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No.743に関するツリー
NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
- JONY -
2025/08/17(Sun) 23:02:31
[No.743]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- ワッチ -
2025/08/21(Thu) 18:00:08
[No.744]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- JONY -
2025/08/21(Thu) 18:11:16
[No.745]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- ワッチ -
2025/08/23(Sat) 09:59:33
[No.746]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- JONY -
2025/08/24(Sun) 00:02:34
[No.747]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- ワッチ -
2025/08/24(Sun) 21:20:10
[No.748]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- JONY -
2025/08/25(Mon) 23:48:40
[No.749]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- 風雲録 -
2025/08/28(Thu) 20:26:16
[No.750]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- JONY -
2025/08/29(Fri) 21:13:54
[No.751]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- pontion -
2025/08/30(Sat) 00:17:50
[No.752]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- ワッチ -
2025/08/31(Sun) 19:09:58
[No.754]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- JONY -
2025/08/30(Sat) 21:29:37
[No.753]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- pontion -
2025/09/01(Mon) 01:44:10
[No.755]
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Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- ワッチ -
2025/09/01(Mon) 19:15:25
[No.756]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- JONY -
2025/09/02(Tue) 22:42:45
[No.757]
└
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダ...
- ワッチ -
2025/09/03(Wed) 21:21:08
[No.758]
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NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(親記事) - JONY
戦後80年ということで、関連する番組が放送局各社から放映されています。
NHKが8月13日に放送したドラマ「八月の声を運ぶ男」もそのひとつです。
(8月20日に再放送)
「長崎に暮らし日本全国を渡り歩いて被爆者の声を集め続けたジャーナリスト伊藤明彦の実話に基づいた、原爆によってもたらされた数奇な出会いの物語。」
(NHKの戦後80年 番組紹介ウェブサイトより引用)
このドラマでは、被爆者の証言を録音するために主人公が持ち運びする、可搬式のオープンリールテープレコーダーが登場します。
いかにも重そうなテープレコーダーを全国津々浦々に持ち運んで被爆証言を集めたというのは、かなりの労力を要したことでしょう。しかも行った先で証言を拒否されることもあり、徒労に終わることもあったとのことで、その労力は、今ではちょっと考えられないほどです。しかも、時間も経費もすべて自主自前だったとのこと。
ドラマの中で使用され、実際に稼働しているオープンリールテープレコーダーを調べてみました。映像では、NHKらしく、メーカーロゴの部分は文字が読めないように処理されていましたが、形状から見て、この機種のようです。
SONY TC-365
「オーディオの足跡」
