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all リレー小説会場(ルール説明と冒頭) - ミチル - 2019/03/09(Sat) 00:10:43 [No.30]
1話 - 頭文字D - 2019/03/16(Sat) 08:55:33 [No.31]
2話 - 皇帝 - 2019/03/18(Mon) 18:29:55 [No.32]
3話 - ほるこ - 2019/03/19(Tue) 20:48:09 [No.33]
4話 - 伊東です - 2019/03/19(Tue) 22:25:50 [No.34]
5話 - ほるこ - 2019/03/19(Tue) 23:33:15 [No.35]
6話 - 皇帝 - 2019/03/20(Wed) 04:13:08 [No.36]
7話 - ほるこ - 2019/03/20(Wed) 21:36:33 [No.37]
8話 - 伊東だよ - 2019/03/21(Thu) 01:07:08 [No.38]
9話 - 頭文字D - 2019/03/21(Thu) 09:09:38 [No.39]
10話 - ほるこ - 2019/03/21(Thu) 18:36:17 [No.40]
11話 - 皇帝 - 2019/03/21(Thu) 21:22:37 [No.42]
11話 - 伊東だっけ? - 2019/03/21(Thu) 20:52:25 [No.41]
12話 - ほるこ - 2019/03/21(Thu) 23:01:50 [No.43]
13話 - 皇帝 - 2019/03/23(Sat) 07:59:46 [No.44]


6話 (No.35 への返信) - 皇帝

インザヘール、ダイブトゥザへール♪
ウェルカムトゥーザ、スカーイ♪
ゴートゥヘル!

へるへるへると、歌いだす魔法少女を名乗る謎の生命体……生命体かどうかも怪しいこの謎の存在が、安っぽいステッキを使って二人の人間を地獄へ招いていく。
背中を見せたかと思えばくるくる回って正面を見せて後ろ歩き。うなぎパイVSOPを叩き込む隙はまだ来ない。
それにしても小林なのか。
それともミッチルンなのか。
どうでもいい謎すら今の退屈な時間には有意義な思考運動となる。
ていうかドリーミィ成分どこ逝ったよ……。
せっかく鈴木と一緒に夢のドリームトラベラーを満喫できると思った矢先のこの苦行よ。
「くっそ……なんだこれ、地獄じゃねぇか」
「そう言ったッす」
「田中はだらしないな。運動していないからじゃないのか?」
「そ、そんなことねえよ! これくらい……」
愛しき鈴木の手前、弱音を吐いているわけにもいかない。
とはいえ長き道は細い石段、まるでどこまでも続く龍の背を渡るが如き苦行……道を踏み外せば奈落の底よ……。
この果てにあるのは何なのか、いまだ見えてこない。
「オレ、これ知ってるぞ。ドラゴン○ールで出てきたやつだろ」
「お!? わかるッすか? 有名ッすからね〜」
嬉しそうに振り向いてステッキを振り回すのはやめろ。
そこかしこにゴロゴロと落ちていく雷と謎の獄門を見下ろしながら、オレは徐々に無心になりつつあった。
いつまで続くかもわからないこの道を、鈴木がいなければもうとっくに諦めていただろう。
まるで賽の河原で石段を摘み続ける少年の如き精神鍛錬。
これが、地獄の試練か……。

そのように意識散漫に、注意を逸らしたオレの肩を、とんとんと、鈴木が小突いて振り向かせる。
「ねぇ田中……」
その濁りの無い声は、まさに砂漠の中に存在するオアシス。
乾いたオレの心を一瞬で潤し、花咲く脳内に甘い蜜を垂らしてくれる。
ああ鈴木、マイスイートハニー。聞こえているとも。
「な、なんだ? 疲れたんならおんぶしてやるぜ?」
「いや……死んで?」

 トンッ

 ガラス細工のような華奢な手が、オレの身体を奈落へと突き落とした。
 浮遊感――に、追い討ちをかけるウィスキーボンボンvsopによる追撃。
 ああ……こういう素っ気ないところも嫌いじゃない。
 薄れ行く意識の中で、オレは頭上に雷が落ちるのを見た。

「とりあえず確保ッす! ノルマがあるので、死なれちゃこまるッすからね〜」
「チッ」

 んまあでかい舌打ちですこと……


[No.36] 2019/03/20(Wed) 04:13:08

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