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   ハーレムテンペスト - 陣 - 2019/02/24(Sun) 22:53:39 [No.242]



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ハーレムテンペスト (親記事) - 陣


[424] ハーレムテンペスト Name:陣 HOME  Date:2013/04/27(土) 14:20 [ 返信 ]



 早売りでゲットの最新作。

 要するに『プリズナー』から百五十年前の「ラルフィント分裂」の時期であるが、それ自体が描かれるのはなんと最後の二ページ足らず。

 いわばその最後の部分を効果的に描くために、それ以前の全てがあるといっても過言でない、実に大胆な構成。

 (もちろん今までと同様、どこまでが先生御自身の意図的な計算で、どこからが結果的な効果なのかは不明であるが。)


 それにしても冒頭の部分で唸らされたのは、やはり物語の構成の基本が「靖難の変」だという点。

 今までその可能性に気付かなかったのも何であるが、『銀河英雄伝説』的な要素をも加えることで、非常にまた新しい雰囲気を作っている感じ。

 (いわばツキヨミがヒルダなら、モーレがメルカッツで。)


 そして特に自分的に嬉しかったのは、なんといっても一番の期待であった、ハーレムシリーズとしては初の、ヴラッドヴェインの生登場。

 年令を語る描写は無かったものの、「オルフェと釣り合い」とあるところを見るに、『剣舞』期での、少年姿ではなく、少なくとも外見は、それより上の年令だったと思われる。

 そしてオルディーンの戦勝と即位に彼の存在が不可欠だったのは読んでの通りなわけで、それだけにどうして彼が最後に「裏切った」のかが分かり難い。

 (「研究費増額」をはじめ、少なくとも彼がオルディーンを害するだけの理由は、どうしても劇中に見出せない。)


 とにかくオルディーンは死ぬまでは無かったわけであるが、意識不明から戻った、彼は結局ラルフィントの再統合が最後まで出来なかったわけで、「大陸の統一皇帝」どころか、結果的に、まさに「ラルフィントを分裂させた原因」の一つになったといっても過言でない。

 (その意味で「山麓朝初代」という評価は、「雲山朝離脱後の残存部分」という意味で、むしろ不名誉な物としてのニュアンスすら感じられる物がある。)

 つまり彼は最終的に「永楽帝にもラインハルトにもなれなかった男」になってしまったわけで、あるいは彼が中途半端に生き延びたことが、むしろ「分裂」を促進させたとすら言えるのもポイントというか。

 それにしても彼の最終的な敗因の最大は、やはり「油断」にあったとしか言い様が無いというところ。

 その意味からすれば、この作品における一連のハーレム描写の存在は、まさに「そんなんだから最後にやられるんだ!」の布石に過ぎないというわけか。

 (ミレディの「歓待」と、その時の「状況」がどういう物だったかも気になるが、それ次第では、確かにリフィルが言った「もっともアホな愚行をした暴君」として歴史に名を残すのも間違いない。)


 同じく師匠を「爺さん」と侮って、ギャナックを取り逃がしたゲリュオン、討伐に失敗したオルフェ以外の、リフェルやツキヨミがどうしていたかは不明だけに、やはりここは、どうしても『ウォーリア』のような、各種フォロー的な作品がもう一編くらいほしいところ。

 (大将軍のゲリュオンでなく、戦下手のオルフェ宰相が直接指揮を執ったというところは、やはり感情任せの「謀殺失敗」が政治的に祟ったかもですが、リフィルやツキヨミも相当な責任と立場を問われそうな感じも。)

 当然、次の主役は「雲山朝初代」のギャナックで、やはり舞台は十年後くらいか。


 そして更に重要なのが、最後の一行。

 これによれば「ラルフィント内乱」は最終的に「二百年」に及んだとの事。

 これが正確であるならば、「ラルフィント内乱」は、重要な画期である『プリズナー』から更に「五十年」続くのがここで示唆されているということになる。

 もちろん両朝が最終的にそのままそこまで続くかまでは不明であるが、それは同時に「神聖帝国統一」も、早くてその時期まで持ち込まれるのもまた確定。

 つまりこの作品の登場人物が「二人」を除いて現在のロレント時代まで生きていないはずのと同様、現在の登場人物のほとんどもまた「統一」を見ることなく終わるだろうというのも確実の模様と。




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[458] ハーレムテンペスト(第二評) Name:陣  Date:2013/05/02(木) 12:48