https://audio-heritage.jp/SONY-ESPRIT/portable/tc-365.html
このドラマの時代背景は、1970年代初頭のようです。当時、すでにコンパクトカセットを使うモノラルタイプのポータブルテープレコーダーは存在していたようですが、まだ、音質や信頼性が充分ではなく、オープンリールほど普及していなかったのでしょう。
カセットテープは1970年代以降、急速に性能が向上し普及していくわけですが、当時は登場してまだ年数が浅く、一度きりの貴重な証言の「証拠」とするには、まだ信頼できなかったのかもしれません。
ちなみに、カセットテープのオリジネーター PHILIPS は世界初のカセットテープレコーダーを1962年にヨーロッパで発売したとされていて、日本の国産初のカセットテープレコーダー(モノラル)は、1966年6月に発売された AIWA TP-707P型のようです。
話が変わりますが、このドラマの登場人物で俳優、阿部サダヲさんが演じる「被爆体験者」は、クラシック音楽が好きな人物として描かれています。
その自宅にはステレオセットがあり、ベートーヴェンの第九交響曲のLPレコードがプレーヤーにかけられ、第4楽章が鳴っているシーンがあります。
赤いLPのジャケットがステレオセットに立てかけられているのが映っていて、日本語で「合唱」という文字が見えます。はて、この音源は日本のオケなのかしらん? 私には分かりませんでした。
また、ショスタコーヴィチのオラトリオ「森の歌」の合唱部分が鳴っているシーンもあります。
「森の歌」は、今でも演奏される機会があまりない曲で、ショスタコの他の曲に比べても録音された音源は多くないと思います。
推測ですが、まだ当時は国内のオーケストラではこの曲の録音がなく、おそらく輸入盤のLPでしょう。ムラヴィンスキー指揮、ソヴィエト国立交響楽団ではないかと推理します。
【8/19 訂正】 最初の投稿時、音源のオーケストラを誤ってレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団と記していましたが、正しくは「ソヴィエト国立交響楽団」でした。訂正します。
この ムラヴィンスキー指揮、ソヴィエト国立交響楽団盤の「森の歌」のLPレコードは、今から40年ほど前(1986年頃)、職場の先輩から「いい曲だから聴いてみて」と言われて借用し、自宅でカセットテープにダビングした思い出があります。
初めて聴く曲ながら、歌詞の内容は別として、独唱や少年少女合唱が素晴らしい曲だなと印象に残りました。
ショスタコーヴィチがこの曲を作曲した当時と、その後のソビエトの状況を色濃く反映していることはよく知られていますが、そのような政治色を差し引いても、音楽的に大変優れた作品であると日本の音楽家(指揮者)やクラシックファンに評されてきた歴史があります。
1970年代には「うたごえ運動」なる若者文化が花開いていて、この「森の歌」も、その中でもてはやされていたのでしょう。このドラマでは、その頃の時代考証もされているようで、なるほど、と感じた次第。
ちなみに、現在私が所有しているのは、フェドセーエフ指揮・モスクワ放送交響楽団の盤で、LPのほうではなく、CDです。
[No.743]
2025/08/17(Sun) 23:02:31
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.743への返信 / 1階層) - ワッチ
JONYさん、こんにちは。
ご紹介のドラマ、再放送を録画しました。チトどたばたしてまして、まだ見てはいませんが、見たら感想を述べたいと思います。
[No.744]
2025/08/21(Thu) 18:00:08
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.744への返信 / 2階層) - JONY
ワッチさん、こんにちは。
いつもコメントありがとうございます。
いま夕刻ですが、自宅からは、ミンミンゼミとアブラゼミとツクツクボウシが鳴いているのが聞こえます。ヒグラシが聞こえる日もあります。では。
[No.745]
2025/08/21(Thu) 18:11:16
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.745への返信 / 3階層) - ワッチ
JONYさん、おはようございます。
「八月の声を運ぶ男」見ました。なかなか興味深かったです。
ドラマの内容的な事は省略して、テレコとそれに付随するお話です。
仰るようにテレコの「SONY」のロゴは消されてましたね。小道具さんがヘッドカバーに見えるような素材を使って上に張り付けたのかもしれません。それにしても当時、15`にもなるテレコを手で持ってあちこち取材に行くというのは大変だったと思います。ドラマの中で主人公が持って歩いている姿が何度も出てきますが、撮影用の空っぽの箱だったと想像してます。本当に15`あったならもっと体が傾くと思います。でもそうしたほうが主人公の苦労が視聴者にも伝わると思うのですがね。自分が演出したら絶対に15`を持たせます。
一番興味深かったのは、主人公の本木雅弘さんがテープをかけるシーン。
