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No.1597へ返信

all 扉の向こう側【全年齢】(はじめに) - スタンリー - 2010/09/18(Sat) 21:16:59 [No.1593]
第一部「WEST GATE」 プロローグ - スタンリー - 2010/09/18(Sat) 21:22:17 [No.1594]
第一部「WEST GATE」 第一話 - スタンリー - 2010/09/23(Thu) 12:32:08 [No.1595]
第一部「WEST GATE」 第二話 - スタンリー - 2010/10/06(Wed) 22:47:16 [No.1596]
第一部「WEST GATE」 第三話 - スタンリー - 2010/10/17(Sun) 17:04:32 [No.1597]
第一部「WEST GATE」 第四話 - スタンリー - 2010/11/21(Sun) 08:15:00 [No.1598]
第一部「WEST GATE」 第五話 - スタンリー - 2011/02/09(Wed) 20:54:22 [No.1599]
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第一部「WEST GATE」 第八話 - スタンリー - 2011/07/09(Sat) 19:17:25 [No.1606]
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第一部「WEST GATE」 第三話 (No.1596 への返信) - スタンリー

第3話



午後五時ころ淳平とつかさ二人で神社でお参りをしている。

空は次第に曇ってきて、少し遠くの方で雷が鳴っている音が聞こえる。


つかさ「もう少しで降り出しそう。」



淳平「少し早いけど、別荘にもどろうか?」



つかさ「そうね。」



淳平「でも二人はどこにいるんだ?戻ってもドアが開かないんじゃぁな。」



つかさ「安心して、合鍵を借りてあるから。」



二人が腕を組んで、別荘に向かって歩き出す。



つかさ「ねぇ、淳平君が寝ていた時にね、隆志さんがここら辺の怪談話をして

くれたの。」



淳平「怪談話・・・、で、どんな?」



つかさ「えぇっとね。昔・・・・

つかさが先程別荘で隆志から聞いた話を淳平に話す。


・・・・というわけで、ヒロコさんがいなくなってたんだって。」




淳平「ふぅん、祭りの夜にねぇ。」



つかさ「淳平君がヒロコさんの立場だったら、どうする?」



淳平「俺は・・・つかさはすっげぇ寂しがり屋だから開けちゃうかな。」



つかさが嬉しそうに。


つかさ「確かに寂しがり屋でトモコ達にもそう言ったけど・・・開け

ちゃダメだよ。」



淳平「どうして?」



つかさ「だって、今まで育ててくれた両親とか、知人とか友人たちに

迷惑がかかるし、第一悲しむじゃない。」



淳平「そうかぁ。あまり深く考えなかったけど・・・。」



つかさ「でも開けてくれるって信じてた。」



淳平「じゃぁつかさは?」



つかさ「もちろん開けないわよ。」



淳平「ひっでぇなぁ、ハハハ。」



つかさ「アハハ。でもね本当に開けちゃぁダメよ。親とか知人が

悲しむからっていうのもあるけど、何より私のせいで貴方の大切

な夢・・・映画をとることをあきらめて欲しくないの。」



淳平「・・・・。」



つかさ「それにね、私がこの世からいなくなったら私の事は早く

忘れて素敵な人をみつけて幸せになって欲しい。」




淳平「・・・早くって・・・できるわけないだろう。それに相手

だってそんな簡単に見つかるわけないじゃんか。」




つかさ「そうかなぁ。背も伸びて、格好良くなってるから。モテる

と思うんだけどなぁ。」




淳平「格好かよ。大人になっても、いつも空想ばかりしてて、お金も

ねぇ俺なんか誰が好き好んで。」



つかさ「何よ、私がもの好きみたいじゃないの、いいわそんな


淳平君がすきなのは確かだから、そうねぇ・・・東城さんな

んてどう?」




淳平が驚き声を荒げて。



淳平「な、なんで、東城の名前をここで出すんだよ。」



つかさ「ここに来る数日前に彼女に会う機会があって、少しお

しゃべりしたの。その時、あなたと一緒に映画を創るっていう

夢のために頑張ってるっていってたし。彼女なら貴方のことを誰

よりも理解してくれそうだからね。それに、学生時代好きだった

じゃない。」



淳平「確かにそんな時期があって、不安な気持ちにさせたことが

あるかもしれないけど・・・そんな、昔のこと言うなよ。

・・・俺の恋人はつかさなんだから。」



つかさが頬を赤らめながら。


つかさ「嬉しいな。」



淳平「それに、卒業して5年だぜ、東城だって誰か付き合ってる彼氏

とかいるだろうから。」



つかさ(今、誰とも付き合っていないこと知らないんだ。)



つかさ「でも、相手が東城さんじゃなくてもいいから、いい人を見つ

けてね。」



淳平「しつこいなぁ・・・分かったよ。たとえ死んだはずの君が来て何

を言ってもドアを開けないし、早く新しい彼女も見つけるように努力する。

これで満足か?」



つかさが組んでる腕に少し力を入れる。


つかさ「うん、でも生きている限り私が淳平くんの彼女だからね。」



淳平「いてて、そんなの当り前だろう。もう、こんな話やめようぜ。あの世

とか、新しい彼女とかさ、縁起でもねぇよ。」




つかさ「そうだね。ここにいる間たっぷり甘えちゃうんだから、覚悟しててね。」




淳平「それは俺のセリフだって。ここずうっと会ってなかったんだから。」



つかさ「ごめんね、お店が忙しかったから。もう少ししたら、お店の方も要領

よくできると思うから、そうすればもっと会える時間ができると思うし。」




淳平「いいって、俺の方だって不況だって割にここ数カ月急に仕事が増えてき

てるから。今はお互いの夢のために頑張んなきゃいけない時期だからな。

でも無理だけはすんなよ、人一倍責任感が強い君のことだから、体を壊さないか

心配してんだぜ。」




つかさ「うん、淳平君もこわなさいようにね。」



淳平「ああ。」


淳平とつかさが別荘に戻ったと同時に小雨が降り始めた。


[No.1597] 2010/10/17(Sun) 17:04:32
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