 現在、このシリーズの評論系で一番精度の高いと思われる、アマゾンのカスタマーレビューにおいて、待望の本作評が登場。

 今回の評などは、まさに代表ですが、自分として最大のポイントなのが、「エロ」の意義。


 確かに、今回の場合、ラストがラストだけに、「エロ」が無ければ、通常の戦記ラノベというのも分かる。

 ただし自分的には、まさに最後の最後における「アホな愚行」への絶対不可欠の道程という感じ。

 中盤でグエンを嵌める場面などは最たる箇所だが、それだけにむしろ他のシリーズ作品に比べても、この作品の「エロ」は不可欠にして不可避というか。


 実際、ラストまで行き着いた後、改めて読み返すと、その「必然」ぶりは、まさにあちこちに「伏線」されているわけで、まさにかえって「そうならなければ嘘」だと言ってもいいくらい。

 (でなければ、むしろ不快と言ってもいいくらいの、釈然の無さがあったはずで。)


 要するに、この大陸世界で、所詮「ハーレム」は「舞台」の一つでしかない。

 「魔法」がそうであるように、それ自体は決して、絶対万能の「特効薬」でも、問答無用の「解決法」でもない。


 ある意味エロラノベとしては異質にして邪道かもであるが、自分としては、むしろだからこそ隅から隅まで一言一句とて見逃せない、注目のシリーズとなっているところと。





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[466] ハーレムテンペスト(第三評) Name:陣  Date:2013/05/04(土) 08:59



 アマゾンのカスタマーレビューに新着。


 ここでの評価のポイントは、やはり「破局の責任」の部分。

 一応オルディーンにも認めているものの、それでも「大半は王母にある」というわけで、おそらく今後、最も本作の評価が割れるはずなのもこの部分。


 まあ。自分としては、今まで書いてきたように、この世界の「乱世の掟」からすれば、最大の元凶は、やはりオルディーン自身の「油断」と「傲慢」にあったという立場。

 (それに比べれば、ミレディなど別にどうという存在ではない。)


 その意味だけでも、彼は「やはり最初に大人しく殺されていれば良かった」「そうなればあれだけの犠牲も生じなかった」「大陸統一の皇帝など所詮お笑い種」とさえ言われるのも甘受しなければならない。

 まさに「アホな愚行をやった暴君」。

 だがそれを敢えて全て認めることこそが、まさに「男」としての最後のプライドではないのかと。





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[468] RE:ハーレムテンペスト Name:シャング  Date:2013/05/04(土) 17:25



 内容もイラストも自分好みで良かったです。

 ただオルディーンについては、ロレントより甘く、エルフィンより側近に恵まれていないように感じました。
 自分の代で帝国を分裂させ、彼の子孫も最終的にレナスの傀儡にされてしまう事などから、謀反を起こさない方が彼にとっても良かったのではないかと思ってしまいます。。

 マイスターのp92にはオルディーンが暗殺されたのはマイスターの百年ほど前と書かれていたので、もしかしたらプリズナーから十数年後にはラルフィントは統一されているかもしれませんね。





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[470] RE:ハーレムテンペスト Name:陣  Date:2013/05/04(土) 20:00



 まあ、彼自身にすれば「じゃあ黙って殺されてれば良かったというのか!?」でしょうが、結果的に見れば「そうだ!」としか言い様のない体たらくぶりですからね。

 ツキヨミのスレでも書きましたが、彼女にしても、少なくともオルディーンが意識を回復するまで、まさに「針の筵」などという物ではない立場に置かれていたとも考えられるんですよね。

 実際『エンゲージ』冒頭のオグミオスの死の場面を見ても、レナス家が山麓朝から相当な冷遇と白眼視を受けていた感じも伺えるわけで、ミラージュ戦役にいたるまでの、山麓朝とレナス家の関係もまた注目の一つ。


 ただし『カーニバル』以後の、本作をも含む、ラルフィント系作品群を見るに、「統一」を行うのは必ずしもレナス家とは限らない感じになってきてますよね。

 (実際、ラルフィント系の元祖である『剣舞』では、まだレナス家は登場していないしで。)

 特に意外なのは、雲山朝陣営の充実ぶりであり、王家をはじめ、明らかにこれまでのレナス系の描写を大きく上回る感じで、久しぶりの『アサシン』も、それを超えるだけの説得力は無いという感じ。


 その意味も含め、とにかく自分としては、むしろラージングラードとマリオベールの今後の登場に注目なわけですが。





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[603] ハーレムテンペスト(セイバー追加) Name:陣 HOME  Date:2013/10/19(土) 16:31



 残念ながら直接のフォローは無し。

 それでも重要なのは、この「両朝分裂」こそが、まさにこの世界全体の「乱世」のはじまりという部分か。





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[716] ハーレムテンペスト(フォーチュン追加) Name:陣 HOME  Date:2014/04/29(火) 20:51



 タニキスが「大魔法」を口にする場面で、当然こちらを連想。

 彼女の先祖もまたこの時代から譜代を務めているのか否かと。





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[864] ハーレムテンペスト(クイーン追加) Name:陣 HOME  Date:2014/06/19(木) 21:09