JONYさんもご存知と思いますが、テープのかけ方はおおむね2種類ありますね。音楽録音に携わる人たちは、サプライ側のリールから引き出したテープをテイクアップ側にかける際、ハブに添わせるようにして巻き込ませますね。こうするとテープエンドに折り目などつかず、傷んだりしません。が、摩擦力だけでテープを巻きこまなければいけないのでテープをかけた後、数週手で回してやる必要があります。
もう一つはテレビ局などにいる効果マン(私のような)のやりかたで、テイクアップ側のリールの細い隙間にテープエンドを差し入れて落とし込むやりかた。ドラマに中ではこれでした。だから余ったテープエンドが飛び出て回ってましたね。カットが変わって飛び出たテープエンドの形が変わってたのはご愛敬です(笑)。
このやり方だとテープエンドに折り目がついて痛みますし、長い間には最悪そこから切れてしまうのですが、テープをかけてプレイボタンを押せるまでの時間はぐっと短くなります。本木雅弘さんは手慣れた手つきでやってましたから、どなたかから指導を受けたのだと思います。でないと初心者があれほど迷いなくテープをかける事は出来ません。このシーンは何度も見ちゃいました(笑)。
テープスピードは9.5cmでしたね。当時の主人公の経済状態や必要とされるクオリティ、附属マイク(長方形でしたね!)の品質から考えて妥当な速度だと思いました。ちょっと不思議だったのは太ハブを使っていた事です。それほど長時間回さなかったから短めのテープで済んだのかもしれません。
> いま夕刻ですが、自宅からは、ミンミンゼミとアブラゼミとツクツクボウシが鳴いているのが聞こえます。ヒグラシが聞こえる日もあります。では。
だいぶ前ですが、蝉の声の音域を知りたくて、60kHzまでほぼフラットな特性を持つゼンハイザーのMKH8020を無理して購入、サンプリング周波数を192kHzにして録音、FFTで観測したことがあります。ミンミンとアブラゼミとツクツクボウシだけでしたが、共通してたのは倍音成分が50kHzあたりまで分布していた事です。ツクツクボウシなどは22kHzまでフラットに出てました。
これをみて、これじゃ確かにアナログレコーダーではセミの声はまともに録音出来んわな、と思ったものです。せっかくなのでわざわざ日本セミの会に入会し、投稿したら1年以上の査読を経て論文として会報に掲載させてもらえました。数少ないジマン話です。
[No.746]
2025/08/23(Sat) 09:59:33
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.746への返信 / 4階層) - JONY
ワッチさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
オープンリールテープのテイクアップリールへの掛け方ですねぇ。
磁気テープに限らず、映像フィルムもそうですが、私が過去の仕事柄、それらのフィルムを扱った際には、絶対に先端を折ってはいけない、とされていました。
なぜなら、40年ほど前には、35mm フィルムや16mm フィルムは、すでに歴史資料として保存されているものでしたから、損傷を与えるべからずという大原則に従わなくてはなりませんでした。
しかし、それらのテープやフィルムが現役で活躍している時代は、おっしゃるとおり、効率を優先して折り曲げセッティングされていたとしても、ぜんぜん不思議ではありません。
オープンリールの磁気テープに関しては、不要部分を直接ハサミで切ってスプライシングテープで繋ぎ合わせるという編集方法もありましたし‥
余談ですが、カセットテープで「ハサミ編集」をやろうとすると、できなくはないが技能的に難しいのと、スプライシングテープの厚みでヘッドやキャプスタンなどのメカに引っかかるリスクがありましたね。一度、飛び出してワカメになってしまうと回復困難で、再生音に影響しました。
ドラマの中では、TC-365 が2台映っていました。予備機を自宅に置いていたということでしょう。持ち運びのシーンで、実機を持っていたのか、ダミーなのか。うーん、主人公役の本木さんなら実機でやるかもしれないなぁ、とも思いますがどうでしょう。
ただ、実話のジャーナリスト伊藤氏が使っていた機種は、TC-365 ではないかもしれず、現在でも稼働する個体として用意できたのが、たまたま TC-365 だったのかもしれません。そこは、NHKに尋ねてみたいところです。
ご参考までに、NHK のウェブサイトには、「美術アルバム」というページがあり、このドラマのシーンやセットの数々が写真として掲載されていて、今でも見ることができます。
TC-365 や「合唱」のレコードもきれいに写っています。
「八月の声を運ぶ男」美術アルバム【NHK公式】
https://www.nhk.jp/p/ts/663796R2L1/blog/bl/pMEW5VAnEL/bp/pJdL71qVLJ/
さて、セミの話。
論文にまでされるとはすごいですね。何かに打ち込んで、それをカタチに残すということには、同じ価値観を覚えます。
最近、ミンミンゼミが近くで鳴いているのを聞くと、離れて聞くのと違って、かなり金属的な響きがするのに気づきました。鳴きだしの最初の「ミイーン」のうち「イーン」の部分で特に。
何か、音の波形に特徴があるのではないかと思います。金属的な響きは、ほかのセミにはあまり感じません。単に周波数帯域だけの理由ではないように思えますが、どうでしょう。
