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   ひとつの問いです - JONY - 2025/07/19(Sat) 19:26:36 [No.740]
Re: ひとつの問いです - ワッチ - 2025/07/21(Mon) 22:59:23 [No.741]
Re: ひとつの問いです - JONY - 2025/07/23(Wed) 00:02:19 [No.742]



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ひとつの問いです (親記事) - JONY

みなさん、おひさしぶりです。ひとつの問いです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
クラシック演奏の 〔収録・編集・制作〕 に必要な知識やノウハウ、芸術性は、ネット情報だけで得られ、誰でもプロ並みに習得できるものか?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

今や、インターネット上には、あらゆる情報があふれていて、検索ボタンを押せば、必要とする情報が簡単に手に入る時代になりました。
ネット上には情報が多すぎて、もはや真偽のほどや詳しさのレベルは千差万別の状態です。しかし、それらの情報を集めて比較・分析すれば、求めている凡その知識は得られるようになったと言っていいでしょう。あくまでも、広く一般的に言うなら、です。

20〜30年前には、ここまでになるとは考えられなかったものです。
何かを調べようとすれば、辞書、辞典、教科書や専門書を探すことから始める以外に方法がなかった時代を生きた者にとっては、隔世の感です。

インターネット自体は、30年ほど前から存在していますが、当初は、情報交換が主な存在理由であって、個人間の関係性の上に成り立つ情報だったように思います。
しかし、今では単純な知的欲求なら検索ボタンひとつで済ませられる。

ふつう、単なる知識の段階から一歩進んで、ノウハウや技術などの専門性を習得しようと探求すれば、どうしても文面だけでは理解できない事柄が生まれ、疑問や悩みが出てきます。
そのようなときは、専門の学校に入学したり、その道の先達に教えを請うたり、この掲示板のような場で同好(同業)の士に質問をして回答を待ったりしたわけです。もちろん自身で地道に探究してノウハウを積み重ねることも大切です。

しかし、このご時世、すべてネット上の情報だけで完結しようとしている人々が増えてきたように感じられます。そこには、得られた情報だけに満足せず粘り強く探求する姿勢が足りないようにも見えます。
このままでは優れたノウハウや技術がひっそりと消えていくだけでなく、上には上があることを知らずに闊歩する人々だらけの時代になっていくのではないかと心配します。

情報の面だけでなく、録音にかかわるハード面の進化もすさまじく、だれでも一定レベルの収録が簡単に低予算でできるような時代になったことは事実です。
しかし、こと音楽の収録に関しては「録音芸術」という言葉があるように、演奏を収録した完成形のメディアは、芸術作品と呼べるものになり得ます。
芸術作品を生み出すのに必要なものは、何か。
これもネット情報だけで身につくとは思えないのですが・・・


[No.740] 2025/07/19(Sat) 19:26:36
Re: ひとつの問いです (No.740への返信 / 1階層) - ワッチ

JONNYさんこんばんは。お久しぶりです。


> ひとつの問いです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
> クラシック演奏の 〔収録・編集・制作〕 に必要な知識やノウハウ、芸術性は、ネット情報だけで得られ、誰でもプロ並みに習得できるものか?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>
> 今や、インターネット上には、あらゆる情報があふれていて、検索ボタンを押せば、必要とする情報が簡単に手に入る時代になりました。



> ふつう、単なる知識の段階から一歩進んで、ノウハウや技術などの専門性を習得しようと探求すれば、どうしても文面だけでは理解できない事柄が生まれ、疑問や悩みが出てきます。
> そのようなときは、専門の学校に入学したり、その道の先達に教えを請うたり、この掲示板のような場で同好(同業)の士に質問をして回答を待ったりしたわけです。もちろん自身で地道に探究してノウハウを積み重ねることも大切です。
>
> しかし、このご時世、すべてネット上の情報だけで完結しようとしている人々が増えてきたように感じられます。そこには、得られた情報だけに満足せず粘り強く探求する姿勢が足りないようにも見えます。
> このままでは優れたノウハウや技術がひっそりと消えていくだけでなく、上には上があることを知らずに闊歩する人々だらけの時代になっていくのではないかと心配します。





