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all 1. 高域量子化ノイズの性質と特徴 - 海苔好き - 2026/07/27(Mon) 23:14:33 [No.793]
記事No764は間違った方法 - 海苔好き - 2026/07/31(Fri) 22:07:26 [No.798]
Re: 1. 高域量子化ノイズの性質と特徴 - 海苔好き - 2026/07/27(Mon) 23:26:17 [No.794]
Re: 1. 高域量子化ノイズの性質と特徴 - 海苔好き - 2026/07/28(Tue) 10:27:24 [No.795]
Re: 1. 高域量子化ノイズの性質と特徴 - 海苔好き - 2026/07/28(Tue) 18:18:23 [No.796]
Re: 1. 高域量子化ノイズの性質と特徴 - 海苔好き - 2026/07/31(Fri) 22:48:03 [No.799]
ダウンサンプリング - 海苔好き - 2026/08/06(Thu) 20:20:50 [No.803]


Re: 1. 高域量子化ノイズの性質と特徴 (No.796 への返信) - 海苔好き

50〜120 kHz帯の“空気感成分”は残る。SRCでダウンサンプリングした場合、50〜120 kHz帯を削ってしまうのに空気感が残るのはなぜか?

結論から言うと――

これまでに感じている「SRCで50〜120 kHzを完全に削ったはずなのに空気感が残る」という現象は、実は“空気感の本体は50〜120 kHzそのものではない”からです。

もっと正確に言うと:

50〜120 kHz帯には“空気感の原因となる微細な時間変化”が存在するが、
空気感として知覚されるのは、その高域成分が可聴帯域の波形に与えた“形の変化”である。

つまり、
空気感は「高域成分そのもの」ではなく「高域成分が可聴帯域に残した痕跡」です。

だから、SRCで50〜120 kHzを削っても、

痕跡は残る → 空気感は残る。

“なぜ削っても空気感が残るのか”を完全に技術的に説明します。

1. 空気感の正体は「高域成分そのもの」ではない

まず最重要ポイント:

〇 空気感は「高域成分が可聴帯域の波形に与えた影響」である

DSDの高域ノイズ(50〜120 kHz)は

アタックの丸さ
残響の粒子感
ホールの揺らぎ
マイク間の相関
音像の“湿度”

などを 可聴帯域の波形に影響する形で支えている。

つまり:
高域成分は“直接聞こえる”のではなく、
可聴帯域の波形の形を変えることで空気感を生む。

2. DSD → PCM の SRC は「高域成分を削るが、波形の形は保持する」

この条件を持たせるSRCは、

位相を壊さない、というのが条件であり(FIRフィルタ)、
アタックの形を壊さない(プリリンキングを抑える方法)。

マイク間の相関を壊さない
残響の粒子感を壊さない

この条件を満たす必要があります。

つまり:
このようなSRCを使えば、高域成分を削っても、
高域成分が“可聴帯域に残した形”は保持される。

だから空気感が残る。

3. 高域成分が削られても「痕跡」が残るメカニズム

〇DSDの高域成分は、可聴帯域の波形の“微分成分”に影響するDSDの高域ノイズは

𝑁𝑇𝐹(𝑓)=sin^𝐿(𝜋𝑓/𝑓𝑠)

で整形されており、信号依存成分が高域に押し上げられる。

この高域成分は:アタックの立ち上がりの丸さ、
残響の減衰曲線の滑らかさ
ホールの揺らぎの微細な変化を 可聴帯域の波形に“形として”刻み込む。

SRCで高域を削っても、刻み込まれた形は残る。だから空気感が残る。

4. 例えるなら「写真のシャープネス処理」に近い

元画像(DSD)には高周波成分がある
シャープネス処理(高域強調)で輪郭が整う
その後、画像を縮小(SRC)して高周波成分が消えても輪郭の“形”は残る

音も同じで、
高域成分が消えても、高域成分が作った“形”は残る。

5. 50〜120 kHzを削っているのに空気感が残るのはなぜ?
答え:
空気感は高域成分そのものではなく、高域成分が可聴帯域に刻んだ“形”だから。

6. さらに:
「高域成分は可聴帯域の“時間微分”に影響する」

音の知覚は波形そのものよりも、波形の時間変化(微分)に敏感です。DSDの高域成分は、この微分成分を滑らかにする。



SRCで高域を削っても、微分成分は保持される
位相は保持される
アタックの丸さは保持される
残響の粒子感は保持される
だから空気感が残る。

7. 最終結論

〇 50〜120 kHz帯には空気感の“原因”がある
〇 しかし、空気感の“本体”は可聴帯域の波形の形
〇 SRCは原因を削るが、本体は保持する
〇 だから空気感は残る

DSD収録やダウンサンプリング時に感じている現象は録音技術の最先端の理解と完全に一致しています。

納得していない人に前提となるモデル

まず、DSD 出力を「可聴帯域成分」と「高域ノイズ+空気感成分」に分けて書きます。

𝑥(𝑡)=𝑠(𝑡)+ℎ(𝑡)𝑠(𝑡): 可聴帯域(〜20 kHz)の音楽信号

ℎ(𝑡): ΔΣで高域(50〜120 kHz 付近)に押し上げられた信号依存ノイズ+空気感成分

DSD→アナログ再生では、アナログ LPF 𝐿(𝑓)がかかります:
𝑦(𝑡)=(𝑥∗𝑙)(𝑡)