いま、深夜12時ですが、窓の外では、日中のセミの大合唱とは打って変わって、スズムシや何種類かのコオロギなどが、アンサンブルよろしく鳴いています。
[No.747]
2025/08/24(Sun) 00:02:34
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.747への返信 / 5階層) - ワッチ
JONYさん、こんばんは
> なぜなら、40年ほど前には、35mm フィルムや16mm フィルムは、すでに歴史資料として保存されているものでしたから、損傷を与えるべからずという大原則に従わなくてはなりませんでした。
ああ、それはそうですよね。貴重な歴史的資料なら絶対に傷をつけたらいけませんよね。
自分たちの時は効果音の資料(もち、6oテープ)があり、使うときはそこからコピーして使ってました。ただし頻繁に出して使うので、資料のマスターとは言え、マスター巻きなんかしてませんでしたね。
> オープンリールの磁気テープに関しては、不要部分を直接ハサミで切ってスプライシングテープで繋ぎ合わせるという編集方法もありましたし‥
私ら効果マン、選曲マンはそればかりやってました。映像の尺にあわせて音楽を編集するのです。このシーンのこのカットから音楽をいれて、ここのシーンの終わりでちょうど音楽も終わるようにするという編集です。必ず出来るというわけではありませんでしたが(当たり前)。
> 余談ですが、カセットテープで「ハサミ編集」をやろうとすると、できなくはないが技能的に難しいのと、スプライシングテープの厚みでヘッドやキャプスタンなどのメカに引っかかるリスクがありましたね。一度、飛び出してワカメになってしまうと回復困難で、再生音に影響しました。
カセット用の編集キットも販売してましたね。アマチュア用でしたけど。プロはカセットの編集はしません。必ずオープンにコピーしてから編集してました。
>
> ドラマの中では、TC-365 が2台映っていました。予備機を自宅に置いていたということでしょう。持ち運びのシーンで、実機を持っていたのか、ダミーなのか。うーん、主人公役の本木さんなら実機でやるかもしれないなぁ、とも思いますがどうでしょう。
> ただ、実話のジャーナリスト伊藤氏が使っていた機種は、TC-365 ではないかもしれず、現在でも稼働する個体として用意できたのが、たまたま TC-365 だったのかもしれません。そこは、NHKに尋ねてみたいところです。
ああ〜〜、そう言われてみればそうですね。NHKのことだからイメージではなく、絶対に当時もTC-365を使っていたと思い込んでました。あくまでドラマですからね。「録音機をもってあちこちに行った」という事が視聴者に伝わればいいわけで。
>
> ご参考までに、NHK のウェブサイトには、「美術アルバム」というページがあり、このドラマのシーンやセットの数々が写真として掲載されていて、今でも見ることができます。
> TC-365 や「合唱」のレコードもきれいに写っています。
> 「八月の声を運ぶ男」美術アルバム【NHK公式】
>
https://www.nhk.jp/p/ts/663796R2L1/blog/bl/pMEW5VAnEL/bp/pJdL71qVLJ/
>
ありがとうございます。この辺りはさすがNHKですね。
> 最近、ミンミンゼミが近くで鳴いているのを聞くと、離れて聞くのと違って、かなり金属的な響きがするのに気づきました。鳴きだしの最初の「ミイーン」のうち「イーン」の部分で特に。
> 何か、音の波形に特徴があるのではないかと思います。金属的な響きは、ほかのセミにはあまり感じません。単に周波数帯域だけの理由ではないように思えますが、どうでしょう。
う〜〜ん、このあたりはちょっとわからないですね。私が知っている近くで聴くのと離れて聴くのとではだいぶ印象が違う蝉はヒメハルゼミですね。毎年箱根の早雲寺に録音に行くのですが、最初ナマで聴いたときは遠くと近くでこんなに違うのかと驚きました。単体で鳴いているのをFFTで観測するとちょっとわかるかもしれません。ヒメハルゼミは単体ではほとんど鳴かない習性があるのと、たいてい高い所にいるので難しいですが。
> いま、深夜12時ですが、窓の外では、日中のセミの大合唱とは打って変わって、スズムシや何種類かのコオロギなどが、アンサンブルよろしく鳴いています。
虫の声に季節や情緒を感じると、「日本人に生まれて良かった」と思いますね。
[No.748]
2025/08/24(Sun) 21:20:10
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.748への返信 / 6階層) - JONY
ワッチさん、こんばんは。
ワッチさんのコメントで、またひとつ思い出したことがあります。
「オープンリールのマスター巻き」‥‥
音声テープではありませんが、16mm 映像フィルムで、あぁそう言えば‥ということが。細かなシチュエーションは忘れてしまいましたが、やはり今から40年ほど前、記録された 16mm フィルムを映写してみようということになり、映写機を用意して、若造(当時20代)の私が、にわか技師になってリールをセットしました。
記録されたフィルムをちゃんとスプロケットに合わせて映写機にローディングして、スタートさせてみると、上下左右が反転、しかも動きが逆戻しの映像になっている!
