祭り夜、ヒロコの両親は祭りで

近所の家に行ってて、彼女と友人一人が一緒に家にいたんだ。そこに彼氏の

声で・・・・」



「ドン、ドン、ドン」(ドアをたたく音)




トシ「俺、俺だよ、トシだ、ドアを開けてくれ。」

「ドン、ドン、ドン」

ヒロコと友人が驚き、玄関のドアに近づく。


ヒロコが泣きながら尋ねる。


ヒロコ「トシ君、トシ君なの。」


ヒロコとが玄関のドア近くに行った時、友人が、ドアが施錠されてない

のに気づく。


ヒロコがドアノブに手を掛けたとき友人が開けるのを制止して、友人

が恐る恐るトシに尋ねる。


友人「ねぇ、トシ君、トシ君って土砂崩れがあって・・・この世には

いないんだよね。」



トシ「俺が、この世にいないって・・・死んでるかって?何言ってるんだ

ピンピンしてるぜ。現に今ここで、話してるだろう。」



友人「だって、鍵をかけてないから、勝手に開けて入れるはずだよ。」



トシ「えっ、開いてる?おかしいなぁ、開かないぜ。建てつけが悪いん

じゃないかなぁ。内側からなら開けれるかもしれないから開けてくれよ。」


友人がドアを見るが、特に建付けが悪いようには見えない。


友人が小声でヒロコに。

友人「もしかしてお札があるから開けられないのかも。」


ヒロコ「・・・・。」



友人「ヒロコ、私2階の窓から本当にトシ君が玄関にいるのかを見てくる

から待ってて、でも絶対にドアを開けちゃ駄目だからね、いい?」


ヒロコが涙を流しながら頷く。

友人が2階へ行き、二階の部屋の出窓から玄関を確認するが、トシの

姿がない。







隆志「少しして友人が窓から玄関を見たけど誰もいないことをヒロコに

伝えようと2階から戻ってみたら、ドアが開けっ放しになってて・・・。」




つかさ「ヒロコさんはいなかったの?」

隆志が頷く。


隆志「おそらくヒロコがトシに説得されてドアを開けちゃったんだろうな。」


トモコ「それって、ヒロコさんがあっちの世界に行っちゃったってこと?」



隆志「おそらくね。」



つかさ「きっとヒロコさんにとって彼が全てだったんじゃないかなぁ。

それと、彼が亡くなってから余り時間が経ってないし。」



隆志「ヒロシが亡くなってまだあまり経ってなかったから、そうかもし

れないね。

もし同じ状況でヒロコの立場だったらドアを開ける、開けない?」



トモコ「私なら絶対に開けないなぁ。」



つかさ「いいの、旦那さんの前でそんなことを言って。」



トモコ「だって親とか友達とかが悲しむもん。」



隆志「構わないよ。ただ、ちょっと寂しいけど・・・好きな人には

生きていてほしいからね。」



トモコ「つかさは?」



つかさ「うーん・・・・・開け・・・ないかな、私も。」



トモコ「つかさだってじゃん。」



つかさ「私のせいで彼の人生を終わらせて欲しくないしね。」


トモコ「彼ならどう言うかなぁ?」



つかさ「彼って、淳平君のこと?どうかなぁ・・・・開けるって

いうかも。」


トモコ「それはつかさが開けて欲しいって思ってるからじゃないの?」



つかさが頬を少し赤らめて。


つかさ「・・・うん。」



トモコ「アハハ、やっぱりそうなんだ?あんたって本当に我がままだね。自分は


開けないのに、彼には開けて欲しいなんて。」



つかさ「だって、向こうの世界なんて、どんなんだか分からないし、もし独りぼっち

になっちゃったら寂しいじゃない、だからね。」



隆志・トモコ「ハハハ。」


[No.1596] 2010/10/06(Wed) 22:47:16
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