 養老孟のベストセラー、「バカの壁」の中にこんな内容が書かれてありました。

『出産時の陣痛がとても痛いことは男でも知っている。知ってはいるがその痛みをわかる事は一生無い』(若干内容が違いますが意訳です)
 このように「知る」と「わかる」との間にはとてつもなく深い溝があります。ネットで検索すれば答えは得られますが、それは「知った」のであって「わかった」わけではありません。しかし「知る」=「わかる」と勘違いしている人のなんと多いことでしょう。私も偉そうに上から目線でこんなことを言ってますが、この事実に気が付いたのは比較的最近の事です(笑)。

 私事ではありますが、10年くらい前から箱根町の天然記念物に指定されているヒメハルゼミの録音に行ってます。最初、ヒメハルゼミがどんな声で鳴くのか知らなかったのでネットで検索して声を聴きましたが、しわがれた様な酷い声で、なんでこれが天然記念物になるのか、何故「ヒメハルゼミを聴く会」なるグループが存在するのかまったく理解できませんでした。
 そして実際に現地に行ってその声を聴きました。
林のごく隅の方で小さな鳴き声が聞こえたかと思うと、それがあっという間にさざ波のように広がって空を覆いつくすのです。ホントに感動的でした。「ああ、こういうことか!」と納得したものです。「知る」と「わかる」の違いを実感した出来事でした。
 とはいえこのように言葉で表現しても、やはり感動は伝わりません。経験しないとわからない事は沢山あります。というよりもほとんどの事は経験しないとわからないのだと自分は思っています。

 人が一生のうちに経験できることは本当に限られてます。なので自分が知らない事、わかっていないことで世の中はあふれているわけで、そう考えると謙虚な気持ちでネットの情報を受け止める事が出来ると思うのです。


[No.741] 2025/07/21(Mon) 22:59:23
Re: ひとつの問いです (No.741への返信 / 2階層) - JONY

ワッチさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

そうですね。経験しないと分からないことは多々あります。
もっと言うと、「経験したら想像とは違った」のが現実だろう、ということですね。
つまり、「経験して初めて、知らなかった世界やまだ知らない世界があることが分かった」と言ってもいいでしょうか。

昨今のバーチャル技術などは、実際にその場にいなくても臨場感のある体験ができたりして、それはそれで素晴らしいものですが、あくまでも、それは人の手で創り出されたもので、その世界を分かったつもりになるのは、ある意味、危険だと思うわけです。

人間の創造的・芸術的な活動というものは、人それぞれが精魂込めて(場合によっては命をかけて)取り組んで結実するものでしょう。
それを体感・鑑賞するために特段の敷居(学習)は必要としないのが普通です。
しかし、いざ、同じような技術の成果や芸術を自分の手で作りたいと考えたとき、ことは容易ではない、ということに気づくわけです。

手順書・マニュアル的なものがあったとして、それがあれば誰でも実現できる次元のものは、もはや創造でもなければ芸術でもないでしょう。
現実世界において、あることを自ら経験したときに、そこで知覚できることは人それぞれのはずで、違っているからこそ対処の方法や努力の内容も変わってくるのでしょう。
芸術の世界であれ、技術の世界であれ、求める何かのために、すでにある知識や知恵が役に立たないところまで究めた人が、本当のフロンティアなのだろうと思います。
(いつかは、そんな次元に到達してみたいという願望はありますが‥)

芸術の創り方は、おそらく言語化できないものでしょう。
いっぽう、技術のほうは言語化が可能でしょうが、編み出されたすべての技術やノウハウが、公開されているネット空間に存在すると考えるのは、早計。
クラシック音楽の録音技術についても、然りです。
どういった技術の詳細やノウハウが、ネット空間に未だ存在していないかは、この掲示板の常連の方々であれば、想像がつくと思います。
ベテランの方々ならオープンにできない「企業秘密」の部分は、少なからずお持ちでは? その「企業秘密」の独自性(オリジナリティ)を測る方法がほとんどないことも、一方の現実ですが‥


[No.742] 2025/07/23(Wed) 00:02:19
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