 「ラルフィント分裂」の開始について「王弟オルディーンの謀反」以来との説明が登場。

 当然、山麓朝側としては受け入れられない解釈でしょうが、皮肉にもその山麓朝自体が、まさに「終りの始まり」を迎えているというわけで。





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[1237] ハーレムテンペスト(マスカレード追加) Name:陣 HOME  Date:2014/08/14(木) 12:09



 時期的にはまだ結構離れている感じながら、この作品の(時期的に最も近い)続編的とも言える最新作。

 エリックの曽祖父の話もさりながら、カハシャールの戦死が、ガルシャールの体制にも大きな影響を与えていた事が判明。

 あと気になったのがバルザック。

 この時期の状況もですが、「山麓朝発祥の地」とも言える、この地域が後の歴史においてどういう経緯を辿ったのかも気になると。





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[1624] ハーレムテンペスト(コロシアム追加) Name:陣 HOME  Date:2014/11/13(木) 21:44



 ギャナックの「その後」をはじめ、本作のアフターとしても、さりげなく重要な感じの最新作。

 「適当な豪族」になっていた、レナス家の本作以後も気になりましたが。

 (そしてそれらに比べて影が薄いのが「山麓朝」で。)





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[1849] ハーレムテンペスト(ジェネラル2追加) Name:陣 HOME  Date:2014/12/17(水) 20:17



「最後に女で大火傷」で連想。

果たしてこちらの「四人組」の反応は如何に。





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[2287] ハーレムテンペスト(パンデモニウム追加) Name:陣 HOME  Date:2015/04/20(月) 19:16



「国王の油断」という部分で連想。

果たして「愚行」という点ではどちらが上か。





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[2839] ハーレムテンペスト(フェイク追加) Name:陣 HOME  Date:2015/10/20(火) 08:40



「巻末の不幸」という点で連想。

果たして山麓朝側の概略が描かれるのは何時の日か。





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[3105] ハーレムテンペスト(マーチャント追加) Name:陣 HOME  Date:2016/01/03(日) 12:44



「宴の後」という点で連想。

ただしあちらは改めての説明は不要と。





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[3168] 判官贔屓? Name:陣 HOME  Date:2016/01/18(月) 19:03



 先生の近況報告で、最近の騒動に絡んで述べられてましたが、シリーズ作品となれば当然にこれ。

 たとえ気紛れでも政治的に馬鹿には出来ないわけで。





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[3170] RE:ハーレムテンペスト Name:転愚  Date:2016/01/18(月) 20:42



まあ、この作品を読むと今年の大河
でも散々な描き方されるでしょうが
徳川家康という男の賢明さというも
のを改めて痛感しますね😅
確かに秀頼母子を殺さずに江戸幕府
を樹立出来ればパーフェクトだった
んですが、十年以上その手段を探し
た挙句不可能だと知った時点で例え
タヌキ呼ばわりされようと必要な事
をやり遂げてから死んだ点で😄





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[3171] RE:ハーレムテンペスト Name:陣  Date:2016/01/19(火) 12:46



 山麓朝としては「恩情」と「忘恩」を強調したいところでしょうが、実質は「油断」と「下心」ですからね。

 こちらもおそらくは抹殺されたと思われる「ヴラッドヴェインの功績」もですが、そうした真の「敗因」と「勝因」を糊塗した事もまた、後の山麓朝の不安定さにつながっていった感じも。





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[3412] ハーレムテンペスト(カジノ追加) Name:陣 HOME  Date:2016/05/10(火) 11:03



「雲山朝を作った男」の名が久しぶりに登場。

果たしてそこまでの子孫が描かれる日は何時か。





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[3593] ハーレムテンペスト(9月新作前) Name:陣 HOME  Date:2016/08/04(木) 23:34



 期待の「ラルフィント南部」と「南東国家」の初登場作品。

 それだけにまた改めて注目と。





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[3777] ハーレムテンペスト(アバンギャルド追加) Name:陣 HOME  Date:2016/09/11(日) 22:00



時期が正式判明。

これによってシリーズ全体の枠組も明確に。





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[4453] ハーレムテンペスト(10月新作前) Name:陣 HOME  Date:2018/08/26(日) 00:16



いよいよ実質的な続編登場。

こちらとの関係がとにかく注目で。





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[4571] ハーレムテンペスト(プロヴィデンス追加) Name:陣 HOME  Date:2018/11/08(木) 11:52



まさに恥の上塗りまくりというしかない惨状ぶり。

ツキヨミの未言及やリフィルの逐次投入も含め、この面々の中で深刻な対立や責任追及があったのも容易に伺える。

とにかく今は支持の覚束ないゴットリープの前でカルシファーを撃破するしかないという感じ。

最終的にバルザックに「遷都」するためにも。




[No.242] 2019/02/24(Sun) 22:53:39
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