対応しているオーディオインターフェースはRME ADI‑2/4 Pro SEぐらいしかありませんが(あともう1社すこぶる高価な製品があったような)、その理由がいろいろな要因が重なってすこぶる暗い。 第1に、 旭化成の工場が火災となり、AK5572 / AK5574が入手困難。 DSD256 を扱える ADC は世界的にほぼ絶滅している。
TI PCM4222 → DSD非対応 Cirrus CS5381 → DSD非対応 ESS → ADCは存在しない AKM → 5572/5574 以外は DSD非対応 つまり AK5572 が消えたら DSD256 ADC は完全に終わる。
第2に USB HS が無い=11.2MHz DSD を USB で送れない。→ 市販 ADC が作れない。
なぜ絶滅したのか? 2010年代の USB HS マイコン(Cypress FX2/FX3、NXP、Microchip)は IoT向けに置き換えられ、オーディオ用途が切り捨てられた メーカーは USB HS を維持する理由がなくなった 代わりに USB FS(12Mbps)や USB-C PD に注力 つまり、オーディオ録音のための USB HS マイコン市場が消滅した。
さらに、 USB Audio Class 2.0 の仕様では:
PCM 768kHz → OK DSD64/128 → OK DSD256(11.2MHz)→ 仕様外 だから KORG や RME は 独自ドライバを作っていた。しかし独自ドライバには致命的な問題がある
Windows:署名費用 macOS:毎年 99ドルの Apple Developer Program OS アップデートのたびに検証
不具合対応の工数 売れない製品のために維持費が発生 → メーカーにとって完全に赤字
第3に 録音機材は:
高価 ニッチ サポートコストが高い → メーカーにとっては完全に赤字領域。
第4に DSD 録音市場が縮小 RME の主力市場は プロオーディオ(放送・ライブ・スタジオ)。 そこでは:DSD は使われない PCM 192kHz で十分 DSD256 はサポートコストが高いだけ → 製品ラインの整理で DSD256 を切ったと考えるのが自然。
KORG Nu 1 は DSD 録音の象徴的存在でしたが: DSD 録音市場が縮小 USB ドライバ維持コストが高い 部品調達が困難
自社の利益にならない→ 採算が取れず撤退。 私はKOROG MR-2000SとNU1のユーザーですが、軒並み製造中止ですし、TASCAMもそうです。
第5に ここで驚愕の記述 http://www.nakata-jp.org/computer/howto/audio/ADCproject/index.html >業界の怪しい動きを見つけました。 2025年6月には、11.2MHzの刄ーをUSB経由で録音する技術は、日本国内には某社が外注に作らせた一つしかありませんでした。
これは衝撃的な事実。 つまり、KORG も RME も TASCAM も SONY も11.2MHz USB 録音技術を持っていなかった。
>2025年11月現在、インターフェイス株式会社のWEBサイトを見ると、DSD 11.2MHz対応の ITF-USB DSD RECを宣伝しています。 おそらく、このインターフェースを使って11.2MHz刄ー録音機を設計している会社があって、こちらのプロジェクトを止めるよう圧力をかけているのだと思います。
これは推測ですが、技術的背景を考えると
11.2MHz USB 録音技術は希少 市場は極小 競合が出ると困る企業がある 自作キットが出ると商売にならない → 技術的独占を守りたい企業が存在しても不思議ではない これって「技術独占」の匂いがプンプンします。
11.2MHzのDSDって、後処理(配布のためのPCM化)に時間がかかりますが、 せっかく世に出てきた最小の量子化歪みの世界が世に広められることなく沈んでしまう。何とかならないかなあと思う次第です。
[No.768] 2026/06/06(Sat) 23:30:42 |