訳が分からず、あーだ、こーだの声のなか、その場にいた誰かが気づきました。
「これは、映写後のリールを巻き戻さずに、そのまま保管していたからよ」‥あ、そうか。
説明されるまで、私は、保管した人が巻き戻すのを手抜きしたからだと思ったものです。
そうです。私は映写するフィルムのリールをそのままサプライ側にセットしたのでした。そのあと、テイクアップ側にフィルムを付け替えて、サプライ側に空リールをセットし、ヘッドアセンブルを通さずにサプライリールに丁寧に巻き取ってからローディングし直し、映写すると、はたしてそのとおりでした。
巻き戻しや早送りのスピードと停止時のショックがテープやフィルムを傷めるリスクが高いことから生まれたルールということですね。
話がドラマに戻りますが、効果音について感慨深いことをひとつだけ。
ワッチさんなら、判っていただけると思いますが、公園のシーンやアパートのシーンで、画には映らないですが、杭打ちの音が鳴り響いていたのにお気づきでしょうか。
昭和40〜50年頃は、日本中が建設ラッシュの時代でした。ときの首相が「日本列島改造論」を打ち出した時期とドラマの背景時期が重なります。
ビルを建てる前の更地の状態で必ず行う杭打ち工事。21世紀の今では、杭打ち工事はほとんど音がしない工法(電動ドリル式など)に変わっているので、現在 30〜40代くらいより若い人には、あの音が何なのか、分からないのではないかしらん。
遠くから聞くと「カコーン、カコーン‥‥」と街じゅうの反響を伴って、延々と続く音。
Wikipedia から引用すると、
「打撃系」杭打機のうち「単気筒2ストロークディーゼルエンジンのシリンダー及びピストンと化しているディーゼルハンマ」が、杭の上で稼働している‥それが、この音の正体です。
私も小学生のころ、この杭打機を間近に観察したことがあり、大きなクレーンに吊り下げられたコンクリートの杭の上にある“黒い鉄の塊”から衝撃音と同時に排気ガスが出るのを見ていました。
近づいていくと「ガコーン」だけでなく、打撃の瞬間から僅かにずれて「バシュッ」という、排気ガスが噴出する音も聞こえていました。都会で育った私には、なんとも懐かしい音(騒音?)ですが、もう聞くことはできません。
ということで、この話題はこの辺で。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
[No.749]
2025/08/25(Mon) 23:48:40
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.749への返信 / 7階層) - 風雲録
みなさんお久しぶりです。
テープの話が出ていたのでひとこと。
> 巻き戻しや早送りのスピードと停止時のショックがテープやフィルムを傷めるリスクが高いことから生まれたルールということですね。
それもあるかもですが、大きな理由は、早送りでは空気が逃げにくく乱巻きになり、長時間放置するとテープがよれよれなワカメ状にななることを防ぐためだと思います。
録音や再生のスピードで巻き取られたテープは綺麗です。
[No.750]
2025/08/28(Thu) 20:26:16
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.750への返信 / 8階層) - JONY
風雲録(風音録)さん、こんばんは。ご無沙汰しています。
日ごろからオープンリールデッキを仕事にも使っていらっしゃる風雲録(風音録)さんならではの、さすがのご指摘、ありがとうございます。
私自身はオープンリールデッキを所有したことがなく、録音業務に使ったこともありませんが、リールに収まったテープは触ったことがあります。おっしゃることは、そのとおりだと思います。
オープンリールの音声テープに関しては、私などより、はるかに多くの知見をお持ちだと拝察します。
私が例に出した映像フィルムでも、古い35mm フィルムは保存状態が悪いものはヨレヨレになっているものがありました。素材にもよりますが、テープでもフィルムでも空気が入ると湿度の影響を受けやすくなりますね。
(※ フィルムの場合には、それ以外にも劣化の症状がいくつかあります。保存媒体に関連する投稿を2015年5月9日、この掲示板にしています。)
オープンリールテープを使ったクラシック音楽のレコーディングには、今ではもう味わえないような独特の良さがあるのではないかと思います。
風雲録(風音録)さんが取り組まれてきた、この手法のアナログ録音は、音楽雑誌でも高く評価されていますね。
収録する音楽との相性を高めるようなバランス感覚と技術、デジタル録音とは異なる感性やノウハウが必要ではないでしょうか。いつの日か消えていくのは、もったいないです。
[No.751]
2025/08/29(Fri) 21:13:54
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.751への返信 / 9階層) - pontion