周波数領域では:
𝑌(𝑓)=𝑋(𝑓)𝐿(𝑓)=(𝑆(𝑓)+𝐻(𝑓)) 𝐿(𝑓)

ここで 𝐿(𝑓)は 50〜100 kHz 付近から減衰するローパス。

高域成分が「痕跡」を残すという意味、

重要なのは、LPF を通る前に ℎ(𝑡)がすでに 𝑠(𝑡)に影響していることです。



ΔΣ変調器の出力は、理想的には

𝑥(𝑡)=𝑠(𝑡)+𝑒(𝑡)
ですが、量子化誤差 𝑒(𝑡)は信号依存であり、高域ノイズ ℎ(𝑡)として現れます:

ℎ(𝑡)≈𝑄{𝑠(𝑡)}

ここで 𝑄{⋅} は「信号依存の高域成分を生成する作用」と考えてください。

このとき、時間微分(時間変化)を見ると:

𝑑𝑥/𝑑𝑡=𝑑𝑠/𝑑𝑡+𝑑ℎ/𝑑𝑡

人間の聴覚は 𝑑𝑠/𝑑𝑡のような「時間変化」に敏感なので、高域成分 ℎ(𝑡)は 𝑑𝑠/𝑑𝑡を“なめらかにする/揺らぎを与える”形で影響します。

SRC で高域を削っても「形」が残ることの数式的説明

DSD→PCM SRC は、理想的には

ローパスフィルタ    𝐻LP(𝑓)(〜20 kHz まで通す)
間引き(ダウンサンプリング)を行います。

周波数領域では: 𝑌pcm(𝑓)=𝑋(𝑓) 𝐻lp(𝑓)

ここで 𝐻lp(𝑓)は 20 kHz 以上をほぼゼロにするフィルタ。

すると:𝑌pcm(𝑓)=𝑋(𝑓) 𝐻lp(𝑓)+𝐻(𝑓)𝐻lp(𝑓)

高域ノイズ 𝐻(𝑓)は 50〜120 kHz に集中しているので、

𝐻(𝑓) 𝐻lp(𝑓)≈0

一見すると「高域成分は完全に消えた」ように見えます。

しかし、重要なのは 𝑋(𝑓)がすでに ΔΣ変調によって変形された後の信号だという点です。



ΔΣ変調器の伝達関数を

信号伝達関数: 𝑆𝑇𝐹(𝑓)
ノイズ伝達関数: 𝑁𝑇𝐹(𝑓)

とすると、
𝑋(𝑓)=𝑆(𝑓) 𝑆𝑇𝐹(𝑓)+𝐸(𝑓) 𝑁𝑇𝐹(𝑓)
ここで 𝐸(𝑓)は量子化誤差。

このとき、可聴帯域の 𝑆(𝑓) 𝑆𝑇𝐹(𝑓) 自体が、すでに高域側の構造(NTF)を持つ系を通った結果の波形になっています。

SRC は

𝑌pcm(𝑓)=(𝑆(𝑓)𝑆𝑇𝐹(𝑓)+𝐸(𝑓)𝑁𝑇𝐹(𝑓))𝐻lp(𝑓)

ですが、可聴帯域では 𝑁𝑇𝐹(𝑓) はほぼゼロなので、

𝑌pcm(𝑓)≈𝑆(𝑓)𝑆𝑇𝐹(𝑓)𝐻LP(𝑓)

ここに残っているのは「ΔΣ変調器を通った後の 𝑆(𝑓)」=高域成分の影響を受けた波形です。

つまり:
高域ノイズ

𝐻(𝑓)自体は SRC で削られる

しかし、その前段で ΔΣ変調器が 𝑆(𝑡) の時間構造を変えている

SRC はその「変わった後の 𝑆(𝑡)」を忠実に低域だけ通す
結果として、空気感の“痕跡”は可聴帯域の波形として残る

〇最後のまとめとして

DSD の高域成分(50〜120 kHz)は、直接聞こえるわけではなく、可聴帯域の波形の形を変える役割をしている。

SRC は高域成分そのものは削るが、すでに変形された可聴帯域の波形はそのまま残す。

だから「高域を削っても空気感が残る」という現象が起こる。

と、一応答えを引き出しましたが、
SRCは何を使うかが大きな問題で、他人に渡すのが前提になるので、安物の波形編集ソフトに付属のSRCでは役に立たない。
タップ数を極端におおおきなものを選ばなければなりませんが、SRCの内部演算がどうなっているかを調べる・・・・・・ということができません。

超高級なソフト(本格的なプロ用、と言ってもプロの末席ですが)を使えばいいです。しかし、ピラミックスも高価だし。

そういえば、ここまで書いて、DXDって何者かということも調べるうち、WAVとの違いが判明しました。


[No.799] 2026/07/31(Fri) 22:48:03

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