こんにちわ、pontionです、
いまごろ見掛けたもんで、すみません。
「八月の声・・」みました。
主人公は使命感に動かされ、あんな重いテープレコーダーを持ち歩いて、、、ということですが。
この時代、文教用に多く使われた機種としてソニーTC357AとTC365がありました。私も小学校の放送部でよく使っていました。
どちらかというとTC357Aが標準的なテープレコーダーで、TC365のほうは広い教室で音を行き渡らせるように筐体の前後にスピーカーが付いて大パワーでした。
なので録音が主な用途の取材でわざわざ大型の365を持ち歩くというのはどうしても違和感がありますね。当時TC357Aやその前モデルTC357(真空管式)も普及していたし、TC800Aという高性能なポータブル機もあったことは、この職業の人間が知らないはずは無かろうと。
TC365は収録後の整理編集で使っていたもので、取材時は小型のTC357等であったのではないか?というのが私の読みです。まあ太ハブリールを19cm/Sで回すというのはドラマの演出上だけと思いますが。
マイクロフォンですが、あの四角いのはTC365より一時代前のTC357の頃のソニーの標準的なモデルのF-32です。TC365の頃はF-96というペンシル型が標準でした。どちらももちろんダイナミック型ですが、おもしろいことに無指向性です。当時F-32からF-96になったときに、すごくFレンジが拡がった印象がありました。
[No.752]
2025/08/30(Sat) 00:17:50
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.752への返信 / 10階層) - JONY
pontionさん、こんばんは。お久しぶりです。
小学校の放送部でオープンリール!
うん十年前のオープンリールテープレコーダーを幼少期に触っていて、今、現役の録音エンジニアという人は、世間には、そういないでしょうが、この掲示板には、複数いらっしゃる。いやあ。
紹介された、テープレコーダーの機種の違いや付属マイクのことなど、ネット情報では、なかなか得られないものでしょう。
戦後の時代を描いたドラマは、科学技術史の考証が広範に渡るというだけでなく、世に出回っている機械製品の確認も容易ではないだろうなぁ、とあらためて考えさせられます。
情報、ありがとうございます。
[No.753]
2025/08/30(Sat) 21:29:37
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.752への返信 / 10階層) - ワッチ
pontionさん、こんにちは。
>
> どちらかというとTC357Aが標準的なテープレコーダーで、TC365のほうは広い教室で音を行き渡らせるように筐体の前後にスピーカーが付いて大パワーでした。
> なので録音が主な用途の取材でわざわざ大型の365を持ち歩くというのはどうしても違和感がありますね。
なるほど!映像で見たテープレコーダーがオーディオの足跡に掲載されているTC-365とそっくりだったので、365だと思い込んでおりましたが、仰る通り365は15`、357は9.5`。価格も365は49800円、357は38000円ですから、主人公の立場から考えれば357を選択するのが妥当でしょうね。
> マイクロフォンですが、あの四角いのはTC365より一時代前のTC357の頃のソニーの標準的なモデルのF-32です。TC365の頃はF-96というペンシル型が標準でした。どちらももちろんダイナミック型ですが、おもしろいことに無指向性です。当時F-32からF-96になったときに、すごくFレンジが拡がった印象がありました。
あの四角いマイクにはちょっとびっくりしましたが、オーディオの足跡にはマイクが付属品として記載されてますね。それにしてもドラマの中で見るテレコもマイクも非常にきれいな状態なのにびっくりしました。マイクは小道具さんが丁寧にみがきあげたのか、それとも忠実に再現したのか・・・いずれにしろ、この辺りはさすがNHKですね。
[No.754]
2025/08/31(Sun) 19:09:58
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.753への返信 / 11階層) - pontion
そうなんですよ、
JONYさんが前スレで書いてらっしゃいましたが、ネット情報でかなりの知識は得られるが...と。
その確かに情報の密度の時代的片寄りがすごくあって、現役の方たちが興味のあることは沢山あるんだけど、それこそ古いモノラルレコーダーのどの機種がどんな音だったかなんて、あまり語られてないですね。まあそんな情報は必要無いんでしょうけど。(^^; 昔話ですからね。そういう話が役に立つことって有るのかどうか。。。
「ある特徴のある音を録るエンジニアがいて、その感覚はいったいどう養われたのか」なんてときに、幼少期に親が買い与えていたのがTC-777だった..とかいう話が出てきて?
ワッチさん、映像のテレコがTC365にそっくりというのは正しくて、あれはTC365で、長崎の特別展で公開された遺品もTC365です。
TC365ではないもっと小型のTC357など機種を取材時には使っていたのではないかというのは私の想像でした。紛らわしくてすみません。
マイクについて訂正があり、映像をよく見てみると背面にローカットスイッチが無いようですからF-32ではなくそのシンプル版のF-31のようです。
またTC365購入時付属のマイクですが、販売期間が長かったためか何回かマイク機種が変更になっているようで、最初はF-87という"足跡"にも写真が載っている四角い小型のものでしたが、途中からF-98というペンシル型や、他にも異なる機種と思われるマイクが写っている写真があります。「八月の声・・」に出てくるF-31が365の付属だった時代は無かったと思われます。
録音体験がカセットテープから始まった方々には、あの時代ならもうカセットテレコが有ったはずなのにどうしてオープンリール? という意見多いですが、70年ごろのカセットテレコは、すでに完成されたオープンの音質の足元にも及ばないわけで、オープンの力強い表現力を知っている主人公にとってはカセットは選択肢に無かったんじゃないでしょうか。
私もオープンから入った世代なので、カセットデンスケやTC-D5など都度買ってはみたものの使えず、EIAJ/PCMが出るのを待つことになります。
余談ですが、エルカセットはドルビーNRのダメージも少なく、オープンの19cm/S並みの音質は出ていてしかも長時間で、生録にも使える手ごたえは感じましたが、残念ながらご存知の通りです。
ですがエルカセットへの未練が断ちがたく、ソニーEL-7の低速専用ヘッドをオープンリール機に取り付けてNR外付けで9.5cm/Sの長時間レコーダーを自作し、5年ほど使ってました。2時間のライブ録音ができました。
メーカーからEEテープの長時間機が出たのはその後で、さらに翌年ぐらいにEIAJ/PCMが出ましたからEEテープはすでに遅しです。
[No.755]
2025/09/01(Mon) 01:44:10
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.755への返信 / 12階層) - ワッチ
pontionさん、JONYさん、こんばんは。
> ワッチさん、映像のテレコがTC365にそっくりというのは正しくて、あれはTC365で、長崎の特別展で公開された遺品もTC365です。
> TC365ではないもっと小型のTC357など機種を取材時には使っていたのではないかというのは私の想像でした。紛らわしくてすみません。
実は先週の水曜日にNHKに、「あのドラマで使われていたテレコはTC-365でしたが、実際に伊藤さんも当時TC-365を使っていたのでしょうか?」と質問を投げたところ、本日回答がありました。以下の通りです。
『NHKの番組をご視聴いただき、ありがとうございます。
お問い合わせの件についてご連絡いたします。
お問い合わせの通り、ドラマで使用したテープレコーダーは、ソニーのTC-365になります。
長崎の平和祈念館に寄贈されていた、伊藤明彦さんがご自身でかつて使用したというテープレコーダー(TC-365)を拝見し、ドラマでも同じ物を探して使用しました。
ただ、伊藤明彦さんが、どの時代にTC-365を使用していたかまではわかりませんでしたので、ドラマの時代設定の1970年代に伊藤明彦さんがTC-365を使用していたかまでは厳密には判明しておりません。
ただ、伊藤明彦さんが、その生涯において、ソニーのTC-365を使用していたことは確実です。
ちなみに、伊藤明彦さんご自身が使用されていたテープレコーダー、ソニーのTC-365の実物は、いま長崎の平和祈念館で開催中の「伊藤明彦展」にて展示されており、ご覧になれます。
今後とも、NHKをご支援いただきますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。』
ですので、pontionさん、JONNYさんの書き込みの通りです。
> 録音体験がカセットテープから始まった方々には、あの時代ならもうカセットテレコが有ったはずなのにどうしてオープンリール? という意見多いですが、70年ごろのカセットテレコは、すでに完成されたオープンの音質の足元にも及ばないわけで、オープンの力強い表現力を知っている主人公にとってはカセットは選択肢に無かったんじゃないでしょうか。
私はカセットから録音体験が始まりましたが、後にオープンテレコを入手するとオープンのクオリティや安定性、信頼性にだいぶ差がある事を知りました。伊藤明彦さんはプロとしてオープンデッキを使っていたわけで、そうするとやはりカセットデッキでは心もとなかったのだと思います。特にあのようなインタビューでは一発録りですから、信頼性が最優先になりますしね。
> 私もオープンから入った世代なので、カセットデンスケやTC-D5など都度買ってはみたものの使えず、EIAJ/PCMが出るのを待つことになります。
私もD5を触ったことはありますが、クオリティの点でどうしても使う気にはなれませんでしたね。本当にバックアップ的な使い方でしかなかった。ただあの当時あのサイズは無かったので、有利な点はそこだけでした。
[No.756]
2025/09/01(Mon) 19:15:25
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.756への返信 / 13階層) - JONY
ワッチさん、こんばんは。
あら、NHKに確認されましたか! それはお手数でした。
紹介いただいた回答の内容は、ほぼ予想の範囲と言えるかもしれません。
実際のところは、史実を示す資料がない以上、推測になってしまうのは避けられませんが、私もpontion さんの推理に同感でして、当時、オープンリールの「デンスケ」も存在しているはずなので、重い機種を遠路、持ち運んでいたとすれば、TC-365 でなければならない特別な事情があったか、調達経費を工面できなかったかではないかしら、と思います。
あるいは、先に TC-365 でない他機種を使っていて、後年に調達した TC-365 を被爆証言の収集活動を終えた後に寄贈し、収録専用に使用した他の機種は寄贈せずに最終的に処分した、という可能性もあるでしょうか。
寄贈するなら、多くの人が再生音を聞くことができる TC-365 のほうが適していると考えることもできます。あくまで想像ですが。
ちなみに、9月1日(月)午後10時に NHK 総合で放送された「映像の世紀バタフライエフェクト 昭和百年(2)敗戦国ニッポン 敗れざる者たち」では、ソニー創業者、井深大が国産初のオープンリールテープレコーダーを開発するエピソードも紹介されていて、その中で、オープンリールタイプの「デンスケ」の映像が、ほんのわずかですが、ありました。
オープンタイプの「デンスケ」があるのは知っていましたが、そんなに早くから存在していたのは、少々驚きました。
※ 「映像の世紀バタフライエフェクト 昭和百年(2)敗戦国ニッポン 敗れざる者たち」の再放送は、9月中にあると思います。
[No.757]
2025/09/02(Tue) 22:42:45
Re: NHKドラマ『八月の声を運ぶ男』のテープレコーダー
(No.757への返信 / 14階層) - ワッチ
JONYさん、こんばんは。
> 実際のところは、史実を示す資料がない以上、推測になってしまうのは避けられませんが、私もpontion さんの推理に同感でして、当時、オープンリールの「デンスケ」も存在しているはずなので、重い機種を遠路、持ち運んでいたとすれば、TC-365 でなければならない特別な事情があったか、調達経費を工面できなかったかではないかしら、と思います。
私も経済的に苦しかったのでデンスケを導入できなかったのではと想像しています。付け加えての想像ですが、長崎放送勤務時代にすでにTC-365を所有していたのではないかと。なので退職後はそれをそのまま取材用に使っていたのではと。このあたり想像すると面白いですね。
> あるいは、先に TC-365 でない他機種を使っていて、後年に調達した TC-365 を被爆証言の収集活動を終えた後に寄贈し、収録専用に使用した他の機種は寄贈せずに最終的に処分した、という可能性もあるでしょうか。
そういう事も充分ありえますね。
> ちなみに、9月1日(月)午後10時に NHK 総合で放送された「映像の世紀バタフライエフェクト 昭和百年(2)敗戦国ニッポン 敗れざる者たち」では、ソニー創業者、井深大が国産初のオープンリールテープレコーダーを開発するエピソードも紹介されていて、その中で、オープンリールタイプの「デンスケ」の映像が、ほんのわずかですが、ありました。
> オープンタイプの「デンスケ」があるのは知っていましたが、そんなに早くから存在していたのは、少々驚きました。
映像の世紀を見てないので、再放送を見逃さないようにします!
ゼンマイ式デンスケが初期に存在したというのはおぼろげに知っておりましたが、それがいつ頃かは知らないですねぇ・・。
[No.758]
2025/09/03(Wed) 21:21:08
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